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2005年06月06日
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カテゴリ: 映画
『真珠の耳飾の少女』

出演 スカーレット・ヨハンソン / コリン・フォース / キリアン・マーフィー トレイシー・シュヴァリエ
100分
真珠の耳飾りの少女 <通常版>

美術史上極めて評価の高いオランダ画家のヨハネス・フェルメール。
彼の生涯は謎につつまれているそうだ。
どんな手法で絵を製作したか、彼はどんな人間だったのか、実は女だったのではないか、などなど。
そして、偽物の多い彼の作品の中でも、この「真珠の耳飾の少女」(別名「青いターバンの女」)は別格なのだそう。
他の作品は女性達の働く姿や、視線がこちらに向かっていない人物像を描いているのに対し、これは背景は何もなし、モデルの少女の瞳がしっかりとこっちを向いている。



そんなこんなで、この絵にまつわるお話も、いろいろと生まれてくるのでしょうね。


<内容>1665年のオランダで、母親と、失明した父親と暮らすグリートは 画家ヨハネス・フェルメールの家に奉公に出る。厳しい労働にも値を上げず、寡黙にひたすら働く毎日だったが、グリードは、フェルメールのアトリエの窓を拭いたことがきっかけで、フェルメールの創作意欲をかきたてることとなった。フェルメールは彼女の繊細な色彩感覚を認め、絵の具の調合を手伝わせるようになる。それが、周りに波紋を呼んでしまうのだった・・。



 ストーリーもさながら、舞台背景となるオランダの街並みや衣装、家の内装も入念に作りこんであり、へえー、この時代のこの国の洋服や街並みはこんなだったのねと感心しながら見入ってしまった。


 何もかも持ち合わせており、何か楽しみをと貪欲に求める年老いた富豪 、それにまとわりつき、しがみつくことで生きながらえている画家一家のあまりにも醜悪なつながりが目についた。

絵を書く才能は持ち合わせているが、生活力のない画家と、それを使って生活レベルを保とうとする嫁の母親。

嫁は夫に充分愛されないことにばかり心を砕かれ、ぴりぴりしている。

子だくさんで、使用人も多くいる大家族のはずなのに、それぞれが見つめる方向がかみ合っておらず、心も当然通い合っていず、なんだかばらばらである。

逆にグリートの一家は貧しいが、心は通い合っている感じで、正常な感じがした。

傍目には、お手伝いさんが何人もいるような生活の方が幸せに見えるのだけれど、物やステータスにしがみついた人生って異常に見えてしまう。


映画の最初のグリートが料理をしている場面でも示唆していたように、彼女の色彩感覚の繊細さが フェルメールの関心を呼ぶ。
繊細な自分の価値観に呼応してくれる女性というのは、どうしても惹かれてしまうのもうなずけるが、二人の間柄は家の主人と使用人・・・。あくまで二人の関係は プラトニック。

特に真珠のピアスをつけるため、フェルメールが彼女の耳に穴を開けるのだが、その様子がいかにもエロテイックで、妙にどきまぎさせられた。今までずっとためらっていた少女がふっきれ、穴を開けたとき、彼女自身も少女でいることを卒業したのだ。


 フェルメールとグリートの接近により、それを包む空気が周りの雰囲気を緊張状態にしてしまう。嫉妬に狂う嫁はそれをコントロールしきれずおどおどする母親を振り払い、爆発させるのだが、所詮この家族は 互いが依存しあって生きている、小さくまとまっている家族。
そこを立ち去るグリートは、この家に足を踏み入れた当時の、おどおどした少女の表情とはぐっと成長しているところが興味深かった。

画家は少女を愛していた。
それは絵の中にも見出すことが出来る。

彼の行く末はどうなるのだろうか。どうも気になってしまう。

ストーリーを見るものに押し付けるのではなく、あくまで静かに繊細に描いていくところが、好感の持てた映画だった。


この監督、本作が初監督作品だとか!これからが楽しみな監督である。


そして、グリート役のスカーレット・ヨハンソン。まさにはまり役!である。
普段の彼女は ブロンドへアーに少女っぽい面影を残した超美形ではあるが、まさかこんなに無垢で、純真そうなのに、どこか激しさを秘めたような雰囲気を醸し出すような女優だとは思ってもみなかった。彼女あってのこの映画!である。


最後に大画面に映し出される絵画「真珠の耳飾の少女」が物凄いインパクトがあった事にも 衝撃を受けたのでした。






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最終更新日  2005年06月06日 19時38分51秒
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