BRASILの独り言

ま行



『マッハ!』

まぼろし


「めざめ」
闘牛士が闘牛に備えて服を着ている所から始まる。気を引き締めて闘牛場に立つが 雄牛に一撃されてしまい肝臓移植をしなければ一命を取り留めることはできない。

 闘牛の後屠殺された牛はばらばらに解体されていく。それを手に取った人々はそのエネルギーがきっかけで今まで抱えてきたことに対してそれぞれの結果を出していく。

 闘牛と言うものに興味もなくかかわりもなく暮らしてきた私には ちょっとその感覚は分かりにくいが 屠殺されトラックで運ばれているその雄牛の物凄い顔と引き込まれるような黒さを見ていると 死後でもパワーを感じられるような気がしないでもない。
 出てくる人は普通の悩みを軽く受け止めているタイプの人ではなくて、割と内向的で 葛藤を消化できず苦しんでいる人ばかりだ。それがその雄牛を通して自分なりの結論を出していくところがすっきりする。


『マスター&コマンダー』

1805年、英国海軍サプライズ号は、祖国を遠く離れた海上で、フランスのアケロン号と対峙していた。数々の英国船を沈めてきた敵船に怯え、異様な緊迫に包まれる船内。そこにはあどけない少年士官の顔も見られた。だが彼らにはジャック・オーブリー船長の存在があった。船員たちが“幸運のジャック”と慕う彼は、幾多の苦境を乗り越えてきた百戦錬磨。12歳の士官候補生ブレイクニーも、船長の勇姿を眩しそうに見つめる。そんなある夜、サプライズ号は霧の中から現れたアケロン号の奇襲を受け、ブレイクニーも右腕を失ってしまう…。






場面はずーっと海の上。船での戦闘の厳しさを見事に表現している。相手を攻撃するには 相手の船の真横に立ち、相手からも砲撃を受ける。飛行機のように無傷で相手をやり込めることなど不可能だ。かつてのイギリスの階級制度というのも垣間見られる。船員はいつまでも船員、キャプテンになれる地位のものは 子供のときから それなりの地位にいる。決して交わることや分かち合うことなどなし。ヨーロッパの努力しても報われることのない完全なる不公平さが悲しい・・。



マルホランドライブ   ****

深夜、黒髪の美女があやしいマフィア風の男に黒い車に乗せられている。それが ダンスパーテイ帰りらしき若者たちが運転する暴走車に衝突され、そこから辛うじて抜け出す美女。ふらふらと明かりの見える住宅エリアに入り込み、ひとつの家の中にもぐりこむ。そこを女優を目指してやってきた金髪の女性に見つかるが、衝突のショックで記憶喪失になってしまった黒髪美女の素性を 二人で 探り始める・・・。

いやあ、待ってました!リンチ節に磨きがかかって 戻ってまいりました!

真夜中のピアニスト

「ミニミニ大作戦」 *

60年代の同名映画のリメイク版だけあって、60年代にありがちな金庫泥棒が主人公って言う設定と やたら出てくるカーチェイス。
見慣れていないジャンルだけになんとも評価しがたいのだが、この泥棒グループのひとりひとりに担当の専門があって(爆破専門の人とか コンピューターづかいとか)、リーダーのチャーリーが各メンバーの華麗なるテクニックを最大限に使って作戦を成功させているところはさすが。
こういうタイプの映画は 「盗み」のアイデアを惜しみなく見せるがために まとまりのない映画になってしまうことも少なくないために この徹底したぎりぎりのこだわりで現実味が生きていた。
泥棒シーンはお見事!楽しめた。

が、主人公の人、物凄く「薄い」。こんなに存在感のない主人公がいてもいいのか!!ラストはご都合主義の男主体のアクション映画にありがちなハッピーエンドだが、それさえも突っ込みたくなるほどの影の薄さだった。
魅力ないよー。絶世の美女はあんたに傾かないよ・・・。



『MEAN GIRLS』

Cady Heronはアフリカで育ち、学校へ行ったことがなく、いつもうちで勉強していた。両親とアメリカに戻ったとき、彼女はある公立校に編入した。そこで友達になった女の子グループたちの行動、考え方に 自分の生活が蝕まれ始めたのだった。



ありがちな低予算の学園モノおバカコメデイーのジャンルに入るのだが、なかなか楽しめた!面白い!
学園で一番目立つ美人&ビッチな女の子グループの理念がなかなか興味深い。
自分のライバルになりそうなレベルの女の子を見つけると、自分のところに呼び寄せて、グループに入れ、自分の作ったグループ内のルールに従わせるのだ。ポニーテールは週に一度だけ、だとか スカートをはくときはメンバーのチェックを受けてからなどなど おバカなものだがなかなか侮れないのだ!それを守らせることによって、その新入りをコントロールし、自分の手元においておくことで自分の地位を安全にする・・・なかなか、頭がいいのだ!とっても、性格は悪いが・・。
そして、学園中の男どもは美人でセクシーな彼女たちに釘付けだし、女性たちは理由もなく憎んでしまう。何かひどい仕打ちを受けたわけではないのだが、存在が癪に障るのだ。そのくせ、彼女たちのする格好は ひそかに学園内の流行を作り上げたりする。面白いものだ。

『みんな誰かの愛しい人』


『ムッシュ・カステラの恋』

『ムーラン・ルージュ』

モナリザズ スマイル  (星なし)

 時代は50年代、「新しい自由な女性」という言葉がもてはやされはじめた時代、一人の女性が 女性の自由と権利を尊重するという学校の教師として 入ってくるが、彼女が考える「自由」は実際の社会では受け入れられなかった・・・という内容だ(大雑把にかくと)。



(これ以下はネタバレあり!!)








 ま、そんなもんだねー。変化というのは突如として起こるものじゃないからね。考えに賛成するもの、頑なに反対するもの、常に両者ともいるし、大抵の人の趣向になんとなく流されるものもいるし やはり時間が必要ですねー。

 主人公のジュリアロバーツの演じた教師は 何だか好きになれなかった。アメリカ的というか、不利になりそうになると 物凄い勢いで自論を述べ、有利な立場になるようもって行くという、肉食の攻撃的な性格。
 それは話し合うんじゃなくて、とにかく自分の意見を相手に納得させなければならない!という考え方。
 恋人が 自分の過去を偽っていたということを許せないということ。そりゃ 彼女にとって それはとても大切なことであったかもしれないけど 同情できるような演出ではなかったため 嫌ーな感じがした。
とにかく最初から最後まで 自分勝手な頭の固い嫌な人にしか見えなかったなあ。
ブラジル人の友達は
「すごくよかったーー!」と感激してたけど。


モーターサイクルズ・ダイアリー ****



「モンスター」 ****
この映画は かなり心を動かされた映画だった。
犯罪心理が痛いほどよく分かったし、感情移入してしまった。シャーリーズ・セロンの熱演は本当に凄かった。そしてセルビー役のクリスチーナ・リッチも負けず劣らず!
セルビーの 「愛に飢えていてさびしいのに、何か矛盾した他力本願な最悪な女の性格」というのがしぜーんに演じられていて、凄い!!

普通の愛や幸せを望んでいた少女が、ことごとくそれを裏切られ、13歳から一人で生きていくことを強いられた。社会の底の虐げられた娼婦という道から抜け出せず、生きていく理由が見出せない彼女が出会った同士、セルビー。その彼女と愛し合うが、彼女もまたアイリーンを無意識に追い詰めていく・・。最初は寂しさを癒すことだけを求めていたセルビーだが、次第に要求のハードルが高くなっていき、既に追い詰められて苦しんでいる主人公が、愛人によってさらに追い詰められる。
(自分は家に何もせずぽつんと座っているだけでなにもしない他力本願な女)

そして、どうしようもない危機に銃の引き金を引いてしまった。それ以外の選択はない状態でのアクシデントだったが、それが引き金となり、セルビーとの生活にもお金も必要だったため、つぎつぎと顧客を殺しては車とお金を奪う生活に。
銃を持つことにより強者と弱者の立場が逆になったかのよう。
まるで、自分を虐げてきた世間や人々への復讐かのように。
それは 「彼らは悪い人間だ。」と自分で信じているからこそ、続けていけたこと。殺人が習慣的になり、善人までも殺してしまう。そこらへんから彼女の苦悩は始まる。
人間というものは 自分のしていることに対して「悪いことをしている」と感じたら、悩み始めるものなのだなあ。


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