文豪のつぶやき

2008.07.31
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カテゴリ: 時代小説
 この小説を書くにあたって、幕末のことをいろいろと調べた。
 九州の中津藩に増田宗太郎という若者がいる。
 かれは、同藩出身の福沢諭吉のまたいとこにあたる。
 西南の役のときに郷土の同志と西郷軍に参加し、やがて西郷軍が敗亡するとき他藩の参加者、同藩の同志が故郷に帰ろうとするのを、かれだけが残るという。残って西郷隆盛に殉じるという。
 同志が理由を問うたところ、
「私は城山に来てはじめて西郷先生に接し、それ以来景慕の情を禁じ得ないのだ。1日先生に接すれば1日の愛があり、3日接すれば3日の愛がある。だから先生の許しを去るに忍びない。先生と死生を同じゅうするほかないのだ」
 桐野利秋や、村田新八など同郷の若者ではない。西郷にはまったく縁もゆかりもない若者である。
 西郷隆盛には、若者をして死に身を投じさせる魅力があったのだろう。
 西郷のことは以前にも書いたが、西郷の魅力と増田の純粋さは改めて書いてみたい。





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最終更新日  2008.07.31 10:26:23
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