地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2008.11.02
XML
カテゴリ: mandala-integral


「インド・チベット曼荼羅の研究」
田中公明 1996/08 法蔵館 単行本 303p
Vol.2 No.364 ★★★★☆

田中公明の 「活仏たちのチベット」 2000/4は実に傑作な本であったが、そこからさらにさかのぼること、1987/08に出た 「曼荼羅イコノロジー」 も実に瑞々しい感性を彷彿とさせる名著であると思う。2007/04にでた 「曼荼羅グラフィクス」 も、ITツールを駆使するなど、新時代のチベット密教研究家・田中公明ならではの仕事という感じがする。

 この「チベット・インド曼荼羅の研究」は、そのような意味では、若き研究者の論文をまとめた、初めての学術論文集という位置づけなのだろうか。他の書でみせている若い感性を研ぎ澄ませるということよりも、論理的であり網羅的であり、包括的である。対象となったペンコルチューデ仏塔における資料としては、相当に高い評価を受けているはずだ。

 田中公明君は、少年時代から仏像、仏画が好きで、親に懇望して関西の寺院に連れて行ってもらううち、仏像の配列には、経典に則った一定の規則があり、その最も発達、整備された曼荼羅に、深い関心を抱くようになった。祖父が仏画師であられたため、漢訳経典を和文に読み下し、註釈をつけた「国訳大蔵経」があり、それを読むのを見た父親は、小学生というのに、全13巻からなる諸橋轍次の「大漢和辞典」を買い与えたという。 石田尚豊「序文」p1

 栴檀は双葉より芳しとはいうものの、その環境や幼年期からの深い関心があってこその田中公明ワールドということができるだろう。

 無上瑜伽の中で母タントラを扱った論文は一篇のみ、不ニタントラを扱う論文はいっさい収録しなかったのは、著者が本書と並行して、母タントラの原初形態である「サマーヨーガ」と無上瑜伽不二タントラを代表する「時輪タントラ」に関する著作を準備していたためである。 p18

 オーケー、そちらの関心は、そちらの本に依ることにする。ちょうど、これから読むところだった。外に、「ペンコルチューデ仏塔の胎蔵曼荼羅」や「秘密集会曼荼羅の歴史的展開」や津田真一の学説についての言及など、興味深い箇所が多々ある。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.11.02 23:07:03
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

Bhavesh

Bhavesh

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

Comments

聖書預言@ Re:60日記037 アリバイ 生存証明(07/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
BHavesh@ Re[1]:アガルタの凱旋(12/15) subaru2012さんへ ああ、久しぶりにこの…
subaru2012@ Re:アガルタの凱旋(12/15) Miles Davis / Agharta 1 <small> <a hre…
Bhavesh @ Re:禅と戦争 禅仏教は戦争に協力したか(11/16) 現在、日曜早朝座禅会に参加している禅寺…
Bhavesh @ Re:セックスから超意識へ<1>(11/13) Oshoの記念碑的1968年のレクチャー。当時…
把不住y@ Re:編集雑記(07/25) 新ブログはここです。 <small> <a href="…
Bhavesh@ Re:グルジェフ・ワーク 生涯と思想(01/12) 武邑光裕、の名前を検索していて我が読書…
abhi@ Re:編集雑記(07/25) お疲れ様。 新ブログ立ち上げたら教えてく…
Bhavesh@ Re:極秘捜査 警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」(03/03) 私は、最近になって 、そう2015年頃になっ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: