サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2010.12.03
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 「尖閣ビデオ漏洩事件」は、全体的なそうした各官庁の弛緩した規律の結果として現れたのであって、これは何も海保だけの問題ではなかった。消極的なレジスト、あるいはサボは外務省とか検察の振るまいにも現れているので、早い話、今だに例の海保職員の処分は、どこからも何も決まっていないのです。

 当の海保職員自身も、自らの意思を示すことなく、おそらく世論の動向を見ながら、傲然と海保に留まったままです。これもまた民間の会社組織なら、あり得ない、即、放逐ですよ。本人もまた自らの仕出かしたことについて、井戸端的マスコミの取り扱いや浅はかな世論に影響されて、かん違いしているのです。
 これ以上この職員の追及はしません(不生産的、かつ不愉快なので)が、最後に付け加えるとするならば、「海保の現場の実情を、公開しない政府はおかしい」という「義憤」にかられて、好き勝手に内部情報をネットに流すのが、公然と許されるのであれば、国家は国民に対して安全を保障できないことになる。この職員が「フジタ社員拘束」がどういう経緯で解かれたのか、ということをネット喫茶で漏出させるとき、頭にあったとは思えず、もっぱら「尖閣衝突映像を公開しない政府は許せない」、という一点だけに血が昇っていたはずで、北京で細野さんと中国高官のあいだで取り交わされた密約が、おそらくこのビデオ非公開との交換条件だっただろう、という想像力を働かせることはなかったのです。

 となれば、このビデオ流出は何を目的として行われたのか?この職員自身の願望を類推すれば、「海保の現場がやっている現状を、みんなが知ってほしい」ということになるのですが、要は自組織の都合だけしか眼に入っていない。我が身良ければ、他はどうなってもよいのか?在外日本人の身辺を危険に曝すことについて、何か責任を負ってくれるのか?海保組織は国外での紛争について、何か具体的な施策が打てるのか?
 もちろんそんなものがあるわけがないので、上のような指摘をした場合、おそらくこの職員は「そんなことは夢にも思わなかった、何しろ実情を知ってほしい一心だった」と答えるでしょう。ではその結果残されたものは何なのか、ということなのですが、非常に簡単で在外日本人(とくに中国)の安全性の危険度が増した、という一点だけです。同じような紛争は間違いなく、多分比較的近い将来また必ず起こる。そうした紛争解決の手段としては、「この手は使えなくなった」ということです。
 北京政府はおそらく必ずこう言って来るでしょう、「あなたがた政府と交わす密約は、信用出来ない」と。「なぜならあなたがた政府は、密約の中味をコントロール出来ないのだから」。この言い方は国同士のやり取りで言っているだけで、民間に置き換えたら何を意味するか、誰にだって分かる。先ほど「即、放逐」といったのは、このことを指します。

 本人の「意図」とか「願い」とかとは関係なく、「結果責任」というものが世の中にはある。おそらくほとんどの皆さんは、もう忘れておられると思いますが、三年ほど前に「長崎市長銃撃事件」というのがあって、犯人が身勝手な自己都合の言い掛かりをつけた暴力団だったということで、政府もマスコミも(地元長崎は別として)あまり大きく取り上げなかったことがありました。
 その時のブログ(インテルメッツォ 22.)で、私は時の政府(安倍さん)やマスコミの取り上げ方が手ぬるいと、何度も言いました。

― 犯人の動機が安っぽいインネンの連鎖(ヤクザの常套手段です)の結果であったとしても、しでかした結果は「本人の意思とは関係なく」充分に政治的であって、暴力ないし威力で持って公選された首長に意思を強要し、かつ謀殺するというのは、その時点で国家に対する反逆行為と言っていい ― (2007年04月18日)

 結局この点(本人の意思とは関係なく、引き起こした結果責任の重大性)を、キチンと厳しく指摘したのは、私の知る限り長崎の地方裁判所だけだったのではないか、と思っています。
 どうもこの辺の話題になると、日本の政治家やマスコミは、感度がなぜか悪くなるような気がする。

― つづく ―





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Last updated  2010.12.03 11:47:32
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
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