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01. Faron Young
02. Bonny
03. Appetite
04. When Love Breaks Down
05. Goodbye Lucille #1
06. Halleluiah
07. Moving the River
08. Horsin' Around
09. Desire As
10. Blueberry Pies
11. When the Angels

■ジャケットが良い。ダンデムシートに、憂鬱そうな４人に、薄もやの背景。もちろん誰も笑っていない。ギンギンのハードロックを聞こうとしてこのアルバムを手に取る人はおそらくいないだろう。

■Prefab Sprout が好きだという人は、みんなちょっと、ひねくれている人だと思う。一周だけ聞いている分には、何かモヤモヤしていて、深い森の中とか、そんなに深くない海の中の音楽のように聞こえる。だんだん聞き込むにつれ、声だとか、メロディとかが、どこかで聞いたことがあるようなものには思えなくなってくる。

■とてもキャッチーな音楽というわけではない。しかし聞けば聞くほど、聞き手が骨抜きにされてしまうような音楽である。ジャンル上は８０年代後半のネオアコ路線の一枚に分類されるのだろうが、ちょっと説明できないくらいのワン＆オンリー感がこのグループにはある。カントリーでもあり、フォークでもあり、ロックでもあり、結局はPrefab sproutである。

■彼らの２枚目のアルバムである。８５年作品でプロデューサーのトーマス・ドルビー色が強い作品と言われている。たしかに彼の影響で「素」の楽曲にとてもポップな味付けが加わっている感じがする。M4 はいわゆる Love Songs の定番曲。10cc の I'm Not In Love だけに歴史的意義があるわけではない。ぜひ３回繰り返してこの曲を聞いてみて下さい。実はこの曲以上に、このバンドにめぐりあうきっかけになったM5 が大好きだ。ぜひ４回繰り返して聞いて欲しい。タイトルは「ジョニー・ジョニー」とも言う。このアルバムのM2からM5までの流れは本当に美しいと思う。

■ちなみにこのアルバム、タイトルは「Steve McQueen」。あの有名俳優の名前だが、その響きは何ともかっこいい。しかし、アメリカでは彼の遺族からの抗議があってタイトルを変更せざるを得なかったそうだ。まあ、嫌がっている人がいるなら仕方がない。で、US盤のタイトルは「Two Wheels Good」になった。私の持っているのはUK盤なので原題のままである。

■このバンドの中心人物、つまりTalking Heads でいうところの David Byrne にあたるのがパディ・マクアルーン。ほとんどの曲のソング・ライティングは彼の仕事。ネイティブにはこの人の書く詞はすごく浸みるんだと思う。コステロ的でもあり、ディラン的でもあり、スティービーワンダー的でもあり、ポールマッカートニー的でもある。でも、パディ・マクアルーンなのである。

■Prefab Sprout っていう名前は「プレハブ（づくりの）新芽」という意味だ。sprout には「若者」という意味もあるそうだ。好きなバンドは？って聞かれて、このバンド名を答える時って、ちょっと相手を選んでしまうような所はたしかにある。

■で、恒例のこのバンドの３枚であるが、これはもう、この「Steve McQueen」と「Jordan:The Comeback」そして吉本ばななも大好きな「Andromeda Heights」で決まりである。

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Last updated 2005/10/04　09:08:01 PM
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■コメント

Re:Steve McQueen / Prefab Sprout(10/04)

KYONTAN さん

ワン＆オンリー感とはよく言ったものですね。
何にも変えがたい魅力をもったバンドです。
そしてこのアルバムには、本当に思い入れがある私です。
別れの朝、ターンテーブルにWhen Love Breaks Down
のＥＰを置いて行ったくらいですから（爆）
聞くと切なくなりますね。
秋の夜長に、物想いに耽るとき
ひとりでひっそりと聞きたいアルバムです。
(2005/10/04　09:27:49 PM)

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こんばんわ

ちびぱく庵さん

「Two Wheels Good」ってボーナス盤のタイトルと勘違いしてました（汗）じゃあ、持ってるのはUS盤（笑）

なんか黄色っぽいベストも家にあります。

ちなみに私の好きな３枚は「スティーブマックイーン」と「プロテストソング」と「ラングレーパークからの挨拶状」です。 (2005/10/05　12:16:53 AM)

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Re:Steve McQueen / Prefab Sprout(10/04)

サリィ斉藤さん

Prefab Sproutを聴くと、よしもとばななの文章が頭をよぎってしまいます。一時期、いろいろなところで紹介していましたよね。
このジャケ写の感じは、すごくいいですね。これからの季節にまさにはまる感じで。 (2005/10/05　01:31:30 AM)

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愛が壊れる時

デヘヘヘラーさん

KYONTANさん

すごくパーソナルなバンドですよね。あまり複数では聴きたくない。それゆえ、パーソナルな想い出も数多く起こりうるわけです。WHEN LOVE BREAKS DOWNの話はここに書いても平気なんですか？ちょっと心配、削除するなら、いつでも言って下さい。（笑） (2005/10/05　08:50:35 PM)

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プレハブよりは２バイ４

デヘヘヘラーさん

ちびぱく庵さん

また、好みが渋いんだから・・・
黄色っぽいベストはおそらく「３８カラット」という２枚組でしょう。デビュー作Lion・・・からアンドロメダまでの代表曲が入っています。一番手っ取り早いプリファブですよね。
似たようなヘンな名前のバンド、日本でいえば「突然段ボール」かな。 (2005/10/05　08:55:06 PM)

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イギリスの人間失格

デヘヘヘラーさん

サリィ斉藤さん

吉本ばななと書いて、何か違和感があったのですが、そうか、全部ひらがなだったんですね。よしもとばなな、なるほど。
なんかこのバンド、太宰治っぽい。私だけに語りかけてくるって思わせるところがとても似ています。このジャケット、ＬＰで手に入れたいですね。 (2005/10/05　08:58:44 PM)

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"Steve McQueen"は

elsur さん

永遠の「青春アルバム」です。プリファブは本当にパーソナルなバンドだと思う。何というか、「このバンドいいよね」と、彼らの音楽を他人と共有することを拒否するものさえ感じられるというか。ほんとに不思議なバンドです。そうして、そうなんです、彼らのどのアルバムでも感じることなのですが、曲のオーダー（流れ）がいつも見事なのです！
わたしは最初に出会ったのが「From Langley Park To Memphis」だったから、個人的な思い入れはこちらの方が強いかな。でも「Jordan:The Comeback」も「Andromeda Heights」もやっぱりはずせないアルバムなのです。 (2005/10/12　03:32:29 PM)

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超個性

デヘヘヘラーさん

elsurさん、おかえりなさい。

＞彼らの音楽を他人と共有することを拒否するものさえ感じられるというか。

言い得て妙です。これこそ、何かを好きになる気持ちなのではないでしょうか。

＞曲のオーダー（流れ）がいつも見事なのです！

それは特筆に値しますね。実はNEIL YOUNGにも同じこと言えるんです。

それにしてもこのバンド、本当にブログ向けのバンドだと思います。 (2005/10/12　08:35:35 PM)

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