音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年07月18日
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 べリンダ・カーライル(Belinda Carlisle)は、1958年、ロサンゼルス(ハリウッド)出身の女性シンガーで、1980年代前半に活躍したガールズ・バンドの先駆けゴーゴーズ(The Go-Go’s)の元メンバー。このバンドが1985年に解散した後、出世頭としてソロ活動を展開していったのがべリンダだった。1986年にソロ・デビューし、1stアルバムを発表した後、1987年には2ndアルバムのタイトル曲「ヘヴン・オン・アース(Heaven Is A Place On Earth)」が全米1位を記録。その後に2年の間をおいて発表されたのが3rdアルバム『輝きのままで(Runaway Horses)』であった。今回の記事のタイトルの「輝きのままで(Leave A Light On)」は同サードアルバムの冒頭飾る1曲であり、シングルとしては全米11位、全英やオーストラリア・カナダではトップ5に入るヒットを記録した。

 というわけで、「へヴン・オン・アース」に比べれば、「輝きのままで」は大ヒットとはいえども控えめで、普通であれば、べリンダ・カーライルの“この1曲”は「へヴン・オン・アース」に落ち着くのが妥当なように思われる。確かに、筆者も「へヴン・オン・アース」はお気に入りの曲の一つなのだが、落ち着いて考えれば考えるほど、「輝きのままで」の方がそう呼ぶにふさわしいと思えてならない。

 その理由は、ひとえにべリンダのヴォーカリストとしての進化が止まらなかったことにある。要するに、「へヴン・オン・アース」を含むセカンド・アルバムの頃がシンガーとしての最高潮にあったというわけでなく、その2年後のサード・アルバムの時点でもべリンダはまだまだ“伸び盛り”であった。シングル曲の出来として「へヴン・オン・アース」と「輝きのままで」は同等だと思う。それゆえ、ヴォーカリストとしての力量が時間の経過とともに進化した分、「輝きのままで」がベスト曲になると筆者は考える。つまるところ、「へヴン・オン・アース」に何らかの難点があるというのではなく、単純に「輝きのままで」が(セールス面はともかく)内容的に2年分の進歩のプラスアルファ分、上を行ったというわけである。

 冒頭の“Take My Hand~♪”という歌いだしの節回しとややハスキー気味の声からして筆者はノックアウトされてしまう。このべリンダ・カーライルという人のヴォーカルは、情感豊かでちょっとした発声の微妙な具合で歌の情感や押したり引いたりを非常にうまく演出できる、そんなタイプだ。この歌唱力は天性のものかもしれないが、同時に、ソロ・デビュー以降、ヴォーカリストとしての役割にうまく専念できる環境が整えられてきたというのもその大きな理由だろう。実際、セカンド・アルバム制作時にべリンダは、“初めて全曲に関してどう歌っていいかに自信を持って臨めた”という旨の発言も残しており、サード・アルバムの制作時(つまりは本曲「輝きのままで」のレコーディング時)にも同じく、ヴォーカリストとして専念できるいいレコーディング環境にあったものと見られる。

 個人的にはべリンダの容貌は好みのタイプでも何でもない(念のため言っておくが、決して容姿が悪いわけではなく、美人である)。けれども、この人の歌唱にはイチコロにさせられてしまう。いくぶんクセがあるので、万人向けではないかもしれないが、筆者はこの手の声に滅法弱い。



[収録アルバム]

Belinda Carlisle / Runaway Horses(輝きのままで) (1989年)





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Last updated  2010年07月20日 10時11分31秒 コメント(2) | コメントを書く
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