音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年10月24日
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テーマ: Jazz(1969)
カテゴリ: ジャズ




 ウォルター・デイヴィス・Jr.(Walter Davis Jr.)は、1932年、ヴァージニア州リッチモンド生まれのジャズ・ピアノ奏者。1950年代に頭角を現すも、一旦は引退してテイラーやデザイナーの仕事をした後で1970年代に復帰。1980年代にも活躍した後、1990年に57歳で他界している。

 写真(例えばウィキペディアには こんなの が掲載されている)を見ると、何とも野性的な風貌で、無骨な演奏を身上とする人かと錯覚すらしてしまうかもしれない。本盤のジャケットも同様で、お世辞にも“上品な感じ”や“いい人っぽい感じ”のジャケットとは言い難い。

 ところがこの人は、何ともすぐれた作曲家であり、興味深い演奏者なのである。ドナルド・バードとの知古によってブルーノートの吹込みに参加するようになる。最初はジャッキー・マクリーンの『ニュー・ソイル』に参加し、その後はドナルド・バードの『バード・イン・ハンド』(ただし発売の順は後となる)、そして自身のリーダー作を吹き込んだ。それがこの『デイヴィス・カップ(Davis Cup)』ということになる。

 ブルーノートでの初にして唯一のレコーディングには、全曲が書下ろしのオリジナルで占められている。タイトルの『デイヴィス・カップ』というのは、この人の姓とテニスの国際大会名(デビスカップ)をひっかけたもの(といっても演奏内容は国別対抗戦でも何でもないのだけれど)。上に触れたマクリーンのアルトとバードのトランペットを含むクインテット編成での演奏盤である。

 収録された各曲を見ると、何よりの特徴はウォルター・ディヴィスJr.自身の作曲の個性と言えるかもしれない。1.の「スメイク・イット」もそうだけれど、何といっても4.「ルンバ・ヌンバ」。好みは分かれるかもしれないが、“他の人にもできるかもしれない作編曲”と“絶対にこの人にしかできない作編曲”みたいな分け方をするならば、圧倒的に後者の典型例なのだろうと思う。

 もう一つの特徴は、全体の明るさと勢い。彼のピアノは愉しさに溢れていて、音だけを聴いていても演奏している本人の楽しそうな顔が想像できてしまう。それでいて、全体を引っ張っていくスウインギーさがあり、それがあってこそのジャッキー・マクリーンとドナルド・バードの演奏と言うことになるのだろう。バードも好調だけれど、本盤のマクリーンは特に好演を繰り広げていて、筆者のお気に入りでもある。



[収録曲]


2. Loodle-Lot
3. Sweetness
4. Rhumba Nhumba
5. Minor Mind
6. Millie's Delight


[パーソネル・録音]

Walter Davis Jr. (p)
Donald Byrd (tp)
Jackie McLean (as)
Sam Jones (b)
Art Taylor (ds)


Blue Note 4018





【CD】デイヴィス・カップ/ウォルター・デイヴィスJr. [TOCJ-8560] ウオルター・デイビス・ジユニア





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Last updated  2015年10月24日 05時51分33秒 コメントを書く


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