サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2012.01.07
XML
カテゴリ: カーネーション
 どうやら来週あたり、糸子の「変容」のカギを握っているらしい安岡のオバちゃんと奈津が出てきそうなので、今までに現れた糸子的発想の特徴をキーワードのようなものにまとめてみましょう。
 これまでの逸話で糸子的「単独自立主義」の考えかたをハッキリと現しているのは、「手柄」と「身内」という言葉だと思うのです。

 彼女が勝と結婚することになったとき、周囲の大騒ぎと対照的に本人は白けるばかり。それを糸子は「これは自分の『手柄』と違うし」と言っていましたね。自分の腕が紡ぎ出す裁縫は、彼女にとって紛れもなく自分の「手柄」なのですが、他人が持ち込んだ祝い事というのは、たんに「気色悪い」だけでちっとも気合が入らない。何で「気色悪い」のかといえば、自分の身柄が自分がコントロール出来ない仕方で、外部から勝手にいじくられるからでしょう。
 これが今回は「慶事」だったから「気色悪い」で済んだものの、同じような仕方で「凶事」が外部から侵入して来た場合どうするのか?それこそ、例の国防婦人会の澤田支部長とのバトルの原因なのでした。自分の腕だけを生業(なりわい)の根拠にしている糸子にとって、他所さんの権威(「愛国心」とか)など無関心の極みなのですが、そうした他人の権威をカサに着て、身内の生業に彼女たちは土足で入ってくる。その借り物のマインドをなんとも思わない姿勢がガマンできないのです。「自分の『手柄』でも何でもないのに、何を偉そうな!」ということでしょうか。
 彼女はその意味では、まことに非政治的な人間なのです(他人を言い含めるなら、「愛国的」でも「非国民」でも構わない、というようなエピソードもありましたな)。

 もう一つは玉枝に面罵された翌日、八重子の「もとは好え人なんやし、しばらくは辛抱してあげんと」という取りなしに対して、「ウチはあんたらの身内と違う(から、辛抱するいわれはない)」とは、糸子的考えかたから必然的に出て来る発想でしょう。世の中を外部(敵)と身内という「二項対立の図式」で裁断すれば、世界は限りなく単純化され行動しやすくなるのです。
 この場合、外部(敵)が大きく立ちはだかるほど、糸子のパワーは増大するという仕組みになっている。なぜなら、外部に敵を定置すれば、その間は我が身をいちいち省みる必要がない(行動だけしていれば良い)から。これって(今はやりの)「強者の論理」で、腕に自信のある当時の糸子にとっては自然な発想なのでした。

 さて、こうした今現在のスカーレット的「単独自立主義」の在り方を突き崩すのが、何度も言うようにどうやら玉枝、奈津(そして、すでに死んだ勘輔)という創作上の人物らしいのですが、どのタイミングで、どのようにしてこれらのカードを作者が切ってくるのか?注目していたところが、それがどうやら両者絡みで出て来そうなのです。
 さらには、夫勝の話も出て来るらしいところを見ると、どうも作者は物語前半の括りを一挙に行ってしまうかとも思え、多少の危惧も抱かざるを得ません。戦後の話が、子育て物語と並行して急いている以上、ある程度の拙速はしょうがないのかもしれませんが、安易な手法と月並みな明示性にだけは到ってほしくない。
 今までが、とくに安岡のオバちゃんの面罵以降、予想をはるかに超える出来ばえで、自然観ているこちらの期待のハードルも、どんどん高くなっているということを勘案したとしてもです。
 いずれにしても、来週は見逃せませんね!

― つづく ―





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.01.07 16:11:50
コメント(0) | コメントを書く
[カーネーション] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Calendar

Archives

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01

Profile

TNサリエリ

TNサリエリ

Comments

TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

Favorite Blog

まだ登録されていません

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: