あま野球日記@大学野球

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2009.12.31
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カテゴリ: 大学野球

2009年11月22日に行われた 「セ、パ両リーグ誕生60周年記念試合・プロ選抜vs
大学日本代表」
のこと。


■5回裏、二塁打コースの打球を左中間に放ちながら一塁にストップしていた 中田翔
(日本ハム、大阪桐蔭高)。次打者・ 銀仁朗 (西武、平安高)の右前安打で二塁をまわ
り、(なぜか)一旦ストップした後に三塁へ走ったものの、ベース直前でタッチアウト・・・。

ライトを守る 越前一樹 (立正大3年、横浜高)の好返球は見事だったが、中田の走塁
はあまりに恥ずかしいプレーだった。というか、哀れでさえあった。この中田にアウトを
宣告したのは、東京六大学リーグ所属の審判員・ 林清一 さん(早稲田実-早稲田大)。

この試合では4人の審判員が出場した。NPBが2名、アマが2名。林さんはアマ選出
の審判員として三塁塁審を務めていた。


■神宮でよく聞く審判名なので、ボクも名前だけは知っていたが、林さんの肩書は東京
六大学リーグ審判員だけにとどまらない。

他にも建設会社社長、日本野球連盟国際審判員、日本高校野球連盟審判員、全日本
リトル野球協会・リトルシニア委員会関東連盟理事などの肩書がズラッと並ぶ。そして
アテネオリンピックの際には、日本からただ一人派遣された野球競技審判員でもある。
アマチュア野球界の「大御所」的な存在と呼べば当たっているだろうか?

甲子園(高校野球)でも審判を務めているから、林さんは今日の試合に出場した多くの
選手たちの高校時代のプレーをジャッジしてきた。成長したプロ選手のプレーを直接
見ることも楽しみだったに違いないが、中田のプレーには愕然としたのではないか。

「アウト!」を宣告した直後、林さんの表情は怒りに満ちたものにボクには見えた。


■林さんの甲子園での過去のジャッジには、審判員としての厳格さを示すエピソードが
ある。それは1988年8月16日に行われた2回戦・豊田大谷高vs宇部商高戦。
この試合で 「甲子園史上初のサヨナラボーク」 といわれる高校野球史にページを刻む
事件が起きた。

(延長15回)
宇部  000 011 000 000 000 =2
豊田  000 001 001 000 00 X=3

その内容は---。以下、wikipediaから一部を引用。 

スコア2-2で迎えた延長15回裏、豊田大谷高は左中間安打とセカンドエラー、そして
敬遠もあって、無死満塁のサヨナラ勝利のチャンスを作った。そして次打者は7番・
持田泰樹。

カウント2-1から宇部商高の先発・ 藤田修平 が211球目を投げようとセットポジション
に入って腕を少し前に出した時、捕手・上本達之が示した2度目のサインに驚き、
投手・藤田は無意識に投球動作を中断し腕を後ろに戻してしまった

この行為を見逃さなかった 林清一 球審が、宇部商にとっては無情の「ボーク」を宣告
した。
 (以上、wikipedia)

◇このシーンはニコニコ動画で見ることができます →  こちら へ。


■以上が「甲子園史上初のサヨナラボーク」のあらまし。以前、「KY」という言葉が流行
したことがある。もしこの時、林さんが観客やテレビで観戦するファンの空気を読んで
いたら、ボークを見逃して藤田投手に打者と勝負をさせる方法もあった。だが林さん
はルールに厳格に従ってボークを宣告した。

後日、この試合を振り返って林さんは 「忘れることのできない試合です」 (※1)と話して
いた。そして藤田修平投手も後にこんなコメントを残している。
「あの炎天下の中で、ボークを宣告した林さんはすごいと思う。あの状況で冷静な判断
が出来ることがどれだけ難しいか。いろいろ言って下さる方もいましたが、結果的にミス
をしてしまったのは自分ですから。出来れば林さんとお話してみたい」
 (※2)
そして、
「あの場面で判定を下す審判の方も勇気がいったでしょう、それが分かった時からいい
思い出になりました」
 (※3)

(※1)と(※3)はブログ 『行くぞ メディック 離れるな!』 より引用。
(※2)はwikipediaより。


■林さんの毅然としたジャッジをたまたまテレビで見て、それがきっかけになって審判の
道に進んだ人がいる。それは記念試合で林さんと一緒に二塁塁審を務めた 秋村謙宏
さん。



大笑いウィンク

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Last updated  2010.03.10 02:32:29
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