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ang_chang @ うむ 喜んで発狂しようぞ!
斎庭のつっちん @ Re:ハンター×ハンター(09/22) 本当に嬉しすぎるね。 でも、また作者…
育児・子育て きらり @ //////見させて戴ました/////// こんばんは ブログっていですよね。 …
ang_chang @ Re:きらり510さま ありがとうございます! ず~っと書い…
きらり510 @ Re:11~ルールブック8(09/04) 今晩わ。 大変参考になりました。 …
2007.09.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類





ではでは、さっそく前回の続き。


今日はヒデ時代に編み出された必殺技を、

徹底的にエピソードでお伝えしていく。



でも、毎回毎回ビルの話もナンだから、

ちょっとここらでお題をかえよう。


いくよ。




エピソード:『前払い』



想像してみてね。




「1/1~12/31」の1年間で利益を計算しているとしよう。


で、だ。


あなたは、今年の「10/1」に

1年間の保険料(このさい、ナニ保険でもよい)を支払ったとする。


1年分の保険料は、12,000円だった。


じゃあ、この12,000円は、

まるごと今年の「費用」といえるだろうか?








わかったかな?


そう、今年だけの費用とはいえない。






その効果が持続するのは、

今年の「10/1」から来年の「9/30」までだ。


ここまでは大丈夫だよね。



でも、あなたの会社は、

利益の計算を「1/1~12/31」でおこなっている。





今年の「10/1~12/31」の3ヶ月ぶん、つまり3,000円ぶんは、

まちがいなく今年分の費用だ。


しかし、来年の「1/1~9/30」ぶん、つまり9,000円ぶんは、

果たして今年の費用といえるだろうか?


コレって、来年のぶんを

ただ今年払った(前払いした)だけなんじゃないの?



モッキー・チーコ時代には、

この前払いした費用はすべて、「今年の費用」だった。


『だって、今年払ってるんだもん』


そう主張していたのだ。



しかし、ヒデ時代には違う。


ヒデ時代において、


“利益”は帳簿のメモ書きから、

計算によって求められるコトになった。


ただし、そのためには、

“利益”を計算する“期間”を区切らなければならない。


“利益”とは、

いつからいつまでの利益、というふうにしか計算できないからね。


だから、


「いつからいつまで」というように、

期間を区切って計算するようになり、

みんながその期間を意識するようになった。



そしてそうなると、

こんなことを言い出すヤツが現れる。



「じゃあ、

 その“期間”をはみだすヤツはどうすればいいの?」



ん~~、やっかいな問題である。


今回の保険料がこれにあたるよね。



確かに今年、支払った。


しかしそれには、実は来年のぶんも含まれているのだ。


来年のぶんなのに、

今年の費用としてカウントして、

はたして「正しい利益」は計算できるのか…?


かつて語ったA・B・Cの3人は、

この問題に苦しむことになったワケだ。



じゃあ、どうすればいいのか?


Cは新たな方法を発明する。


「あ、来年まで、もってったらエエねん」


…と。



いま、メモ書きにはこうメモられている。


「保険料を12,000円、支払いました」


これを、Cが独自のワザで、

いまからかえていく。


よく見ててね。



まずCは、「今年ぶんではない部分」、

つまり9,000円ぶんを、ここからブチ抜く。


そして、新たに『前払(まえばらい)』という概念をつくり、

メモ書きをこう修正する。



「保険料で3,000円支払いました。

 9,000円ぶんは、前払いです」



そしてさらに、

来年になったら瞬間にこう書き込むのだ。



「もう保険料の9,000円ぶんは前払いしていますが、

 これは今年の費用です」



これで、カンペキだ。


なんの問題もない。


Cは、画期的(かっきてき)な発明をなしとげたのだ。


しかし、Cにはまだやることがあった。


なるほど、メモ書きはうまくいった。


では、損益計算書と貸借対照表は、どうするのか?


そこで、

Cはモッキー・チーコ時代のルールを一新する。



「そうだ、“財産を書け”なんて古めかしいルールはやめて、

 この“前払い”も載せられるような貸借対照表にしなくちゃ!」



Cは何を思ったのだろう?



Cは、


今年の費用である、「3,000円」だけを損益計算書に載せ、


来年の費用である「9,000円」ぶんを、

なんとか損益計算書に載らないようにしたかった。


「9,000円」が今年の損益計算書にまじってしまうと、

正しい利益が計算できなくなってしまうからだ。


そこで、彼は、

「それなら、9,000円ぶんは貸借対照表に載せればいいじゃん!」

と思いつくのだ。



けれども、なかなかそうはカンタンにいかない。


なぜなら、彼の時代、

つまりモッキー・チーコ時代のルールが居座る時代には、


貸借対照表には

「財産を書け」というルールがあった。


このままでは、

“前払い”を貸借対照表に載せることはできない。


“前払い”はただ計算を便利にするためのもので、

けして“財産(売ることができるもの)”ではないからだ。



そう、そしてCは、


「じゃあ、ルールをかえよう」


というところにまで、たどり着いたのである。



かくして、


3,000円という費用は、損益計算書へ、

9,000円という“前払い”ぶんは、貸借対照表へ、

それぞれ載せられる。


来年になったら、

9,000円はやっと、“費用”として解き放たれるワケだ。



貸借対照表がきちんと、


「損益計算書と損益計算書をつなぐ」


という役割を果たしているのが、分かるよね。




なんとなくわかってもらえただろうか?



Cの考え方は、いたってカンタンだ。


「利益計算にジャマなものを、

 ぜ~~~んぶ載せられるような貸借対照表にしよう!」


それだけだ。


だから、

“つなぐもの”なんていうワケのわからない役割を、


それでいて、

すご~~く広い意味でとらえることができる役割を、


貸借対照表に課す必要があったのだ。



ビルの『減価償却(げんかしょうきゃく)』も、

この前払いと同じ考え方によるものだ。


すなわち、

「正しい利益計算をしよう!」


投資家ヒデが、

ヘンな情報をつかまされないように、


会計はすこしずつ、進化しているのである。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



モッキー・チーコ時代には、

「だって、今年払ったじゃん」という考え方が。


ヒデ時代には、

「確かに今年払ったけど、来年のぶんじゃん」という考え方が、


それぞれ主流となった。



ちなみに、


いま現在(2007年9月現在)の日本は、

ヒデ時代からカーワー時代への、

ちょうど過渡期(かとき)をむかえている。


「日本の会計は、アメリカから30年遅れている」


な~んて言われている。


だから、前払いもばっちり、ある。



そしていま僕たちは、

カーワーとシンターニのせめぎあいを、

毎日毎日、身をもって勉強しているのである。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



カーワーとシンターニのエピソードが、

まだ未完だ。


けど、ちょっとここで「わき道」にそれようと思う。


カーワーとシンターニの口論は、

例えにできないほど複雑かつ難解で、


すこしいろんな用語を知ってもらってから、

もういちど、このエピソードにかえることとしたい。


けっこう長くなってしまった。


これで、ル~ルブック編はおしまいです。


読んでくれてありがとう!



さて、つぎは何を説明しようかな。





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Last updated  2007.09.04 21:03:55


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