音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2025年09月07日
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完成度が高く、エネルギーに溢れた作品


 パティ・スミス(Patti Smith)は、1945年シカゴ生まれ、ニュージャージー育ちのミュージシャン。“パンクの女王(クイーン・オブ・パンク)”と呼ばれ2007年にロックの殿堂入りしている。彼女は1975年にデビュー盤を発表し、これに続く第2作(パティ・スミス・グループの名で発表したアルバムとしては最初)となったのが、1976年の『ラジオ・エチオピア(Radio Ethiopia)』(なお、かつての邦盤タイトルは『ストリートパンクの女王』)だった。

 彼女の作品の中ではロック色が濃い作品で、ジャック・ダグラスをプロデューサーに起用して商業的成功を狙ったものだったという。本盤最大の魅力は、何よりもパティのとんがり具合というか、前衛的・実験的なことも普通であるかのようにこなしていくパワフルさと実力にある。

 アルバムは、ロック曲として完成度の高い1.「アスク・ジ・エンジェルス」から始まる。続く2.「エイント・イット・ストレンジ」や4.「ピッシング・イン・ア・リヴァー」に見られるうねりやアンダーグラウンド感にも、実は背後に安定感と完成度の高さが隠れているように思う。

 本盤のハイライトは、アルバム表題曲の7.「ラジオ・エチオピア」。実際には「ラジオ・エチオピア」と「アビシニア」という曲のメドレーないしは組曲形式になっていて、12分超えの大作。既存の概念の打破、もしくは破壊と再構築という意味では、モダンジャズからフリージャズに行ってしまうぐらいの衝撃と吹っ飛びようである。とにかく熱く、しかし手が込んでいて、既存のスキームでは語れない“ロック”が展開されていると言えるように思う。

 さて、こうしてこの人の作品を聴いていると、“パティ・スミスは女でありパンクである”という言い方は正しいのだろうか、という疑問が浮かび上がってきてしまう。彼女の音楽に耳を傾けると、“女である”ことも、“パンクである”ことも、ある種どこかで無意味化されてしまう。筆者としては、そんな気がどうしてもしてしまうのである。


[収録曲]

1. Ask the Angels
2. Ain't It Strange

4. Pissing in a River
5. Pumping (My Heart)
6. Distant Fingers
7. Radio Ethiopia~Radio Ethiopia/Abyssinia

1976年リリース。




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ラジオ・エチオピア [ パティ・スミス・グループ ]




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Last updated  2025年09月07日 21時57分09秒
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