音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年03月13日
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オリジナル・メンバーでのラスト作


 西海岸出身ながら“スワンプ・ロック”や“南部臭のするロック”などと評され、後のミュージシャンたちに多大な影響を残したCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、Creedence Clearwater Revival)。彼らが残した7枚のオリジナル・アルバムのうち、6枚目に当たるのがこの『ペンデュラム(Pendulum)』という作品である。1970年末にリリースされたのだけれど、前作 『コスモズ・ファクトリー』 が同年7月リリースだったので、わずか5か月で次の作品が出されたことになる(CCRの活動期間は短かったものの、総じてアルバム・リリースの間隔が短かった)。

 本盤は、セールス的には直前の数作ほどの爆発的売り上げはなかったものの、全米5位を記録した。特徴の一つとして、全編オリジナル(ジョン・フォガティ作)で、カバー曲が1つも含まれていない点がある。バンドが最初に名を上げた「スージーQ」以来、発表アルバムには必ず1曲はカバー曲があったのだが、本盤だけは例外となった。また、前作の収録曲は3曲がシングル化されているが、この『ペンデュラム』からは 「雨を見たかい(Have You Ever Seen The Rain)」 (B面は 「ヘイ・トゥナイト」 )のみがシングルとなった。それから、ジョン・フォガティ、トム・フォガティ、スチュ・クック、ダグ・クリフォードという4人編成のメンバーのうち、トムが本作を最後に脱退したため、本来のメンバー4人としては最後のアルバム作品になった。

 音の面ではそれまでに比して実験的な試みが含まれていて、キーボードの使用やホーンの導入などの工夫が見られる。10.「手洗い覚醒(Rude Awakening #2)」はプログレの影響が目立つ。けれども、全体としてはCCR節全開で、従来とは違う方向を向いたというよりは、従来の方向性がより洗練された音になったという印象がある。以前別記事でも強調した“曲単位の完成度”も極めて高い。お気に入りを挙げだすときりがなくなりそうだけれど、1.「ペイガン・ベイビー」、2.「水平の嘆き(Sailor's Lament)」、4.「雨を見たかい」、5.「ハイダウェイ」、7. 「ヘイ・トゥナイト」 、9.「モリーナ」…と聴き逃せない好曲がずらりと並ぶ。

 CCRの活動期間は短く、“もっと続いていたら”と思わないわけでもないけれど、1曲1曲からも感じ取られるこの密度の濃さは、活動期間の密度の濃さでもあったのかなと考えてみたりもする。つまりは、逆説的ながら、結果としての活動期間の短さ(=活動の密度の濃さ)が音楽面での濃密度となって表出した。きっとそういうことだったと言えるのだろう。





1. Chameleon
2. Molina
3. It's Just a Thought
4. (Wish I Could) Hideaway
5. Pagan Baby
6. Sailor's Lament
7. Born to Move
8. Have You Ever Seen the Rain?
9. Rude Awakening #2
10. Hey Tonight

11. 45 Revolutions Per Minute (Part 1)
12. 45 Revolutions Per Minute (Part 2)
13. Hey Tonight (Live in Hamburg, Germany, 1971)






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Last updated  2017年05月05日 05時57分24秒
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