地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2008.09.12
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カテゴリ: 環境心理学

「西蔵仏教宗義研究」 第1巻(トゥカン『一切宗義』サキャ派の章)
立川 武蔵 1974/06東洋文庫 166ページ
Vol.2 No.303 ★★★★☆

シリーズ第一巻だから、始まり方がなんともスムーズですっきりしている。

いかなる宗教にも「二つの極」とも呼ぶべきものが存在する。「二つの極」の一方は日常の世界であり、宗教である限りこの日常の世界は何らかの方法で否定されるのであるが、その否定の末、目指す世界としてあらわれるものが他方の極である。それらは「人と神」、「迷いと悟り」、「俗と聖」などという言葉で表現される。 p1

 この シリーズ 、第八巻まであるが、その中で紹介されるチベット密教各派の順序は何かの生成過程に関係あるのかな、と思ったが、そうではないようだ。

「一切宗義」サキャ派の章の構成
 この章は「一切宗義」全体では第六番目の章ではあるが、トゥカンはチベット仏教に関する第五番目という意味で「第五」と呼んでいる。
p12

 いままで読書のなかで、さかんにでてきた「生起次第」と「究竟次第」であるが、ベーシック・コースとアドバンス・コース、くらいのイメージで読んできたが、実はもっと深い。

「次第」あるいは「歩み」とは「宗教における二つの極」の間の歩みである。いずれの宗教においても「相反する二つの極」の間には二つの方向、即ち「俗」から「聖」へ至る方向と「聖」から「俗」へ至る方向とが考えられてきた。仏教タントリズムにおいてもまたこの二つの方向にそれぞれの意味が付加され、それぞれの宗教実践の形態も異なっていた。「生起次第」とは「俗」から「聖」への歩みであり、「究竟次第」は「聖」から「俗」への歩みにあたる。 p17

 つまり、住相と還相と考えればいいわけだ。煎じつめれば、「密教」の最後のステージは、「meditation in the marketplace」というところにある、ということになるのだろう、やっぱり。

 矛盾する二つの極を全的に肯定しうる真実の世界は言葉では表現できない。あえて言葉にするとき、それは逆説となる。トゥカン「一切宗義」(サキャ派の章)が最後に達したもの、それは逆説であった。

 ここにきて、ようやく、チベット密教とやらの、その原理が一段と深まった感じがしてきた。

<2>に続く






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Last updated  2008.10.08 21:28:28
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