サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2013.01.08
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カテゴリ: カーネーション
 我々が普段感じている時間感覚というのは、客観的な時計とかカレンダーを周囲から取っ払ってみれば、あんがい曖昧な信憑に拠っているわけで、過ぎ去った記憶の整序はたぶんコトバが行っているのだろう、次々ランダムに蓄積されてくる外部データは、コトバで「物語られる」ことによってはじめて秩序づけられる。で、その秩序感を私たち人間は、例えば「時の経過」という仕方で認識しているのだろうということなのです。私はそれを「日にち単位の折りたたみ」という仕方で蓄積されていくのだろう、とお話したわけでした。
 時計やカレンダーがなくても日にち単位の区切りは、覚醒と睡眠という身体感覚で誰でも意識するわけです。それが昼と夜の太陽と月の交代というような、何やら人智の及ばぬ天体の運行と関係しているらしい。で、それがよりダイナミックな季節単位、年単位という大きな周期性とも連動しているらしい、と古代人が考えたのはごく自然な成り行きであったでしょう。

 と言われたって、現に客観的な時間が、この世には流れてるじゃん?と反論されそうですが、ここ最近の物理の入門書や時間論などをみていると、はたして客観的な時間などというものが本当に実在するのかどうか、何やら怪しくなってくるのです。少なくとも物理で示される時間=t(time)という概念は、3次元+1という座標系の単位に過ぎず、t(時間)そのものが本当に実在するかということに関しては、それじたいは何も説明しているわけではない。たんに「あるのだろう」という我々の漠然とした信憑だけで使われているのではないかしらん。
 それはこの世の事物や現象を物理的に説明するさいに、一つの「物差し」として想定されているのであって、それ以外の何ものも意味していないということです。逆にそうであることによって、数理的には-t(反時間)だのit(虚時間)だのにいくらでも拡張できるわけで、そうすれば我々の日常感覚とはまったく懸け離れているけれど、素粒子レベルの物理現象については、もっとうまく説明できるということなのでしょう(想像ですよ)。反粒子というのは時間逆行(過去からやってきて、未来へ飛び去っていく)型の粒子だというような議論は、まさしくこの種の「物差しの拡張」によってなされるものだと思うのです。

 話がますます晦渋になっていますが(本人が分からないまま、しゃべっているので)、ここ最近の物理の入門書を読んでいると、世にポピュラーなアインシュタインの「相対性原理」よりも、「量子力学」のほうがよほど現実の生活には関わっているらしい。「相対論」は文系の我々にとっては、いわば「頭の体操」的な知的遊戯のレベルなのですが、「量子力学」はすでに日常生活にはるかに深く入り込んでいる。原理的な解明は後回しにして、とりあえず量子的効果を利用する技術は、半導体だの量子暗号、量子コンピュータといったぐあいに、どんどん進んでいるらしいのです。
 というわけで、「量子力学」の基礎概念ぐらいは知っておこうかと入門書を引っぱるのですが、どれも肝心なところでまるっきり腑に落ちないというもどかしさが残る。これは何も書き手の専門家の説明がヘタということではなくて、「量子的効果」を日常感覚に置き換えて説明するのが、基本的におそろしく困難なうえに、一見分かりやすい説明がかえって大きな誤解を招く、というところがあるのではないか?したがっていずれの入門書も入り口はとても緩やかで、途中からいきなりまったく理解不能の世界にジャンプするという形を呈するのです。理系の頭は「日常」をどこかですっ飛ばして、中空で数式だけをどこまでも展開できるようになっているらしい(と、負け惜しみ)。

 とはいえ、理系の時間論がまるっきり分らないまでも、何となく面白いのに比較して、文系の哲学的な時間論の退屈さ加減は、いかにしたものでしょうか?あたかも素人をこの手の議論から、ことごとく追っ払ってしまおうとしているかのようですね。

― つづく ―





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Last updated  2013.01.08 12:21:51
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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