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2位阪神がルーキー佐藤輝明内野手(22)の復活弾で逆転優勝へ望みをつないだ。敵地広島戦の2回に約2カ月ぶりの1発となる24号先制3ラン。これが決勝点でチームは4連勝とした。
一方の首位ヤクルトは巨人に勝ってマジック2。阪神は26日に中日戦(甲子園)を残すのみで、この最終戦に勝って最短29日の「待機V」につなげたいところ。目覚めた怪物ルーキーとともに聖地で運命の一戦だ。
右翼の鈴木誠は1歩も動かなかった。佐藤輝はスタンドインを確信し、バットを掲げ1歩、2歩…。右翼席最深部へ着弾を確認するとゆっくりと走りだした。
「打った瞬間、いったと思いました。すごく久しぶりだったので、すごい、気持ちよかったです」
8月19日DeNA戦(東京ドーム)以来の24号3ランは2回1死一、三塁。カウント1-2から九里の内角140キロ直球を、バットの根元寄りで打ち返した。それでも特大の推定飛距離135メートル。「相手の攻め方も分かってきているんで、そういうのも頭に入れながら」。追い込まれてもフルスイングを貫き、今季24発中12発が2ストライクから。ベンチ前では久々の「Zポーズ」を繰り出した。
前半戦だけで20発放った怪物ルーキーだが、後半戦はプロ初の2軍降格、NPB野手ワーストの59打席連続無安打とどん底だった。打撃練習でさえ、満足な打球を飛ばせない期間もあった。
それでも「とにかく自分のできることを心掛けて、あとはしっかり打てるように」練習するしかなかった。甲子園でのゲーム日は同期の中野とタクシーに乗って練習開始の1時間以上前の球場入りがルーティン。目の前の「できること」を積み重ね、8回には痛烈な右前打。1本でよしとせず、直後に坂本のダメ押しの2点適時三塁打を呼び込んだ。
矢野監督は「ええところで出てくれてよかった。今後のことも考えて、テルが打ったことも明るい材料の1つ」と喜んだ。ナイターで勝ったヤクルトがマジックを2に減らし、26日は阪神が敗れ、ヤクルトが勝てばV逸となる。文字通り大一番となった。
矢野監督 ヤクルトが負けてくれないと、っていう条件がついたにしても、いいプレッシャーはかけられていると思う。残り1つ、そこを目指して戦い切るしかない。
指揮官の力強い言葉に佐藤輝も続く。「僕たちは、僕たちの、ヤクルトの結果とかではなくて、自分たちの試合にしっかり集中して、あと1勝絶対したい」。前回05年の優勝時はまだ6歳だった輝明少年がもうひと暴れし、逆転Vの可能性をつなぐ。
ニッカン
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