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ある冬の日 小鳥たちがベランダの餌箱のところで この家のご主人が 輪切りにしたみかんをを啄んでいました。そこに 音もたてずに のっそりと野良猫がベランダにあがってきました。すると小鳥の一羽が「みんな注意していつもの猫がきたわ、食べられないようにしましょう」と 飛んで行ってしまいました。猫はその声に「何だお前たち、オレは小さい時からここに来ているんだ。お前たちは冬の間だだけじゃないか、オレはここのご主人と仲良しなんだ、時々美味しい餌も貰えるんだぞ、お前たちを食べなくても生きていられるのさ」と紫色の綺麗な花の前でゴロンと寝そべりました。それを花梨の小枝で聞いていた一羽の小鳥が「なーんだあの猫は私たちを食べたりしないんだわ」「いつも光った目でじっと見ているから怖いと思っていたの」すると、もう一羽の小鳥が、「そうね この間 ここのご主人があの猫と話ているのを聞いたわ、「あんた小鳥を狙っちゃだめよ、だいたいあんたに小鳥を捕まえることなんて出来ないよって、あの猫ご主人の言葉がわかるのかしら」それを聞いていたうたた寝の猫は薄目を開けて「もちろんさ、オレは人の言葉がわかるさ、だから、お前たちを捕まえていないだろ、だけど、こんなに気持ちの良い昼寝の時間を邪魔したら、いつか飛びかかるぞ」と言いました。その話を窓越しに聞いていた ここのご主人が「まぁまぁ小鳥さんも野良ちゃんも仲良くしなさい、どちらも私の大切なお友達なんだから、それに小鳥さんは、もうすぐ春が来ればお山に帰っていくんでしょ」と言いました。その言葉に小鳥はちょっと寂しそうにチッチッッチとさえずり野良猫も大きなあくびをしながら満足そうにニャオ~ンと鳴きご主人は、温かい春 早く来ないかなぁ~~て言いながら部屋に入って行きました。
2015年01月26日
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もう10年も前の この月あの人との出会いは 八幡宮の朱い鳥居の下私はコートのフードを頭からすっぽりかぶり参拝者の雑踏と 冷たい風を避け立っていた時間が流れ 流れても まだ来ないあの人固い約束の 胸のときめきは いつしか 落ち着かないざわめきに連絡の手段を持たないあの人に 何が起きたのだろう 不安で苦しくなるもう帰ろう もう帰るわ その時遠くから 私の名を呼び手を大きく振り人の波に逆らい 走ってくるあの人ごめん ごめん ごめん日本の正月が こんなに込んでいるなんて 想像もできなかったと いきなり人前で ハグしたあの日髪を振り乱し 額に 鼻の頭に 大汗かいて走ってきた人の眼差し 息遣い 胸の音 手の温もり どれも これも 幾年過ぎても忘れないそれが私の供養 思い出すことが 水仙を愛でた あの人への想いいつか 空の上で 逢えるまで
2015年01月14日
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今年も実家の庭に蝋梅が咲きました花芯が深紅の この蝋梅は和蝋梅と言われていますその可憐な姿はまるで 追い羽根のようで正月の庭に 馥郁とした香を漂わせていますこの梅が咲くと 思い出す歌がありますうめ いちりん いちりんづつの あたたかさ(嵐雪)春を待ち焦がれる昔の人の心ってなんて素敵なんでしょうね
2015年01月09日
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