音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年04月19日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 雑誌の人気投票で人気奏者を集め、アルバムにしてしまおうという不純な動機(!?)に基づいたアルバムがこの『ザ・ポール・ウィナーズ(The Poll Winners)』である。『ダウン・ビート』、『メトロノーム』、『プレイボーイ』の各誌の1956年の人気投票でこの面子3人がいずれも1~3位を占め、その3人―ギターのバーニー・ケッセル(Barney Kessel)、ドラムのシェリー・マン(Shelly Manne)、ベースのレイ・ブラウン(Ray Brown)―を集めてレコーディングしたというもの。この録音を行ったレーベルは、コンテンポラリー。結果として、このレーベルの全盛期を示す代表盤ともなった。

 バーニー・ケッセルは、1923年生まれ(2004年没)のギター奏者で、早い時期にはチャーリー・パーカーやオスカー・ピーターソンとの活動歴もある。ポップ畑でも活躍が多く、エルヴィス・プレスリーの伴奏のほか、ビーチ・ボーイズの 『ペット・サウンズ』 のオープニング曲(「素敵じゃないか」)の特注12弦マンドリンも彼の演奏である。

 シェリー・マンは、1920年ニューヨーク生まれ(1984年LAで没)ながら、ウェスト・コースト(西海岸)・ジャズとかかわりの深いドラマーで、本ブログではリーダー盤の 『マイ・フェア・レディ』 をだいぶ前に取り上げた。

 1926年生まれのレイ・ブラウンは、エラ・フィッツジェラルドの元夫としても知られるが、ディジー・ガレスピーをはじめ、MJQ、オスカー・ピーターソン、ソニー・ロリンズ、デューク・エリントンなどとの共演でも知られ、晩年(2002年死去)もスーパーベースの活動など精力的に活動したベーシスト。

 2013年の現在、3人とも鬼籍に入ってしまっているが、その演奏はいま聴いても色褪せない。初めて共演した3人ということであったが、他のメンバーが要求する展開に各々が素早く反応し、結果的にギター・トリオ盤とは思えないほどの密度の濃い演奏に仕上がっている。この編成だともっと音がスカスカの演奏になっても不思議はなかったようにも思えるけれど、全くもってそうなっていないのが見事。

 全体を通して本作を一聴すると、おそらくはリラックス感があるように感じられる人も多いのではないだろうか。けれども、聴けば聴くほどそのリラックス感は緩い雰囲気から生まれたものではなく、ある種の緊張感がベースにあって、その上で3人のやり取りがリラックスしているように聞こえ得るというカラクリに気づく。要するに、リラックス感が本当にあるというよりは、そのリラックス感は3人の緊張ある演奏の上に“演出”されていると言ってもよい。よくあるハードバップ盤の“気合を入れました、どうだ!”(別にこれが嫌いと言っている訳ではないので、念のため)というのとある意味、好対照をなしていて、西海岸的にクールに仕上がっている。






[収録曲]

1. Jordu
2. Satin Doll
3. It Could Happen To You
4. Mean To Me
5. Don't Worry 'Bout Me
6. On Green Dolphin Street
7. You Go To My Head
8. Minor Mood
9. Nagasaki



[パーソネル・録音]


Ray Brown (b)
Shelly Manne (ds)

1957年3月18・19日録音。





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Last updated  2013年04月19日 07時19分52秒 コメントを書く


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