音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年09月07日
XML
70年代から80年代へ、過渡期の好盤


 グリン(Grin)というバンドでの活動後、ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)はソロ活動を始め、ローリング・ストーンズのギタリスト候補に挙げられるなど、ロック・ギタリストとしての存在感を確立していった(やがて80年代にはB・スプリングスティーンのE・ストリート・バンドに加入)。そんなニルスの作風は80年代にはよりポップな方向へと変わっていくが、その契機となったと言えそうなのが1979年の本作『ニルス(Nils)』とういアルバムである。

 70年代を通して続けてきたロック少年そのまんまの部分と、ポップさや情緒性といった、ある種の“工夫”の部分がうまく同居している。プロデューサーにボブ・エズリン(アリス・クーパー、KISSなどを手掛けたほか、ルー・リードの『ベルリン』もプロデュースしていた)が入ったことによる変化なのかもしれない。全編を通じて好曲揃い(共作でルー・リードの名前が目立つ)だけれども、敢えていくつか挙げるとすれば、次のような曲がお勧めと言えるように思う。

 まずは1.「ノー・マーシー」は、ライヴやベスト盤等でも後々常連になったナンバー。この曲と5.「スティール・アウェイ」がロック・ナンバーとしては頭一つ出ている。その一方で、本盤を聴く機会があるならば、絶対に聴き逃せないのは次の2曲。3. 「バルチモア」 は、ランディ・ニューマンの1977年作のカバーだが、情緒感あふれるニルスの演奏は必聴。さらに、4. 「シャイン・サイレントリー」 は、後々のライヴでも定番となった曲で、柔らかい“バイオリン奏法”(ヴォリューム・コントロールでアタック音を消しながらクレッシェンドする奏法)が特徴的なナンバー。この4曲以外の収録曲も全体的に強弱がついていてアルバムを通して楽しめる。

 余談ながら、このアルバムにはずいぶんと思い入れがある。かつて日本国内でCD発売されたチャンスを逃し、長らくLPレコードしかなかった盤の一つだった。今年、ニルスの絶版になっていた作品群が紙ジャケCD化されてようやく手に入れた。紙ジャケ仕様のおかげで、カンフー着(?)を着たニルスがギターに跳び蹴りしているという中袋(今時の感性ではあり得ないどころか、初めてLPで見た時も「…!?、何だこりゃ?」という感じだった)まで再現されていて、なかなか笑える(大笑)。アルバムの表ジャケもいまいちな本人の上半身の写真だけれど、見かけによらず中身は好盤なので、気が向いた方はぜひお試しいただきたい。




[収録曲]

1. No Mercy

3. Baltimore
4. Shine Silently
5. Steal Away
6. Kool Skool
7. A Fool Like Me
8. I Found Her
9. You're So Easy

1979年リリース。






【送料無料】【SHM-CD】ニルス・ロフグレン/ニルス(紙ジャケット仕様)






  下記ランキングに参加しています。
  お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします!


にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ 人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019年10月11日 08時22分11秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: