シネマ雑報

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2004年11月23日

バートン・フィンク　　　　　　　　　　総評８３点

(5)

テーマ：おすすめ映画(4098)

カテゴリ：カテゴリ未分類

　今月はいままで以上に忙しくてなかなかこのページも更新できずにいますが、恐らく来月はもっと忙しくなってしまうと思いますので、こうしたちょっとした時間をも無駄にせず、更新に励みたいと思います。
　と言う訳で、本日の映画は「バートン・フィンク」です。
　まずはストーリーです。
　1941年、ニューヨーク。社会派劇作家バートン・フィンク（ジョン・タトゥーロ）は、庶民を祝福した芝居の成功により一躍有名人となり、ハリウッドからも映画のシナリオ依頼として招かれることとなります。そしてロサンゼルスへやってきたバートンは、仕事場としてさっそくホテル「アール」にチェックインするのですが、そこは薄暗くて不気味な雰囲気が漂っており、あまり居心地の良いホテルではありませんでした。さらに部屋の中は暑苦しくて蚊まで飛んでおり、いくらバートンがタイプライターに向かっても、なかなか思うようには集中できませんでした。そんな中、隣室からは不気味な笑い声が聞こえてきて………、と言った感じです。
　この映画はカンヌ映画祭で３冠（グランプリ、監督賞、ジョン・タトゥーロの主演男優賞）を獲得した秀作で、もともと実力のあったコーエン兄弟が、その名を一気に世界へ知らしめる事となった作品でもあるのです。
　まあ内容的にはシュールな作りとなっており、かなり個性の強い作品ではありますが、ストーリー運びがとても丁寧(ていねい)に作られていますので、誰にでも呑み込めて楽しめる物語となっています。
　とくにこの映画はそのシュールな映像が素晴らしく、映像がセリフ以上に色々な物事を物語っているのです。中でも、人の気配が感じられないホテルの廊下に大量の靴が並んでいたり、壁紙がゆっくりと剥れてくる様子などは、まさに何かのメッセージ性を感じてしまうでしょう。
　登場する人物たちもみんな灰汁(あく)が強く、人の話を聞かないキャピトル映画の社長リプニック（マイケル・ラーナー）や保険セールスマンのチャーリー（ジョン・グッドマン）とのやり取りなどはひじょうにコミカルで、間違いなく笑えるはずです。

　この映画でしか味わえない独特の映像美はそれだけでも必見の価値がありますので、未見の方にはとくにお勧めしたい作品です。

監督・脚本　ジョエル・コーエン／イーサン・コーエン
制作年　　1991年
制作国　　アメリカ
上映時間　116分
ジャンル　ドラマ
出演　　　ジョン・タートゥーロ／ジョン・グッドマン／ジュディ・デイヴィス／マイケル・ラーナー／ジョン・マホーニー／トニー・シャルーブ／ジョン・ポリト／スティーヴ・ブシェミ／ミーガン・フェイ

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最終更新日 2004年11月23日 22時51分07秒
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■コメント

Re:バートン・フィンク　　　　　　　　　　総評８３点(11/23)

iso777 さん

さっぱり、意味不明でした。何が面白いのか
わかりませんでした。

あの壁紙がはがれるのは何を意味してるので
しょうか？
あの燃えるホテルはなんなのでしょうか？
なんで逃げないの？
あのプロレス映画になにか意味はあるので
しょうか？

コーエン兄弟の映画はみなどれも好きですが
これだけは???です。
私には意味不明でした。

この映画のシュールってなんなんだろう？？ (2004年11月23日 23時15分05秒)

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Re[1]:バートン・フィンク　　　　　　　　　　総評８３点(11/23)

ストーリーテラーさん

　うーん、iso777さんらしからぬ意見ですね。
　シュールな映画と言うのは、凡ての物事が理路整然としていなくて当たり前なのです。そこにどんな意味を見出すのかはその人次第と言う事です。
　別に壁紙が剥れるからそこに何か仕掛けられているのではないかとか、ホテルが燃えてるのになぜ逃げないの？とか、そう言うことではなく、その雰囲気やそこに隠された監督の思惑などを探ったりするのが楽しみ方と言えるでしょう。
　まあ仮に映像が楽しめなかったとしても、脚本がしっかりしているのでストーリーや登場人物の面白さは楽しめるはずです。
　そもそもシュールな映画にストーリー的な意味を求めるという行為自体、意味のない事なのではないでしょうか。 (2004年11月24日 12時37分30秒)

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Re:バートン・フィンク　　　　　　　　　　総評８３点(11/23)

ルー＠Happy? さん

うほー。これ大好き。コーエン兄弟独特のシュール感がかなりプラスに生きてますね。
暑い、熱い、壁紙が剥がれる。
壁紙が剥がれて、部屋はただのハコになりかけている。
息苦しさがよく出てますよね。
どっすんどっすん走ってくるジョン・グッドマンは、
ある意味「シャイニング」のジャック・ニコルソンより
怖かった～～～！
(2004年11月24日 15時17分41秒)

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書けない脚本家の苦悩つながり

ルー＠Happy? さん

で、「アダプテーション」も好きなんですよ。
この映画とは方向性まるっきり違ってコメディですけども。

タトゥーロだからこその名演でしたね。 (2004年11月24日 15時19分53秒)

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Re[2]:バートン・フィンク　　　　　　　　　　総評８３点(11/23)

iso777 さん

ストーリーテラーさん
非常にらしからぬ意見ですかね。というのもこの「バートンフィン
ク」見たのが３年くらい前で、その時の第一印象が上記のような感
じです。そのとき感じたことです。ちょうど、コーエン兄弟を知っ
て順番に見てたときで、「赤ちゃん泥棒」やら「未来は今」やら気
にいったんで、かなり期待して見たんですが・・・、理解できなか
ったという感じです。

たしかに映画自体人それぞれ感じ方違うしこの手の「シュール」と
いうのはまた感じ方違うと思いますし・・・、深い意味も求めるも
のではないのかもしれませんね。その頃はまだまだ良くわからなか
ったいったところでしょうか。

今見たらきっと別の印象・見方・感想ができると思います。なんせ
この３年でずいぶん色んな映画見ましたから。

このストーリーテラーさんの批評読んで刺激されたことはたしかです
。実際、前にも「ドニーダーコ」をもう一度見たいと思ったきっかけ
はストーリーテラーさんの批評ですからね。他でも、他の楽天広場の
方のレビューを呼んで「絶対見ないであろうと思っていた『ラストサ
ムライ』」を見たりもしたんです。

ストーリーテラーさんの批評はズバっと言い切られるので、ハっとし
て刺激をうけます。見たことない映画は、なんだか見たい気にさせら
れるし、一度見た映画もまた見たいという衝動に駆られたりします。

というわけで「バートンフィンク」また見たくなってきました。
３年も経つとかなり見え方が違ってくると思うので・・・・。

今自分なら「コーエン兄弟のシュールさが理解できるんじゃ？」って
思えてきました。

例えば、「地獄の黙示録」や「２００１年宇宙の旅」も高校時代に見
たのですが全然理解できなかったので、また見たいですね。 (2004年11月24日 19時32分32秒)

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