音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2025年09月04日
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完成の域に達した推奨盤


 21世紀に入ってから20年余年のメキシカン・ロック界でこれはというバンドを挙げるとすると、断然、筆者はソエー(Zoé)の名を挙げたい。このバンドは、1990年代に形成され、2001年のセルフ・タイトル盤でデビューした。

 本盤『レプティレクトリック(Reptilectric)』は、前作(2006年)の成功に続いて制作された4枚目のスタジオ盤で、2008年にリリースされた。ソエーと言えば、2019年の 『アストラン』 でのグラミー受賞が知られるが、この作品と前作はラテン・グラミーにノミネートされていたし、11年のライヴ作もラテン・グラミーの受賞作となっていた。何が言いたいのかというと、この頃には既にソエーのサウンドは完成されたものになっていたということである。

 実際、筆者的にも、これまでのところ上記の『アストラン』と並んで彼らの最高作と思っているのが本盤である。分野でタグづけするなら“ラテン・オルタナ・ロック”ということになるのだけれど、彼らにしかできない幻想的というか宇宙的なサウンド、ラテン系ロック独特のリズム感が演奏面の特徴になっている。そして、こうしたサウンド面の特徴だけが売りなのでなく、何よりも楽曲のよさが際立ち、この作品を特別なものにしている。

 何としても聴き逃がせないナンバーとしては、まずは表題曲の1. 「レプティレクトリック」 。レオン・ラレーギ(ヴォーカル)がマヤの預言者の本に着想を得て思いついた造語で、古代神ケツァルコアトルを連想させる詞になっている。5.「ポリ」は初恋をテーマにした楽曲であるが、センチメンタルな感じは全然せず、浮遊感のあるサウンド、シンプルながら馴染みのいいメロディ、独白的な詞と三拍子揃った好ナンバー。なお、これら1.と5.はシングルとしてリリースされた。

 長くなってきたけれど、他にどうしても外しがたい曲としては、3.「ソンブラス」、4.「ノ・アイ・ドロール」、政治批判的な7.「ネアンデルタール」、10.「ウルティモス・ディアス」。全編通じて好曲が並び、挙げだすときりがない。ソエーのアルバムとしてだけでなく、ラテン系ロックの作品としても名盤リストに入るべき作品だと言えるように思う。


[収録曲]

Reptilectric
2. Nada
3. Sombras
4. No hay dolor
5. Poli
6. Resiste
7. Neandertal
8. Fantasma
9. Luna
10. Últimos días
11. Babilonia

2008年リリース。





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Last updated  2025年09月04日 21時44分55秒
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