音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年03月03日
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テーマ: Jazz(1969)
カテゴリ: ジャズ




 ロイ・へインズ(Roy Haynes)は1925年生まれで、80歳代にしてなお現役のジャズ・ドラマーである。レスター・ヤングやチャーリー・パーカーといった大御所に始まり、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、エリック・ドルフィなど数々の歴史的ジャズ奏者と共演し、70年近いキャリアを誇る。現在では数少ない存命中の生き字引的ミュージシャンでもある。

 そんなヘインズが1963年にリーダーとして吹き込んだのが本作『クラックリン(Cracklin’)』である。実はこの人のリーダー作は、あまり聴いたことはない(でも参加盤は数多いので、彼の演奏そのものはあちこちで耳にしている)。実際、サイドマンとしての活躍が長いわけだが、リーダー作も結構残しているので、それらは徐々に聴いていきたいと思いつつ、ひとまずは本作を見ていきたい。この盤に関する限り、非常に濃厚なジャズの楽しみの一つが体現されており、ジャズが好きな人なら誰でも一度は聴いてみる価値がある1枚だと感じている。

 ヘインズのドラムは遠慮なく叩かれる。それが演奏全体を盛り上げて(というよりはむしろ時に“煽って”すら)いる。本盤でそれに応じるのがサックスのブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)である。このテナー奏者は筆者のお気に入りでもあるので、本ブログでも繰り返し取り上げている(例えば過去記事 (1) (2) )が、平たく言ってしまうと、彼の特徴は“吹きまくりのくどいサックス”である。上品かつ優雅な味わいを添えているのはピアノのロニー・マシューズで、この人はマックス・ローチやアート・ブレイキーとの活動が知られる。

 アルバム全体を通して“濃すぎず”なおかつ“薄過ぎない”のは、ヘインズの統率力のバランスにあるのだろう。自身のドラミングも含め、各ミュージシャンの個性をしっかり出させながらも、全体の統制はとれている。特に個性が強いのは、上記のブッカー・アーヴィンだが、好きにやらせるところはやらせ、抑えるべきところは抑制を効かせることに成功している。もちろん、その好き放題や抑制の手綱はヘインズのドラミングなのである。

 ジャズとは好き勝手にやればいいという音楽ではない。その好き勝手がどう組み合わされ、どう統一感を持つかが最終的には作品の出来栄えにつながると言ってもいいのかもしれない。この点に関して、本盤では、ミュージシャンの絶妙な組み合わせとリーダーとしての力量のコンビネーションが6曲通して見事なまでに貫かれている。




[収録曲]


2. Dorian
3. Sketch Of Melba
4. Honeydew
5. Under Paris Skies
6. Bad News Blues


[パーソネル・録音]

Roy Haynes (ds)
Booker Ervin (ts)
Ronnie Mathews (p)
Larry Ridley (b)

1963年4月6日録音。





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Last updated  2012年03月03日 08時06分06秒 コメント(2) | コメントを書く


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