心の健康

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2009年02月27日
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如来様を愛した女ー1 ulalan@ 浦蘭 嶋多朗(みおつくし3月号より)

「如来様、わたくし毎夜、寝付きが悪くどうしたものかと悩んでおります、何か良い秘術などございましたら是非ご伝授いただけたらと、厚かましいお願いとは存じながらも、お尋ねさせていただきたく、こうしてご相談にあがった次第でございます。もちろん精神科医や心療内科で睡眠薬、睡眠導入剤なども使用しておりますが、出来ることならば薬物依存では無い、何か良い方法は無いものかと」

「それはそれは、お苦しみですね。それならば自己催眠療法がよろしいでしょう、要は自分で自分に催眠をかけるというものです。羊が一匹、羊が二匹と数えながら、いつの間にか眠るのと似たものと思って頂いてけっこうですが、それだと五十匹、百匹まで数えても眠れない時もあります。自己催眠は眠る寸前のトランス状態に素早く脳と全身を導くコツを身に付けることが大切です、ただ、毎日繰り返しても完全に身に付くまで三か月とか半年くらいはかかるかも知れませんよ、ただ、一度コツをつかめば、三分から五分くらいで眠れるようになります」

如来は_志子に優しく、解りやすく、まるで良寛様が子供達を諭すように微笑みながら目を見据えて、心と魂から湧き出る言葉で、じっくり話しかけ、説明した。

「貴方のような慈悲深い人に、まさか60才という、この歳になって巡り会えるとは、本当に夢にも思いませんでしたよ。10年前に主人を亡くし、今日まで只々、ひたすら亡き主人の代役を恙無く引き継ぎ、大きな失敗は許されぬと自分自身に言い聞かせ、心に誓い、生きてまいりました。貴方は本当に私から言わせると釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来などの如来様の生まれ変わりとしか思えません」と、_志子は、何度も如来に向け、こんな事をいつも繰り返し言っている。

如来は_志子の目を見つめながら、諭すように優しく言う「アナログで生きて来た人々が消えてゆき、デジタルで育つ人々がどんどん増えている、そして試行錯誤したり自問自答、自分自身の頭と心で思考する人々が、マニュアルで生きていく人々へ世代交代してゆく」そして、今の世の中はこんなものだと言わんばかりに言い続ける、「昭和から平成に生きている人々は、将来未来、どんな人間に変貌していくか謎のまま、実験的に生きている、やがて色々な歪みが表面化し、親族殺人や通り魔的殺人、誰でもいいから殺したかったという人が、いつの間にか育ち、何かのきっかけで殺人犯に豹変する」

この女性は今までに何度かカウンセリングをし、不治の病を煩い、それこそ余命数年と医師に診断され、私に思い悩むことを何かと相談に来られ、私の伝える一言一言を素直に純粋に心の奥深く浸透させてくれた。
古風な考え方、振る舞い、容貌、共に明治、大正の生まれの祖父母の影響や封建的とも思われる環境に育ち、なおかつ見合い結婚した先方の環境も。これ又、凄まじいプレッシャーの中で生き続けた50年間という半生を過ごし、そんな人生の大半を生き、60年目して私と巡り会った。






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最終更新日  2009年02月27日 22時35分33秒
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