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イエメンを支配、事実上の政府として機能しているアンサール・アッラー(フーシ派)は8月9日、サウジアラムコの紅海沿岸の都市、ジザンにあるアラムコの製油所を攻撃したと発表した。そのほかモカ港やサウジアラビアのタンカーもアンサール・アッラーは攻撃、バブ・エル・マンデブ海峡を通過することが困難になっている。 イランとオマーンに挟まれたホルムズ海峡もアメリカがコントロールできない状態。この海峡を通る新たな航路の開設をイランとオマーンは協議しているようだが、アメリカと同じようにサウジアラビアも苦しい立場だ。 そのサウジアラビアはトルコやパキスタンと8月7日、「メッカ共同防衛協定」を締結した。この3カ国はいずれもスンニ派が支配、イランをはじめとするシーア派に対抗する形になっている。欧米諸国としてはスンニ派とシーア派、ふたつのイスラム宗派を戦わせ、共倒れさせようと目論んでいるだろう。これはイギリスの常套手段だ。 イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官はメッカ共同防衛協定について、アメリカを通じて安全保障を確保することはもはや不可能であるという地域諸国の認識から生まれたものであると記者会見で述べたのも、そう知った計略を感じてのことだろう。 ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡のようなチョーク・ポイントを回避する方策を少なからぬ国が考えているようだが、アメリカのスコット・ベッセント財務長官はホルムズ海峡を経由しているエネルギーの半分以上を地下パイプライン経由に切り替え、この海峡を2年以内に無意味な存在にすると語っている。 しかし、地下パイプラインを日本やアメリカまで敷設することは不可能であり、しかも肥料を生産するために必要な尿素、アンモニア、リン酸2アンモニウム(DAP)、硫黄などをパイプラインで輸送することはできない。LNGやヘリウムも生産設備が破壊され、生産再開には数年を要するとも言われている。パイプラインでの輸送が可能な原油にしても2年で設備を完成させることはできないと指摘されている。 ホルムズ海峡の閉鎖によって世界の原油供給量が約20%減少し、化学肥料の製造に不可欠な尿素の供給は30%減少した。この海峡を通過する石油の買い手は約80%が中国、インド、日本、韓国などのアジア諸国であり、LNG(液化天然ガス)はそれ以上の比率で同じ国々が輸入している。ロシアというエネルギー資源の供給源を持ち、備蓄も十分にある中国とは違い、日本は厳しい状況だ。現在の状況で最も大きなダメージを受けるのは日本だろう。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.12
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ホルムズ海峡はイランとオマーンに挟まれている。その両国は現在、同海峡を通る新たな航路の開設について協議中だが、イランのアッバス・アラグチ外相によると、合意は近い。その一方、スンニ派の主要3カ国、トルコ、パキスタン、サウジアラビアは8月7日、「メッカ共同防衛協定」を締結した。イラン、オマーン、トルコ、パキスタン、サウジアラビアの5カ国はアメリカによる地域の支配を拒否しはじめた。 イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官はメッカ共同防衛協定について、アメリカを通じて安全保障を確保することはもはや不可能であるという地域諸国の認識から生まれたものであると記者会見で述べた。地域外の勢力の影響力を排除すべきであり、その地域で最大の脅威はイスラエルだともイランは主張している。 ドナルド・トランプ米大統領とイランのマスード・ペゼシュキアン大統領は6月17日、戦争終結に向けての話し合いを進めるためだとして合意文書(MoU)に署名した。イラン側の要求を呑む内容だったことから、トランプ政権はこれを守る気がないだろうと少なからぬ人は予想していた。実際、トランプはMoUを無視してイランを攻撃、イランが報復するというパターンに戻ったが、イランは現在も主張に変化はなく、イランの要求に新しい点はない。 イラン最高安全保障委員会のモハンマド・バーゲル・ゾルガドル書記長によると、アメリカは次の6条件を遵守しなければならない。 まずイランを威嚇したり、この国の神聖なものを侮辱したりしないこと、イランのほかレバノン、パレスチナ、イエメン、イラクにおけるイランの同盟者に対する戦争と侵略を恒久的に終わらせること、海上封鎖を解除し、イラン周辺から自国の軍隊を撤退させること、イランに与えた損害を全額補償すること、イラン国民に対する制裁を解除すること、凍結され、あるいは奪われたイラン国民の資産を無条件で解放することだ。 アメリカは西アジアの主要国から排除されつつあるのだが、それを認めることができないドナルド・トランプ米大統領は自分たちが依然として主導権を握っていると人びとに信じさせようとしている。西側の主要メディアを支配している西側の大手メディアはトランプの主張を広め、西側支配層はOVP(オンライン・ビデオ・プラットフォーム)も影響下においている。そこで少なからぬ人は西側支配層にコントロールされることになるのだが、その呪術に操られない人もいる。 アメリカ抜きで物事が進む中、アメリカの大手メディアはイラン政府がドナルド・トランプ政権と協議しているかの如く宣伝してきた。そうしたプロパガンダを維持するため、イランがアメリカとの対立を解決するための新たな条件を提示したと報じているのだが、そうした事実はない。 アメリカがイスラエルと共同で始めた対イラン戦争は失敗した。アメリカは負けたのだが、トランプ大統領はイランに対する勝利を宣言、核合意を締結せずに戦争を終結させる可能性を非公式に検討していると伝えられている。 トランプ大統領はアメリカ国内のガソリン価格高騰を恐れていると言われているが、世界経済の破綻は間近に迫っている。口先で何とかなるという問題ではない。トランプ政権としては勝利を宣言し、アメリカ軍を撤退させるしかないのだが、それは「アメリカ帝国」の終焉を意味する。この帝国が崩壊した場合、その帝国の権威を利用して富と地位を手にしたアメリカ従属国の「エリート」は由々しき事態だ。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.11
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ロシア政府の発言や軍事作戦を見聞きすると、彼らはアメリカやヨーロッパ諸国を話し合いのできる相手とは考えなくなり、問題を軍事的に解決する決断をしたと推測できる。「特別軍事作戦」から戦争へステージが進んだということであり、ロシア政府は「停戦」要請を受け入れそうにない。その延長線上に2014年2月のバラク・オバマ政権のキエフにおけるクーデターがあり、22年2月のロシア軍の介入もある。 欧米における反ロシア勢力の中心はアメリカやイギリス、つまりアングロ・サクソンの支配層。遅くとも19世紀からイギリスはロシアや中国を征服する長期戦略を立てていたが、その中心にいたのは有力政治家のヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)。 この人物はイギリスの首相や外相を務め、反ロシアで知られている。1840年にアヘン戦争を始めたのも彼。「ウクライナ人はわれわれが反ロシア蜂起のストーブに投げ込む薪だ」と語り、ポーランドをロシアとドイツの間の障壁として復活させる計画を立てている。 19世紀から21世紀にかけて世界を支配した北西ヨーロッパ諸国の富の基盤はラテン・アメリカでの略奪。スペインやポルトガルはラテン・アメリカで金銀財宝を奪い、金や銀の鉱山を開発した。鉱山開発では先住民を奴隷として使っている。 そうした略奪した財宝をスペインやポルトガルは船でヨーロッパへ運んだが、その船を襲い、奪ったのがエリザベス1世時代(1593年から1603年)のイギリス。その頃、イギリスの支配層の中で「ブリティッシュ・イスラエル主義」が現れた。 19世紀の後半に南部アフリカでダイヤモンドや金鉱山が発見されるとイギリスの権力者は軍事侵略した。その侵略の中心的な存在がロスチャイルド家を後ろ盾とするセシル・ローズ。そのローズの発案で創設された「選民秘密協会」はイギリスを動かすことになる。 この協会にはローズのほか、ナサニエル・ド・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット(エシャー卿)、アルフレッド・ミルナー(ミルナー卿)、ロバート・ガスコン-セシル(サリスバリー卿)、アーチボルド・プリムローズ(ローズベリー卿)が含まれていた。そのうちローズ、ロスチャイルド、ブレット、ステッドの4人が協会の指導者になったとされている。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013) ちなみに、ローズベリー卿が1878年に結婚したハンナはメイヤー・アムシェル・ド・ロスチャイルドの子どもで、ナサニエルのいとこにあたる人物。1891年末までにローズベリー卿の甥にあたるアーサー・バルフォアもローズのグループへ入り、さらにアルバート・グレイやセルボーン卿も加わる。 ステッドによると、ローズはチャールズ・ダーウィンの仮説を信じ、優生学を信奉していた。ローズは1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に『信仰告白』を書いている。 それによると、彼はアングロ・サクソンは最も優秀な人種であり、その居住地が広がれば広がるほど人類にとって良いことだと主張、領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務であり、領土の拡大はアングロ・サクソンが増えることを意味するとしている。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877) ジョージタウン大学の教授を務めたキャロル・クィグリーによると、1901年までこの協会を支配していたのはローズ。ローズは英語圏を一体のものと見ていた。ローズ以降はアルフレッド・ミルナーを中心に彼らは活動している。 ミルナーはシンクタンクのRIIA(王立国際問題研究所)を創設した人物としても有名で、「ミルナー幼稚園」や「円卓グループ」も彼を中心に組織されたという。タイムズ紙も1912年ころからミルナーが管理するようになり、22年にはオーナーになった。(Carroll Quigley, “The Anglo-American Establishment”, Books in Focus, 1981) 世界の支配構造は1917年に大きく変化した。イギリスがターゲットにしていた帝政ロシアは地主階級に支えられていたが、産業資本化の影響力も拡大していた。その産業資本家やユスポフ家のような貴族はドイツとの戦争を望んでいたが、地主は戦争に反対。地主の代弁者を務めていたのはシベリア出身の修道士だったグレゴリー・ラスプーチンだ。皇后アレクサンドラも戦争に反対していた。 1914年6月28日にオーストリア皇太子夫妻が暗殺されて世界大戦が勃発するが、アレクサンドラ皇后は参戦に反対する。皇后は同じ考えのラスプーチンへ7月13日に電報を打ち、相談。ラスプーチンは皇帝に対して戦争は帝国の崩壊を招くと電報で警告しているが、治安当局はそうした電報を盗み見て議会などへリークしていた。皇后からの電報を受け取った直後、ラスプーチンは腹部を女性に刺されて入院する。その女性とラスプーチンは面識がなかった。ラスプーチンが入院している間にロシアは第1次世界大戦へ参加してしまう。 ドイツとロシアに戦争させようとしていたイギリスでは1916年に外務省がチームをペトログラードへ派遣していたが、そのチームには興味深いメンバが含まれていた。スティーブン・アリー、ジョン・スケール、オズワルド・レイナーだ。 レイナーはオックスフォード大学の学生だった当時からフェリックス・ユスポフ公と親密な関係にあり、流暢なロシア語を話す。ユスポフはラスプーチンを暗殺した貴族グループの中心人物だ。スティーブン・アリーはロシアで1876年に生まれ、15歳の時にイギリスへ帰国、家族の経営するアリー・アンド・マクレランで働くようになるが、その裏では情報機関員として活動することになる。 スティーブンが生まれた場所はモスクワ近くにあったユスポフの屋敷で、父親はユスポフ家の家庭教師だったとも言われている ラスプーチン暗殺には3種類の銃が使われているが、トドメを刺したのは455ウェブリー弾。イギリスの軍用拳銃で使われていたもので、殺害現場にいた人の中でその銃弾を発射できる銃をもっていたのはレイナーだけだった。 1917年3月の「二月革命(ユリウス暦では2月)」でロマノフ朝は崩壊したが、この時、ロシアの街頭にボルシェビキの幹部はいなかった。刑務所に入れられているか、ウラジミル・レーニンのように亡命していたのだ。 二月革命の主体は産業資本化やその背後にいる金融資本家。政党でいうならばカデット(立憲民主党)が中心で、臨時革命政府はイギリスの傀儡だったと見られている。 この臨時革命政府はドイツとの戦争を継続すると見られていた。そこでドイツ政府が目をつけたのがスイスに亡命中だったレーニン。彼を含むボルシェビキの幹部32名をドイツは「封印列車」でロシアへ運んでいる。レーニンは1917年4に帰国した。そしてレーニンをはじめとするボルシェビキの幹部が十月革命の主体になった。 十月革命によって社会主義政権が出現したロシアに対し、イギリス、フランス、アメリカ、そして日本は1918年8月に軍隊を派遣して干渉戦争を開始する。イギリス、フランス、アメリカはそれぞれ7000名の兵士を派遣、日本はその年の10月には7万2000名以上、その後も増強は続いた。その翌月、つまり11月に大戦は終了するのだが、日本は22年までシベリアにとどまった。 実は、この干渉戦争で日本軍がロシアから金塊を持ち帰ったことが判明している。この問題を最初に取り上げたのは憲政会の中野正剛で、当初は1000ルーブル相当の砂金だと考えられていたのだが、実際に持ち帰った金塊は177箱、1万2000キログラムに達すると現在では考えられている。このうち143箱は旅順火薬庫に保管した後、朝鮮銀行の下関支店に運ばれ、そこから大阪造幣局へ移された。またルーブル金貨は朝鮮銀行か横浜正金銀行で日本の通貨に換金されたと推測されている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.10
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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーは6月下旬、ロシアに戦争を終わらせる、つまり降伏させると宣言した。NATOの衛星に誘導された長距離ドローンでロシアの深奥部を攻撃すればロシア人が怖気付くとでも思ったのだろうが、そうしたことにはなっていない。ゼレンスキーや彼を操っているイギリスの対外情報機関MI6は追い詰められた。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、ロシア国内ではNATO諸国に対する厳しい対応を求める声が高まり、キエフ、オデッサ、スミ、ドニプロペトロフスクなどの都市に対する攻撃を激化させると同時に、アゾフ海やドン・アゾフ運河におけるすべての海上交通、ならびにケルチ海峡の通航を停止させ、オデッサやニコラエフへ物資を輸送する船舶の航行を遮断した。ハリコフやザポリージャでもロシア軍の進撃が目立つ。その一方、ウクライナの防空システムは機能していない。 ドニプロペトロフスクにあるドニプロの南東部では弾道ミサイルのイスカンデルMが工場の敷地を攻撃した。そこには「ゼレンスキーの地下基地」があり、兵器を隠し、将兵が隠れていたという。攻撃がった日にはSBU(ウクライナ安全保障庁)の要員、イギリスのMI6やSAS(特殊空挺部隊)と密接な関係にある傭兵会社のG4Sのメンバーがそこにいて、死亡したとされている。G4Sはドローンやミサイルによるロシア攻撃に必要な情報を収集、MI6の本部へ連絡していたという。G4SはMI6やSASという名称を隠すための隠れ蓑だとも言える。 こうした地上で集めた情報と衛星で収集した情報を合わせて分析、ロシアを攻撃しているのだが、地上ではイギリスの情報機関や特殊部隊が果たしている役割は大きい。 ロシア側の要人を暗殺する工作もNATOは継続している。その一例は8月1日にモスクワで引き起こされたアレクサンドル・チャイコ航空宇宙軍司令官の暗殺未遂事件。チャイコ司令官自身は殺されなかったが、5人が殺されている。その一人が司令官の義理の息子だ。残りの犠牲者の中にチャイコ司令官の側近がいるとも噂されている。ロシア軍は8月4日から5日にかけてキエフの工業施設や倉庫を24発の弾道ミサイルと4発の極超音速ミサイルで攻撃したものの、ウクライナ軍はそれらを迎撃できなかった。 ウクライナ/NATOはクリミア橋(ケルチ橋)を破壊してクリミアを孤立させようと目論み、ロシア軍の艦船だけでなく民間の輸送船やタンカーを破壊しようとしてきた。 そうした水上での攻撃には水上ドローンが利用されるが、タイムズ紙によると、それらを開発したのはウクライナの会社ではなく、イギリスで設計され、製造されている。 開発したとされるUforceはあらゆる領域における戦闘用ドローンを開発するウクライナ会社だが、拠点はロンドンにあり、ドローンの設計もイギリスで行われている。開発には自動車レースのF1に参加したイギリス人エンジニアが関与、将来的にはイギリス軍やNATO軍の任務が想定されている。 ウクライナで対ロシア戦争を始めたのはアメリカのバラク・オバマ政権だが、その際、ネオコンをはじめとする好戦派は簡単に勝てると信じていたようだ。パランティアのAIからそのような御託宣が降りたのかもしれないが、それ以来、負け続けている。パランティアが介入し、AIを搭載したドローンで逆転しようとしたのかもしれないが、妄想で終わった。 イラン政府と同様、ロシア政府もアメリカをはじめとする西側エリートの約束を信じなくなっている。話し合いでの解決は無理だと認識、ロシア政府は停戦に応じない。西側諸国の政府は出まかせと脅しで勝利を演出しようとしているが、ロシアは徹底的に戦うつもりであり、詐欺師の手法は通じない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.08
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スンニ派の主要3カ国、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの間で8月7日に結ばれた「防衛協定」が注目されている。協定の詳細は公表されていないが、この協定によると、3カ国のいずれかに対する武力攻撃があった場合、3カ国すべてに対する攻撃とみなすと規定している。これはNATO条約第5条のマネだ。 調印に署名した人物はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、パキスタンのシェーバズ・シャリフ首相。パキスタンが自国の国益に反する外国との紛争に巻き込まれる危険性があると指摘する人も少なくないが、NATO条約第5条は、加盟国が攻撃されたからといって、NATO全体が戦争に突入することを規定しているわけではない。 アメリカ軍とイスラエ軍が2月28日にイランにを奇襲攻撃対する奇襲攻撃から始まったが、アメリカやイスラエルがイランを攻撃しても勝利できず、大惨事になると言われていた。イランの地形や戦力を考えるならば、アメリカが地上軍を投入した場合、壊滅的な敗北を喫すると見通されていたのだが、アメリカのイスラエルは強硬し、大惨事になった。イランとの戦闘によってアメリカ軍が頼りにならないことも判明した。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、すでにイランは西アジアにおけるアメリカ軍基地、例えばカタールにあるアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地などを破壊、またイスラエルのテルアビブやハイファといった都市、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)周辺も破壊。そして予想された通りホルムズ海峡が封鎖された。 そうした中、サウジアラビア、トルコ、パキスタンのスンニ3カ国は軍事同盟を結んだのだが、どれだけ有効かは不明だ。これまでアメリカを無敵だと考え、そのアメリカに任せておけば全て思い通りになると信じていたのだろうが、そうならないことがはっきりした。自分たちでなんとかしようと考えたのかもしれない。それに対し、今でもアメリカに従属することしか考えていないのが日本にほかならない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.09
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パランティア・テクノロジーズはウクライナを舞台にしたNATOの対ロシア戦争やアメリカ/イスラエルの対イラン戦争で作戦の立案や兵器の改良、あるいはガザでのイスラエル軍による住民虐殺などで重要な役割を果たしてきた。この会社は2003年にCIAのベンチャー・キャピタル部門であるIn-Q-Telからの資金によって創設されたが、イスラエルの情報機関とも緊密な関係がある。 そのパランティアの開発した「フェデレーテッド・データ・プラットフォーム(FDP)」をイギリスのNHS(国民保健サービス)は2020年にCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動が始まった後、導入した。ボリス・ジョンソン首相の下、2020年に競争入札を経ることなく導入が決められたのだ。 FDPとは、データを元の場所に留めたまま、必要な時にはリアルタイムで統合し、活用することができるというもので、異なるシステム間で多くの患者の医療記録を連携させられるとされていた。ところが、その評価に疑問が出ている。実際、FDPの利点を裏付けるとされたデータに誤りが見つかった。 パランティアがイギリスをターゲットにした理由のひとつは、同国が「ゆりかごから墓場まで」というスローガンで知られた社会福祉政策で個人情報が他国に比べて集中管理されていたからだとも言われている。その社会を利用して監視システムの試験的な運用を目論んでいるのだろう。 この政策は1980年代、マーガレット・サッチャー政権による新自由主義の導入で解体されていくが、データシステムは残っていた。彼女の時代、原油価格の高騰で北海油田が利益を産んでイギリスに利益をもたらしたものの、その政策はイギリスの社会を破壊してしまった。 おそらく、イギリス以上に個人情報を集中管理している国が日本に他ならない。その日本では管理システムを強化する政策が推進され、住民基本台帳ネットワークやマイナンバー制度が強引に導入された。現在、デジタル化が進められている。 パランティアは日本にも入り込んでいる。例えば自衛隊は指揮統制において指揮官らの判断を支援するAI(人工知能)として、同社のメイブン・スマート・システムの導入を検討しているという。メイブンはデータ中心型のプラットフォームだとされ、衛星画像、ドローンからの映像、レーダーのデータ、戦場センサー、情報報告などを統合するのだという。今年2月に実施された日米共同統合演習の「キーン・エッジ」でも試験運用された。 こうした軍事だけでなく、パランティアは住民を監視するシステムも開発しているのだが、その背後には2015年9月に国連で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」がある。 そのアジェンダで示された「SDGs(持続可能な開発目標)」を実現するため、個人を特定するためのシステムに記録されていない人びとを管理する必要があるとされ、デジタルIDの導入が進められることになっている。その決定に基づいて日本政府はマイナンバーカードを推進しているはずだ。マイナンバーカードはデジタルIDの一種だ。 デジタルIDはチップ化され、それを体内にインプラントする計画がある。例えば、WEFを率いていたクラウス・シュワブは2016年1月にスイスのテレビ番組に出演し、そこでマイクロチップ化されたデジタル・パスポートについて話している。チップを服に取り付けるところから始め、次に皮膚や脳へ埋め込み、最終的にはコンピュータ・システムと人間を融合、人間を端末化しようと考えているようだ。シュワブは2018年に著書『第四次産業革命を形作る』を出版、その中で、バイオテクノロジー、ニューロテクノロジー、トランスヒューマニズムについて論じている。 同じことをイーロン・マスのニューラリンクも計画している。ブルームバーグによると、ニューラリンクは2031年までに約2万人の脳にマイクロチップを埋め込むことを目指しているというのだ。脳の神経活動を計測、外部機器を制御するブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)のデバイスである「テレパシー」、視覚障害者に視覚を与えることを目指す「ブラインドサイト」、震えやパーキンソン病の治療を目的とする「ディープ」の提供が計画されている。その先に見えるのは脳の管理であり、シュワブの発言と結びつく。 シュワブの顧問でイスラエル人のユバル・ノア・ハラリはAIによって不必要な人間が生み出されると見通している。特に専門化された仕事で人間はAIに勝てず、「不必要な人間」が街にあふれるというのだ。放置しておけば反乱、あるいは犯罪に繋がる。そのため人びとを監視、コントロール、そして処分する必要があると彼らは考えているだろう。パランティアの監視技術は「見えない私的刑務所」として機能するかもしれない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.07
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アメリカの政界において戦争を煽ってきたリンゼー・グラハム上院議員が7月11日に急死する直前からロシア軍のウクライナの軍事施設や生産施設に対するミサイル攻撃が激しくなった。ロシア軍は「御上品な」戦い方をやめたようだ。 グラハムは死の直前、キエフにあるスカイフォール社のドローン工場を視察しているが、ロシア軍の攻撃でNATOの将兵だけでなく、ドローン工場で働くアメリカ人技術者も犠牲になっている。オデッサの港湾施設も壊滅的な打撃を受け、船に対する攻撃も激しく、オデッサやニコラエフへ船が出入りできない状況だ。要するにウクライナにおける対ロシア戦争でNATOは敗亡しつつあるのだが、それはNATO諸国の「エリート」にとって悪夢以外の何ものでもない。 1991年12月のソ連消滅を見たネオコン、つまりアメリカの軍事や外交を支配するシオニストはアメリカが唯一の超大国になったと考え、世界征服戦争を始めた。これは本ブログで繰り返し書いてきたことだ。 ビル・クリントン大統領は第2期目の1997年1月、国務長官をチェコスロバキア出身で反ロシア感情の強い好戦派でズビグネフ・ブレジンスキーの弟子であるマデリーン・オルブライトへ交代させた。この国務長官人事を大統領に働きかけていたのはヒラリー・クリントン、つまり大統領の妻だと言われている。 オルブライトは1998年秋にユーゴスラビア空爆を支持すると表明、翌年の3月から6月にかけて実際に爆撃。4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館もB-2に爆撃された。3機のミサイルが別々の方向から大使館の主要部分に直撃していることもあり、中国側は「計画的な爆撃」だと主張している。 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後、03年3月にイラクを先制攻撃、08年8月にはアメリカやイスラエルに支援されたジョージアが南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で完敗している。この奇襲攻撃は対ロシア戦争の予行演習だったのだろう。 バラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけての時期にキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で仕掛けたクーデターを仕掛け、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒してネオ・ナチ体制を築くことに成功した。 しかし、ヤヌコビッチの支持基盤でロシア文化圏の東部や南部では住民がクーデターを拒否、南部のクリミアは素早くロシアと一体化、東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)では武装抵抗が始まった。軍や治安機関では約7割がクーデター体制を拒否して離脱、一部はドンバスの武装勢力に合流した。そのため武装抵抗を始めた集団はクーデター軍より強く、NATO諸国はクーデター体制の戦力を増強しなければならなくなった。そのために時間稼ぎすることにして、ロシアと停戦で合意。それが2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。ロシアは合意を守ったがキエフの新体制は守らなかった。 NATO諸国は2014年2月から22年2月にかけてキエフ体制軍に兵器を供与、将兵を訓練、ヒトラーユーゲント的な組織で年少者に対する戦闘訓練と思想教育を施す一方、マリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を中心とする要塞線を築き、ドンバスに対する軍事攻勢の準備をしていた。ドンバスへロシア軍を誘い込み、足止めさせている間に別動隊でクリミアを制圧する作戦だったと見られている。 しかし、ウクライナ/NATOが攻勢をかける前にロシア軍がウクライナ軍部隊、軍事施設、生物化学兵器の研究開発施設などを攻撃した。当初、ロシア軍の戦力はウクライナ/NATO軍の数分の1で劣勢だったのだが、ドンバスがロシア軍にとって「ホーム」だったこともあり、戦況はロシア軍が優勢だった。 そこでウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシア政府と停戦交渉を始めるが、それを壊すためにイギリスの首相だったボリス・ジョンソンがキエフへ乗り込む。2022年4月9日のことだ。(ココやココ) この当時、イギリス政府をはじめ、NATO諸国は簡単にロシアを屈服させられると信じていたのだろうが、地下要塞は2022年にマリウポリとソレダルが、また23年にはマリーインカとアブディフカがそれぞれ陥落、ここにきて戦略的に重要なコスティアンティニフカも制圧され、掃討が完了、ウクライナ軍の補給線を寸断した。住民の救出も終わったのだろう。 2023年にタイム誌はウクライナでの戦闘を「AI戦争」と呼んだが、戦術の作成や兵器の設計はAIが行なっていたのかもしれない。 その中心的な存在がパランティア・テクノロジーズ。地上の写真、ドローン映像、衛星画像を組み合わせて迅速に情報分析を実施、戦車や砲兵などの標的を指定しているのは同社だ。AIによってドローンの離陸、着陸、標的捕捉を自動化、GPSや無線通信が妨害されても攻撃できる。 こうしたことでロシア軍は劣勢になるという物語が西側では語られているが、実際はロシア軍に粉砕されている。そこでモスクワなどで爆弾テロを実行するしかなくなった。 ウクライナでアメリカの国防総省は生物化学兵器の研究開発を実施、民主党などはマネーロンダリング、武器弾薬の横流し、そしてゼレンスキーの周辺は懐へ資金を入れてきた。資金の流れを止められない人が少なくない。西側の私的権力の中には勝利による略奪を前提に多額の資金を投じた人もいるが、敗北すれば大損害だ。戦争を長引かせ、その間に戦況を何とかして変えようとしている人も少なくないだろう。が、そうしたことを許さないという姿勢をロシア政府は見せ始めた。ゼレンスキーを操ってきたイギリスの対外情報機関MI6も追い詰められている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.05
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バラク・オバマ政権がウクライナで始めた対ロシア戦争とドナルド・トランプ政権が始めた対イラン戦争はアメリカの軍事力が全能でないことを明確にすると同時にAI(人工知能)の愚かさも明らかにした。AIの判断を左右する情報源をCIAやモサドがコントロールしているからである。 元CIA分析官のラリー・ジョンソンが中国のAI「KIMI」で2026年のロシアによるウクライナ領土占領について調べていたところ、AIは奇妙な解説をしていたようだ。ウクライナ南部での反転攻勢により、ウクライナ軍は2026年前半にロシアが占領した領土を大きく上回る範囲を奪還したが、春以降、奪還のペースは鈍化し、6月から7月にかけてはロシアが小幅ながら領土を拡大しているとしているのだ。勿論、これは事実でない。ウクライナ当局の発表や西側のシンクタンクなどが情報源になっているからだ。 NATO諸国はクーデター後、2014年2月から22年2月にかけてキエフ体制軍に兵器を供与、将兵を訓練、ヒトラーユーゲント的な組織で年少者に対する戦闘訓練と思想教育を施し、さらにマリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を中心とする要塞線を築き、ドンバスに対する軍事攻勢の準備をしていたが、2022年にマリウポリとソレダルが、また23年にはマリーインカとアブディフカが陥落、ここにきて要塞線は完全に崩壊した。 そして今年7月22日以降、ロシア軍の攻撃でオデッサやニコラエフを拠点とする海上輸送が事実上不可能になり、ウクライナは船で農産物を輸出することができなくなった。キエフのほか、物流や軍事の拠点に対してロシア軍は連日ミサイルやドローンで攻撃、工場や倉庫、あるいは地下司令部などが破壊されている。ウクライナの敗北は明白だ。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、2014年2月のキエフにおけるネオ・ナチのクーデター後、戦況はクーデター軍が劣勢だった。そこで新体制の後ろ盾であるNATO諸国は反クーデター軍の攻勢を抑えるため、停戦に持ち込むことに成功した。2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。 セルゲイ・グラジエフはロシア大統領の顧問だった2014年6月、アメリカはウクライナの軍事力を強化し、ドンバスを失えばロシアは平和も失うと主張、50万人程度のウクライナ軍がクリミアへ攻め込むと推測していた。クーデター直後、アメリカの元政府高官を含む人びとはロシア軍が動かなかったことを訝っていたが、ウラジミル・プーチン大統領の側近はアメリカが対ロシア戦争を始めたと認識していた。 停戦合意後、キエフの新体制はそれを守らず、NATO諸国は2014年2月から22年2月にかけてキエフ体制軍に兵器を供与、将兵を訓練、ヒトラーユーゲント的な組織で年少者に対する戦闘訓練と思想教育を施している。さらにマリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を中心とする要塞線を築き、ドンバスに対する軍事攻勢の準備をしていた。ドンバスへロシア軍を誘い込み、足止めさせている間に別動隊でクリミアを制圧する作戦だったと見られているが、その目標は達成できなかった。 AIは西側情報機関の情報操作でウクライナが勝利しているかのように判断しているが、ロシアが停戦に応じないため、現実が西側の作り出した幻影を消し去ろうとしている。 1904年2月から05年9月にかけての日露戦争はアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領の仲介で形式上、日本の勝利になったが、実際はロシア側が革命運動の激化で戦争を続けることができなくなっただけだった。 この戦争は1904年2月8日、日本軍が仁川沖と旅順港を奇襲攻撃したところから始まる。その際、日本に戦費を用立てたのはロスチャイルド系金融機関のクーン・ローブを経営していたジェイコブ・シッフ。日本に対して約2億ドルを融資、その際に日銀副総裁だった高橋是清はシッフと親しくなっている。 この戦争について、セオドア・ルーズベルト米大統領は日本が自分たちのために戦っていると語り、日本政府の使節としてアメリカにいた金子堅太郎はアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦ったと説明していた。1910年に日本は韓国を併合しているが、これもアメリカ政府は容認していたようだ。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015) こうした遣り取りを可能にした一因はルーズベルトと金子がふたりともハーバード大学出身だということがある。ルーズベルトは1880年に卒業しているが、その2年前に金子は卒業、1890年にふたりはルーズベルトの自宅で会い、親しくなった。セオドア・ルーズベルトはロシアを敵視していた人物で、日本を対ロシア戦争の手先にしようとしていた。 韓国併合を目論む日本の動きを察知した朝鮮の高宗は特使としてホーマー・ハルバートをワシントンへ派遣するが、ルーズベルト大統領やエリフ・ルート国務長官はその特使と会おうとしない。朝鮮は米朝修好通商条約の第1条に基づいて独立維持のための援助を求めたが、これをアメリカ政府は拒否している。すでにセオドア・ルーズベルト政権は桂太郎や金子堅太郎らと韓国併合で話はついていた。 日露戦争はルーズベルト大統領のおかげで勝利したものの、新聞の戦勝報道で浮かれた日本人が期待したような戦利品はなかった。賠償金支払いはなく、遼東半島の権利のほか、旅順とハルピンを結ぶ鉄道の権利や樺太全土の譲渡もなかったのだ。 戦勝報道で売り上げを伸ばしていた新聞社はその交渉結果を非難して国民を煽り、日本各地で講和条約反対と戦争継続を唱える集会が開催され、日比谷焼き討ち事件も引き起こされた。そして現在、アメリカを絶対視するマスコミは同じような戦勝報道を続けている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.06
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ドナルド・トランプ米大統領は8月2日、「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランに対する攻撃計画を中止したと発表した。彼によるとホルムズ海峡の即時かつ完全な開放、そしてイランによる核の脅威の終結を含む合意に達し、アメリカは「第2次世界大戦以来類を見ないほどの軍事的脅威、強さ、そして力を備え、イラン・イスラム共和国に対して即座に行動を起こせる態勢を整えている」のだが、「イランやその他の中東諸国から攻撃を控えるようにと要請されたとしているので攻撃計画を中止したという。 CBSニュースは7月31日、つまり金曜日、アメリカとイスラエルがイランのエネルギーインフラを標的とした大規模な爆撃作戦を計画していると報じていた。そうした攻撃が実施された場合、ペルシャ湾岸諸国の石油施設や発電所に対する報復攻撃があるとことは間違いない。そして日曜日にトランプは攻撃の中止を発表した。 アメリカ軍がイランを攻撃した場合、自国の施設がIRGC(イラン革命防衛隊)から報復攻撃されることが避けられないサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子/首相から事態を沈静化させ、攻撃を見送るように求められたというのだが、イランはトランプの主張を否定している。 勝利を演出するために大口を叩いて小規模な攻撃を実施、さまざまな市場で相場が始まる直前に取りやめるという、いつものTACO(トランプはいつも尻込みする)だという人も少なくない。本当にアメリカ軍がイランに対して大規模な攻撃を実施した場合、アメリカやイスラエルだけでなく世界が大惨事になるからだ。 すでにアメリカが保有する戦略石油備蓄(SPR)を含む総貯蔵量は大きく落ち込み、底をつきそうな状況であり、攻撃用のミサイルやドローンが枯渇、また迎撃率が数パーセントにすぎないパトリオット・システムのミサイルも足りず、イランのミサイルは迎撃を受けていない。 しかも、衛星測位システムをGPSから中国の北斗(BDS)へ切り替えてジャミング(妨害電波)やスプーフィング(なりすまし信号による欺瞞)の妨害を受けなくなり、イランのミサイルは迎撃されることなく正確に目標へ到達している。すでに西アジアのアメリカ軍基地は壊滅的な損害を受け、イスラエルの重要施設も破壊されてしまった。 例えばカタールにあるアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地、ヨルダンのムワファク・アル・サルティ空軍基地、クウェートにあるふたつの基地など。 イスラエルでは早い段階にテルアビブやハイファといった都市、情報機関モサドの司令部や軍情報部アマンの施設、イスラエルの核開発計画でも中心的な役割を果たしてきたワイツマン研究所も破壊され、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)周辺も攻撃された。 そしてペルシャ湾へ通じるホルムズ海峡はイランが管理、紅海への入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡はイエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)がサウジアラビアからの船舶が航行することを阻止している。ふたつの海峡が封鎖された場合、世界、特に東アジア諸国の経済活動にとって深刻な事態だ。アンサール・アッラーのアブドゥル・マリク・アル・フーシはエスカレーションに対してはエスカレーションで応じると警告している。レバノンのヒズボラ、イラクのカタイブ・ヒズボラ、アサイブ・アル・アルハク、バドルといったシーア派の戦闘集団もアメリカやイスラエルがイランを攻撃しいた場合、参戦すると考えるべきだろう。 すでに数百名のアメリカ兵が戦死していると言われ、負傷した兵士を治療する拠点であるドイツのラントシュトゥール地域医療センターには150名以上の衛生兵が到着したと伝えられている。イランによるミサイル攻撃を生き延びた重傷のアメリカ兵の対応に追われ、人員不足が深刻化していたのだというが、地上作戦を実施した場合、アメリカ軍の犠牲者はこれまでの比ではないはずだ。 カスピ海を航行したイランの商船をウォロディミル・ゼレンスキーが率いるウクライナ軍は長距離ドローンで攻撃、イラン人船員ひとりを殺害しているが、そのウクライナではロシア軍が敵の防衛線を完全に突破したようだ。戦場にドローンが飛び交う現在、かつてのように戦車部隊が突進するというような作戦はとらず、ロシア軍は自軍の兵士だけでなく人質状態になっているウクライナの住民の犠牲者を少なくしようとしているが、確実に支配地域を拡大、最近ではNATO諸国の軍人や外交官の拠点に対する攻撃も激しくなってきた。戦術が変わった。 ウクライナ/NATO軍はロシア市民を殺傷し、ロシア社会に厭戦気分を広めようとしているが、逆効果になっている。イランと同じ現象だ。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.03
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アメリカ軍は81年前の8月、原子爆弾で広島と長崎を破壊、多くの人を殺害した。8月6日にはウラン型原子爆弾「リトル・ボーイ」を広島へ、また8月9日にはプルトニウム型原爆「ファット・マン」を長崎へ投下した。原爆投下から数ヶ月で広島は9万から16万6000人、長崎は6万から8万人が死亡、その約半数は投下当日に亡くなったと推定されている。被爆者はその後も癌などの発症に苦しんできた。 8月8日にはソ連が日本に対して宣戦布告、日本が占領していた中国東北部や千島列島などへ攻め込んできたが、これはその年の2月にクリミアのヤルタ近くでアメリカ、イギリス、ソ連の首脳によって行われた会談での取り決めに基づくものだ。 ヤルタ会談にアメリカの代表として参加したフランクリン・ルーズベルト大統領は1945年4月12日に急死するが、その時、アメリカ海軍のジェームズ・ランビー大尉に率いられた部隊がベルリンから西へ約130キロメートルの地点にある施設で約1100トンのウラニウム鉱石を発見したとする話がある。(Simon Dustan & Gerrard Williams, “Grey Wolf,” Sterling, 2011) ユニオン・ミニエール社が1940年にコンゴで採掘したウラニウム鉱石約1200トンをドイツは手に入れ、そのうちフランス海軍の兵器工場に保管されていた31トンはすでにアメリカ軍が回収してテネシー州オークリッジの施設へ運んでいたが、残りは行方不明になっていた。それが発見されたということだ。(前掲書) 原爆の開発は1940年2月にイギリスのバーミンガム大学のオットー・フリッシュとルドルフ・パイエルスのアイデアに基づ木、MAUD(ウラン爆発の軍事応用)委員会が設立されたところから始まる。 同委員会のマーク・オリファントが1941年8月にアメリカへ派遣されてアーネスト・ローレンスと会談、アメリカの学者も原子爆弾の可能性に興味を持つようになったという。 1941年10月にルーズベルト大統領は原子爆弾の開発を許可し、イギリスとの共同開発が始まった。1942年にはレスリー・グローブス准将(当時)の指揮下、「マンハッタン計画」が発足。グローブスは1944年、マンハッタン計画に参加していたポーランドの物理学者ジョセフ・ロートブラットに対し、その計画は最初からソ連との対決が意図されていると語ったという。ドイツや日本の核兵器開発を危惧したわけではないということになる。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017) 1943年には核兵器用のウランとプルトニウムを製造するため、テネシー州オーク・リッジに4施設が建設され、そのひとつはオーク・リッジ国立研究所へと発展した。ワシントン州に建設されたハンフォード・サイトではプルトニウムを製造するため、1944年9月にB原子炉が作られている。 広島と長崎への原爆投下を許可したのは大統領に就任してまもないハリー・トルーマンである。アメリカ、イギリス、中国が「ポツダム宣言」を発表する2日前、7月24日のことだ。日本が「ポツダム宣言」にどう反応するかを見ずにトルーマンは原爆投下による市民虐殺を決めたわけである。 投下決定の8日前、7月16日にニューメキシコ州のトリニティ実験場でプルトニウム原爆の爆発実験が行われ、成功している。その翌日から始まるポツダム会談を意識しての実験だった。当初の実験予定日は7月18日と21日の間だったが、トルーマンの意向で会談の前日に早めたという。7月26日にアメリカ、イギリス、中国はポツダム宣言を発表、8月に入って原爆が投下された。 日本では1945年8月15日に天皇の声明が放送された。「玉音放送」とか「終戦勅語」と呼ばれているものだ。その半月後の8月30日、グルーブス中将に対してローリス・ノースタッド少将はソ連の中枢15都市と主要25都市への核攻撃に関する文書を提出。9月15日付けの文書ではソ連の主要66地域を核攻撃で消滅させるには204発の原爆が必要だと推計している。そのうえでソ連を破壊するためにアメリカが保有すべき原爆数は446発、最低でも123発だという数字を出した。ただ、その当時、アメリカはこれだけの原発を持っていなかった。(Lauris Norstad, “Memorandum For Major General L. R. Groves,” 15 September 1945) 1955年頃になるとアメリカが保有していた核兵器は2280発に膨らみ(Annie Jacobsen, “Area 51”, Little, Brown, 2011)、57年になるとアメリカ軍の内部でソ連に対する先制核攻撃を準備しはじめている。(James K. Galbraith, “Did the U.S. Military Plan a Nuclear First Strike for 1963?”, The American Prospect, September 21, 1994) そして1957年の初頭、アメリカ軍はソ連への核攻撃を想定したドロップショット作戦を作成した。それによると300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012) そのころからアレゲーニー山脈の中、ウエストバージニア州のグリーンブライア・ホテルの地下に「地下司令部」が建設されている。いわゆるグリーンブライア・バンカーだ。1959年に国防総省が中心になって着工、62年に完成している。 1950年代に沖縄では「銃剣とブルドーザー」で土地が強制接収されて軍事基地化が推し進められ、今でも島民を苦しめている。1953年4月に公布/施行された布令109号「土地収用令」に基づき、武装米兵が動員された暴力的な土地接収で、55年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になっている。こうした基地化はアメリカの先制核攻撃計画と無関係ではない。「核の傘」など戯言だ。 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、統合参謀本部のライマン・レムニッツァー議長やSACの司令官だったカーティス・ルメイなど好戦派は、1963年の後半にソ連を奇襲攻撃る予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていた。ソ連が反撃するためにはアメリカの近くから中距離ミサイルを発射するしかない。そこでソ連はキューバへ中距離ミサイルを運び込み、キューバ危機になる。1962年10月のことだ。この危機を回避することに成功したジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月22日に暗殺された。 1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいてアメリカのネオコンはアメリカが唯一の超大国で無敵だと信じ、世界制覇プロジェクトを開始、2001年9月11日から侵略戦争を本格化させた。そして今、ロシア、イラン、中国と戦争を始め、負けつつある。現在の世界情勢は当時より危険であり、核戦争が始まる危険性が高まっている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.04
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北アフリカに位置するセウタはスペインの領土で、約8万4000人が住んでいる。そこへ7月30日にモロッコ人が押し寄せて大混乱になり、41名以上が死亡したとされている。越境した「移民」は約6万人とされているが、スペイン治安警備隊の推計によると約7万5000人だ。そのうち約4万8000人が翌日の夕方までにモロッコへ戻ったという。 この騒動には奇妙なことがある。例えば、モロッコからフェンスを乗り越えて越境した集団は男性ばかり。インターネット上では、何台ものトラックが人びとをスペインとの国境近くへ運び込んでいる様子を撮影した映像が流れている。しかも警察や憲兵隊はそうした行為を阻止しようとしていない。越境者は国境へ向かうよう「暗黙の了解」を与えられていたように見えるのだ。モロッコ政府が越境に関係していると疑う人は少なくない。 そうしたセウタでの騒動を見たイスラエルのダニー・ダノン国連大使は喜びを隠さなかったが、モロッコ政府は親米であると同時に親イスラエルとしても知られている。2020年12月にモロッコはアメリカの仲介でイスラエルと国交を正常化、その見返りにアメリカは西サハラのモロッコ領有を認めた。イスラエルとモロッコは2021年11月に防衛協定を締結している。 それに対し、スペインは西サハラの先住民族であるサハラウィにスペインの市民権を付与するという案をスペインの議会委員会が採択。またスペインはモロッコと関係が悪化しているアルジェリアとの関係修復に乗り出している。 また、スペインのペドロ・サンチェス政権はパレスチナを国家として承認、またガザにおけるる住民虐殺をめぐり、イスラエルを「ジェノサイド国家」と非難。しかも自国の基地を経由したイスラエルへの武器輸送を阻止、イランに対する軍事作戦のためにモロン空軍基地やロタ海軍基地を使うことを拒否した。 7月19日にアメリカのニュージャージー州でFIFA(国際サッカー連盟)主催のワールドカップ決勝が行われ、スペインがアルゼンチンに1対0で勝ったが、この大会では審判がアルゼンチンに有利な判定を繰り返し、批判されている。 アルゼンチン・チームのエースであるリオネル・メッシは親イスラエルの象徴として使われている。だからこそメッシはイスラエルで絶大な人気があるのだ。 メッシは周辺をイスラエルの「元情報機関員」のボディガードで固めているほか、2020年にイスラエルのAI企業であるOrCamと提携した。この会社は着用できる人工視覚デバイスを製造するイスラエル企業で、イスラエルの電子情報機関、8200部隊の「元隊員」を雇用している。その会社でメッシはグローバル・ブランド・アンバサダーとして「顔」になっている。OrCamはパランティアと同様、ガザでの大量殺戮にも関与している。 パレスチナに「ユダヤ人の国」を築くことを目指すとして登場したシオニストは雄大な自然でも知られているアルゼンチンのパタゴニアを19世紀から目をつけていたとジャーナリストのセバスチャン・サルガドは語っている。 そのパタゴニアで今年1月5日から大規模な山火事が発生、当局は火災の一部は燃焼剤かガソリンを使った放火だと主張している。知事は根拠を示すことなく先住民のマプチェ族に火災の責任を押し付けているが、現地では退役したイスラエル軍兵士が火をつけるところを目撃したと主張する人が少なくない。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は熱烈なシオニストで、山火事の直前にパタゴニアを外国人が購入できるようにしていた。 パタゴニアへはガザで戦争犯罪を犯したイスラエル兵が逃げ込んでいるとも言われているが、第2次世界大戦後、アルゼンチンへはナチの高官や協力者が逃げ込んでいる。今はシオニストの戦争犯罪人の逃亡先になったわけだ。 勿論、アルゼンチンそのものが親イスラエルであり、パレスチナ人虐殺を支援しているというわけではない。アルゼンチンのサッカー界で伝説的な人物、ディエゴ・マラドーナは自らを「パレスチナの人びとの最大のファン」と公言し、自分の心はパレスチナにあると語っていた。彼は一貫してアメリカとイスラエルの行動を非難していたのだ。 マラドーナとは違う考え方をしているメッシが率いるアルゼンチンがワールドカップの決勝でパレスチナを支持しているスペインに負けた。そのスペインの領内へ親イスラエルのモロッコから約6万人と言われる「移民」が押し寄せ、スペインを混乱させている。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.02
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今から38年前の8月12日に日本航空の123便が群馬県南西部の山岳地帯、いわゆる「御巣鷹の尾根」に墜落、乗員乗客524名のうち520名が死亡した。運輸省航空事故調査委員会はボーイング社の修理ミスで隔壁が破壊されたことが原因だと主張しているが、再現実験で調査委員会のストーリーは無理だということが確認されている。医学的にありえないのだ。 その墜落から10年後の1995年8月、アメリカ軍の準機関紙である「星条旗」は日本航空123便に関する記事を掲載した。墜落の直後に現場を特定して横田基地へ報告したC-130の乗組員だったマイケル・アントヌッチの証言に基づいている。 その記事によると、大島上空を飛行中にJAL123の異常に気づいたC-130のクルーは横田基地の管制から許可を受けた上で日航機に接近を図り、墜落地点を19時20分に特定、基地に報告している。運輸省に捜索本部が設置する25分前のことだ。つまり、日本の当局が捜索を始めた時点で日本政府は日航機の墜落現場を正確に把握していたはずである。 C-130からの報告を受け、厚木基地から海兵隊の救援チームがUH-1ヘリコプター(ヒューイ)が現地に向かい、20時50分には現地へ到着し、隊員を地上に降ろそうとする。 ところが、この時に基地から全員がすぐに引き上げるように命令されたという。日本の救援機が現地に急行しているので大丈夫だということだった。 しかし、その後もC-130は現場の上空を旋回、21時20分に航空機が現れたことを確認、日本の救援部隊が到着したと判断してその場を離れるのだが、日本の捜索隊が実際に墜落現場に到着したのは翌日の8時半だ。10時間以上の間、自衛隊は何をしていたのだろうか。 墜落後、アメリカ軍の内部では、この出来事に関する話をしないように箝口令が敷かれたというのだが、墜落から10年後にアメリカ軍の準機関紙はその話を掲載した。軍の上層部が箝口令を解除したということだろうが、その理由は何なのか? 記事が掲載される前、1995年2月にジョセイフ・ナイは「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表、その中で10万人規模の駐留アメリカ軍を維持するだけでなく、在日米軍基地の機能を強化、その使用制限は緩和/撤廃されることが謳われている。沖縄ではこの報告に対する怒りのエネルギーが高まった。普天間基地の返還合意が発表されるのは1996年4月のことだ。 ナイ・レポートが発表された翌月、帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)、國松孝次警察庁長官が狙撃された。そして自衛隊がJAL123便墜落に関係していることを示唆する星条旗紙の記事。その後、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれた。
2023.08.13
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未成年者に対する性的な犯罪の容疑で2019年7月6日に逮捕され、ニューヨークのメトロポリタン矯正センターに入れられていたジェフリー・エプスタインは同年8月10日に独房で死亡した。そのエプスタインへ女性を紹介していたダニエル・シアドの死体が2026年7月20日、フランスのコロンブにある自宅で発見された。2022年2月19日にはシアドと同じようにエプスタインと関係があり、性的の人身売買に関与した疑いでラ・サンテ刑務所の独房に収監されていたジャン-リュック・ブリュネルが首を吊った状態で発見されている。シアドやブリュネルは表向きの仕事はモデルのスカウトだ。 エプスタインは2006年7月27日にも同じ容疑で逮捕された。14歳になる義理の娘がエプスタインの自宅で猥褻な行為をされたと、ひとりの女性がフロリダのパームビーチ警察で訴えたことが発端。捜査の過程でエプスタインが有力者へ少女を提供、その行為を秘密裏に録音、撮影して恐喝の材料に使っていたことが浮かび上がった。 パームビーチの警察には富裕層の利益を守るため、犯罪を隠蔽する仕組みが存在していた。その仕組みで守られていた富豪のひとりがマー・ア・ラゴを所有するドナルド・トランプにほかならない。 しかし、そうした実態を告発した保安官補もいた。ジョン・マーク・ドーガンだ。2006年の摘発でエプスタインが盗撮していた映像を警察は押収、捜査を指揮したのはジョセフ・リケアリーからその資料をドーガンは受け取り、保有している。2008年6月30日にエプスタインは有罪を認め、懲役18カ月を言い渡されているが、州刑務所へは入れられていない。パームビーチの拘置施設で週6日、1日12時間という制限の下、街で働くことが許されている。その年、ドーガンは退職を強いられた。 その後、ドーガンはインターネットで告発を続けるが、2016年にFBIは彼の自宅を家宅捜索、コンピュータなどを押収した。そこで彼はロシアへの亡命を決断、ロシアへは盗撮映像を含むエプスタインに関する資料を持ち出している。彼に資料を渡したリケアリーは2018年5月、50歳で急死した。 2006年の事件で地方検事として事件を担当したアレキサンダー・アコスタはドナルド・トランプ政権で労働長官に就任しているが、2019年にエプスタインが逮捕された際、エプスタインについて「情報機関に所属している」ので放っておけと言われたとしている。(Vicky Ward, “Jeffrey Epstein’s Sick Story Played Out for Years in Plain Sight,” Daily Beast, July 9, 2019) 後にエプスタインはイスラエル軍の情報機関、つまりアマンのために働いていたことが判明する。エプスタインはギレーヌ・マクスウェルと内縁関係にあったが、彼女や彼女の父親であるロバート・マクスウェルも同じ情報機関の下で働いていたと、1970年代にイスラエル軍の情報機関ERD(対外関係局)に所属、87年から89年にかけてイツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めたアリ・ベンメナシェは語っている。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019) 1980年代半ば、アメリカでは情報機関による秘密工作が発覚した。イラン・コントラ事件である。イランへの武器密輸とニカラグアの反革命ゲリラ、コントラへの違法支援工作が発覚したのだ。 この事件については拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』三一書房、2005年でも説明したように、1979年2月のイランにおけるイスラム革命が関係している。 ムハマド・レザー・パーレビ国王が王妃と国外へ脱出、フランスからアヤトラ・ルーホッラー・ホメイニが帰国するのだが、11月に「ホメイニ師の路線に従うモスレム学生団」を名乗るグループがテヘランのアメリカ大使館を占拠、大使館内の機密文書を手に入れる一方、52名を人質にとった。人質の多くはアメリカの情報機関員だと見られている。 ジミー・カーター政権は人質の早期解放を目論む。その年は大統領選挙があり、人質の解放はカーターにとって追い風。そこでカーターの敵対勢力は共和党の勝利を確実なものにするため、人質の解放を遅らせる工作をしていたと言われている。 秘密交渉で共和党はイスラエルのリクードと連携、人質の解放を遅らせることに成功したのだが、その代償としてイランへ武器を密輸出することになる。この取り引きの儲けをCIAはコントラへの支援に充てたわけだ。 ところが、1984年9月にイスラエルで労働党のシモン・ペレスを首相とする政権が誕生、リクードが行っていたイランへの武器密輸を労働党は知り、自分たちも独自に武器密輸で儲けようとする。そして目をつけたのがアメリカ海兵隊のオリバー・ノース。その結果、ふたつのグループが争うことになり、暴露合戦に発展、イラン・コントラ事件の発覚につながった。この事件にエプスタインも関係していたのであり、彼は人身売買や恐喝をしていただけではない。 エプスタインは黒魔術にも関係、ペトログリフの刻まれた岩石などを集め、古代の建造物に模した建物を建てたりしている。イングランドではエリザベス1世の時代(1593年から1603年)にオカルトが流行、女王に寵愛されたジョン・ディーは錬金術や超自然的な存在との交信で知られていた。 その当時、イングランドの支配層の間でアングロ-サクソン-ケルトは「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だと信じる人が現れ、人類が死滅する最後の数日間にすべてを包括する大英帝国が世界を支配すると予言されているという妄想が広まった。17世紀初頭にイギリス王として君臨したジェームズ1世も自分を「イスラエルの王」だと思い込み、ピューリタンの指導者たちも「イスラエルの失われた十支族」話を信じていた。 19世紀にもオカルトは流行、同世紀の終盤にイギリスを動かしていたのセシル・ローズのほかナサニエル・ド・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット(エシャー卿)、アルフレッド・ミルナー(ミルナー卿)などだ。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013) エプスタインと親しかったビル・クリントンによると、親しくしていた理由はエプスタインがロスチャイルド家につながっていたからだという。実際はロスチャイルド家の代理人だったかもしれない。 エプスタインはイスラエルの元首相エフード・バラクとも親しく、その関係で同国の軍事情報局特殊作戦部に所属する秘密技術部隊の81部隊の人脈と繋がり、バラクとロスチャイルド家との間のメッセンジャーを務めていたともされている。エべリン・ド・ロスチャイルドの妻、リン・フォスター・ド・ロスチャイルドもエプスタインの友人で、クリントン夫妻とも親しい。ジェイコブ・ロスチャイルドの代理人として働いていたユーコスのミハイル・ホドルコフスキーも1989年頃、KGBのコネクションを利用してソ連の若い女性をニューヨークへ「モデル」として送り出す仕事をしていた。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999) エプスタインにしろ、シアドにしろ、ブリュネルにしろ、そこから始まる人脈を辿ると、一般的に知られてはならない人びとへつながっているはずだ。ドナルド・トランプ政権は司法省が保有するジェフリー・エプスタインに関する約600万件の文書や映像、いわゆる「エプスタイン・ファイル」のうち約300万件を公開していない。公開されたファイルは黒塗りだらけ。財務省関係のファイルも公開されていない。しかもエプスタインがライリー・キラリー私立探偵事務所を使い、自宅から6つの保管庫へ運び込んだコンピュータ、映像、写真、文書などを捜査当局は調べていない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.30
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ウクライナで戦争が始まる2年前のロックダウン アメリカ議会ではランド・ポール上院議員らがCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の問題を取り上げているのだが、「COVID-19のパンデミック」の存在を前提とした議論を展開、人権を否定するさまざまな規制を正当化していると批判する人がいる。 伝染病が世界的に蔓延、重症の肺炎患者が街にあふれ、死者が急増するという事実はなかったにも関わらずWHO(世界保健機関)は2020年3月11日にパンデミックを宣言。その前にアメリカではCOVID-19が国家安全保障上の脅威だと認定されていた。 それを口実にして各国政府はロックダウンや外出の「自粛」、あるいは人と人の間に物理的な距離を保ち、近距離で接触しないようにするというソーシャル・ディスタンスなる政策をとり始め、2021年初頭には「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」と称する遺伝子操作薬の接種が開始された。この政策が強制力を持って世界に広がれば、2022年2月に世界は戒厳令状態になっていただろう。 1992年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案として作成されたネオコンの世界征服プロジェクト、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」は2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)への攻撃によって始動した。 その後、国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)はワクチン開発の促進、新ウイルスの発見、医薬品製造の迅速化などの技術を開発するために投資するようになった。そうした中、空軍のダン・ワッテンドルフが迅速なパンデミック対応をDARPAの優先事項のトップに押し上げている。 ワッテンドルフはDARPAでプログラム・マネージャーを務め、診断学、哺乳類細胞合成生物学、RNAワクチン、モノクローナル抗体の迅速な発見、遺伝子導入による免疫予防、人工赤血球などのプログラムを立ち上げ、DARPAは2013年にモデルナへ最高2500万ドルを助成金として提供することに決めた。そして2016年にワッテンドルフはビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団へ移籍。COVID-19騒動でもこの財団は重要な役割を果たした。 その間、2005年8月に国防総省はウクライナ政府と契約を結び、同国にある生物研究施設をアメリカ政府が管理することになる。そしてアメリカはウクライナで生物化学兵器の研究開発を開始した。 ロイターによると、2020年6月2日、アメリカ陸軍感染症研究プログラムのディレクターを務めるウェンディ・サモンズ-ジャクソン大佐は国防総省の記者会見で、何らかの「新型コロナウイルス感染症ワクチン」が年末までに一部のアメリカ国民に利用可能になると期待を示したという。アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モデルナ、サノフィ国内外の企業と協力してアメリカの研究者が抗体医薬品を開発しているほか、晩夏にはアメリカ陸軍のワクチン候補の臨床試験を開始する計画だとも伝えていた。サモンズ-ジャクソン大佐が発表した直後から感染者数と死者数が急増し始めているのだが、その大佐は議会に呼ばれていないようだ。 2022年2月にロシア軍はウクライナ/NATO軍がドンバスに対する大規模な軍事攻撃を実行する直前にウクライナに対する攻撃を開始、ウクライナの部隊や軍事施設のほか生物化学兵器の研究開発施設も破壊、ウクライナ側の機密文書を回収、分析した。 ロシア軍はイゴール・キリロフ中将の指揮下、放射線・化学・生物防衛部隊は2022年2月以降にロシア軍がウクライナで回収した機密文書の分析、アメリカ国防総省の内局であるDTRA(国防脅威削減局)にコントロールされた研究施設が30カ所あると2022年3月7日に発表。研究開発はDTRAから資金の提供を受け、CBEP(共同生物学的関与プログラム)の下で進められたという。 ロシア国防省によると、ロズモント・セネカとジョージ・ソロスのオープン・ソサエティがウクライナにある生物化学兵器の研究開発施設へ資金を提供していることを示すものも含まれ、ロシアやウクライナを含む地域を移動する鳥を利用して病原体を広める研究もしていたという。 そのほか、国務省、USAID(米国国際開発庁)、USAMRIID(米国陸軍伝染病医学研究所)、WRAIR(ウォルター・リード陸軍研究所)、そしてアメリカの民主党が仕事を請け負い、さらに国防総省とメタバイオタ、ブラック・アンド・ビーチ、そしてCH2Mヒルが仕事をしている。USAIDが関係しているということは、CIAが関係していることを意味する。 USAIDへはNEDを通じてCIAの工作資金が流れ込んでいる。NEDの資金はそのほかNDI(ナショナル民主主義研究所)、IRI(国際共和研究所)、CIPE(国際私企業センター)、国際労働連帯アメリカン・センターなどを経由して流れていく。 2023年4月にはロシア議会が報告書を発表しているが、その中で、アメリカの研究者が人だけでなく動物や農作物にも感染でき、大規模で取り返しのつかない経済的損害を与える「万能生物兵器」を遺伝子組換え技術を利用して開発していたと指摘している。そうした兵器を秘密裏に使い、「核の冬」に匹敵する結果をもたらすつもりだという。 キリロフが記者会見でウクライナにおける生物兵器の問題について発表した翌日、2022年3月8日にアメリカの上院外交委員会で国務次官を務めていたビクトリア・ヌランドはウクライナの施設で研究されている生物化学兵器について語った。マルコ・ルビオ上院議員の質問を受け、兵器クラスの危険な病原体がロシア軍に押収されるかもしれないと語ったのだ。つまり、ウクライナの研究施設で生物化学兵器の研究開発が行われていたことを否定していない。免疫兵器の研究 この「COVID-19ワクチン」がCOVID-19に対して効果がないだけでなく、深刻な副作用を引き起こしていることが判明している。その「ワクチン」を開発したファイザー社の関連文書をFDA(食品医薬品局)は当初、75年間封印しようとしたのだが、アメリカでは一部の専門家が情報の開示を求める訴訟を起こし、迅速な公開が命令された。 製薬業界の研究開発部門で幹部職を歴任、最終的には複数の受託研究機関を所有、運営し、ファイザーを含む60社以上の製薬会社による臨床試験を支援してきたサーシャ・ラティポワは2022年以降、裁判所の命令で公開された文書には「COVID-19ワクチン」が軍事プロジェクトであり、医薬品メーカーは国防総省の契約企業だと指摘している。(ココやココ) 2020年2月4日にアメリカの保健福祉長官はCBRN(化学、生物、核、放射線)緊急事態に関するふたつの宣言を出した。そのひとつがEUA(緊急使用許可)で、大量破壊兵器が関与する重大な緊急事態を想定、CBRN物質に対する対抗手段を安全性と有効性を確保するため、規制監督なしに使用する許可だ。 アメリカのランド・ポール上院議員だけでなく、COVID-19の原因であるSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)は中国の武漢病毒研究所で作られたとして上で、その研究所へアンソニー・ファウチが所長を務めていたNIAID(国立アレルギー感染症研究所)から資金が流れていたと主張、ファウチの責任を問う人が少なくない。 しかし、SARS-CoV-2に感染した動物は中国でなく北アメリカで見つかっている。ジム・ハスラムによると、北アメリカの自然界ではシカ、ノネズミ、コウモリを含む5種類の動物が感染していることが判明、それらの種はモンタナ州にあるロッキー・マウンテン研究所で実験動物として使用されていたことが突き止められた。(Jim Haslam, “COVID-19 Mystery Solved,” Truth Seeking Press, 2024) COVID-19騒動にメスを入れるためには、ロッキー・マウンテン研究所やアメリカの国防総省が建設したウクライナの生物化学兵器に関する施設を調査する必要がある。 CIAが免疫について調査していることは1980年代、イラン・コントラ事件にかんで発覚したが、1969年6月には国防研究技術局のドナルド・マッカーサー副局長が議会で次のように証言した。 今後5年から10年の間に、既知のあらゆる病原体とは特定の重要な側面において異なる、新たな感染性微生物を作り出すことがおそらく可能になるだろう。その中で最も重要な点は、感染症から比較的免れた状態を維持するために我々が頼りにしている免疫学的・治療的プロセスに対して、その微生物が抵抗性を示す可能性があるということである。 1980年代にAIDSが問題になった際、この証言が人間を免疫不全にするこができる微生物の出現を予言したと話題になった。1969年の10年後とは1979年だ。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.01
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ウクライナ政府は7月14日、アゾフ海でロシアの船舶11隻をドローンで攻撃、過去9日間では116隻の船舶に打撃を与えたと発表した。海賊行為からテロへとステージが進んだと言える。ロシア側は当面の間、アゾフ海やドン・アゾフ運河におけるすべての海上交通、ならびにケルチ海峡の通航も停止。この海峡はアゾフ海から黒海、さらにその先へ船舶が出ていくためのルートであるため、アゾフ海沿岸にある大規模な穀物輸出港からの出荷も滞ることになる。NATO諸国は石油だけでなく穀物の供給も止めようとしている。 ロシアは世界最大の小麦輸出国で、世界全体の25%を占める。ロシアの小麦輸出量のうち約30%から40%はアゾフ海から黒海に至る航路が使われ、ここでの輸送が停止するということは、世界の小麦輸出全体の約10%が止まることを意味する。 こうしたウクライナの攻撃に対し、ロシアはオデッサ周辺にある貨物船が攻撃された。ユジュヌイ港、チョルノモルスク港、そしてオデッサ港が標的になったとされている。 ロシア産小麦の主な輸出先はアフリカ、アジア、中東の国々。アフリカを歴訪中のロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はチャド外相と会談した後、アゾフ海や黒海におけるウクライナの行動について「もはや海賊行為ですらなく、純粋なテロリズムに当たる」としたうえで、ロシアは「アフリカの友人たちに対する食料供給の義務を、商業契約に基づくものであれ人道支援の一環であれ、彼らの要望に従い、いかなる状況下でも引き続き履行していくつもりだ」と述べた。 アメリカ軍とイスラエル軍は2月28日にイランの主要都市を奇襲攻撃して同国の最高指導者を務めていたアヤトラ・アリ・ハメネイ師を含む要人を殺害した。この「斬首作戦」をドナルド・トランプ米大統領はイスラエルやシオニストから早く攻撃を開始するよう強い圧力を受け、実行したと言われている。イスラエル単独でイランを攻撃することはできない。 トランプはこの斬首攻撃でイランの体制を簡単に転覆させられると考えていたのかもしれないが、軍事に関する知識が多少でもあれば、この作戦が失敗し、イランから報復され、ホルムズ海峡が封鎖される可能性が高いことを見通していたはずで、世界の原油供給量が約20%減少、化学肥料の製造に不可欠な尿素の供給は30%減少することも理解していたはず。その結果、世界経済が大混乱に陥り、恐慌へ突入する恐れがあることも予想できただろう。 タンカーを含む船舶は保険契約なしに航行することはないのだが、その保険は最終的にロンドンの保険市場、ロイズが引き受ける。原油の供給を金融が左右するとも言えるだろう。 西側の巨大資本はウクライナの穀倉地帯を狙っているが、2022年には約3分の1をカーギル、デュポン、モンサントの3社が所有、この3社は効率性を高めるため、コンソーシアムとして契約を締結して事業を開始した。このコンソーシアムは事実上、ウクライナの土地の半分以上を支配している。 カーギル、デュポン、モンサントの主要株主にはブラックロックのほか、バンガードやブラックストーンといった「闇の銀行」が名を連ね、ゼレンスキーはブラックロックのほかJPモルガンやゴールドマン・サックスと協力関係にある。 イギリスの強大な私的権力はソ連消滅後、ロシアの石油利権も狙っていた。その中心にいたのはジェイコブ・ロスチャイルドだ。ボリス・エリツィン時代のロシアでオリガルヒとして同国の資産を略奪していたミハイル・ホドルコフスキーによると、彼が所有していたロシアの石油会社ユーコスの支配権はジェイコブ・ロスチャイルドに渡ったという。 ウクライナの場合、資金の動きをコントロールしているのは巨大金融機関のブラックロックやJPモルガン。ブラックロックは2022年後半からウクライナ政府のコンサルタントを務め、ブラックロック傘下の企業はウクライナの戦略的資産の大部分を支配するようになったと報道されている。 なお、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相はブラックロックで監査役を務め、エマニュエル・マクロン仏大統領はロスチャイルド銀行で働いていた人物だ。 アングロ・サクソン系の強大な私的権力は19世紀以来、世界制覇を目指す長期戦略に基づいてい動いてきたが、短期的にみると、ウクライナやイランでの戦争は穀物やエネルギー資源の略奪、あるいは制御された投機バブルの崩壊を目指しているようだ。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.17
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西アジアではアメリカ軍とイスラエル軍が2月28日に始めた対イラン戦争はIRGC(イスラム革命防衛隊)の反撃で西アジアにあるアメリカ軍基地やイスラエルの主要施設は壊滅的な損害を受け、ペルシャ湾に通じるホルムズ海峡、そして紅海への入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡が封鎖され、石油を含む物資の流れが止まり、世界経済は危機的な状況にある。 そうした状況を作り上げたのは、言うまでもなく、アメリカとイスラエルである。両国の軍隊は2月28日にイランを騙し討ちにして最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師、アブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニを含むイランの要人を殺害、その際にミナブ女子小学校を攻撃、7歳から12歳の少女168名から180名を殺した。 しかし、アメリカはイランと戦争しているだけではない。1991年12月にソ連が消滅した後、アメリカの外交と軍事をコントロールしているネオコンはNATOを東へ拡大させてロシアに軍事的な圧力を加え、ついにロシアの隣国であるウクライナに手をつけた。2014年2月のことだ。 イギリスは遅くとも19世紀からロシアや中国を征服する長期戦略を立てていた。当時、その中心にいたのがヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)。イギリスの首相や外相を務めた政治家。1840年にアヘン戦争を始めたのも彼であり、ロシアをイギリスにとって最大のライバルとみなしていた。「ウクライナ人はわれわれが反ロシア蜂起のストーブに投げ込む薪だ」と語り、ポーランドをロシアとドイツの間の障壁として復活させる計画を立てている。今でもアングロ・サクソンの支配層はウクライナ人をそのように見ているだろう。 アメリカのバラク・オバマ政権は2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権をクーデターで倒し、ネオ・ナチ体制を築いたが、ウクライナの軍や治安機関ではメンバーの約7割が離脱したと言われている。ウクライナの東部や南部はソ連時代、住民の意思に関係なくウクライナへ割譲されたのだが、その後もとの地域はロシア文化圏であり、ヤヌコビッチの支持基盤でもあった。 そこで南部のクリミアはロシアと一体化する道を選び、東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)では反クーデター軍が編成され、武装抵抗が始まったのだが、その武装勢力は強く、クーデターを仕掛けたアメリカをはじめとするNATOは新体制の戦力を増強するために時間を稼ごうとして停戦を持ちかけた。それが2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。そして2022年2月にロシアとウクライナ/NATOの戦争が始まった。 この戦争は簡単に勝てるとNATO諸国は思っていたようだが、事実上ホームで戦うロシア軍は優勢。早い段階でロシア軍はトラップに掛かりそうになったのだが、2022年11月に部隊をヘルソンから撤退させることで回避した。ウクライナ/NATO軍はクリミアの水源であり、電力の供給源だったノヴァ・カホウカ・ダムを爆破し、洪水を引き起こしてロシア軍を分断し、彼らが敷設した地雷原を押し流そうとしたと言われていた。ロシア軍のヘルソンから撤退させるようセルゲイ・ショイグ国防相に進言したのはセルゲイ・スロビキン司令官、通称ハルマゲドン将軍だった。その際、住民も避難させている。 これ以降、ロシア軍は一貫して優勢。NATO軍に操られているウクライナ軍はすでに壊滅状態で、軍を指揮してきたオレクサンドル・シルスキー軍総司令官は7月21日に解任され、ネオ・ナチのミハイロ・ドラパティが後任に決まった。 シルスキーはウクライナの街頭だけでなく室内から男性を強制徴兵担当者が拉致し、バンザイ突撃させてきた。ここにきて長距離ドローンでロシアの深奥部を攻撃しているが、製造しているのはNATO諸国。衛星や地上の情報機関員による目標に関する情報の収集と分析、衛星によるドローンの誘導はNATOの衛星。その背後にはアメリカやイスラエルの情報機関と緊密な関係にあるパランティア・テクノロジーが存在している。 ウクライナ軍は7月14日、アゾフ海でロシアの船舶11隻をドローンで攻撃、過去9日間では116隻の船舶に打撃を与えたと発表したが、それを切っ掛けにしてロシア軍はオデッサやニコラエフへ物資を輸送する船舶を攻撃、沈没させている。港は封鎖された。ロシア軍は「特別軍事作戦」から「戦争」へ戦い方を変えたと言われているが、その背後にスロビキンの姿を見る人は少なくない。彼は当初から戦争の相手をNATOだと考え、防衛体制を重視していた。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.31
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ロシア軍の空爆でアル・カイダ系武装集団やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)は大きなダメージを受けている。現在、ISと最も密接な関係にある国はトルコだと本ブログでは何度も書いてきたが、2013年8月にシリアであった化学兵器による攻撃に与党の公正発展党が関与していると共和人民党(CHP)は10月21日に発表、注目されている。2014年4月17日付けロンドン書評誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事はCHPの主張と合致する。 公正発展党の最高実力者はレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(2013年当時は首相)で、同国の情報機関を使ってISを支援しているほか、ISがイラクで盗掘した石油の密売でエルドアンの息子は重要な役割を果たしていると言われている。 その息子が所有するBMZ社の手で盗掘された石油はパイプラインでトルコのジェイハンへ運ばれ、そこからタンカーでイスラエルへ輸送し、そこで偽造書類を受け取ってEUで売りさばくという仕組みだというのだ。一説によると、販売を請け負っているのはサウジアラビアのARAMCO。 共和人民党によると、サリンが実業家の手を経てトルコからシリアへ運ばれてISが使用したことをトルコの検察当局はつかみ、早い段階で13名の容疑者を逮捕したのだが、政府の圧力ですぐに釈放されたという。 シリアのバシャール・アル・アサド体制に対する軍事攻撃は始まったのは2011年3月のことだが、反シリア政府軍を操っていたのはNATO加盟国のアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、ペルシャ湾岸産油国のサウジアラビア、カタール、そしてイスラエルなど。 WikiLeaksが公表した文書によると、2006年にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権はサウジアラビアやエジプトと手を組んでシリアを不安定化させる工作を開始、2007年3月5日付けニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュのレポートによると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を始めている。 その中でサウジアラビアと緊密な関係にあると指摘されているのがムスリム同胞団とサラフ主義者。この延長線上に2011年に始まったリビアやシリアへの軍事侵略はある。 2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAが作成した文書の中でも、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。シリアで体制転覆を目指す戦闘が始まった当時からAQIは反政府軍側。彼らはアル・ヌスラという名前を使い、シリア各地で軍事作戦を展開したともいう。そのDIAは2013年6月、アル・ヌスラに神経ガスを生産、使用する能力があると警告する報告書を提出している。 エルドアンたちはリビアと同じようにNATO軍とイスラム武装勢力の連係攻撃を目論んだ。2011年3月に戦闘が始まったときからトルコにあるアメリカ空軍インシルリク基地では、アメリカのCIAや特殊部隊、イギリスやフランスの特殊部隊から派遣された教官が戦闘員を訓練、シリアへ反政府軍の兵士として送り出している。 イスラエルでの報道によると、シリア国内にはイギリスとカタールの特殊部隊が潜入、ウィキリークスが公表した民間情報会社ストラトフォーの電子メールによると、アメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、トルコの特殊部隊が入っている可能性がある。すでにイギリスの特殊部隊SASの隊員120名以上がシリアへ入り、ISの服装を身につけ、彼らの旗を掲げて活動しているとも最近、報道された。 当初から西側の政府やメディアはシリア政府による「民主化運動の弾圧」を盛んに宣伝していた。その情報源として重宝されていたのは、外国勢力の介入を求めていたシリア系イギリス人のダニー・デイエムやロンドンを拠点とする「SOHR(シリア人権監視所)」だ。 デイエムが「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像が2012年3月にインターネット上へ流出してしまうが、その後も彼を使っていたメディアは反省せずにプロパガンダを続け、その「報道」を引用する「リベラル派」や「革新勢力」もある。 SOHRは2006年に創設され、背後にはCIA、アメリカの反民主主義的な情報活動を内部告発したエドワード・スノーデンが所属していたブーズ・アレン・ハミルトン、プロパガンダ機関のラジオ・リバティが存在していると指摘されている。 内部告発を支援しているWikiLeaksが公表した文書によると、SOHRが創設された頃からアメリカ国務省の「中東共同構想」はロサンゼルスを拠点とするNPOの「民主主義会議」を通じてシリアの反政府派へ資金を提供している。2005年から10年にかけて1200万ドルに達したようだ。 デイエムの嘘が発覚した直後、2012年5月にホムスのホウラ地区で住民が虐殺される。その時も西側の政府やメディアはシリア政府に責任があると主張していたが、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。ロシアのジャーナリストやドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も同じように伝えていた。 そして2013年8月のサリン騒動。シリア政府が化学兵器を使ったと西側では大合唱だったが、早い段階からロシア政府が否定、国連へ証拠を添えて報告書を提出している。反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾していることを示す文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。 そのほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事が伝えられ、10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話が流れた。 12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。 シリア政府が化学兵器を使ったとする話が嘘だということは、DIAの報告を受けていた統合参謀本部もバラク・オバマ大統領も知っていた。そうした中、ネオコンはシリア攻撃を主張していたのだ。 そして2013年9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまう。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。 ホワイトハウスの内部が揉めている中、ドイツから提供されたイスラエルのドルフィン級潜水艦からミサイルが発射されたが、シリア/ロシアによって墜落させられたという可能性がある。その後、ロシア政府は自国軍の戦闘能力が高いことを見えにくい形で示してきた。その延長線上にロシア空軍による空爆がある。 その空爆で大きなダメージを受けたISなどの戦闘員はEU、アフガニスタン、新疆ウイグル自治区などへ移動、「テロ」を目論んでいるとも言われている。その黒幕は言うまでもなくネオコンであり、その勢力に従属しているのが安倍晋三政権だ。
2015.10.24
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ドナルド・トランプ米大統領は石油供給量の減少をSPR(戦略石油備蓄)の放出でカバーしてきたが、その備蓄原油は7月、遅くとも8月には枯渇する。しかもトマホーク巡航ミサイルやJASSM(統合空対地スタンドオフ・ミサイル)、あるいはHIMARS(高機動ロケット砲システム)用ミサイル(ATACMSかPrSMとみられている)は補充ができていないため、1カ月は持たないとみられている。イラン軍の攻撃能力を低下させるために必要な兵器をアメリカ軍は保有していないということである。そうした状況の中、同大統領はイランに対する攻撃を再開した。トランプ大統領がそうした無謀なことをするほど衝撃的な出来事があったのかもしれない。アメリカ軍は部隊の配備も混乱しているようだ。 ペルシャ湾海峡局(PGSA)は7月12日、ホルムズ海峡は閉鎖されたと宣言、イスラム革命防衛隊(IRGC)が7月13日に発表した声明によると、2隻の超大型タンカーが航法システムを停止させた上、ホルムズ海峡安全管理センターから発せられた度重なる警告を無視して航行、そこで攻撃して航行不能にしたという。アメリカの駆逐艦がタンカーの護衛を試みたようだが、阻止できなかった。 IRGCはアメリカ軍が拠点をにしているヨルダンのプリンス・ハッサン空軍基地、カタールのアル・ウデイド空軍基地、オマーンのドゥクム港にある海軍艦艇の兵站支援センターおよびアメリカ空母の給油プラットフォームのほか、クウェートやバーレーンも攻撃された。またホルムズ海峡を通らないルートとしてUAE(アラブ首長国連邦)のフジャイラ港を利用する動きもあるが、イランは同港の機能を停止するとも示唆している。トランプ政権は攻撃でイラン政府が屈服するとでも思ったのかもしれないが、反撃されて窮地に陥りつつある。 今回の交戦ではアデン湾から紅海への通り道であるバブ・エル・マンデブ海峡の閉鎖も懸念されている。イエメンの空港へイランの旅客機が着陸した際、サウジアラビアが滑走路を爆撃しようと試みたのだ。イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)はサウジアラビアに対して報復すると発表した。サウジアラビアは自らを苦しい状況に追い込んだ。 サウジアラビアの行動はアメリカから事前に承認されていたと思われるが、アンサール・アッラー側は、もしアメリカがイエメンに対するサウジアラビアの措置を支援し続ければ、危機はバブ・エル・マンデブ海峡に及ぶとしているが、サウジアラビアの石油積出港である紅海に面したヤンブー港も攻撃される可能性があり、そうなった場合、スエズ運河を利用することが困難になる。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.15
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それでも遺伝子操作薬の接種を進める厚労省 厚生労働省は5月8日から6回目の接種を開始したが、推進側の思惑通りには進んでいない。半ば強制的に接種させられる施設などでは進むだろうが、一般的には危険性を知る人が増えているためだろう。 厚生労働省の省議室で「第47回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」が開催された2日後、「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」と称する遺伝子操作薬を「すべての小児に接種を推奨する」と日本小児科学会は発表した。 2021年の段階で「COVID-19ワクチン」が病気の予防に役立たず、しかも危険だということが明確になり、22年から世界的に接種は行われなくなっている。そうした中、日本だけが接種を推進している。WHO(世界保健機関)でさえ接種に消極的な「生後6か月から17歳の健康な小児」へ遺伝子操作薬を注射しようというのだ。 この遺伝子操作薬は人間の細胞に侵入、そこでスパイク・タンパク質を製造するのだが、そのスパイク・タンパク質こそが病気の原因だという事実をカリフォルニア州にあるソーク研究所が2021年3月に発表している。解説記事も出された。 そこで人間の免疫システムは病気の原因を作り出す人間の細胞を攻撃するようになり、炎症を引き起こす。自己免疫疾患だ。そこで免疫力を弱める力が働き、免疫不全の状態になる。つまりAIDS的な状態。病気に感染しやすく、癌になりやすくなる。 しかも、mRNAを細胞の内部へ運ぶために使われているLNP(脂質ナノ粒子)は人体に有害で、卵巣を含むあらゆる臓器に蓄積する。生殖システムが破壊される可能性が指摘されている。 また、スペインのパブロ・カンプラ教授は2021年6月、「COVID-19ワクチン」の中に「酸化グラフェン」があることを電子顕微鏡などで発見したと発表、11月には周波数の分析で酸化グラフェンが「ワクチン」に含まれていることを確認したと発表している。 その論文を読んだドイツの化学者、アンドレアス・ノアックは酸化グラフェンでなく水酸化グラフェンだろうと解説しているが、酸化グラフェンは人体に入ると水素と結合するとも言われているので、そのためかもしれない。 このグラフェン誘導体は一種の半導体だが、厚さが0.1ナノメートルの小さな「カミソリの刃」とも言え、そのカミソリの刃が体の中を動き回ることになる。この物質がなぜ混入したのか、また人体にどのような影響を及ぼすのかは明確でない。COVID-19とAIDS アメリカでは裁判所の命令でCOVID-19に関係した資料の公開が進んでいる。当初、医薬品メーカーやFDA(食品医薬品局)は「COVID-19ワクチン」に関する文書の公開を75年後まで引き伸ばそうとしていたのだが、裁判所はその要請を拒否したのだ。 医薬品業界で研究開発に関わってきたサーシャ・ラティポワの分析によると、接種計画はオバマ政権の時代にアメリカの国防総省が始めていることが判明したという。軍事的なプロジェクトだというのだ。 文書の分析から医薬品会社や監督官庁は薬の危険性を理解した上で、つまり死亡者や深刻な副作用、例えば血栓、自己免疫疾患、サイトカインストームなどが現れることを承知で接種を強行したことがわかってきた。医薬品などを投与したとき、血中に炎症性のサイトカインが放出され、悪寒、倦怠感、発熱、血圧変化などの症状を起こすことがあるという。 また、ロシア軍は昨年2月24日から巡航ミサイルなどでウクライナの軍事基地や生物化学兵器の研究開発施設などを攻撃した際に機密文書を回収しているが、その中に生物化学兵器に関する約2000文書が含まれていた。分析の結果、アメリカはウクライナで「万能生物兵器」を研究していたことが判明したとされている。そのウクライナでもCOVID-19に関する研究をしていた疑いがある。 国防総省は1969年6月の段階で人間の免疫システムが対応できない人工的な因子を5年から10年の間に開発するとしていた。 同省の国防研究技術局で副局長を務めていたドナルド・マッカーサーはアメリカ下院の歳出委員会で「著名な生物学者」の話をしている。人工的に作られた生物学的な因子、自然には存在せず、自然免疫を獲得できない因子を生産することが5年から10年以内に生産できる可能性があると彼は証言しているのだ。AIDS(後天性免疫不全症候群)のような病原体を1979年頃までに作り出せると見通しているとも言える。 1970年代は医薬品業界にとって厳しい時代だった。伝染病による死亡者が世界的に減少していたのだ。そのため、アメリカではNIH(国立衛生研究所)、その下部機関であるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)、CDC(疾病予防管理センター)の存在意義が問われていたという。そうした状況を一変させたのがAIDSだった。1984年11月から昨年12月までNIAID所長として伝染病対策を指揮した人物がアンソニー・ファウチだ。 AIDSはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)によって引き起こされるとされているが、このウイルスを発見し、2008年にノーベル生理学医学賞を受賞したのはフランスのリュック・モンタニエだ。 1983年に彼のチームが患者の血液からレトロウイルスを発見、LAVと名付けたのだが、その1年後、NIAIDのロバート・ギャロもAIDSの原因を特定したと発表、それをHTLV-IIIと名付けた。ギャロのウイルスはモンタニエから送られたLAVのサンプルから分離したものだったとされている。ギャロの上司がファウチにほかならない。 AIDSへの感染もPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査で判定していたのだが、この技術を開発したキャリー・マリスもPCRはこれをウイルスの検査に使ってはならないと語り、分析の技術であるPCRをAIDS感染の診断に使うべきでないというわけだ。AIDSで死亡したとされる人の大半は「治療薬」によって死んだとも言われている。 マリスは2019年8月に肺炎で急死、その年の12月にCOVID-19騒動が始まる。そこでファウチたち医療利権はPCRを持ち出してきた。この技術を診断に使うことができないとCDCが認めたのは2021年7月21日のことだ。人口問題 深刻な副作用を引き起こし、障害者を生み出すだけでなく少なからぬ人を死に至らしめた「COVID-19ワクチン」を日本政府はさらに接種させようとしている。世界的に接種がほぼ止まった理由のひとつは政治家や官僚が責任を問われることを恐れてのことだろうが、無責任国家日本では接種し続けている。 COVID-19プロジェクトの中心にアメリカの国防総省が存在しているということは軍事的な意味があるのだろう。その目的はまだ明確でないが、推進派はヒントを口にしてきた。例えばCNNを創設したテッド•ターナーやマイクロソフトを創業したビル・ゲーツは人口削減を訴えてきた。 WEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブの顧問を務めるユバル・ノア・ハラリはAI(人工知能)によって不必要な人間が生み出されるとしている。アルゴリズムが炭素で表現されようがシリコンで表現されようが関係なく、仕事、特に専門化された仕事で人間はAIに勝てないというわけだ。そこで人間は余る。 ハラリが引用したオックスフォード大学の研究によると、2033年までにさまざまな職業がAIに乗っ取られる可能性が高いそうだ。スポーツの審判は98%の確率で、レジ係は97%、シェフは96%、ウェイターは94%、法律事務員は94%、ツアーガイドは91%、パン職人は89%、バスの運転手は89%、建設労働者は88%、獣医助手は86%、警備員は84%、船員は83%、バーテンダーは77%、記録係は76%、大工は72%、監視員は67%などだ。 人間がアルゴリズムよりも優れている仕事につけなければ、失業するだけでなく雇用される可能性がなくなる。雇用されても変化についていくことは難しく、身につけた能力が役に立たなくなる可能性が高い。テクノロジーの進歩によって、人口の大部分を必要としなくなるというわけだ。「ベーシック・インカム」という餌を与えるだけで人びとの不満を抑えることはできないだろう。 西側巨大資本の広報活動をしているWEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブは2016年1月、スイスのテレビ番組マイクロチップ化されたデジタルIDについて話している。最終的にはコンピュータ・システムと人間を連結、つまり人間をコンピュータの端末にするというのだが、不必要になった人間は処分されるのだろう。 かつてイギリスではエンクロージャーによって共有地などが私有化され、土地を追われた農民は浮浪者や賃金労働者になった。労働者の置かれた劣悪な状況はフリードリヒ・エンゲルスの報告『イギリスにおける労働者階級の状態』やチャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』などでもわかる。 ロンドンのイースト・エンドで労働者の集会に参加したセシル・ローズは「パンを!パンを!」という声を聞く。その状態を放置すれば内乱になると懸念、植民地を建設して移住させなければならないと考えたようだ。つまり、社会問題を解決する最善の方法は帝国主義だというわけである。 では、AIによって街にあふれる人びとを現在の支配層はどのようにしようとしているのだろうか? 移住させるためには移住先の人びとを殺すという方法もあるが、彼らが不必要だと考える人の数は少なくない。「COVID-19ワクチン」は一気に人口を減らす手段として有効だと彼らが考えたとしても不思議ではない。
2023.06.28
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9月11日には世界の流れを変えるような大きな出来事が引き起こされている。1973年にチリでは、サルバドール・アジェンデ政権をアメリカのヘンリー・キッシンジャー国家安全保障補佐官に操られたオーグスト・ピノチェトの部隊がクーデターで倒し、2001年にはニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのだ。 クーデター後のチリでは初めて新自由主義経済が導入され、富はアメリカの巨大企業へ流れ、その手先が富を築いた。その「実験」を経てイギリスのマーガレット・サッチャー首相が自国へ導入、それまでの社会システムを崩壊させた。2001年の9/11はアメリカ国内を刑務所化する「PATRIOT法(テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメリカを統合し強化する2001年法)」の導入や侵略戦争の本格化の切っ掛けとして使われている。 PATRIOT法は340ページを超す代物なのだが、それを議会は提出されて1週間で承認、憲法の機能を停止させてしまった。その結果、令状のない盗聴や拘束、拷問が横行することになり、国内の治安機能を強化するため、2002年10月にはUSNORTHCOM(アメリカ北方軍)が設置された。 社会の収容所化は第2次世界大戦が終わって間もない頃、核戦争を想定して計画されているが、大きな節目は1982年のNSDD55。この指令によって戒厳令プロジェクトであるCOGが承認され、NPO(国家計画局)が創設された。 COGの内部は上部組織と下部組織に分かれ、「プロジェクト908」と呼ばれる上部組織にはジョージ・H・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジーたちが含まれていた。下部組織は「フラッシュボード」と呼ばれ、ホワイトハウスの役人、将軍たち、CIAの幹部、引退した軍人や情報機関員など数百人で編成された。(New York Times, April 18, 1994) このプロジェクトの基盤になったのはソ連を先制核攻撃する計画。例えば、1957年にはドロップショット作戦が作成され、それに合わせて沖縄の軍事基地かが推進され、アレゲーニー山脈の中、ウエストバージニア州のグリーンブライア・ホテルの地下には「地下司令部」が建設されている。いわゆるグリーンブライア・バンカーだ。この地下司令部は1990年代の前半に放棄され、ペンシルベニア州のレイブン・ロック山コンプレックスに新たな地下司令部が建設されている。いわゆるサイトRだ。 当初、COGは核戦争を前提にしていたが、1988年に大統領令12656が出され、始動する条件が「国家安全保障上の緊急事態」に変更されている。核戦争が勃発しなくても支配階級が国家安全保障上の緊急事態だと判断すれば憲法の機能を停止できるようになった。そして2001年9月11日にその緊急事態が起こる。 その日、世界貿易センターやペンタゴンに旅客機が突入、センターのツイン・タワーや7号館は爆破解体のように崩壊した。その不自然な崩壊から爆発物が仕掛けられていたと考える人もいる。 そこで注目されたのが1993年2月26日の事件。その日、世界貿易センターのノース・タワーにある地下駐車場に仕掛けられていた爆弾が遠隔操作で爆破される。これはラムジ・ユセフたちによる仕業だった。 ノース・タワーを倒し、サウス・タワーも破壊する計画だったが、建造物で最も弱いはずの地下を破壊してもノース・タワーはびくともしなかった。勿論、サウス・タワーも倒れていない。 その翌年の9月11日にはフランク・ユージン・コーダーなるトラックの運転手が盗んだセスナ150でホワイトハウスのサウス・ローンに突っ込み、本人は翌日に死亡。1995年2月には12機の旅客機を爆破する「ボジンカ計画」が阻止され、4月19日にはアメリカのオクラホマ州にある連邦政府ビルが爆破されて169名が死亡(ひとりは身元不明)した。 ノース・タワーでは地下駐車場が爆破された後、1994年から2000年にかけてACEエレベーターが貿易センターのエレベーター・システムの改良工事を実施(George W. Grundy, “Death of a Nation,” Skyhorse, 2017)、ストラテセク社は1996年から2000年にかけてビルの治安システムを導入するための工事を実施した。こうした工事を利用すれば、どのような仕掛けでも作れるだろう。 2001年の9/11ではサウジアラビアとイスラエルに疑惑の目が向けられていた。オサマ・ビン・ラディンの兄弟のひとりであるシャフィグは9月11日にジョージ・H・W・ブッシュやジェイムズ・ベイカーと会っていたほか、後にサウジアラニアの情報機関である総合情報庁を率いることになるバンダル・ビン・スルタンはアメリカ駐在大使として赴任中で、2005年9月までその職についていた。バンダルの後任大使、トゥルキ・ビン・ファイサル・アル・サウドは2001年8月31日、つまり9/11の11日前まで総合情報庁の長官を務めていた。 9月11日には140名のサウジアラビア人を乗せたチャーター機がアメリカを飛び立っているが、その中には24名のビン・ラディン家の人間も乗っていた。その航空機の搭乗者のひとり、アーメド・ビン・サルマンは9/11を事前に知っていたと後に語っているが、2002年7月に43歳の若さで心臓発作のために急死した。 9/11の前後に「イスラエル人美術学生」が逮捕されていることも話題になった。イギリスのテレグラフ紙によると、攻撃の前に140名のイスラエル人が逮捕され(Telegraph, March 7, 2002)、ワシントン・ポスト紙によると、事件後に60名以上が逮捕されている。(Washington Post, November 23, 2001)合計すると逮捕者は200名に達し、その中にはモサドのメンバーも含まれていた。後に全員が国外追放になる。 アメリカ国内に犯人はいると考える人も少なくないが、そのグループが国外の人間と連携した可能性もある。大々的に宣伝されたハイジャック話は信憑性が低い。**********************************************【Sakurai’s Substack】
2025.09.12
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アメリカ軍とイスラエル軍がイランを奇襲攻撃した直後にイラン軍は報復攻撃を開始、西アジアにあるアメリカ軍基地は大きなダメージを受けたことは早い段階から指摘されていている。その事実をCNNが5月1日に伝えた。イラン軍攻撃で被害を受けた基地は少なくとも16か所だとしている。 CNNはネオコンの広報機関とみなされているメディアだが、1998年6月にはアメリカ軍のMACV-SOG(ベトナム軍事援助司令部・調査偵察グループ)が1970年に逃亡米兵をサリンで殺害したと報じている。その作戦名はテイルウィンド(追い風)。CNNは軍関係者だけでなく有力メディアから攻撃され、調査を行ったふたりのプロデューサーは誤報だと認めるように要求されるが拒否、解雇された。そのひとり、エイプリル・オリバーによると、放送では示されなかった重要な情報をCNNは隠しているという。 その作戦に関する重要な証言をしたひとり、トーマス・ムーラー提督は1970年から74年まで統合参謀本部議長を務めた人物。それに対し、MACV-SOGは情報機関と特殊部隊が母体で、指揮系統は正規軍と別である。つまりムーラー提督はテイルウィンドと無関係であり、沈黙を守る必然性もなかった。 その放送の翌年、アメリカ陸軍の第4心理作戦群の隊員が2週間ほどCNNの本部で活動していたことも明らかになっている。「産業訓練」というプログラムの一環で、編集に直接はタッチしていなかったとしても、心理戦の部隊を受け入れると言うこと自体、報道機関としては許されない行為だ。アメリカ軍の広報担当だったトーマス・コリンズ少佐によると、派遣された軍人はCNNの社員と同じように働き、ニュースにも携わったという。 この事実を最初に報じたのはフランスのインテリジェンス・ニューズレターで、オランダのトロウ紙が2000年2月21日に後を追う。アメリカ軍の広報担当、トーマス・コリンズ少佐によると、派遣された軍人はCNNの社員と同じように働き、ニュースにも携わったという。(Trouw, 21 February 2000) アメリカとイスラエルによる奇襲攻撃を受けたイランはミサイルやドローンで反撃を開始、イスラエルのテルアビブやハイファといった都市を破壊し、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)に近い場所も攻撃した。 また、カタールにあるアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地なども攻撃。3月27日にはサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に駐機していたAWACS(早期警戒管制機)のE-3と2機のEC-130H電子戦機をイラン軍は破壊、KC-135空中給油機複数機も機能不全の状態にした。 イランは何年も旱魃で苦しんでいたのだが、アメリカ軍基地が攻撃された後、イランとその周辺では豪雨が発生、一部の地域では雪が降り、人びとを驚かせた。 西アジアの乾燥した地域で雨が降ることは珍しい。チグリス川とユーフラテス川の水量は増加し、砂漠には花が咲き、干上がっていた湖には水と生命が戻った。枯れていたダムは満水状態になり、放水を開始したという。 この劇的な気象の変化をもたらした原因はイラン軍がペルシャ湾岸諸国にあるアメリカ軍のレーダー施設全てを破壊したことにあると考える人が少なくない。ドップラー式気象レーダー網のNEXRADに疑惑の目が向けられている。 善良なる研究者などから「実現不可能」とされている気候工学だが、その共同プロジェクトをイスラエルとUAEは1990年代に開始した。そして2010年から15年あたりからイラン周辺の水問題が始まる。イランのマフムード・アフマディネジャド大統領は2011年に「彼らは我々の雨を盗んでいる」と発言した。勿論こうした「陰謀論」は相手にされないことになっている。ただ、イランがペルシャ湾岸のアメリカ軍基地を破壊した後、長期にわたって続いた旱魃は終息したことは確かだ。***********************************************楽天プログにアクセスしにくい場合、下記サイトへ【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.05.04
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アメリカの外交や軍事を動かしてきたシオニストは2014年2月にウクライナのキエフでクーデターを仕掛け、対ロシア戦争を本格化させ、今年2月28日にはイスラエルと共同でイランを奇襲攻撃、最高指導者だったアヤトラ・アリ・ハメネイ師を含むイラン政府の要人を殺害、同時に女子小学生が通う学校も破壊して約150名を殺害した。 そのいずれの戦争でも重要な役割を果たしているパランティア・テクノロジーズはアメリカやイスラエルの情報機関と関係が深く、軍や対テロ分析担当者が使用する情報分析ツールも開発、AIや顔認識システムを利用した監視システムにも関係、最近ではAIを搭載したドローンの開発だけでなく作戦の作成にも関与しているようだ。 このパランティアを含むハイテク企業の重役が昨年からアメリカ軍の中佐として雇用されている。それだけアメリカ軍との関係が強まっているのだ。アメリカ陸軍が受け皿として組織したのは「エグゼクティブ・イノベーション部隊(201分遣隊)」で、この構想はジョー・バイデン政権下の2023年4月に浮かんだ。そうした企業人に与えられた役職が陸軍の技術顧問でなく中佐だったことに対し、多くの軍関係者が快く思っていないという。 2025年6月にはフェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームのアンドリュー・ボズワースCTO(最高技術責任者)、オープンAIのケビン・ワイルとボブ・マクグルー、そしてパランティアのシャム・サンカーCTO。今年の6月にはインターネットサービスを提供するクラウドフレアのデーン・クネヒトCTO、テクノロジー系新規企業へのベンチャー・キャピタル投資を専門とするサッター・ヒル・ベンチャーズのサム・プララCTO、そしてフェイスブックAIリサーチの共同設立者であるセルカン・ピアンティーノが任命された。第1陣による指導・助言には「弾薬供給網のデータ分析、有機的産業基盤(OIB)への投資、自律型システム、および対ドローン技術に関する基本戦略」への支援が含まれていたという。 こうした政策は軍内部の秩序を揺るがすほか、利害の問題も生じさせる。例えばサンカーが所属するパランティアは情報機関や国防省で使用されているソフトウェア「ゴッサム」の供給元で、衛星画像、ドローンからの映像、レーダーのデータ、戦場センサー、情報報告などを統合するプログラム「メイブン」を開発した企業でもある。 こうした「民営化」の仕組みは1970年代にアメリカ議会でCIAの秘密工作が問題になった後、議会の監視を避けるために作られた。しかも国防総省やCIAとの契約企業になれば「国家安全保障上の理由」という口実で都合の悪い情報を明らかにする必要はない。同じことは「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」を製造した医薬品企業でも言える。このワクチンの接種は国防総省のプロジェクトとして実行された。 1980年代に発覚したイラン・コントラ事件では「私的な情報機関」としてエンタープライズの存在が明るみに出ている。この組織は1976年に創設された国際的な情報機関のネットワーク、サファリ・クラブに含まれている。そのネットワークにはフランス、サウジアラビア、エジプト、モロッコ、そして王政時代のイランの情報機関人脈が含まれ、中心にはサウジアラビアの情報機関や武器商人のアドナン・カショーギ、ケニアの大統領だったジョモ・ケニャッタ、そしてヘンリー・キッシンジャーがいた。CIAとサファリ・クラブとの連絡係はジョージ・H・W・ブッシュと親しかったシオドア・シャックレー。この集まりがサファリ・クラブと呼ばれるようになったのは最初の極秘会合がケニアのマウント・ケニア・サファリ・パークという場所で開かれたからである。こうした話は拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』(三一書房、2005年)で説明している。 1980年代の時点で国境を超えた情報機関のネットワークが築かれ、大手企業が国家組織へ食い込み始めた。その結果、企業は情報の開示を免れ、情報機関や軍は議会の監視から逃れられるようになる。そして議員たちを買収すると同時にスキャンダルで脅する仕組みも作られた。ちなみに、イスラエル軍の情報機関で働いていたジェフリー・エプスタインもイラン・コントラ事件に関係していた。 情報機関の下でエレクトロニクス企業と医療業界は連携している。例えば、WEF(世界経済フォーラム)を率いていたクラウス・シュワブは2016年1月にスイスのテレビ番組に出演した際、マイクロチップ化されたデジタル・パスポートについて話している。チップを服に取り付けるところから始め、次に皮膚や脳へ埋め込み、最終的にはコンピュータ・システムと人間を融合、人間を端末化しようと考えていた。COVID-19騒動の際、話題になったデジタルIDもその布石だろう。 RFID、つまり識別情報を無線でやりとりする小型チップを商品でなく皮膚下に埋め込む技術も実用化されつつある。そのチップにはID番号が記録され、個人情報が集積されているデータベースにアクセス、犯罪歴、病歴、学歴を含む個人データを引き出すことができる。IC乗車券を持たずに電車やバスに乗車でき、支払いも電子的に決済することが可能で、身分証明書としても機能する。便利だと感じる人もいるだろうが、囚人化とも言える。人間が何を考えているかを外部から探る技術も研究され、すでに脳波を測定することで心理状態をある程度把握することは可能になっている。(South China Morning Post, 29 April 2018) 西側では私企業が強大化し、政府を上回る力を持ち始めている。その中心に存在しているのがハイテク企業であり、テクノ-ファシズムという用語もできている。(楽天、ノート、サブスタック) フランクリン・ルーズベルトは大統領時代の1938年4月29日、つまりウォール街の親ファシズム勢力によるクーデター計画を阻止した後、ファシズムについて次のように語っている:「私的権力が民主国家そのものより強大になることを許してしてしまうならば、民主主義の自由は危うくなる。それこそが本質的にファシズム――個人、集団、あるいはその他の支配的な私的権力による政府の掌握である。」**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.28
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安倍晋三首相が8月28日夕方に記者会見を開き、辞意を表明したという。第2次安倍政権は2012年12月、野田佳彦首相が「自爆」してから約7年8カ月続いた。「憲政史上最長」だというが、それはアメリカの支配者にとって都合の良い政治家だったことを意味しているにすぎない。安倍絡みのスキャンダルが問題にされなかったり、もみ消されたのもそのためだろう。 アメリカの属国である日本がアメリカの戦略に左右されることは必然である。そのアメリカではシオニストの一部であるネオコンが1992年2月、世界制覇を実現するために詰めの作業に入ることを国防総省のDPG草案という形で宣言した。国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツが中心になって作成されたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。 そうした単独行動主義を打ち出せたのは、ソ連が1991年12月に消滅したからである。ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと考え、単独で行動しても文句を言える国はなくなったと判断したのだ。国連を重視する方針を示していた細川護熙政権は潰された。そして1995年にジョセフ・ナイ国防次官補は「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表、日本をアメリカの戦争マシーンに組み込む方針を示した。その当時、日本で怪事件が続き、不自然な形で重要な記事が出たことは本ブログで何度か指摘した。 その後、日本は実際に戦争マシーンへ組み込まれていくが、そうした戦争への道から日本が外れそうになったことがある。2009年9月、東シナ海を「友愛の海」と呼ぶ民主党の鳩山由紀夫が総理大臣に就任したのだ。アメリカの支配者の戦略に楯突く主張だ。 アメリカの支配者は自分たちにとって鳩山が好ましくない人物だということは、その前からわかっていただろう。そうしたことが影響したのか、鳩山や小沢一郎に対する攻撃は始まり、続く。 例えば、2009年から11年までNSC(国家安全保障会議)のアジア上級部長を務めたジェフリー・ベーダーは講演会で鳩山の東アジア共同体構想を罵倒し、日米関係の最大の懸念だったとも語っている。 また、2006年6月3日号の週刊現代は「小沢一郎の“隠し資産6億円超”を暴く」という記事を掲載、09年11月には「市民団体」が陸山会の04年における土地購入で政治収支報告書に虚偽記載しているとして小沢の秘書3名を告発、翌年の1月に秘書は逮捕されている。また「別の市民団体」が小沢本人を政治資金規正法違反容疑で告発し、2月には秘書3人が起訴された。この間、ほかのメディアも反小沢キャンペーンを展開している。 その後、検察が「事実に反する内容の捜査報告書を作成」するなど不適切な取り調べがあったことが判明、この告発は事実上の冤罪だということが明確になるが、小沢のイメージを悪化させることには成功した。小沢とタッグを組んでいた鳩山は2010年6月に総理大事の座から降りざるをえなくなる。 その後任になった菅直人は消費税の増税と法人税の減税という巨大企業を優遇する新自由主義的政策を打ち出して庶民からの支持を失っただけでなく、中国との関係を悪化させる行動に出る。海上保安庁が尖閣諸島の付近で操業していた中国の漁船を「日中漁業協定」を無視する形で取り締まり、漁船の船長を逮捕したのだ。この逮捕劇の責任者は国土交通大臣だった前原誠司。この後、日中友好の流れは断ち切られ、軍事的な緊張が高まっていく。 菅直人の後、2011年9月に首相となった野田佳彦も菅直人と基本的に同じように冷酷非情な社会を築く政策を進め、選挙になれば敗北することが確実な情勢の中、12年12月に内閣総辞職。総選挙では予想通りに民主党は惨敗、安倍晋三グループの独裁体制を招くことになったのだ。 当初、安倍の後ろ盾もネオコンだった。特にハドソン研究所の上級副所長を務めるI・ルイス・リビー、通称スクーター・リビーの存在が大きい。この人物はエール大学の出身だが、そこでウォルフォウィッツの教えを受けている。安倍がウォルフォウィッツ・ドクトリンに従う、つまりアメリカの世界制覇戦争へ日本を加担させることは必然だった。 安倍は2015年6月、赤坂にある赤坂飯店で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたという。これは本音だろう。南シナ海は中国が進める一帯一路の東端にある海域にあり、重要な海域。アメリカはそこをコントロールすることで中国の世界戦略を潰そうとしている。その手先にされようとしているのが海上自衛隊だ。 そうした安倍だが、何年か前からネオコンに見切りをつけられたのではないかと思える雰囲気があった。安倍には政治家、官僚、大企業経営者、マスコミの人間などを脅す仕掛けがあるとも噂されているが、そうした仕掛けが機能していたのかもしれない。それでも安倍は辞意を表明せざるをえなくなった。アメリカの支配者からの圧力がそれをほど強かったのだろう。この支配者が次の操り人形を用意していることは間違いない。
2020.08.29
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チェース銀行は9月18日にマイケル・フリン元国家安全保障補佐官のクレジット・カードを解約すると本人に通告したようだ。同行に対する評判が落ちるリスクがあるからだという。 フリンは陸軍中将で、2012年7月から14年8月にかけてアメリカ軍の情報機関DIAの局長を務めている。フリンがDIA局長に就任した頃、バラク・オバマ政権はシリアで政府軍と戦っていた武装集団への支援を強化していた。 この支援活動は2010年8月にオバマ大統領がPSD-11を出したところから始まる。これはムスリム同胞団を使った政権転覆計画で、後に「アラブの春」と呼ばれるようになる。2010年12月にチュニジアで政権が転覆、11年2月にはリビア、3月にはシリアで侵略戦争が始まる。 2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は崩壊、カダフィ自身は惨殺された。その際、アル・カイダ系のLIFGとNATO軍が連携していたことが判明する。地上ではLIFGが戦い、空からはNATO軍が攻撃していたのだ。地上にはアメリカやイギリスなど侵略黒幕国の情報機関が侵入していた。 カダフィ体制が崩壊した後、戦闘員と武器/兵器はシリアへ運ばれている。その輸送工作で拠点になっていたのがベンガジのアメリカ領事館だった。すでにシリアでもアメリカの手先になっていたアル・カイダ系武装集団が存在していたのだが、そこにリビアからの戦闘員は合流することになる。その集団をオバマは支援していたわけだ。 そうした中、2012年8月にDIAはオバマ大統領に対してシリア情勢に関する報告書を提出した。それによると、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で、戦闘集団の名称としてアル・ヌスラを挙げている。そのアル・ヌスラはAQI、つまりイラクのアル・カイダと実態は同じだともDIAは指摘している。オバマ大統領は「穏健派」を支援していると主張していたが、DIAはその主張を否定したのだ。 また、そうしたオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるともDIAは警告していた。その警告は2014年に入ってダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で現実になる。そして2014年8月、オバマ政権の内部で孤立していたフリンは解任された。ちなみに、フリンは民主党の支持者だ。 2014年にオバマ政権は世界制覇に向かって足を踏み出している。中東ではダーイッシュを出現させたが、その年の2月にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させ、9月から12月にかけて香港で「佔領行動(雨傘運動)」を展開して中国を揺さぶっているのだ。この勝負が裏目に出たことは本ブログで繰り返し書いてきた。 その後、オバマ大統領はロシアとの関係を悪化させるため、さまざまな手段を講じ、任期が終わる直前の2016年12月には外交官35名を含むロシア人96名を追放している。 その年の8月、ヒラリー・クリントンに近いマイク・モレル元CIA副長官(2011年7月1日から9月6日、12年11月9日から13年3月8日の期間は長官代理)はチャーリー・ローズのインタビュー番組に出演、そこでロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語る。司会者からロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われると、その通りだと答えたのだ。 実際、2016年11月8日にニューヨークのロシア領事館で副領事の死体が発見され、12月19日にはトルコのアンカラでロシア大使が射殺された。12月20日にはロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部外交官が射殺され、12月29日にはKGB/FSBの元幹部の死体が自動車の中で発見され、17年1月9日にはギリシャのアパートでロシア領事が死亡、1月26日にはインドでロシア大使が心臓発作で死亡、そして2月20日にはロシアの国連大使だったビタリー・チュルキンが心臓発作で急死している。その間、2016年9月6日にはウラジミル・プーチンの運転手が載った自動車へ暴走車が衝突、その運転手は死亡した。2015年11月5日にはロシア系のRTを創設した人物がワシントンDCのホテルで死亡したが、「変死」と表現する人は少なくない。 2016年は大統領選挙の年で、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプが争い、トランプが勝利する。そのトランプに安全保障問題のアドバイスをしていた人物がフリン元DIA局長。トランプが次期大統領に決まった後、フリンはロシアのセルゲイ・キスリャクと会い、オバマ政権がロシアに対して行っている「制裁」を話題にした。オバマの挑発に乗らず、自制して欲しいと伝えたようだ。そのフリンをアメリカの有力メディア、FBI、そしてCIAは激しく攻撃する。フリンはトランプ政権で国家安全保障補佐官に就任するが、2017年2月に解任されてしまう。フリンはヒラリーやオバマの背後にいる私的権力から嫌われているだけでなく、彼らの知られたくない事実を知っている。 クレジット・カードを使えなくしたいほどフリンを嫌っているのだろうが、この決定はアメリカが目指している「新世界」の闇を垣間見せてくれた。「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)」の騒動を利用して「デジタル・パスポート」を全人類に携帯させ、個人の言動を集中管理する計画がある。 通貨が完全にデジタル化されると、カネの出し入れも「デジタル・パスポート」で管理される。私的権力が「好ましくない」と判断した人の銀行口座は凍結される恐れがある。フリンのクレジット・カードのように。
2021.09.01
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アメリカの歴史は先住の「アメリカ・インディアン」を殲滅、土地を奪い、奴隷に働かせるところから始まる。そのアメリカはイギリスから独立するが、人権を否定するという点で両者に大差はない。アメリカのいわゆる「独立宣言」は「すべての人間は平等」としているが、その人間の中に先住民や奴隷が含まれていないことは歴史が示している。 西側の支配層やその従者たちは「共通の価値観」なる用語をしばしば使う。彼らが行っていることは侵略、破壊、殺戮、略奪であり、民主的な体制を倒し、民主主義を実現しようとする人びとを排除してきた。それが彼らの真の価値観であり、かつて彼らは「帝国主義者」と呼ばれていた。そうした事実が語られることを嫌い、最近では言論の弾圧を強めている。 そうした帝国主義的な行為を正当化するため、彼らはしばしば「神」を持ち出す。アメリカを「自由と民主主義」に基づく「正義の国」だと主張する人は、虐殺されたアメリカ・インディアンを「悪魔の創造物」だと考えているのかもしれない。特定の人以外は劣等だとする優生学がイギリスやアメリカで生まれ、発展したことは本ブログでも書いてきた。 優生学の創始者とされているフランシス・ゴールトンは『種の起源』で知られているチャールズ・ダーウィンの従兄弟にあたる。ダーウィンはトーマス・マルサスの『人口論』から影響を受け、「自然淘汰」を主張していた。当時、イギリスの支配階級に広まっていた信仰だが、その信者にはセシル・ローズも含まれていた。彼は1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に『信仰告白』を書いている。 その中で彼はアングロ・サクソンを最も優秀な人種だと位置づけ、その領土が広がれば広がるほど人類にとって良いことだと主張している。大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務であり、領土の拡大はアングロ・サクソンが増えることを意味するというのだ。(Cecil Rhodes, “Confession of Faith,” 1877) イギリスで生まれた優生学はアメリカの支配層へ広まり、イギリス以上に社会へ大きな影響を与えることになる。支援者の中心はカーネギー財団、ロックフェラー財団、そしてマリー・ハリマンで、優生学に基づく法律も作られた。 マリーは鉄道で有名なE・H・ハリマンの妻だが、ハリマン家は金融の世界でも有名。ハリマン家の銀行で重役を務めていたジョージ・ハーバート・ウォーカーの娘と結婚したのがプレスコット・ブッシュだ。プレスコットはウォーカーの下でブラウン・ブラザーズ・ハリマンやユニオン・バンキング・コーポレーションの重役を務めていたが、いずれもウォール街からナチスへ資金を供給する重要なルートだ。同僚のひとりにW・アベレル・ハリマンがいる。 優生学の信奉者はアングロ・サクソン、ドイツ系、北方系の人種が優秀だと主張、劣等な種を「淘汰」するべきだと考える。そうした考えに引き寄せられたひとりがアドルフ・ヒトラーであり、ウクライナを支配しているネオ・ナチもその神話を信奉している。 いわゆる『新約聖書』にもそうした思想が書き込まれている。例えば「ヨハネの黙示録」の第7章には天使が「我々の神の僕たちの額の上に我々が印をつけるまでは、地と海と木を害してはならぬ」と語ったとしてある。その僕とは「イスラエルの各支族の中から印をつけられた者」で、その印を付けられた人だけが殺されるのを免れるのだという。(田川健三訳著『新約聖書 訳と註 7 ヨハネの黙示録』作品社、2017年) 田川健三によると「民族伝説の趣旨からすれば「ユダヤ人」は十二支族の中の二支族にすぎない」のだが、これは無視されている。勿論、「十二支族」は歴史的な事実に裏付けられていない。(前掲書) 田川は「黙示録」の中にギリシャ語の文法を理解している人物と初歩の知識もない人物の文章が混在していると指摘、少なくともふたりの人物によって書かれているとしている。大量殺戮に関する記述は後で文法的な知識のない人物によって書き加えられた部分だ。(前掲書)
2023.01.24
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高市早苗首相は中国やロシアに対する情報活動を行うため、内閣情報調査室(CIRO)を中核拠点とする情報機関を設立する計画を立てているという。この計画はアメリカのFBI(連邦捜査局)の支援を得て推進されているようで、政府だけでなく民間セクターからも人員を集め、当初の総数は約700名になるという。 アメリカではCIAやFBIは独自の判断で大統領や議員に対する工作を実行、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺には実行グループの中に両機関のメンバーが含まれている可能性が高い。日本の新機関がどのようなものになるか不明だが、最悪の場合、「国家内国家」として機能することになるだろう。民主主義は跡形もなく消え去るということだ。 昨年10月24日、木原稔官房長官は「国家情報局」の創設を検討する方針だと記者会見で表明していた。政府の「インテリジェンス」に関する司令塔としての機能を強化するというのだが、日本政府に「インテリジェンス」を扱う能力など存在しない。 内閣情報調査室は1952年4月に作られた「内閣総理大臣官房調査室」が起源だとされている。首相だった吉田茂の意向を受け、緒方竹虎と村井順が中心になって設置された。村井は国家地方警察本部警備第一課長だった人物で、のちに綜合警備保障を創設する。 村井は1953年9月から3カ月の予定で国外へ出ている。その名目はスイスで開かれるMRA(道徳再武装運動)大会への出席だったが、この組織はCIAの別働隊。村井は西ドイツのボンに滞在していたアレン・ダレスCIA長官に会うことが本当の目的だったと言われている。新情報機関に関する助言を得ることにあったと推測されている。ちなみに、中曽根康弘はMRAの大会へ出席してから出世街道を進み始めた。 官房調査室は1957年8月に内閣調査室となり、内閣情報調査室となったのは1986年7月。官房調査室にしろ、内閣調査室にしろ、内閣情報調査室にしろ、調査能力はないとされている。少なくとも内閣調査室時代に実際の調査を行っていたのは外部の人間など。当初は元特務機関員が請け負っていたが、そうした人びとの多くはCIAともつながりがあり、内閣調査室に提出される報告書より詳しい内容の報告書がCIAへ渡されていたと関係者は証言している。 官房調査室が設置された当時、公安調査庁も法務省の外局として作られ、旧軍人グループの「睦隣会」が発足、世界政経調査会になる。この旧軍人グループの中心になる有末精三陸軍中将や辰巳栄一陸軍中将は河辺虎四郎陸軍中将、服部卓四郎陸軍大佐、中村勝平海軍少将、大前敏一海軍大佐らと同じように、アメリカの軍や情報機関と密接な関係にあった。こうした親米派の軍人は「KATO機関」、あるいは「KATOH機関」と呼ばれている。 ジャーナリストの森詠によると、このうち辰巳中将を除く5名は東京駅前の日本郵船ビルを拠点にしていた。その3階には「歴史課」と「地理課」があり、歴史課は1947年5月から50年12月まで活動、地理課は朝霞のキャンプ・ドレークに移転した後、75年まで王子十条の米軍施設内で活動していたと言われている。(森詠著『黒の機関』ダイヤモンド社、1977年) 歴史課には杉田一次陸軍大佐、原四郎陸軍中佐、田中兼五郎陸軍中佐、藤原岩市陸軍中佐、加登川幸太郎陸軍少佐、大田庄次陸軍大尉、曲寿郎陸軍大尉、小松演陸軍大尉、大井篤海軍大佐、千早正隆海軍中佐らが、また地理課には山崎重三郎陸軍中佐など参謀本部支那班の元メンバーが出入りしていた。その一部が「第三次大戦と日本の防衛計画」についてのプランを練っていたようだ。(前掲書) こうした旧日本軍の軍人たちを統括していたのはGHQ/SCAPのG2(情報担当)を統括していたチャールズ・ウィロビー少将で、親ファシスト/反コミュニスト派として有名。生物兵器や化学兵器に関する生体実験をしていた「第七三一部隊」を指揮していた石井四郎中将らを匿ったのもウィロビーだ。 日本の生物化学兵器の開発は軍医学校、東京帝国大学医学部、京都帝国大学医学部が中心になって進められ、後ろ盾は小泉親彦軍医総監だったとされている。 ウィロビーに関する情報はほとんど公開されていないが、その理由は日本時代にあると言う人もいる。引退後、彼はスペインの独裁者フランシスコ・フランコの非公式顧問に就任した。 かつて、アメリカでは情報を収集分析する機関として、国家安全保障法に基づいてCIA(中央情報局)が1947年に設置されたのだが、アレン・ダレスやジョージ・ケナンのような人びとは破壊活動を実行する機関の創設を求め、48年にNSC10/2という文書が作成された。 この文書に基づいてOSP(特殊計画局)が設立され、すぐにOPC(政策調整局)へ名称は変更された。OPCの資金やスタッフはCIAから出ていたのだが、指揮系統はCIA長官の下になく、名目上はケナンが創設した国務省のPPS(政策企画本部)が管理していた。 OPCは1952年8月1日にCIAの特殊作戦局(OSO)と統合され、計画局(DDP)の支柱になる。計画局の秘密工作を監督するために設置された部署が「工作調整会議」だ。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000) 破壊工作部門は活動の実態が問題になる多部に名称が変更される。計画局は1973年に作戦局に名称が変更され、2005年からはNCS(国家秘密局)、そして2015年には作戦局へ戻された。1970年代にはアメリカ議会でCIAの秘密工作が暴露され、2003年3月にアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃した後、アメリカ軍がCIAと共同で拘束した戦闘員に対して拷問していたことが発覚している。 CIAは情報を収集分析する機関として創設されたのだが、そこへ破壊工作機関OPCが潜り込み、今ではその部門がCIAを支配している。そのネットワークは「民間」の世界へも広がり、「国家内国家」として機能している。 OPCは東アジアでも活動していた。創設当初は上海に拠点が置かれていた。第2次世界大戦で日本が敗北した後、アメリカのハリー・トルーマン政権は、蒋介石が率いる国民党に中国を支配させようと計画、軍事顧問団を派遣しているのだが、紅軍(1947年3月に人民解放軍へ改称)は農民の支持を背景として勢力を拡大、1949年1月には北京へ無血入城し、その指導部も北京入り、5月には上海も支配下においた。 同年10月には中華人民共和国が成立するが、OPCは拠点を日本へ移動させ、新たな拠点を厚木基地をはじめ6カ所におく。その段階でOPCは中国への反抗を計画していたはずだ。そうなれば、日本は兵站の拠点になり、物資を輸送する海運や鉄道の役割は飛躍的に大きくなる。(Stephen Endicott & Edward Hagerman, “The United States and Biological Warfare”, Indiana University Press, 1998) その1949年の夏、日本では国鉄を舞台とした怪事件が引き起こされた。7月5日から6日にかけての下山事件、7月15日の三鷹事件、そして8月17日の松川事件だ。これらの事件は共産党が実行したというプロパガンダが展開され、国鉄の組合は大きなダメージを受けた。ストライキによって物資の輸送が滞る心配がなくなったと言える。 海運の拠点である港も重要。特に神戸と横浜でストライキが引き起こされたなら、戦争はできない。そこで港の労働者を抑える仕組みが必要になる。そこで神戸を任されたのが山口組の田岡一雄、横浜を任されたのが藤木幸太郎だ。1949年7月には沖縄の軍事施設費を次年度予算に計上することが決定され、沖縄での本格的な基地建設への扉が開かれた。そして1950年、アメリカは朝鮮半島で戦争を始めたが、その前からアメリカの破壊工作機関は朝鮮半島で挑発活動を始めていた。 朝鮮戦争の最中、1952年6月に大分県直入郡菅生村(現竹田市菅生)で駐在所が爆破されるという事件があった。いわゆる菅生事件である。近くにいた共産党員2人が逮捕され、3人が別件逮捕されるのだが、後に警察当局が仕組んだでっち上げだということが判明する。 この事件でカギを握る市木春秋(後に戸高公徳が本名だと判明)は事件後に姿を消すものの、共同通信の特捜班が東京で見つけ出し、彼の証言から彼は国家地方警察大分県本部警備課の警察官だということが判明した。ダイナマイトを入手し、駐在所に運んだのも彼だと言うことがわかる。 警察官が爆弾テロを実行しいたわけだが、実行者で有罪判決を受けた戸高は刑は免除され、その判決から3カ月後に警察庁は彼を巡査部長から警部補に昇任させ、しかも復職させている。最終的に彼は警視長まで出世、警察大学の術科教養部長にもなり、退職後も天下りで厚遇された。戸高の事件には、警察という組織全体を揺るがす事実が隠されているということだろう。 いや、日本の警察を超えたところまで波及する可能性がある。松橋忠光元警視監によると、アメリカは1959年から「1年に2人づつ警視庁に有資格者の中から選ばせて、往復旅費及び生活費と家賃を負担し、約5か月の特殊情報要員教育を始めた」という。公式文書に記載された渡航目的は「警察制度の視察・研究」だが、実際はCIAから特殊訓練を受けるのだともされている。(松橋忠光著『わが罪はつねにわが前にあり』オリジン出版センター、1984年) 新機関をFBIが支援するということは、日本版のゲシュタポ、あるいは特別高等警察の設置を目論んでいるようにも思える。本ブログでは繰り返し書いてきたが、1995年から日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれ、中国やロシアと戦争する準備を進めてきた。戦争するためには、戦争に反対する人びとを黙らせる必要がある。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.05.16
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ウクライナ政府は7月14日、過去9日間にアゾフ海でロシアの船舶116隻に打撃を与えたと発表した。言うまでもなく攻撃の主体はNATOであり、アメリカやイスラエルの情報機関と関係の深いパランティア・テクノロジーズのAIが作戦の立案で重要な役割を果たしたのだろう。西側の反ロシア勢力は「潮目が変わった」と浮かれていたが、実際はロシア軍の激しい報復攻撃を招くことになった。オデッサやニコラエフの港へ物資を輸送する船舶を攻撃、ウクライナは黒海へのルートを断たれ、「陸の孤島」にされている。キエフ、スミ、オデッサなどの主要施設を激しく攻撃し始めた。 苦境に陥ったウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーは長距離ドローンでカスピ海を航行したイランの商船を攻撃、イラン人船員が殺害された。この攻撃をイランのアッバス・アラグチ外相は激しく批判し、イラン議会は対イラン攻撃の拠点になる場所はイラン軍の正当な標的になると宣言、ウクライナのほか、イギリス、ブルガリアの名を挙げた。 ウクライナと西アジアを舞台にした戦いは形式上、別々の戦争だが、カスピ海を航行していたイラン戦への攻撃によって、実態通り、ひとつの戦争になるかもしれない。本ブログでは繰り返し書いてきたように、これらの戦争はイギリスが19世紀に始めた長期戦略に基づく。アメリカはその戦略を引き継いでいるだけであり、イスラエルはイギリスが作り上げた国だ。 この長期戦略に基づく戦争ははじまたイギリスの政治家はヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)。この人物は1855年2月から58年2月、59年6月から65年10月、2度にわたって首相を務め、反ロシアで有名だ。ビクトリア女王に対してアヘン戦争を指示したのもこの人物である。最初のアヘン戦争は1840年に勃発、第2次アヘン戦争は56年に始まっている。 2度のアヘン戦争でイギリスは中国(清)に海戦で勝利したが、内陸部を征服することはできなかった。それだけの地上軍がなかったからにほかならない。そこで戦国時代に戦闘奴隷の歴史がある日本に目をつけた。そして仕掛けたのが明治維新だ。 その日本は現在、アメリカの属国。陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を一元的に指揮する常設組織として「統合作戦司令部」が2024年3月に編成され、これによって自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入ったと考えられている。 歴代アメリカ政府の外交や軍事をコントロールしてきたシオニストの一派、ネオコンは1992年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プロジェクトを作成した。この草案作成で中心的な役割を演じたのは国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツで、そのことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。 このプロジェクトにおける最優先事項は新たなライバルの出現を防ぐことにあるが、ドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に統合し、民主的な「平和地帯」を創設する、つまりドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、アメリカの支配地域を広げるということも謳われている。1995年以降、日本はアメリカの戦争マシーンになる準備、つまり中国と戦争する準備を急ピッチで進めた。2024年3月の統合作戦司令部創設はその一環だろう。 総理大臣を務めていた故安倍晋三は2015年の6月、赤坂にある「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたと報道されている。自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させた。 この軍事施設建設の理由は国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が発表した報告書が説明している。GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲するためだというのだ。 南西諸島にミサイル発射基地が建設されつつあった2017年11月、アメリカはオーストラリア、インド、日本とクワドの復活を協議、18年5月にはアメリカ太平洋軍をインド太平洋軍へ名称変更した。インド洋から太平洋にかけてを一体化して扱おうとしたのだろうが、今年6月、名称を太平洋軍へ戻すことを決めた。 RANDコーポレーションによると、専守防衛の建前と憲法第9条の制約がある日本の場合、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたとされていたが、すでにそうした配慮は放棄されている。 2022年10月になると、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル『トマホーク』の購入を米政府に打診している」とする報道があった。亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。 トマホークは核弾頭を搭載でる亜音速ミサイルで、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートル。中国の内陸部にある軍事基地や生産拠点を先制攻撃できる。「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約は無視されていると言えるだろう。 そして2023年2月、浜田靖一防衛大臣は亜音速巡航ミサイル「トマホーク」を一括購入する契約を締結する方針だと語ったが、10月になると木原稔防衛相(当時)はアメリカ国防総省でロイド・オースチン国防長官と会談した際、「トマホーク」の購入時期を1年前倒しすることを決めたという。当初、2026年度から最新型を400機を購入するという計画だったが、25年度から旧来型を最大200機に変更するとされているのだが、イランに対する攻撃で枯渇、配備は遅れる。 RANDコーポレーションが書いているように、アメリカ軍はミサイルで中国を包囲しようとしている。ロシアに対するウクライナと同じように日本は中国に軍事的な圧力を加え、場合によっては攻撃することが求められている。 日本と中国との友好関係を築いたのは田中角栄である。彼は総理大臣として1972年9月に北京を訪問、日中共同声明の調印にこぎつけ、その際に尖閣諸島の領土問題は「棚上げ」にすることで合意している。この知恵によって日中両国は経済的な結びつきも強まった。この関係を壊したのは菅直人政権だ。 2010年6月に成立した菅直人内閣は閣議決定で尖閣諸島周辺の中国漁船を海上保安庁が取り締まれることに決め、2000年6月に発効した「日中漁業協定」を否定してしまう。この出来事で中心的な役割を果たしたのは国土交通大臣を務めていた前原誠司。彼は9月に外務大臣となり、外交的に問題を修復する道を断ち切ることになった。 そして2025年10月に内閣総理大臣に就任した高市早苗は翌月、衆院予算委員会で「台湾有事」について問われ、「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と発言。彼女も「ひとつの中国」を受け入れているので、中国で内戦が始まった場合、日本は中国に対して宣戦布告するということになる。東アジアにおける戦乱の発火点になりうる場所のひとつは台湾。高市の発言は日本をウクライナと同じような状態にしかねない。 高市首相は11月11日、衆院予算委員会で「核を保有しない、製造しない、持ち込まない」という非核3原則を堅持するかどうかという質問に対して明言を避けた。本ブログでは繰り返し書いてきたことだが、アメリカのCIAやNSAの分析官は日本が核兵器を開発していると確信、監視してきた。 1995年を節目にして、日本はアメリカの戦争マシーンに取り込まれてきたが、その一方で経済的には衰退し続けている。そのひとつの切っ掛けは1988年7月に実施されたBIS(国際決済銀行)規制の問題だろう。国際業務を行う銀行の場合、自己資本比率を8%以上にすることが求められたのだが、当時、日本の銀行は4から5%。その結果、貸出額を減らさなければならなくなり、1990年代から銀行は「貸しはがし」をすることになる。回収しやすい会社、つまり優良な中小企業から資金を回収し始めた。その際、日本の優秀な職人を中国企業が雇った。技術が中国へ流れたとも言える。またアンダーグランドの資金がそうした企業へ流れ込んだようだ。教育水準の低下も日本経済を弱体化させる一因になっている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.29
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ドネツクの中心部にあるオペラ・ハウスが8月4日にNATOが供給した155ミリ砲で攻撃され、子どもを含む8名が殺された。破壊活動によって戦死した大佐の葬儀を狙ってのものだと見られている。その際に近くのドンバス・パレス・ホテルにも着弾、ロビーが破壊されているが、そこはドンバス(ドネツクとルガンスク)を取材しているジャーナリストが集まる場所である。 西側の有力メディアは基本的にアメリカやウクライナの政府による発表に基づく話、いわば「大本営発表」をそのまま流してるが、攻撃されたホテルに集まるジャーナリストは現地で戦闘の現実を取材している。つまりアメリカをはじめとする西側諸国の支配層にとって目障りな存在だ。 キエフ政権側の追い詰められると、アメリカやイギリスなどはHIMARS(高機動ロケット砲システム)やM270-MLRS(M270多連装ロケットシステム)といった高性能兵器を供給している。ドイツは自国軍がまだ手にしていない兵器を渡している。そうした兵器の約7割はブラック・マーケットへ吸い込まれていると言われているが、ドンバスの住民に対する攻撃にも使われている。 HIMARSは正確にターゲットを捉えているようだが、ウクライナ軍の情報機関で副長官を務めるバディム・スキビツキーはイギリスをはじめとする西側の情報機関がターゲットに関する情報をリアルタイムでウクライナ側へ知らせているという。同時に、情報収集活動しているロシアのスパイを追跡しているという。 ドンバスでの戦闘はキエフでのクーデターが原因。このクーデターはバラク・オバマ政権がNATOの訓練を受けたネオ・ナチを利用して成功させたもので、東部や南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。クリミアの住民はロシアに合流することでネオ・ナチに対抗、オデッサでは住民が虐殺され、ドンバスでは住民が抵抗を始めた。 ドンバスの抵抗は激しく、キエフのクーデター軍は勝てない。そこでネオ・ナチをメンバーとする親衛隊が編成され、オバマ政権はキエフへCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んだ。さらに傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部の作戦へ参加している。2015年からCIAはウクライナ軍の特殊部隊をアメリカの南部で訓練し始めたともいう。 また、ル・フィガロ紙の特派員、ジョージ・マルブルノはウクライナでの取材を終えて帰国した後、アメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)が戦闘に参加している事実を伝えている。 ロシア軍は今年2月24日にウクライナでの軍事作戦を始めたが、アメリカは2014年2月のクーデターから軍事作戦を始めている。その準備を含めると1992年2月にポール・ウォルフォウィッツが作成した世界制覇プラン(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)、イギリスの長期戦略を考えると19世紀までさかのぼることができる。アメリカやイギリスにとってウクライナの制圧はロシアを壊滅させることにつながっている。そのための作戦を進めている。 親衛隊の中核であるアゾフ特殊作戦分遣隊(通称アゾフ大隊)はドネツクのマリウポリを拠点にしていたが、ここも歴史的な経緯からロシア語を話す住民が多く、ロシアに親近感を抱いている。マリウポリの住民にとってアゾフ大隊は占領軍にすぎない。 ロシア軍との戦いで親衛隊は住宅地に戦闘拠点を築き、住民を人質に使った。人権擁護団体のアムネスティは8月4日、ウクライナにおける戦闘で市民を危険に晒す戦術をウクライナ軍が採用していると批判する報告を発表している。 こうした状況にあることは早い段階からロシア軍や現地に入って取材している独立系ジャーナリストが報告していたこと。それを西側の有力メディアはロシアのプロパガンダだと主張していたが、アムネスティはその主張を否定したわけだ。 キエフ政権の人質作戦がロシア軍にブレーキをかけたが、それでもロシア軍の優勢を翻せない。そして人質になっていた住民が解放されていくが、これは西側にとって困ったことだ。自分たちの手先が残虐な武装集団だということが明らかになるからだ。 マリウポリのアゾフスタル製鉄所でも親衛隊は住民を人質にして立てこもったが、ロシア軍によって解放されていく。脱出した住民は異口同音に、脱出を試みる住民をアゾフ大隊が射殺するだけでなく、建物を破壊、住民や捕虜を拷問、若い女性をレイプしているとも告発されている。(例えばココやココだが、脱出した住民が増え、少なからぬ映像がインターネット上にアップロードされている。) そうした住民が証言する様子を撮影した映像を西側の有力メディアは避けていたが、ドイツの有力な雑誌「シュピーゲル」はマリウポリのアゾフスタル製鉄所から脱出した住民のひとり、ナタリア・ウスマノバの証言を3分間の映像付きで5月2日に伝えた。ところがすぐに削除する。ショルツ内閣や米英の政権にとって都合の悪い事実が語られていたからだ。(インタビューのロイター版と削除部分の映像:ココ) 脱出した市民の声を伝えているのは現地で取材しているジャーナリスト。ドイツ人ジャーナリストのアリナ・リップ、フランス人ジャーナリストのアン-ローレ・ボンネル、カナダ人ジャーナリストのエバ・バートレットが有名だが、フランスの有力メディアTF1やRFIのスタッフ、またロシアやイタリア人の記者もいたという。 戦線から離脱するウクライナ軍の兵士が増えてくると、その理由を語る様子がインターネット上で伝えられるようになった。(ココやココやココ)。戒厳令や戦闘の最中、命令に従わなかった兵士を司令官が射殺しても構わないとする法案がウクライナ議会に提出され、後に取り下げられたようだが、こうした法案が出てくるのは兵士の造反が無視できなくなっているからだろう。 ドンバスのエレノフカにある兵舎が7月29日にミサイルで攻撃されて50名以上が死亡したと伝えられている。その兵舎はキエフ政府軍が送り込んだアゾフ大隊の戦争捕虜をドネツク軍が収容していた。ミサイルの残骸からHIMARSによる攻撃だと判明。つまりキエフ政府軍が撃ち込んだわけだ。口封じが目的なのだろう。
2022.08.12
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与党の新たな総裁が決まったようだ。この人物に限らず、著名人にはさまざまなタグがつけられているのだが、それは所詮「キャラ付け」にすぎない。自分自身の価値観を持ち、自分で調査し、物事を考え、判断するような人物は排除され、有力な政治家にはなれないだろう。いわゆる「首なし鶏」だ。 本ブログでは繰り返し書いてきたように、日本は中国やロシアと戦争をする準備を整えてきた。経済界は中国やロシアとの関係を維持したいようだが、アメリカ政府はそうしたことをやめるよう、圧力をかけてきた。 アメリカ大統領だったリチャード・ニクソンは1972年2月に中国を訪問して中国共産党中央委員会の毛沢東主席と会談、米中両国は友好的な関係を築くことになる。両国の国交が樹立されるのは1979年1月だ。 第2次世界大戦後、ハリー・トルーマン政権は蒋介石に中国を支配させようと考え、20億ドルを提供しただけでなく、軍事顧問団も派遣していた。ソ連ヨシフ・スターリンも蒋介石体制の樹立を容認している。当時の戦力を比較すると、国民党軍は200万人の正規軍を含め、総兵力は430万人。それに対し、紅軍(コミュニスト)は120万人強にすぎず、装備は日本軍から奪った旧式のもの。勝負は明らかのように見えた。 ところが、1947年の夏に農民の支持を背景として人民解放軍(同年3月に改称)が反攻を開始。兵力は国民党軍365万人に対し、人民解放軍は280万人で接近、48年の後半になると人民解放軍が国民党軍を圧倒するようになり、49年1月には解放軍が北京に無血入城、コミュニストの指導部も北京入りし、10月には中華人民共和国の樹立が宣言された。 当時、アメリカは極秘の秘密工作組織OPCが上海を拠点にして活動していたのだが、日本へ撤退せざるをえなくなる。厚木基地をはじめとする6カ所に拠点を作った。アメリカは態勢を整えてから中国へ攻め込もうとするのだが、そうなると日本は兵站の拠点になる。(Stephen Endicott & Edward Hagerman, “The United States and Biological Warfare”, Indiana University Press, 1998) そこで問題になったのは激しくなっていた労働運動。輸送が止まったなら戦争できない。輸送の中心は海運と鉄道。労働者を押さえ込まなければならない。そこで神戸港の管理を任されたのが山口組の田岡一雄であり、横浜港を任されたのが藤木幸太郎だ。 そして1949年7月と8月に国鉄で「怪事件」が続発、それを口実にして政府は国鉄の労働組合に大きなダメージを与えた。その事件とは、7月5日から6日にかけての下山事件、7月15日の三鷹事件、そして8月17日の松川事件だ。OPCが関係していた可能性が高い。1949年7月には沖縄の軍事施設費を次年度予算に計上することが決定された。朝鮮半島で本格的な戦争が始まったのは1950年6月だ。 ニクソンが中国を訪問した7カ月後、田中角栄は北京を訪問して周恩来国務院総理と会談、両者は日中共同声明に調印し、両国の国交は正常化されている。田中角栄の動きは素早かった。 その際、尖閣諸島の領土問題は「棚上げ」にすることで合意。日本の実効支配を認め、中国は実力で実効支配の変更を求めないというものであり、日本に有利な内容だった。そして1978年8月に日中平和友好条約が結ばれ、漁業協定につながる。 その田中はスキャンダル攻勢で1974年12月に首相を辞任、76年2月にロッキード事件が浮上する。ロッキードによる航空機売り込みのリベート疑惑だが、裏で動いていたカネの額は軍用機が圧倒的に多く、それは別の政治家が関係していたと言われている。 田中は1976年7月に逮捕されたが、その約半年前、アメリカで出されていた高額のニューズレターに「田中の逮捕が決まった」とする記事が掲載されていたという。その記事について取材するため田中邸を訪ねたジャーナリストがいるのだが、田中自身は検察も警察も押さえているので大丈夫だと考えていたようだ。 日本と中国の友好的な関係を築いた田中は失脚するが、田中が築いた両国の友好的な関係は維持された。その構図を壊したのは菅直人政権にほかならない。 菅政権は2010年6月の閣議決定で尖閣諸島周辺の中国漁船を海上保安庁が取り締まれることに決め、2000年6月に発効した「日中漁業協定」を否定。そして2010年9月、石垣海上保安部は中国の漁船を尖閣諸島の付近で取り締まり、日本と中国との関係は悪化する。 こうした行為は田中角栄と周恩来が決めた尖閣諸島の領土問題を棚上げにするという取り決めを壊すもの。2010年10月に前原誠司外務大臣は衆議院安全保障委員会で「棚上げ論について中国と合意したという事実はございません」と発言しているが、これは嘘だ。 日本では中国を敵視する発言をよく聞くが、これはアメリカにおける「ロシアゲート」のようなもので、アメリカやイギリスに支配されている現実を隠す役割を果たしている。 1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、アメリカの国防総省は新たな軍事戦略DPG(国防計画指針)の草案を作成した。作成の中心は国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツだったことから、この文書は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。 ソ連の消滅でアメリカは唯一の超大国になったとネオコンは確信、世界制覇戦争を始めようというわけだが、そのドクトリンにはドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に統合し、民主的な「平和地帯」を創設すると書かれている。要するに、ドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、アメリカの支配地域を広げるということだ。 また、旧ソ連の領土内であろうとなかろうと、かつてソ連がもたらした脅威と同程度の脅威をもたらす新たなライバルが再び出現するのを防ぐことが彼らの目的だともしている。西ヨーロッパ、東アジア、そしてエネルギー資源のある西南アジアが成長することを許さないということだが、東アジアには中国だけでなく日本も含まれている。 1990年代以降、日本の経済が衰退、社会が疲弊する一方、軍事力の増強が顕著だが、そのベースにはウォルフォウィッツ・ドクトリンがあると言える。 国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が発表した報告書によると、GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を彼らは持っている。自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させた。 専守防衛の建前と憲法第9条の制約がある日本の場合、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたとされていたが、すでにそうした配慮は放棄されている。 2022年10月になると、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル『トマホーク』の購入を米政府に打診している」とする報道があった。亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。 トマホークは核弾頭を搭載できる亜音速ミサイルで、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートル。中国の内陸部にある軍事基地や生産拠点を先制攻撃できる。「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約は無視されていると言えるだろう。 そして2023年2月、浜田靖一防衛大臣は亜音速巡航ミサイル「トマホーク」を一括購入する契約を締結する方針だと語った。ところが10月になると木原稔防衛相(当時)はアメリカ国防総省でロイド・オースチン国防長官と会談した際、「トマホーク」の購入時期を1年前倒しすることを決めたという。 日本は中国やロシアと戦争する準備を進めているのだが、そうした時期に「首なし鶏」が日本を動かすことになるようだ。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2025.10.05
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ウクライナ西部のリビウでは7月8日、強制徴兵担当者の自動車が市民に襲われ、破壊された。ウクライナの街頭では男性が拉致され、最近ではその家族や通行人と担当者が乱闘になる様子を撮影した映像が発信されてきた。 拉致された人びとは十分に軍事訓練しないまま最前線へ送られ、数週間で戦死すると言われている。NATOはウクライナ人を対ロシア戦争における「バンザイ突撃」に利用している。反ロシア感情の強いリビウで徴兵担当者が襲われたと言うことは、そうした怒りの感情がウクライナ全域に広がっていると考えて良いだろう。 ウクライナではロシアとの戦争が繰り広げられているが、ウクライナ人の多数はロシアとの戦争をやめるように願っている。2019年の大統領選挙で勝利したウォロディミル・ゼレンスキーはロシアとの関係修復を訴え、支持されたのだが、今ではロシアとの戦争を継続させようと必死だ。 ウクライナの背後にはNATOが存在しているが、ゼレンスキーにはイギリスの対外情報機関MI6がついている。彼は2020年10月にイギリスを公式訪問したが、その際、MI6の長官だったリチャード・ムーアを非公式に訪問している。 アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターが製作したドキュメンタリーによると、ゼレンスキーはMI6のエージェントであり、そのハンドラー(エージェントを管理する担当オフィサー)はムーアMI6長官だと推測されている。ゼレンスキーの周囲で警護している要員はイギリス人だとも言われている。 ウクライナでの戦争は2013年11月から14年2月にかけてのバラク・オバマ政権が仕掛けたクーデターで始まった。2014年2月に大統領の座から引き摺り下ろされたビクトル・ヤヌコビッチは東部や南部が地盤。そうした地域の住民はクーデターを拒否、南部のクリミアはロシアと一体化し、東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)では武装抵抗が始まる。ウクライナの軍や治安機関ではメンバーの約7割がネオ・ナチ政権を拒否して離脱、一部はドンバスの反クーデター軍に合流したいう。そこでNATOはクーデター政権の戦力を増強するため、時間を稼ぐ必要があった。そのためにロシアを停戦合意へ導いた。2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。 そして2022年2月24日、ロシア軍はドンバス周辺に終結していたウクライナ軍や軍事基地、あるいは生物兵器の研究開発施設をミサイルなどで攻撃した。ロシア外務省によると、その時にロシア軍が回収したウクライナ側の機密文書には、ウクライナ国家親衛隊のニコライ・バラン司令官が署名した2022年1月22日付秘密命令が含まれていた。 ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ少将によると、「この文書は、国家親衛隊第4作戦旅団大隊戦術集団の組織と人員構成、包括的支援の組織、そしてウクライナ第80独立空挺旅団への再配置を承認するもの」で、この部隊は2016年からアメリカとイギリスの教官によって訓練を受けていたという。 NATO側は8年かけ、兵器の供与や兵士を育成するだけでなく、マリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を結ぶ要塞線をドンバスに築いていた。ウクライナの軍や親衛隊はドンバスへ軍事侵攻して住民を虐殺、ロシア軍を誘い出して要塞線の内側に封じ込め、その間に別働隊でクリミアを攻撃するという計画だったのではないかと推測されている。 マリウポリとソレダルは2022年、マリーインカとアブディフカは23年までにロシア軍は制圧、最近、残された要塞線の要であり、戦略的に重要な工業都市のコスティアンティニフカを制圧、掃討を完了した。 戦場ではドローンが飛び交っているが、ロシア軍は新型の対ドローンシステム「Redut-UR」を配備、スターリンク衛星を妨害するために電子戦システム「ボルナ・クポル・ガラント」も使っている。 ドナルド・トランプ政権はイランを奇襲攻撃する前、昨年12月28日にイランの通貨リアルを暴落させて経済を混乱させ、その混乱を利用して反政府デモを演出した。そのデモをコントロールするため、アメリカは約5万台のスターリンク端末をイランへ密輸、政権転覆工作のために編成したグループに資金と共に渡したとされている。 スターリンクのシステムを使い、アメリカやイスラエルの情報機関は反政府デモの指導者たちに対し、イランの治安部隊がどのように動いているかを知らせ、どのように動くべきかを指示していた。そのスターリンクをイラン政府は遮断することに成功したと言われている。スターリンクが遮断されたことでデモは沈静化した。この時、ボルナ・クポル・ガラントが使われた可能性もある。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.12
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アメリカ軍はイランを壊滅させることができず、イラン国内を反アメリカで団結させた。その一方でイラン軍はイスラエルやペルシャ湾岸周辺のアメリカ軍基地を破壊している。アメリカ/イスラエル軍が保有するミサイルは枯渇し、イランには余裕があり、時間はイランの味方だ。イランのカゼム・ガリブアバディ外務次官はアメリカが単に覚書に違反しただけではなく海上封鎖を宣言したことをもって覚書は完全に破棄されたと宣言している。 イスラム革命防衛隊(IRGC)が7月13日に発表した声明によると、2隻の超大型タンカーが航法システムを停止させた上、ホルムズ海峡安全管理センターから発せられた度重なる警告を無視して航行、そこで攻撃して航行不能にしたという。IRGCは7月12日、海峡を「追って通知があるまで」封鎖すると宣言、いかなる船舶の通過も許可しないと警告していた。 その後、IRGCはバーレーン、クウェート、ヨルダンにあるアメリカ軍の標的に対する攻撃を継続、バーレーン、ヨルダン、カタールの被害状況を示す高解像度衛星画像を公開、アメリカ側の公式発表とは違い、大きなダメージを受けている。 バーレーンにあるアメリカ海軍の第5艦隊司令部ではパトリオット・ミサイル用レーダー、艦隊の航空管制レーダー、C-RAM用早期警戒レーダー、衛星通信センターや兵器支援倉庫、そしてAI搭載型指揮統制センターが破壊されたようだ。 ヨルダンのムワファク・サルティ空軍基地の画像には損傷または破壊された航空機格納庫と複数のアメリカ製ブラックホークヘリコプターが駐機していた区域が写っている。アメリカ中央軍(CENTCOM)はヨルダンでの攻撃でアメリカ兵2人が死亡、数人が負傷、1人が行方不明になっていることを確認した。IRGCの地上部隊による攻撃を受けたとも言われている。 クウェートにあるアメリカ軍の主要な支援拠点である「クウェート・アンド・ガルフ・リンク・ホールディング・カンパニー(KGL)」の倉庫が破壊された。 そのほか、カタールのアル・ウデイド空軍基地にあるCENTCOMの中央兵站拠点を攻撃したともイラン側は主張している。 パトリオット防空システムのミサイルが枯渇、イランの攻撃を防げないとされているが、パトリオットの迎撃確率はせいぜい数%にすぎず、ミサイルがあっても意味はない。 イラン軍のミサイルがアメリカ軍やイスラエル軍の防空システムを簡単に突破できている理由のひとつは、衛星測位システムをGPSから中国の北斗(BDS)へ切り替え、ジャミング(妨害電波)やスプーフィング(なりすまし信号による欺瞞)の妨害を受けなくなったからだという。 戦争の継続が自分たち立場を悪くすることが明白であるにもかかわらず、アメリカ政府は戦争を継続させようとしている。これは対ロシアでも対イランでも同じだ。ビル・クリントンであろうと、ジョージ・W・ブッシュであろうと、バラク・オバマであろうと、ジョー・バイデンであろうと、そしてドナルド・トランプであろうと、政権を動かしている勢力はロシア、中国、イランを屈服させ、ユーラシア大陸を征服するつもりだった。この計画は簡単に実現すると考えていたようだ。そこでルビコンを渡ったのだが、彼らの思惑通りにはならなかった。賭けに負けたのだが、それでも一発逆転のギャンブルを仕掛けようとしている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.21
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橋下徹大阪市長を看板にした「大阪維新の会」が人気らしい。マスコミの支援もあり、既存政党に対する不満を吸収しているようだが、このグループ、アメリカの手先にしか見えない。日米同盟を基軸とし、競争原理を重視、TPPにも賛成、労働組合を敵視、思想統制しようとしているようだ。小泉純一郎の延長線上にあることは間違いないだろう。アメリカの「ティー・パーティー」に似ているとも言える。要するに、日米巨大資本の代弁者だ。 日本を改造するため、アメリカ支配層は「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書(年次改革要望書)を2001年から作成していることは広く知られているが、その要望書と同じ内容の議論をするため、日本とアメリカのエリートが会議を開いていたことはあまり知られていないようだ。 その会議とは「日米21世紀委員会」。CSIS(戦略国際研究センター)のプロジェクトで、最初の会合は1996年12月にアメリカのメリーランド州で開かれている。CSISとCIAの深い関係は有名だ。ところで、委員会のメンバーは次の通り。【アメリカ】名誉委員長:ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領委 員 長:ウィリアム・ブロック元労働長官副 委員長:ハロルド・ブラウン元国防長官委 員:レスター・アルバーサル、ウィリアム・ブリーア、ウィリアム・クラーク、リチャード・フェアバンクス、ロバート・ホーマッツ、カレン・ハウス、フランク・ムルコースキー、ジョン・ナイスビット【日本】名誉委員長:宮沢喜一元首相委 員 長:堺屋太一(後に経済企画庁長官)副 委員長:田中直毅委 員:土井定包(大和証券)、福川伸次(電通、元通産事務次官)、稲盛和夫(京セラ)、猪口邦子(上智大学教授、防衛問題懇談会委員)、小林陽太郎(富士ゼロックス)、中谷巌(竹中平蔵の『兄貴分」)、奥山雄材(第二電電、元郵政事務次官)、山本貞雄(京セラ・マルチメディア)、速水優(後に日銀総裁)顧 問:小島明(日本経済新聞) 日本側の委員長を務めた堺屋太一は現在、大阪市の特別顧問を務めている。田中直樹は財界と深い関係にある人物で、「21世紀政策研究所理事長」を経て2007年から「国際公共政策研究センター理事長」を務めているが、郵政民営化委員会の委員長でもあった。郵政民営化委員の中には大阪市特別顧問の野村修也も含まれている。 野村修也がメンバーに名を連ねる「ポリシーウォッチ」なる「チーム」も興味深い。代表は竹中平蔵で、中曽根時代に私有化を推進した加藤寛もメンバーだ。以前は木村剛も参加していたようだ。 大阪市では、この野村を中心にして「思想調査」が実行されている。こうした「調査」によって市役所の内部からコミュニケーションをなくそうとしているように見える。つまり、職員の間に疑心暗鬼、相互監視の雰囲気を作り上げ、3人以上が集まると誰も本音を言わない・・・というような状態にしようとしているのではないだろうか?ファシズム化の促進である。 今年1月に委嘱された山田宏前杉並区長は「南京虐殺」を否定したようだが、本ブログでも指摘したように、虐殺があったことは間違いない。この人物、区長時代に日本軍のアジア侵略を正当化する教科書を採用したこともある。日中関係を悪化させたいアメリカにとって好ましい人物だと言える。
2012.03.12
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ロシア軍は3月18日、超音速(マッハ10)ミサイル「Kh-47M2キンジャール」でウクライナ西部にあるデリャテンの地下武器庫を、また沿岸防衛システムの「K-300Pバスチオン-P」でオデッサ地域の無線監視センターをそれぞれ破壊したという。バスチオンの主要な役割は艦船に対する攻撃だ。 3月13日にロシア軍は8機の巡航ミサイル「カリブル」を使い、ポーランドとの国境から約25キロメートルの場所にあるヤボリウ基地を攻撃した。キンジャールと同様、約1000キロメートルを飛行、ターゲットを正確に捉えている。 いずれのミサイルも実際に軍事施設を破壊しているが、それだけでなく、ロシアが保有する最新鋭兵器の性能をデモンストレーションしているのだろう。 ウラジミル・プーチン露大統領は2018年3月1日の連邦議会における演説で、ロシアやその友好国に対する攻撃には反撃すると宣言、同時に保有する最新兵器を明らかにした。これはアメリカが2002年にABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約から一方的に脱退したことに対するロシアの回答だとしている。 アメリカがABM条約から脱退した当時、同国の好戦派は自分たちが「唯一の超大国」であり、何をしても許されると信じていた。そうしたことを示しているのがフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキアー・リーバーとダリル・プレスの論文。 この論文ではアメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てると主張している。この雑誌は外交問題評議会(CFR)が発行している定期刊行物で、アメリカ支配層の考え方が反映されていると言えるだろう。中でもネオコンは1991年の湾岸戦争以来、ソ連/ロシアはアメリカが軍事侵攻しても出てこないと考えるようになっていた。そうした考えがアメリカ支配層の内部では広まっていたのだ。 イスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が北京オリンピックの開催に合わせて2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃したのもそうした判断があったからだろうが、この攻撃は失敗に終わる。ロシア軍の反撃でジョージア軍は完敗したのだ。 バラク・オバマ政権がシリアをリビアと同じようの壊滅させるために本格的な軍事介入を準備していた2015年9月30日、シリア政府の要請でロシア軍が介入し、アメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、カタールなどを後ろ盾とするジハード傭兵、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)を敗走させた。 そして10月7日、カスピ海にいたロシアのコルベット艦から発射された26機のカリブルは約1500キロメートルを飛行し、シリアのターゲット11カ所を正確に攻撃、破壊している。この性能にアメリカ側はショックを受けたと言われている。キンジャールにしろ、バスチオンにしろ、使った目的は同じだろう。単に軍事目標を破壊しただけではない。アメリカに従属するヨーロッパ諸国だけでなく、アメリカもロシアを攻撃したなら確実に報復され、破壊されるということだ。 スタンリー・キューブリックが監督した映画「博士の異常な愛情」ではアメリカ軍の先制核攻撃に対し、ロシア軍の「ドゥームズデイ・マシーン」が起動して地球は破壊され、放射性物質で汚染されることになる。本来、「ドゥームズデイ・マシーン」は抑止力として考えられたのだが、発表前に核攻撃があり、人類を破滅させることになる。それに対し、プーチンは事前にロシアが保有する最新兵器を明らかにしたわけだ。
2022.03.20
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アメリカ空軍は7月9日、イラン北部のゴレスタン州にあるアク・テケ・ハーン鉄橋を爆撃した。イランとトルクメニスタンを結ぶ鉄道の橋だ。ロシアは2025年11月からこのルートを利用してイランへ貨物を輸送している。 イラン、中国、ロシアはアメリカが支配する海路を避け、陸路で物資や人を輸送しようとしてきた。そうしたプロジェクトの一環として建設された鉄橋だと言えるだろう。ホルムズ海峡やマラッカ海峡を回避するため、中国はユーラシア大陸を横断する鉄道を建設したのだ。 鉄道を使うとテヘランから上海まで15日、つまり海上ルートの半分で移動できる。イランと中露を結ぶ重要な輸送手段であり、そこをアメリカ軍やイスラエル軍が攻撃するであろうことは予想されていた。復旧作業は困難でないだろうが、この攻撃はロシアや中国に対する挑発である。この攻撃がどこから行われたのかも興味深い。 ドナルド・トランプ米大統領は7月7日、NATOの首脳会合が開かれていたアンカラでイランとの合意(MoU)は終わったと宣言、「もう彼らとは関わりたくない」と述べていた。その直前、ウクライナ/NATO軍はモスクワやクリミアを含む都市を固定翼ドローンやミサイル500機以上で攻撃、ロシア国防省によると、その大半を撃墜している。 アメリカとイスラエルによる騙し討ち攻撃で殺された最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師やその家族の葬儀は参加するためにテヘランの通りには市民数百万人が集まり、イラクでも葬儀のために200万人以上が参加、「アメリカに死を」、「トランプに死を」と叫んでいる。テヘラン、ゴム、ナジャフ、カルバラ、マシュハドの街路は数千万人で埋め尽くされたという。シーア派の人びとを屈服させるどころか団結させてしまった。トランプはイラン人を「クズ」「病んだ人間」と呼んだが、火に油を注ぐ発言だ。 イランを屈服させられないことを認識したトランプ大統領は攻撃を再開したと見る人もいるが、別の理由があるとする人もいる。 トランプ大統領はアンカラで「日本・イスラム共和国」がアメリカ海軍の空母「エイブラハム・リンカーン」へ111機の対艦ミサイルを発射したのだが、艦船には命中しなかったと発言した。勿論、トランプはイラン軍がミサイルを発射したと言いたかったのだ。 アメリカの空母にミサイルは命中しなかったとトランプは主張したのだが、実際は数発が命中、ダメージを受けたのではないかとも言われている。そこで、戦争再開がアメリカを経済的に厳しい状況に追い込む報復を実行せざるをえなくなったというのだ。 もっとも、MoUは早晩崩壊すると言われていた。戦争を終結させる条件としてイランが求めている項目は一貫、トランプ大統領は停戦を実現するためにその要求を呑まざるをえなかった。ホルムズ海峡が封鎖されて原油などの供給が減少、それを補うためにアメリカ政府は保有している戦略石油備蓄(SPR)から石油を放出、残りが急速に減少していたからだ。停戦の実現で減少は止まったものの、回復ていない。 イランは戦争を終結させる条件として、ホルムズ海峡の通行をイランが管理し、イランの同盟勢力に対する軍事行動を停止、西アジア地域からアメリカ軍は撤退し、イランの役割を明記したホルムズ海峡における安全保障協定を策定、イランが被った損害を全額補償、すべての制裁および国際決議を撤廃、凍結されたイラン資産を返還、そしてこれらの条件を拘束力のある国連安全保障理事会決議として正式に承認することなどを求めていたが、これをアメリカが呑むとは思えない。 それにも関わらずアメリカがイランの条件を呑んだのは、それだけ厳しい状況だからだが、状況が改善されれば合意を破棄することは自明のことだった。トランプ大統領は状況が改善されない段階で合意を破棄してしまった。すでにホルムズ海峡を通過する船舶の数が急減している。通過している船舶も大半はイランが指定した航路を使っている。 イランはアメリカに対し、ガザでの「ジェノサイド(集団殺害)」をやめるように求めていたが、虐殺、破壊、占領、つまり民族浄化をイスラエルは継続している。かつて、アングロ・サクソン系の人びとがアメリカやオーストラリアで行ったように、先住民を殲滅して自分たちに都合の良い移民に入れ替えるつもりだろう。イスラエルはすでにガザにおける支配地域を53%から70%へ拡大したという。 その大量虐殺には欧米の少なからぬ富豪が参加しているが、その中にはシェルドン・アデルソンや妻のミリアム・アデルソンも含まれている。アデルソン夫妻は日本にも影響力を持っている。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.11
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ロシア軍は黒海で石油タンカーや穀物を輸送する貨物船に対する攻撃を激化させている。ウクライナ政府は7月14日、アゾフ海でロシアの船舶11隻をドローンで攻撃、過去9日間では116隻の船舶に打撃を与えたと発表、そうした行為に対する報復だ。ウクライナ/NATOが仕掛けた攻撃が裏目に出た。 ロシア側はアゾフ海やドン・アゾフ運河におけるすべての海上交通、ならびにケルチ海峡の通航も停止したが、それだけでなくオデッサやニコラエフへ物資を輸送する船舶を攻撃、ヨーロッパの大手海運会社は自社の船舶を黒海へ入れないとしている。ウクライナの黒海に面した港は封鎖された。その結果、ロシアとの戦争を推進しているヨーロッパ諸国の食糧事情が悪化すると予想されている。 ウクライナ軍はドローンによる民間ターゲットに対する攻撃に力を入れている。ロシア国内にある民間の石油関連施設や倉庫などを目標にしてきた。数百機のうち数機は防空システムを突破、それなりの映像を撮影、それを宣伝してきた。 ウクライナ政府や後ろ盾の西側諸国はそうして作り上げた印象を利用し、戦争の勢いは変わり、戦況はウクライナが優勢だと宣伝すると同時にロシア社会を揺さぶろうとしたのだろう。ところが精油所も急ピッチで修復され、ロシアの燃料状況は回復、防衛態勢は強化された。そのためか、陸上の施設に対するウクライナ軍のドローン攻撃は聞かなくなっている。 ウクライナを舞台としたロシアとNATOの戦況はロシアが圧倒的に有利で、死傷が膨らんで兵士不足は深刻。そこでウクライナ国内では街角だけでなく室内から男性を強制徴兵担当者が拉致する状況だ。それでもバンザイ突撃を繰り返していたオレクサンドル・シルスキー軍総司令官は7月21日に解任され、ネオ・ナチミハイロ・ドラパティが後任に決まった。 ウクライナ国内での拉致では不足を賄えないため、ドイツのアレクサンダー・ドブリント内相は7月18日、ベルト・アム・ゾンターク紙のインタビューで、EUに滞在する若いウクライナ人男性を戦地へ送還することは正当であるとの見解を表明した。 ドローンも兵員不足を補うために重視されているが、その戦術を西側で推進しているのはパランティア・テクノロジーズであり、同社のアレックス・カープCEOが目をつけて国防大臣に据えた男がミハイロ・フェドロフだった。このフェドロフは7月16日に解任されている。 パランティアはCIAのベンチャー・キャピタル部門であるIn-Q-Telからの資金によって2003年に創設された。創設者のひとりで会長を務めるピーター・ティールは決済サービス企業PayPalの創業者。ドナルド・トランプ大統領を支持、J・D・バンス副大統領のスポンサーとして知られている。パランティアが雇用した人物の中にはイギリスの対外情報機関MI6で長官を務めた人物も含まれる。 ティールは緊急通報システムで知られるカービンの重役でもあるが、カービンの重役は大半がイスラエルの電子情報機関である8200部隊の元将校。同社の出資者にはイスラエル軍の情報機関アマンの局長を経て参謀総長、そして首相に就任したエフード・バラクが含まれ、バラクは同社の会長に就任している。ジェフリー・エプスタインはカービンの主要な資金源のひとりだった。 パランティアはウクライナやイランを大規模なAI(人工知能)戦の実験場にしている。アレックス・カープCEOによると、同社のソフトウェアがウクライナにおいて「ターゲット設定のほとんど」を実行していると公言、ウクライナ国防省は同社が戦場データを迎撃ドローンのAIへ供給するプラットフォームのブレイブ1・データルームを構築するとしていた。このプラットフォームはウクライナのデジタル変革省、国防省、軍参謀本部、国家安全保障・国防会議、戦略産業省、そして経済省によって設立されたという。 ウクライナ側は戦争をロシア領土に移すと主張、西側メディアはウクライナ軍の驚くべき成功を盛んに報じていたが、戦況がウクライナ有利になった事実はない。ドローンを利用したパランティアの戦術をキエフへ持ち込んだフェドロフが解任されたのはそのためだろう。アメリカ、イスラエル、ヨーロッパ諸国などは苦境に追い込まれている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.26
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サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相は地対空ミサイルをシリアでバシャール・アル・アサド政権を倒すために戦っている「穏健派」に供給、戦況は大きく変わるとドイツのシュピーゲル誌に語った。 アメリカ軍の情報機関DIAが2012年8月に作成した報告書が指摘しているように、シリアで政府軍と戦っている主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラは別名で実態は同じ)。「穏健派」は存在しない。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はAQIから派生した戦闘集団で、実態に大差はない。アメリカ政府と同様、アル・ジュベイル外相はダーイッシュと戦うと称してダーイッシュを支援しているが、今回は地対空ミサイルを供給、ロシア軍機を撃墜させようとしているわけだ。 アメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエルがアサド体制を倒す戦闘を始めたのは2011年3月。その頃からアメリカ/NATOはトルコにある米空軍インシルリク基地で反シリア政府軍を編成、訓練している。教官はアメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員。それ以降、現在に至るまでトルコは反シリア政府軍の拠点であり、ダーイッシュへの兵站線はトルコの軍隊や情報機関MITが守ってきた。 DIAに限らず、アメリカ軍の上層部にはダーイッシュを危険だと考える人たちがいた。報告書が作成された当時のDIA局長、マイケル・フリン陸軍中将はAQI/アル・ヌスラやダーイッシュの勢力拡大をバラク・オバマ政権の決定が原因だと語っているが、こうした政府の政策を懸念した米軍の幹部たちは2013年秋からそうした武装集団に関する情報をホワイトハウスの許可を得ず、シリア政府へ伝え始めたと調査ジャナリストのシーモア・ハーシュは書いている。 統合参謀本部の議長を務めたマーチン・デンプシー陸軍大将もダーイッシュを警戒していたひとりだとみられるが、2015年9月に退任、ジョセフ・ダンフォードへ交代した。その月の終わりにロシア軍が空爆を始めている。 この軍事介入で戦況は一変、侵略勢力は狼狽する。内部告発支援グループのWikiLeaksによると、10月10日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシア軍機の撃墜を決めたという。撃墜したのは11月24日だが、ポール・セルバ米統合参謀本部副議長が11月24日から25日にかけてトルコのアンカラを訪問、トルコ軍幹部と会談している。 トルコ政府は「国籍不明機」を撃墜したと主張したが、ロシア軍は軍事衝突を避けるため、事前に攻撃計画をアメリカ側に通告していたうえ、アメリカは偵察衛星で監視しているはず。しかもその当時、ギリシャを拠点とするアメリカ/NATOのAWACS(早期警戒管制)機、そしてサウジアラビアもAWACS機も飛行していた。 トルコ政府は、ロシア軍機が国境線から2.19キロメートルの地点まで侵入し、1.88キロメートルの距離を17秒にわたって飛行したとしている。つまり、Su-24は時速398キロメートルで飛行していたことになる。この爆撃機の高空における最高速度は時速1654キロメートルで、トルコ説に基づく飛行速度はあまりにも遅く、非現実的だ。 ロシア側の説明(アメリカやトルコから否定されていない)によると、トルコ軍のF-16は午前8時40分に離陸、9時08分から10時29分まで高度4200メートルで飛行して午前11時に基地へ戻っているのに対し、ロシア軍のSu-24が離陸したのは1時間後の午前9時40分。午前9時51分から10時11分まで高度5650メートルで飛行、16分に目標を空爆、24分に撃墜されている。領空侵犯に対するスクランブルではなかった。 9月30日以降、アメリカは対戦車ミサイルTOWを侵略軍へ大量に補充したと言われているが、政府軍側はロシア製の最新戦車T-90が投入して対抗、侵略軍の劣勢は挽回できなかった。このとき、地対空ミサイルはアメリカ軍機も狙われる可能性があるので供給しなかったようだが、今回、サウジアラビアがダーイッシュへ渡すということだ。 その後、トルコ外相はサウジアラビアの軍用機や人員をトルコのインシルリク空軍基地へ派遣、シリアで地上戦を始めることもできると語り、サウジアラビア国防省の広報担当は、同国の地上部隊をシリアへ派遣する用意があると表明している。やはりダーイッシュと戦うためだという条件を付けているが、この条件が無意味だと言うことはすでに述べた通り。その直後、アメリカのアシュトン・カーター国防長官はサウジアラビアの表明を歓迎すると発言している。 サウジアラビアはシリアへすぐにでも派遣できる15万人の部隊を待機させていると報じられている。この部隊はサウジアラビアのほか、スーダン、エジプト、ヨルダンの軍隊で構成され、さらにモロッコ、トルコ、バーレーン、アラブ首長国連邦、カタールの軍隊も派遣される予定で、マレーシア、インドネシア、ブルネイからは傭兵が送られるというのだが、実際に軍事侵攻するのは無謀。制空権をロシア軍が握っているからだ。地対空ミサイルの供給を言い始めたのは、この脅しが通じなかったからかもしれない。 ただ、サウジアラビアやトルコが核兵器を何らかの形で使う可能性はある。トルコにはNATOの核爆弾B61が80発ほど保管されていると言われ、これを盗み出して使うことも考えられるだろう。何度か書いたことだが、2007年の8月29日から30日にかけてアメリカでは核弾頭W80-1を搭載した6基の巡航ミサイルAGM-129が行方不明になるという事件が起こっている。ミスとは考え難く、軍の幹部が介在した計画的な不正持ち出し、イラン攻撃に使うつもりだったのではないかとも噂されている。 サウジアラビアがすでに核兵器を持っている可能性もある。2013年にイギリスのBBCはサウジアラビアがパキスタンの核兵器開発で資金を提供、その代償として原子爆弾を手に入れられることになっていたと報じているのだ。BBCをどこまで信用できるかは不明だが、可能性はありそうだ。サウジアラビアでは、数週間以内に同国で核実験が行われるという噂も流れている。 イエメンへの軍事介入に失敗、シリアでも自分たちが雇った傭兵が敗走、戦費がサウジアラビアに重くのしかかっているが、それだけでなく、原油価格の急落で財政赤字が深刻化、国が大きく揺らいでいる。サウジアラビアが揺らげばドルを基軸通貨の地位に止めている柱も揺らぎ、アメリカの支配システムは危険な状態になる。そうした中、トルコやサウジアラビアは軍事的な緊張を高めようとしているのだが、その手には核兵器が握られている。
2016.02.20
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アメリカの支配層は自分たちの意に沿わない国、組織、人物をさまざまな手段を使い、攻撃してきた。1991年12月にソ連が消滅するまでは一応、国連を尊重していたが、それ以降は単独行動主義を打ち出している。日本では国連中心主義を主張していた細川護煕政権が潰されてしまった。1994年4月のことである。 勿論、細川政権が成立するはるか前から日本とアメリカは軍事同盟を結んでいた。日米安保条約だ。この条約によってアメリカ軍は日本占領が認められている。アメリカが日本を占領し続けたい理由は、日本が侵略のための重要な拠点だからだ。その日本がより積極的にアメリカの戦争に加担することを求められたのである。 細川政権が設置した諮問機関の防衛問題懇談会はその年の8月に「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」というタイトルの報告書発表したが、ネオコンはこの報告書を問題視する。国連中心主義に基づいて書かれていたからだ。 このレポートを最初に問題だと主張したのはマイケル・グリーンとパトリック・クローニン。ふたりはカート・キャンベル国防次官補(当時)を説得してジョセイフ・ナイ国防次官補(同)らに自分たちの考えを売り込む。そしてナイは1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表。そこには在日米軍基地の機能を強化、その使用制限の緩和/撤廃が謳われていた。ナイ・レポートを境にして日本はアメリカの戦争マシーンへ組み込まれていく。 そうした動きを後押しする出来事も引き起こされた。例えば1994年6月の松本サリン事件、95年3月の地下鉄サリン事件、その直後には警察庁長官だった國松孝次が狙撃されている。國松は1994年7月に城内康光から引き継いでいた。1995年8月にはアメリカ軍の準機関紙と言われるスターズ・アンド・ストライプ紙が日本航空123便に関する記事を掲載、その中で自衛隊の責任を示唆している。 その一方、日本の支配システムを揺るがす出来事も相次ぐ。株式相場の暴落直後の証券スキャンダルでは興銀と東洋信金が関係した不正取引も明らかになった。この取り引きはマネーロンダリングだったという疑いも持たれている。1995年の大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失発覚、98年には長銀事件だ。銀行の業務には大蔵省(現在の財務省)が深く関与、不正行為に官僚が無関係だとは言えないだろう。この推測が正しいなら、アメリカの支配層は日本の金融システムの弱みを握り、自由に操る体制ができたと言える。 第2次世界大戦の終盤、1945年4月にアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は急死、ホワイトハウスの主導権はウォール街が奪還して大統領はハリー・トルーマンになる。 トルーマン政権は中国に国民党政権を樹立しようとするが、失敗。破壊工作機関のOPCも1949年には拠点を上海などから日本へ移動させている。その年に国鉄を舞台とした怪事件、つまり下山事件、三鷹事件、松川事件が引き起こされたのは興味深い。 中国は19世紀にイギリスから侵略されている。1840年に勃発したアヘン戦争と56年に始まった第2次アヘン戦争だ。香港はその時にイギリスが中国から奪った場所。その後、略奪の拠点として機能する。イギリスやアメリカが香港を手放そうとしないのはそのためだ。アメリカが麻薬取引と深く関係していた蒋介石の国民党に肩入れしたのもそうした背景が影響しているのだろう。 アヘン戦争と第2次アヘン戦争でイギリスは勝利したが、それは海戦。運輸の中心である海をイギリスに押さえられた中国は苦境に陥るが、イギリスには内陸部を支配する戦力はない。アヘン戦争に投入されたイギリス軍は5000名。7000名はインドの兵士だ。第2次アヘン戦争でイギリス軍は兵士の数を増やしたが、それでも1万3127名。フランスから7000名ほどが参加している。 圧倒的にイギリスは戦力が不足している。そこで目をつけられたのが日本。明治維新はそうした側面から考える必要がある。ちなみに日清戦争で日本軍は24万人が投入された。明治維新以降、日本は大陸侵略の拠点であり、日本人はアングロ・サクソンの傭兵としての側面がある。 この構図が揺らいだのはフランクリン・ルーズベルトが大統領だった1933年3月から45年4月。当時、日本を支配していたウォール街がホワイトハウスの主導権を奪われていたのだ。ただ、それでも1932年にJPモルガンの中枢にいたジェセフ・グルーが駐日大使になっている意味は小さくない。なお、大戦後に日本の進路を決めたジャパン・ロビーの中心にもグルーはいた。GHQや吉田茂は日米主従構造において脇役にすぎない。主役はウォール街と昭和天皇だ。戦争が終わった直後、ウォール街の代理人を務めていた人物がジョン・フォスター・ダレスにほかならない。 アヘン戦争以降、アングロ・サクソンにとって東アジアで最も重要な侵略ターゲットは中国。現在、中国と同盟関係にあるロシアも重要な獲物だ。1991年12月にソ連が消滅した直後に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリン、アメリカが唯一の超大国になったと認識したネオコンが描いた世界制覇プランを実現するためにもアメリカは中国とロシアを屈服させる必要がある。そのプランを放棄しない限り、ドナルド・トランプがどのようなことを書き込もうと、彼らが日米安保条約を放棄することはありえない。
2019.06.27
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イタリアのミラノ癌研究所とシエナ大学の研究者が実施した血液サンプルの調査よると、2019年9月にはSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)がイタリアに存在していたという。2019年9月から20年3月にかけて肺癌のスクリーニング試験を行うために採取された959名の血液サンプルを分析した結果、111名のものにコロナウイルスの抗体が存在し、23名は2019年9月に感染したとしている。 イタリアのISS(高等衛生研究所)は今年6月、下水からSARS-CoV-2の遺伝子の痕跡が発見されたと発表していた。ミラノとトリノの下水は昨年12月18日に採取されたもの、ボローニャは今年1月に採取されたものだという。中国の武漢で患者が確認されたのは12月だとされていたが、そうなるとイタリアには武漢と同じ時期に感染者がいたことになってしまう。 武漢に患者が初めて現れたのは11月17日頃とも言われているが、そうなると、武漢で10月18日から27日にかけて開催された国際的な軍人の競技会に疑惑の目が向けられてしまう。その大会にはアメリカ軍も選手団を派遣、その競技者は172名、全体では369名だったという。 アメリカ軍はフォート・デトリックを拠点にして細菌化学兵器を研究開発してきた。第2次世界大戦の直後、その基地にはドイツや日本の研究者や資料が持ち込まれたと言われている。 日本軍が生物兵器の研究開発の一環として生体実験を目的とする部隊を編成したのは盧溝橋事件の直前で、当初は加茂部隊や東郷部隊とも呼ばれたが、1941年からは第731部隊と呼ばれている。この部隊の隊長を1936年から42年、そして45年3月から敗戦まで務めたのは石井四郎中将、1942年から45年2月までは北野政次少将だ。 日本軍の降伏が間近に迫っていた1945年8月に部隊は関連施設を破壊して貴重な資料や菌株は運び出す一方、監獄に残っていた捕虜は皆殺しにした。日本へ逃げ延びた石井たちは1946年に入るとアメリカ軍の対諜報部隊CICの尋問を受けているが、厳しいものではなく、資料はアメリカ側へ引き渡されている。尋問の過程でGHQ/SCAPの情報部門G2の部長を務めていたチャールズ・ウィロビー少将と石井は親しくなり、隊の幹部たちはアメリカの保護を受けるようになった。 第731部隊の幹部はアメリカ軍に保護されたわけだが、日本の生物化学兵器開発を主導したのは東京帝国大学、京都帝国大学、陸軍軍医学校で、特に重要な役割を果たしたのは東京帝大に附属した伝染病研究所。この人脈が中心になって1947年に国立予防衛生研究所(予研)が設立され、現在は国立感染症研究所と呼ばれている。現在、日本の伝染病対策は感染研が中心になっている。 伝染病研究所の人脈は1950年11月、朝鮮戦争で増える血液需要に対応するため、日本ブラッドバンクを設立した。その時に中心的な役割を果たした内藤良一は軍医学校防疫研究室に所属していた人物。1964年にこの会社はミドリ十字へ社名を変更、731部隊の北野は同社の役員になった。ミドリ十字は薬害エイズやフィブリノゲン問題を引き起こした後、合併を繰り返して現在は田辺三菱製薬に含まれている。 SARS-CoV-2の問題でもフォート・デトリックは注目されている。昨年夏、この施設は数カ月にわたって閉鎖されたと伝えられているのだ。廃液に絡む安全上の問題が発覚したことが原因のようだが、詳細は不明。その際、何らかの病原体が環境中に出た可能性もある。 アメリカでは2019年から20年にかけてインフルエンザが例年以上に流行していたが、インフルエンザの症状はSARS-CoV-2が引き起こす症状と基本的に同じで、区別することが難しい。流行状況はCDC(疾病管理予防センター)が調査、発表するのだが、今シーズンはインフルエンザに関するデータを集めないのだという。 現在、欧米の支配者はSARS-CoV-2が引き起こすCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を悪霊のように描き、人びとを恐怖させ、世界を「リセット」しようとしている。 ロックダウン(監禁政策)やそれに準ずる政策によって社会や民主主義を破壊、人びとに主権やプライバシーを放棄させようとしている。リセット後の「新しい生活様式」では市場と道徳が柱になり、監視システムが強化され、人びとは分断される。富の集中を当然だと考えられ、貧富の差を拡大させる政策に反対する意見は「ねたみ」にすぎないと言われるようになるだろう。 そうした「新しい生活様式」を実現するため、人びとをCOVID-19で脅さなければならない。イラクを先制攻撃する前に「大量破壊兵器」という作り話で人びとを脅したのと同じであり、脅す仕組みも基本的に変化はない。あのときと同じように、大多数の人びとが支配者の描くシナリオに従うのだろう。
2020.11.17
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アメリカの大統領はドナルド・トランプからジョー・バイデンへ交代したが、世界戦略は変化していない。バラク・オバマ政権がロシアと中国に攻勢を仕掛けた結果、そのロシアと中国が同盟関係を結んだが、そのため、ロシアと中国を個別撃破することはできなくなっている。どちらかを攻撃すれば、中露2カ国と戦わざるをえない。 現在、アメリカはヨーロッパでロシアに圧力を加え、ペルシャ湾岸の産油国を親イスラエル国として統合しつつシリアへの攻勢を強め、そしてインド洋から太平洋にかけての軍事態勢を整備している。この海域で特に力を入れているのは中国が打ち出している「一帯一路」のうち「海のシルクロード」の東端にあたる南シナ海から東シナ海にかけての海域だ。 南シナ海を支配できれば中国の海運をコントロールでき、中東からのエネルギー資源輸送を断つこともできる。当然、中国も対抗手段を講じるので、軍事的な緊張は高まらざるをえない。中国がミャンマーでパイプラインを建設、パキスタンでも輸送ルートを建設しようとしている理由もそこにある。 東シナ海から南シナ海を押さえ込むため、日本列島から琉球諸島、そして台湾へ至る弧状に並ぶ島々はアメリカにとって重要な意味を持つ。明治政府は琉球を併合し、台湾へ派兵、李氏朝鮮の首都を守る江華島へ軍艦を派遣して挑発するが、当時と似たことをさせられようとしているのではないだろうか。今後、アメリカの戦争マシーンの中で自衛隊の役割は重要になり、この島々は中国と戦争が始まれば最前線になると見るべきだ。 安倍晋三は首相だった2015年6月、赤坂にある赤坂飯店で開かれた懇親会で「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたというが、その発言の背景はこうしたアメリカ側の戦略がある。 しかし、東アジアから東南アジアにかけての国々でアメリカの手先になりそうな国は多くない。戦力が足りないということだ。昨年11月17日に日本はオーストラリアと相互アクセス協定(RAA)で合意、その日から自衛隊はアメリカ、オーストラリア、インドの海軍と北アラビア海で艦隊演習を行っているが、オーストラリアは米英の属国であり、インドはイギリスの植民地だった国。そして日本は明治維新以来、一時期を除き、米英の影響下にある。その一時期とは、「親分」と言うべき巨大金融資本がホワイトハウスで実権をニューディール派に奪われた頃だ。当時、日本は「頭のない鶏」のような状態になっていた。 アメリカの戦略上、南シナ海は重要な海域だが、そこへヨーロッパの国やカナダが軍艦が姿を見せるようになった。フランスは潜水艦を、イギリスは空母を中心とする艦隊をそれぞれ派遣。カナダは1月、自国の戦艦に台湾海峡を航行させた。フランスやイギリスは自国の権益を拡大することが目的なのか、あるいは日本と同じようにアメリカの戦争マシーンに組み込まれたのかは不明だが、軍事的に連携していることは確かだ。 アメリカ、イギリス、フランスが参加しているNATOも活動範囲を拡大させている。2020年6月にイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は「NATO2030」なるプロジェクトを始めると宣言した。NATOの活動範囲を太平洋へ広げ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、そして日本をメンバーにするというのだ。韓国に対するプレッシャーは強まるだろうが、すんなりといくとは限らない。 戦争が想定できる状況になると、仮想敵国を悪魔化するプロパガンダが激しくなる。日本は中国を担当させられる可能性が高い。そこで日本人の反中国感情を高めなければならず、事実と違う話が流される。天安門広場での出来事や香港における反中国運動については本ブログでも繰り返し書いてきたが、ここにきて盛んになっているのが新疆ウイグル自治区の話。この地域は一帯一路のうち、陸のシルクロードの要衝だ。 新疆ウイグル自治区には約1000万人のイスラム教徒が住んでいると言われているが、その中へアル・カイダ系武装集団の主力になっているサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が入り込み、外部では反中国宣伝も展開されている。 2018年には約100万人のウイグル人が再教育キャンプへ送り込まれ、約200万人が再教育プログラムに参加させられていると「人種差別削減委員会」のゲイ・マクドーガルが発表したが、この委員会は人種差別撤廃条約に基づいて設置されたNGOであり、国連の機関ではない。マクドーガルが信頼できる情報源としているのはCHRD(中国人権防衛ネットワーク)だが、この団体の情報源は8名のウイグル人である。 CHRDと並ぶウイグル問題の情報源はキリスト教系カルトの信者であるエイドリアン・ゼンズ。「神の導き」でコミュニズムと戦っているというタイプの人間だ。1993年にアメリカ政府が設立した「コミュニズムの犠牲者記念基金」でシニア・フェローとして中国問題を研究していた。 この基金を創設したのはレフ・ドブリアンスキーとヤロスラフ・ステツコだが、ステツコはウクライナのナショナリストOUNの幹部。第2次世界大戦中にはナチスと関係があったほか、1946年にはイギリスの情報機関MI6のエージェントになり、ABN(反ボルシェビキ国家連合)の議長に就任している。この団体は1966年にAPACL(アジア人民反共連盟/後のアジア太平洋反共連盟)と合体、WACL(世界反共連盟)になった。APACLでは台湾の蒋介石、日本の笹川良一や岸信介、統一教会の文鮮明らが中心グループを形成していた。WACLはその後、WLFD(自由民主主義世界連盟)に改名されている。 ゼンズが「100万人説」の根拠にしているのは亡命ウイグル人組織がトルコを拠点にして運営している「イステクラルTV」。そこに登場するETIM(東トルキスタン・イスラム運動)のメンバーが情報源だが、このETIMはアメリカ政府や国連の安全保障理事会もアル・カイダ系だとしていた。この組織から推計1万8000名がシリアへ戦闘員として送り込まれている。 戦闘員の一部は新疆ウイグル自治区からカンボジアやインドネシアを経由、トルコの情報機関MITの手引きで戦闘員としてシリアへ入ったようだ。ETIMの政治フロントがTIP(トルキスタン・イスラム党)だ。 アメリカがウイグル問題で中国を攻撃し始めた頃、カザフスタン系中国人のサイラグル・ソウイトベイが売り出されたが、発言内容がクルクル変化する。 イギリスやアメリカの支配者にとって、日本は東アジアを略奪、ロシアを制圧するための拠点であり、日本人は傭兵である。日本列島と日本人が存在しなければ、彼らの世界制覇戦略は実現不可能だ。そのために作り出されたのが天皇制官僚システムというカルト体制だ。東アジアとの交易でなく侵略の道を選んだ勢力が現在でも日本を支配している。その計画を実行するため、明治以降、日本では「反東アジア洗脳」が徹底されてきた。学校やマスコミが洗脳機関として機能してきたが、最近ではインターネット上でのプロパガンダも盛んだ。
2021.02.25
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COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)にからみ、ハイチに注目する人がいる。この国では「ワクチン」の接種が行われていないに等しいのだが、「感染者」や「死亡者」が極めて少ないからだ。 PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査が行われず、把握されていなからだという意見もあるだろうが、そうならば、街に重症肺炎の患者があふれているだろう。そうでなければ「SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)」という名前はつけられなかったはずだが、そうした状況は報告されていない。「感染者」や「死亡者」は実際、少ないと考えるべきだろう。 もっとも、PCRでCOVID-19の感染を調べることができないと考えている人もいる。そもそもPCRはウイルスを検出する手段として適切でないと開発者も言っていた。タンザニアの大統領だったジョン・マグフリもそう考えていたひとりで、PCRの信頼度を確認するため、山羊、モーター・オイル、パパイア、ウズラ、パラミツをラベルなしのサンプルとして検査させた。その結果、5つのサンプルのうち4つは陽性になったという。このマグフリ大統領は今年3月17日、「心臓病」で急死したとされている。 ハイチの人びとはこれまでの経験から、欧米の医薬品やワクチンに対して警戒感を持っている。この国ではアフリカやインドと同じように、欧米企業による医薬品やワクチンの「臨床試験」が行われ、犠牲者が出ているのだ。そこで「COVID-19ワクチン」の接種を拒否、ジョベネル・モイズ大統領も接種を行わなかった。接種が始まるのはモイズが暗殺されて10日後の7月17日からだが、それでも進んでいない。 モイズを襲撃したのは28名の外国人で、その中にはハイチ系アメリカ人のジェームス・ソラジェスとジョセフ・ビンセントやコロンビアの特殊部隊員だったマヌエル・アントニオ・グロッソ・グアリンも含まれていると同国の国家警察長官は発表した。 襲撃グループはナンバー・プレートのない日産のパトロール車で乗り付けていることから、日産車のディーラーを所有しているディミトリ・ボルベに疑惑の目が向けられている。 なぜモイズは殺されたのか? この人物はアメリカの私的権力と緊密な関係にあった。ハイチでは1991年と2004年に軍事クーデターがあり、国民に支持されていたジャン-ベルトラン・アリスティドが大統領の座から引きずり下ろされたのだが、その背後にはCIAがいて、ボルベもクーデター派だ。 アリスティドは「解放の神学」を唱えていたカトリックの神父で、メリカの私的権力が地元の有力者を使って支配する体制を倒してハイチを民主化しようと考えていた。そのアリスティドが大統領選挙で当選したことをアメリカのジョージ・H・W・ブッシュ政権は許さず、1991年のクーデターにつながる。 しかし、アリスティドを支持する運動は続き、ビル・クリントン政権は1994年に彼を帰国させ、96年まで大統領を務めることになった。アリスティドは2001年に大統領へ復帰するが、04年に再びクーデターで排除されている。 アメリカやフランスの略奪を受けたハイチの国民は貧困で、失業率は70%を超すというが、金鉱脈が存在、潜在的には豊かな国である。金の利権にはヒラリー・クリントンの弟、トニー・ローダムは食い込んでいるようだが、大多数の庶民はその恩恵に浴していない。そうした体制をモイズは維持する政策を進め、国民の不満は革命運動につながっていた。 ハイチでは2010年1月に大きな地震があり、10万人とも32万人とも言われる人が死亡したと言われている。また相当数の人がアメリカへ流れ込んだ。そこでビル・クリントンとジョージ・W・ブッシュは共同でクリントン・ブッシュ・ハイチ基金を設立。財団には支援金が集まったものの、その処理が不透明で、どの程度がハイチの人々へ渡されたか不明だ。 ハイチはエイズ(後天性免疫不全症候群)でも名前が出てきた。この病気を引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は1967年頃、アフリカからハイチへ入り、そこからアメリカへ持ち込まれたという仮説もあるのだ。 この病気は免疫機能を低下させ、通常は病気を発生させない微生物によって発症、また血管にダメージを与え、梗塞や出血をもたらし、また帯状疱疹を発症させるとも言われている。ちなみに、BioNTech/ファイザーの「COVID-19ワクチン」を接種した後に帯状疱疹が現れることがあるとするイスラエルからの報告がある。副作用を調べるため、491人に本物のワクチンを接種、99人に偽ワクチンを接種したところ、女性6人に帯状疱疹が現れたという。 ところで、本ブログでは何度か指摘したが、1969年6月に国防総省国防研究技術局の副局長だったドナルド・マッカーサーは下院歳出委員会で、伝染病からの感染を防ぐための免疫や治療のプロセスが対応困難な病原体が5年から10年の間、つまり1974年から79年の間に出現すると語っている。 モイズがアメリカの私的権力を怒らせた理由は、彼が「ワクチン」を国民に接種させなかったからだと考える人もいる。
2021.07.30
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ウクライナの生物兵器の研究開発施設から回収した文書に続き、親衛隊が3月に予定していたドンバス(ドネツクやルガンスク)への攻撃計画に関する文書を発見したとロシア国防省は発表した。2月19日にオレグ・ツァロフが出した緊急アピール「大虐殺が準備されている」に合致する。 ツァロフによると、ボロディミル・ゼレンスキー大統領がごく近い将来、ドンバスで軍事作戦を開始するという情報をキエフから得たとしていた。この地域を制圧してからキエフ体制に従わない住民を「浄化」するという作戦で、西側からの承認を得ているともしていた。この作戦と並行してSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。 ウクライナではバラク・オバマ政権を後ろ盾とするネオ・ナチが2014年2月にクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除しているが、その3カ月前、ツァロフは議会でクーデターが計画されていると警鐘を鳴らす演説を行っている。アメリカとつながっている勢力の情報を知っている情報源を持っているのだろうが、個人の耳に入っているということはロシアの情報機関も知っていたはずだ。 回収された文書によると、ニコライ・バラン上級大将が1月22日に指令書へ署名、ドンバスを攻撃する準備が始まる。2月中に準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたという。この作戦はゼレンスキーが1月18日に出した指示に従って立てられたと言われている。 この話が事実なら、ロシア語系住民を虐殺する計画をアメリカ/NATOはその前に承認していただろう。その頃の動きを振り返ると、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長はどの国をNATOに加盟させるかを決めるのは自分たちの勝手だと宣言した。 アメリカのジェイク・サリバン国家安全保障補佐官は1月13日、ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻する可能性が高いと発言。その直後にアメリカのメディアは、CIAが2015年からウクライナの特殊部隊をアメリカの南部にある秘密基地で訓練してきたと伝えている。 さらに、アメリカの上院議員団がキエフを訪問し、ウクライナに「連帯」と兵器の提供を約束、アメリカ国務省はアメリカ製兵器をエストニア、ラトビア、リトアニア経由でウクライナへ供給することを許可したと明らかにしている。イギリスの特殊部隊員30名がウクライナ入りしたのもその頃だ。そうした中、ゼレンスキー政権はロシア軍の侵攻が迫っているとする情報はないと繰り返していた。 イギリスのリズ・トラス外相は1月30日にBBCの取材に対し、バルト諸国が黒海に面していると発言、モスクワを訪問してロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談した際にはロシア領であるボロネジやロストフからロシア軍は撤退しろと脅している。 ロシア軍が軍事作戦を開始した後の2月27日、トラス外相はロシア軍をウクライナで止められなければNATO軍と戦わせることになると発言した。NATO軍とロシア軍が衝突すれば世界大戦になり、核戦争へ発展する可能性が高い。そこでウラジミル・プーチン露大統領は国防大臣と参謀総長に対し、核兵器部隊を特別戦闘任務につかせるように命令したと伝えられている。核戦争でロシアを脅し、軍事作戦にブレーキをかけようとしたのかもしれないが、そうした展開にはならなかった。
2022.03.10
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タルシ・ガバードが2月12日にDNI(国家情報長官)へ、その翌日にはロバート・ケネディ・ジュニアが保健福祉長官へそれぞれ就任した。いずれもかつては民主党に属していたが、同党をネオコンが主導するようになってからふたりは党から離れざるをえなくなった。 2019年末から世界を揺るがせてきたCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で重要な役割を演じてきたCDC(疾病管理予防センター)、FDA(食品医薬品局)、NIH(国立衛生研究所)が保健福祉省の部局に含まれている。1984年11月から22年12月までの期間、アンソニー・ファウチが君臨してきたNIAID(国立アレルギー感染症研究所)はNIHの一部門だ。 COVID-19騒動はアメリカ国防総省のプロジェクトだが、この問題に限らず、医療と軍事の関係は緊密になっている。生物化学兵器の開発ということもあるが、感染症を口実として人びとの行動を制限するなど、軍事色を隠して軍事作戦を展開することができるからだ。 医薬品業界で研究開発に携わってきたサーシャ・ラティポワは公開された関連文書の分析から、COVID-19騒動を軍事作戦だと2022年初頭の段階で主張していた。彼女によると、2020年2月4日に保健福祉長官はCBRN(化学、生物、核、放射線)緊急事態に関するふたつの宣言をしている。WHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言したのは3月11日のことだ。 宣言のひとつがEUA(緊急使用許可)で、大量破壊兵器が関与する重大な緊急事態を想定、CBRN物質に対する対抗手段を安全性と有効性を確保するため、規制監督なしに使用する許可だ。 そしてPREP法の宣言。EUAに基づいて使用する対抗手段によって生じる可能性がある付随的損害について、誰も法的責任を負わないことを保証している。要するに免責。2029年12月31日まで有効だ。 2020年2月4日、保健福祉長官だったアレックス・アザーは大量破壊兵器が関与する重大な緊急事態が発生したと判断、EUAを宣言したということになるのだが、世界的に見ても「新型コロナウイルス感染症」の確認症例は少なく、国家安全保障に脅威を与えるような事態ではなかった。 そうした中、国防総省から「新たに発見されたSARS-2ウイルスが国家安全保障上の脅威となっている」とする連絡があったと製薬会社の幹部が話している音声が録音されている。 ラティポワによると、国防総省パンデミック対策コンソーシャムに参加しているアストラゼネカなどの製薬会社は国防総省から「新型コロナウィルスが国家安全保障上の脅威となっている」という電話を受けている。そのコンソーシャムは2017年に設立され、昨年2月の段階でも国防総省が管理しているという。 WHO(世界保健機関)が目論んだ「パンデミック条約」はそうした軍事的な仕組みを世界へ広げるものにほかならない。国防総省と契約した企業は情報開示を免除され、問題が発生しても免責されるが、当然、医薬品メーカーにも当てはまる。 ところで、保健福祉長官が緊急事態に関する宣言をした翌月、3月9日の段階でもトランプは通常の手段で対処できると考えていたのだが、11日に態度を変える。12日にはヨーロッパ、イギリス、オーストラリアからの渡航をすべて停止、13日に保健福祉省はパンデミック政策の権限をCDCから国家安全保障会議へ、最終的には国土安全保障省へ移管する機密文書が作成された。10日に何かがあったとジェフリー・タッカーは推測する。 彼の仮説は、3月10日にトランプが信頼する情報源がトランプに「極秘情報」を伝えた。教科書には載っていない恐ろしいウイルスが武漢の研究所から漏洩したと脅し、mRNAプラットフォームに関する20年間の研究の成果で、ワクチンを数か月で展開できるので、選挙の前にワクチンを配布できると保証したのではないかという推測だ。そうなれば再選は確実で、歴史に名を残すこともできると言われたかもしれない。その結果、トランプはロックダウンを決断、経済を破壊してしまった。そして「ワクチン」というタグのつけられた遺伝子操作薬が数十億人に接種されることになった。 再選に失敗したトランプは自分が騙されたことに気づいたはず。第2期目には真相を明るみに出し、自分を騙した勢力に報復しようと決意している可能性がある。ロバート・ケネディ・ジュニアならできるかもしれない。**********************************************【Sakurai’s Substack】
2025.02.15
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【不快な質問?】 イタリアの通信社ノバは特派員のガブリエーレ・ヌンツィアーティを解雇した。10月13日、欧州委員会のポーラ・ピニョ首席報道官に対して「あなたはロシアがウクライナの復興費用を負担すべきだと繰り返し述べている」と指摘した上で、「ガザ地区の民間インフラをほぼ全て破壊したイスラエルはガザ復興のための費用を負担すべきだと思うか」と質問したが、これを「不快な質問」と感じた人がいたようだ。ノバの広報を担当するフランチェスコ・チビタノバによると、「ロシアは挑発を受けずに主権国家を侵略したのに対し、イスラエルは攻撃に対応したのだと弁明している。【ウクライナ】 アメリカの場合、外交や軍事に関する政策を決めてきたのはシオニストである。ジョージ・W・ブッシュ政権、バラク・オバマ政権、ドナルド・トランプ政権、あるいはジョー・バイデン政権ではネオコンに支配されていると言われているが、そのネオコンはシオニストの一派だ。つまり、政権がかわっても外交や軍事に関する政策は変わらない。 1991年12月にソ連は消滅したが、ウクライナの問題はその年の1月から始まっている。クリミアで住民投票が実施され、クリミア自治ソビエト社会主義共和国の再建が94.3%の賛成多数で承認されたのだ。ウクライナの最高会議で独立宣言法が採択されたのは、その半年後のことである。 西側諸国はウクライナの独立を認めたものの、クリミアの住民投票は無視。キエフ政権は特殊部隊を派遣してクリミア大統領だったユーリ・メシュコフを解任、クリミアの支配権を暴力的に取り戻した。 1994年3月27日にはドンバス(ドネツクとルガンスク)でこの地域におけるロシア語の地位、ウクライナの国家構造などを問う住民投票が実施され、キエフ政権にとって好ましくない結果が出た。 ウクライナの東部や南部に住む人びとの意思はソ連時代から明確で、一貫している。ビクトル・ヤヌコビッチを排除するため、2004から05年にかけて実施された「オレンジ革命」、そして2013年11月から14年2月にかけてのクーデターに東部や南部の人びとが反発、内戦に突入したのは必然だった。 ソ連消滅後、西側諸国はミハイル・ゴルバチョフ政権との合意を守らずにNATOを東へ拡大させるが、こうしたネオコン主導の政策は危険だと前の世代の「タカ派」は警告していた。 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、リチャード・ニクソン元米大統領は1994年3月21日にビル・クリントン大統領へ手紙を出し、その中でウクライナの内部状況が非常に危険だと警告。ウクライナで戦闘が勃発すれば、ボスニア・ヘルツェゴビナでの戦争は「ガーデンパーティー」のように感じられるとしている。 「封じ込め政策」で有名なジョージ・ケナンは1998年、NATOが拡大について「これは新たな冷戦の始まり」であり、悲劇的な過ちだと思うとしている。 この政策を決めたアメリカ上院での議論について表面的で無知だと指摘、「ロシアが西ヨーロッパへの攻撃を待ち焦がれている国であるという記述には腹立たしい」とした上で、ロシアから悪い反応が出ることも見通し、NATOがロシア国境までの拡大すれば新たな冷戦を引き起こされ、ポーランド、ハンガリー、チェコで拡大が止まれば、そこで新たな分断線が引かれるとも予測していた。ケナン氏はインタビューの最後で「これほどめちゃくちゃになるのを見るのは辛い」と語ったという。 このふたりが警告した後、ビル・クリントン政権はNATOを利用して1999年3月から5月にかけてユーゴスラビアを空爆している。この攻撃で主導的な役割を果たしたのは国務長官のマデリーン・オルブライト。この時に中国大使館もB2爆撃機で空爆されているが、その建物を目標に含めたのはCIAだ。 アメリカでユーゴスラビアを解体する工作は始まったのは1984年のこと。ロナルド・レーガン大統領がNSDD133(ユーゴスラビアに対する米国の政策)に署名、東ヨーロッパ諸国のコミュニスト体制を「静かな革命」で倒そうという計画が始動したのだ。1983年は大韓航空007便が領空を侵犯してカムチャツカからサハリンまで飛行、撃墜されたとされている。その年の秋には核戦争の寸前まで行った。それほど緊迫した時期だったのである。 ヘンリー・キッシンジャーもネオコンに批判的だった。彼は2014年3月5日付けワシントン・ポスト紙でウクライナとロシアの関係について論じている。 ロシアの歴史はキエフ・ルーシで始まり、宗教もそこから広がり、ウクライナは何世紀にもわたってロシアの一部であり、その前から両国の歴史は複雑に絡み合っていたと指摘、ロシアにとってウクライナが単なる外国ではないとしている。特に東部と南部はロシアとの繋がりが強いのだが、その地域も含め、ウクライナと呼ばれる地域全てをNATO諸国は自分たちの支配下に置こうとしたのだ。 キッシンジャーも指摘しているように、人口の60%がロシア人であるクリミアは1954年、ウクライナ生まれのニキータ・フルシチョフがロシアとコサックの協定300周年記念の一環としてウクライナへ与えた場所だ。勿論、住民の意思は無視された。 クリミアだけでなく、ウクライナの東部と南部はソ連時代にロシアから割譲された。宗教はロシア正教でロシア語を話し、文化はロシア的。必然的に住民の大半はロシアに親近感を抱いていた。カトリック教徒が多く、ウクライナ語を話す西部とは異質だ。そうした国で一方が他方を支配しようとすれば内戦や分裂につながるとキッシンジャーは主張していたが、それが現実になった。 そうした警告を無視してオバマ政権は2014年2月にウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的なクーデターで倒した。そのクーデターで最前線にいたのがネオ・ナチだ。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部の人びとはクーデターを拒否、クリミアはロシアとの統合への道を進み、東部のドンバス(ドネツク、ルガンスク)では武装抵抗が始まった。クーデター後、軍や治安機関では約7割が新体制を拒否して離脱したと言われている。 そこで西側が仕掛けたのが「停戦合意」、つまり2014年の「ミンスク1」と15年の「ミンスク2」だ。NATO諸国は8年かけてネオ・ナチ体制の戦力を増強した。兵器を供与、兵士を育成、そして地下要塞を核とする要塞線をドンバスの周辺に築いた。 クーデター政権は2022年に入るとドンバスに対する攻撃を強め始めた。大規模な軍事作戦が始まると噂される中、ロシア軍が先手を打って2月24日にウクライナ軍部隊や軍事基地、あるいは生物兵器の研究開発施設を攻撃しはじめた。 ロシア外務省によると、その時にロシア軍が回収したウクライナ側の機密文書には、ウクライナ国家親衛隊のニコライ・バラン司令官が署名した2022年1月22日付秘密命令が含まれていた。これにはドンバスにおける合同作戦に向けた部隊の準備内容が詳述されていた。 ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ少将によると、「この文書は、国家親衛隊第4作戦旅団大隊戦術集団の組織と人員構成、包括的支援の組織、そしてウクライナ第80独立空挺旅団への再配置を承認するもの」で、この部隊は2016年からアメリカとイギリスの教官によって訓練を受けていたという。 つまり、「ロシアは挑発を受けずに主権国家を侵略した」とは言えない。【ガザ】 アメリカの外交や軍事をコントロールしているシオニストはパレスチナに「ユダヤ人の国」を建設することを目標にしている。シオニズムの信奉者だとも言える。その信仰が登場してくるのはエリザベス1世の時代(1593年から1603年)。当時のイギリスは海賊行為で富を蓄積していた。 その時代、イングランドの支配層の間で、アングロ-サクソン-ケルトは「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だとする信仰が現れる。人類が死滅する最後の数日間にすべてを包括する大英帝国が世界を支配すると予言されているという妄想が広まったのだ。 イギリスや西側世界にシオニズムを広めた人物としてブリティッシュ外国聖書協会の第3代会長を務めた反カトリック派のアントニー・アシュリー-クーパー(シャフツバリー伯爵)が知られているが、17世紀初頭にイギリス王として君臨したジェームズ1世も自分を「イスラエルの王」だと信じていたという。 その息子であるチャールズ1世はピューリタン革命で処刑されたが、その革命で中心的な役割を果たしたオリヴァー・クロムウェルをはじめとするピューリタンも「イスラエルの失われた十支族」話を信じていたとされている。クルムウェルはユダヤ人をイングランドへ入れることを許可したが、稼ぎ方を海賊行為から商取引へ切り替えるためだった灯されている。ユダヤ人は商取引や金貸しに長けていた。 エリザベス1世が統治していた時代、イングランドはアイルランドを軍事侵略、先住民を追放し、イングランドやスコットランドから入植者をアイルランドのアルスター地方へ移住させた。 ピューリタン革命の時代にもアイルランドで先住民を虐殺している。クロムウェルは革命で仲間だったはずの水平派を弾圧した後にアイルランドへ軍事侵攻して住民を虐殺したのだ。 侵攻前の1641年には147万人だったアイルランドの人口は侵攻後の52年に62万人へ減少。50万人以上が殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」、事実上の奴隷としてアメリカなどに売られたと言われている。 ダブリン出身でプリマス・ブレザレンを創設したジョン・ネルソン・ダービー牧師は1830年代から宗教活動を始めたが、彼はキリストの千年王国がすべての文明を一掃し、救われるのは選ばれた少数のグループだけだと考えていた。 世界の邪悪な力はエゼキエル書で特定されている「ゴグ」であり、そのゴグはロシアを指すと主張、ユダヤ人がイスラエルに戻って神殿を再建したときに終末を迎えるとしている。つまりキリストが再臨するということ。シオニストにとって対ロシア戦争とパレスチナ制圧は一体のことである。 19世紀のイギリス政界では反ロシアで有名なヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)が大きな影響力を持っていた。彼は戦時大臣、外務大臣、内務大臣を歴任した後、1855年2月から58年2月まで、そして59年6月から65年10月まで首相を務めている。ビクトリア女王にアヘン戦争を指示したのもパーマストン卿だ。 このように始まったシオニズムは19世紀に帝国主義と一体化し、パレスチナ侵略が具体化してくる。イギリス政府は1838年、エルサレムに領事館を建設し、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査、イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収。そして1917年11月、アーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ書簡を出してイスラエル建国への道を切り開く。いわゆる「バルフォア宣言」だ。 シオニズムを信奉する人びとはパレスチナの先住民であるアラブの人びとを虐殺してきた。ガザにおける現在の大量虐殺はそうした流れの中で引き起こされたのであり、パレスチナ人はそうした侵略者と戦い続けてきた。 今回のガザでの大量虐殺に限っても、始まりは2023年4月1日にイスラエルの警察官がイスラム世界で第3番目の聖地だというアル・アクサ・モスクの入口でパレスチナ人男性を射殺したところから始まっている。イスラエル政府が挑発したのだ。 4月5日にはイスラエルの警官隊がそのモスクへ突入、ユダヤ教の祭りであるヨム・キプール(贖罪の日/今年は9月24日から25日)の前夜にはイスラエル軍に守られた約400人のユダヤ人が同じモスクを襲撃している。そしてユダヤ教の「仮庵の祭り」(今年は9月29日から10月6日)に合わせ、10月3日にはイスラエル軍に保護されながら832人のイスラエル人が同じモスクへ侵入した。 そして2023年10月7日、ハマス(イスラム抵抗運動)を中心とするパレスチナの武装グループがイスラエルを奇襲攻撃する。この攻撃では約1400名(後に1200名へ訂正)のイスラエル人が死亡したとされ、その責任はハマスにあると宣伝された。 しかし、イスラエルのハーレツ紙によると、イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊。殺されたイスラエル人の大半はイスラエル軍によるものだと現地では言われていた。イスラエル軍は自国民を殺害するように命令されていたというのだ。いわゆる「ハンニバル指令」である。ハマスの残虐さを印象付ける作り話も流された。 こうしたイスラエルでの報道を無視して欧米諸国の「エリート」はパレスチナ人の抵抗を批判している。 今年1月9日、医学雑誌「ランセット」は2023年10月7日から24年6月30日までの間にガザで外傷によって死亡した人数の推計値が6万4260人に達し、そのうち女性、18歳未満、65歳以上が59.1%だとする論文を発表した。 「ハーバード大学学長およびフェロー」のウェブサイト「データバース」に掲載されたヤコブ・ガルブの報告書では、2023年10月7日にイスラエル軍とハマスの戦闘が始まる前には約222万7000人だったガザの人口が現在は推定185万人。つまり37万7000人が行方不明だ。**************************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2025.11.13
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10月4日付けのワシントン・ポスト紙は、5日にアメリカ政府はシリアのバシャール・アル・アサド政権に対する軍事攻撃を検討すると報じた。バラク・オバマ政権はロシア政府に対して軍事行動の可能性を通告、その反応を見ようとしたのだろう。 それに対し、ロシア国防省はアメリカ側のリークを重く受け取り、シリアに配備されている防空システムのS-300やS-400は侵入してきた航空機やミサイルを撃墜すると6日に発表している。ロシア海軍の基地があるタルタスへS-300を移動させたともいう。 アメリカ軍が主導する連合軍は9月17日、シリア北東部の都市デリゾールでダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に対する大規模な攻勢の準備をしていたシリア政府軍をF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で空爆、80名とも言われる兵士を殺し、多くを負傷させた。 アメリカ側はミスだと強弁しているが、現在の戦闘システムや現場の状況から考えて計画的な攻撃だった可能性はきわめて高い。今後もシリア政府の承認を受けずに軍事作戦をシリア領内で展開している、つまり侵略している連合軍がシリア政府軍を攻撃することは十分にありえる。S-300やS-400を使うと宣言された中、パイロットが乗った戦闘機や爆撃機が侵入してくる可能性は小さいが、巡航ミサイルによる攻撃はあると見られている。 これまでもS-300やS-400は配備されていたのだが、使用されていない。9月17日もそうだが、イスラエル軍はシリアに対する空爆を繰り返しているわけで、使う局面はあったはず。当然、シリアやイラン側には不満があっただろう。 ジョン・マケイン上院議員のようなネオコン/シオニストはリビアの時と同じように飛行禁止空域を設定して地上の手先の武装集団(アル・カイダ系にしろ、そこから派生したグループにしろ、タグを付け替えただけで基本的には同じ傭兵集団)を守り、アメリカ主導の連合軍がシリア政府軍を攻撃するという戦術を繰り返そうとしている。 それに対し、好戦派のジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長でさえ、ロシアやシリアと戦争になると警告しているが、ワシントン・ポスト紙のリーク記事を見ると、ネオコンはリビアの再現に執着しているようだ。 2013年には3月と8月に化学兵器が使われたと見られる攻撃があり、それをシリア政府軍の責任にしてアメリカ政府は軍事侵略を狙った。いずれもアメリカ側の主張は嘘で、自分たちが手先として使っている武装勢力が使った可能性が高いことが判明している。(これは本ブログで何度も指摘しているので、今回は詳細を割愛する。) アメリカ側の主張が嘘だということは判明しつつある中、9月3日に地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されている。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまった。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に警告はなく、攻撃を始めたとも見られている。ミサイルはジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。 この当時、アメリカの国防長官はチャック・ヘーゲル、統合参謀本部議長はマーティン・デンプシー。ふたりともアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを危険だと考え、シリアへの軍事侵略には消極的だった。それに対し、今はアシュトン・カーターとジョセフ・ダンフォードで、いずれも好戦派だ。 その前年、2012年にはシリア政府軍がホムスでの住民を虐殺したと西側の政府やメディアは宣伝、軍事侵略の口実にしようとしていたが、これも嘘がばれてしまう。当時、現地を調査した東方カトリックの修道院長はそうした宣伝を否定、住民を殺したのは反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵だと報告している。 そして、その修道院長は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と書いた。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判している。 最近、アレッポからアメリカへ帰ったジャーナリストも西側で語られているシリア政府を悪玉にする話が嘘だと報告している。
2016.10.09
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現在、西側の支配層は3つの協定、つまりTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)に関する協議を同時に、秘密裏に進めている。巨大資本間での対立はあるだろうが、「国境なき巨大資本」が国を支配、庶民から搾り取る仕組みを作っているということは間違いない。 TPPとTTIPで最大の問題とされているのはISDS(投資家対国家の紛争解決)条項で、アメリカの巨大企業が「将来に期待された利益」を企業が実現できなかった場合、各国政府に対して賠償を請求できるようにする仕組み。つまり、企業活動や金融システムに対する規制、食糧の安全、環境汚染の防止、労働者の権利保護などを各国の政府や議会で決定しても、巨大資本が気に入らなければ損害賠償の対象になり、その決定は巨大資本とつながっている法律家が下す。協定参加国の政府、議会、裁判所は手足を縛られるわけで、例えば、安倍晋三政権の政策を選挙で覆すということは困難になる。 TiSAは金融,電気通信,流通,運送,建設,教育,観光などが対象になるとされているが、大きな問題のひとつは、公共性の高いサービスの私有化。医療、福祉、水道、教育など人の生きる権利と深く結びついている分野を強欲な巨大資本が支配した場合、庶民はその権利を奪われることになる。 社会を維持するためには必要だが、儲からないという仕事もある。日本を共同体と考えるなら、いわゆる僻地に住む人にも交通や通信の手段を提供しなければならないが、ビジネスと考えれば違ってくる。生物である人間は生きる上で安全な食糧、そして水が絶対に必要だが、それをカネ儲けの対象だと考えれば、命に関わる問題が生じる。ロマン・ポランスキーが監督した映画「チャイナタウン」(1974年公開)でもロサンゼルスで起こった事件の背景として私的に所有された水道の問題が描かれていた。 かつてなら一揆や革命という形で体制を揺さぶることになっただろうが、そうした事態を押さえ込むため、洗脳、監視、反乱鎮圧といったシステムを支配層は強化、対策を講じてきた。1998年には欧州議会が「政治的管理技術の評価」というタイトルの報告書を出し、そうした問題を分析している。その中で、監視のターゲットは反体制派や人権擁護の活動家、ジャーナリスト、学生指導者、少数派、労働運動指導者、政敵が中心になるとしていたが、その通りだ。(Steve Wright, "An appraisal of technologies for political control," Europearn Parliament, 19 January 1998) TPP/TTIP/TiSAといった協定は国と国との関係を決めるものではなく、巨大資本や富裕層が圧倒的多数を占める庶民を支配する仕組みを作り上げるもの。アメリカで問題になるのも当然で、協定の内容を国民へ示すべきだとする文書をふたりの上院議員、シェロード・ブラウンとエリザベス・ウォーレンがバラク・オバマ大統領へ突きつけている。 両議員によると、アメリカ政府が設置しているTPPに関する28の諮問委員会には566名の委員がいるが、そのうち480名、つまり85%が大手企業の重役か業界のロビイスト。交渉をしているのは大手企業の「元重役」。当然、交渉には業界や大手企業の意向が反映される。委員会の構成自体がTPPの本質を示している。勿論、TTIPやTiSAでも同じことが言える。 こうした仕組みを世界全体へ広めるため、巨大資本はアメリカの軍隊や情報機関を使ってきた。NATOはアメリカが西ヨーロッパを支配する役割を持つ組織であり、日米安保にも日本を支配する仕組みという側面がある。安倍晋三政権が推進している集団的自衛権/安全保障関連法案は自衛隊をアメリカ軍、つまりアメリカの巨大資本の手先として使うためのもの。こうした巨大資本に従わないBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)やSCO(上海協力機構/中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン)などの国々と戦う手駒のひとつにするということだ。勿論、日本が担当させられるのは中国。 ソ連が消滅した1991年当時、アメリカの国防総省はネオコン/シオニストが主導権を握っていた。国防長官はリチャード・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツだ。そのウォルフォウィッツを中心とするグループが1992年に作成したDPGの草案(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)。 このドクトリンではアメリカを「唯一の超大国」と位置づけ、潜在的ライバル、つまり西ヨーロッパ、東アジア、旧ソ連圏、南西アジアを潰すという方針を示している。ウォルフォウィッツは1991年にシリア、イラン、イラクを殲滅すると話していたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官は話している。 ソ連という国が消滅、いくつかの国々に解体されたが、その中心的な国はロシア。そのロシアで大統領を務めたボリス・エリツィンは西側の傀儡で、その娘は西側資本とも手を組んでロシアの富を略奪、巨万の富を築いている。ロシアはアメリカの属国になり、ネオコンは重点地域を東アジアへ移したのだが、このシナリオを狂わせたのがロシアのウラジミル・プーチン。エリツィンを排除し、ロシアを再独立化させ、今では中国との連携を強めてアメリカに対抗している。 1970年代からアメリカは金融化を推進、国内の生産活動を衰退させてきた。替わって生産活動の中心になっているのがBRICSやSCO。TPP/TTIP/TiSAで巨大資本が支配する体制を作り上げても世界制覇は難しく、中国とロシアの体制を倒す必要がある。そこで軍事的な緊張を高めて圧力をかけ、アル・カイダ系武装集団、IS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)、ネオ・ナチなどを使って戦争を仕掛けているわけだ。
2015.07.26
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ロシア軍がチェルノブイリ原発を制圧したと伝えられている。攻撃されない場所を拠点にするためだとする人もいるが、現在の状況はロシア軍が圧倒している。ロシア軍によると、ウクライナ軍の軍事施設74カ所をミサイルで破壊、ボロディミル・ゼレンスキー大統領はウクライナが孤立していると訴えていると伝えられている。ウクライナの一部勢力が原発を「ドゥームズデイ・マシーン」として使う、つまり放射性物質を環境中へ撒き散らすことを防ぐ、あるいは撒き散らすと脅すことを防ぐ意味もあるだろう。 ロシアのウラジミル・プーチン政権が軍事作戦の実行を決断したのはアメリカのウェンディ・シャーマン国務副長官とロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官がジュネーブで安全保障問題について話し合った1月10日の後だろう。 プーチン政権はアメリカ/NATOに対し、ウクライナをNATOへ加盟させず、モスクワを攻撃するシステムをロシアの隣国に配備しないように求めているほか、ロシアとの国境近くで軍事演習を行わず、NATOの艦船や航空機をロシアへ近づけないようにとも言っている。さらに定期的な軍同士の話し合いを実施、ヨーロッパへ中距離核ミサイルを配備しないことも要求。そして、それらを保証する文書を作成するように求めている。 こうしたロシア政府の要求をアメリカ政府は拒否、リャブコフ次官は交渉が袋小路に入り込んだと表現した。双方の問題への取り組み方が違い、交渉を再開する理由が見つからないともしている。この段階でロシアはアメリカ/NATOとの交渉に見切りをつけたと見られたが、その後も会談は続いた。 シャーマンとリャブコフが会談する直前、1月2日にカザフスタンの旧首都アルマトイで暴力的な反政府活動が始まり、暴動へエスカレートする。救急車やパトカーが放火されるだけでなく、市庁舎も放火される事態になった。この地区では非常事態が宣言され、夜間外出禁止令が出されている。 その際、カシムジョマルト・トカエフ大統領は外国が介入していると非難、CSTO(集団安全保障条約)に平和維持部隊を派遣するように求め、認められた。CSTOの動きは迅速で、短時間に暴動を沈静化させることに成功、撤退していった。なお、CSTOの加盟国はカザフスタンのほか、アルメニア、ベラルーシ、キルギスタン、ロシア、タジキスタンが含まれている。 何者かがクーデターを目論んだと見られているが、失敗に終わった。1月6日にはカザフスタンの安全保障会議で議長を務めていたカリム・マシモフが解任され、反逆罪で逮捕されたと伝えられている。未確認情報として、ヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領の甥も反逆罪で拘束されたともいう。 1月10日には取り調べを受けていた治安当局の大佐が飛び降り自殺、やはり捜査の対象になっていたジャンブール州の警察署長も自殺したと伝えられている。暴動の背後には大きな組織、あるいは国が存在していた可能性がありそうだ。カザフスタンでトカエフ政権が倒され、親米政権が誕生していたならシャーマンとリャブコフの会談でアメリカは優位に立てただろう。 その後、1月14日にホワイトハウスの報道官を務めているジェン・サキはロシア政府がウクライナの東部地区、つまりドンバス(ドネツクやルガンスク)の周辺で「偽旗作戦」を行おうとしているとする情報があると発言したが、ウクライナで戦争の準備を進め、挑発的な行為を続けてきたのはアメリカにほかならない。これは本ブログでも繰り返し書いてきたことだ。 昨年11月にアントニー・ブリンケン国務長官がロシアを恫喝、ロード・オースチン国防長官はウクライナを訪問。この月にはネオ・ナチの一派である「右派セクター」を率いるドミトロ・ヤロシュを参謀長の顧問に就任させたと伝えられている。ウクライナの親衛隊はヤロシュの部下がコントロールしている。 そして11月30日にプーチン大統領はNATOがウクライナの「レッド・ライン」を超えたなら、ロシアは行動せざるを得ないと警告した。ウクライナに超音速ミサイルが配備されたなら、5分でモスクワへ到達すると指摘、そうしたことは容認できないとしたわけだ。その後、プーチンはロシアにも自衛の権利があると発言している。 昨年12月にはアメリカ軍の偵察機が黒海の上空を何度も飛行、民間航空機の飛行ルートを横切るなどロシアに対する脅しを繰り返し、ウクライナ軍はアメリカ製の兵器を誇示してロシアを挑発した。そして12月の終わりにバイデン政権はウクライナに対する2億ドルの追加支援を承認する。そしてカザフスタンのクーデター未遂だ。 アメリカやNATOは1月7日にロシアが設定した「レッド・ライン」を拒否、1月13日にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官はロシアがウクライナへ軍事侵攻する可能性が高いと発言する。 それに対し、1月24日にウクライナの国防大臣がロシアの軍事侵攻は迫っていないと発言、26日には外務大臣がロシアはいつでも攻撃できるとした上で、全面侵攻する準備はしていないと語った。有力メディアの「予定稿」にどう書いてあったか不明だが、ロシアの攻撃を全面侵攻と言うことはできない。ゼレンスキー大統領は、軍事侵攻が迫っているとする警告はウクライナ経済を危険な状態にしているとしていた。 クリミアを含むロシア南部で演習していた部隊が所属基地へ戻り始めたと2月15日に伝えられたが、2月17日にはウクライナ軍によるドンバス(ドネツクやルガンスク)へのミサイル攻撃が激しくなり、学校も標的になっていたことが現地での取材で判明している。そこでドンバスの住民はロシアへ避難したという。 2月18日にウクライナ国家安全保障国防会議の議長を務めるオレクシー・ダニロフは「ドンバス解放」の命令は出ていないと発言しているが、攻撃は始まっていた。ロシアはウクライナの軍や親衛隊への命令がNATOの司令部から出ていると考えているようだ。 そして2月21日、プーチン大統領はドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認、ウクライナに対し、クリミアとセバストポリがロシア領だと認めること、次にウクライナはNATO加盟を断念すること、第3にルガンスクと入植について話し合うこと、最後にウクライナは非武装化(攻撃的な軍事施設や兵器を持たない)して中立を宣言することを求めた。 バラク・オバマ時代からロシアとの軍事的な緊張を煽ってきたアメリカ/NATOだが、今のところロシアとの軍事的な衝突は避けている。アメリカ軍の上層部がロシア軍との軍事衝突を認めないだろうが、結果としてウクライナは孤立した。こうした状況を作ったアメリカの好戦派(いわゆるチキン・ホーク)を世界の人びとは見ている。
2022.02.25
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現在、ジョー・バイデン大統領の周辺で核戦争を煽っている人物のひとりが2013年5月から16年5月までSACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)を務め、ネオコン/シオニストと強く結びついているフィリップ・ブリードラブ大将。核戦争への恐怖がプーチンに対する適切な対応を西側はとれないのだと主張している。 核攻撃の目論見は核兵器が開発した直後からあった。第2次世界大戦の終盤、1945年7月16日にアメリカのニューメキシコ州にあったトリニティ実験場でプルトニウム原爆の爆発実験が成功して以来、アメリカやイギリスの一部支配層はロシアへの核攻撃を妄想し続けてきたのだ。 マンハッタン計画を統括していたアメリカ陸軍のレスニー・グルーブス少将は1944年、ポーランドの物理学者ジョセフ・ロートブラットに対し、計画は最初からソ連との対決が意図されていると語ったという。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017) ドイツが降伏した3カ月後、1945年8月15日に天皇の声明が日本人に対して発表された。「玉音放送」、あるいは「終戦勅語」と呼ばれている。その半月程後、ローリス・ノースタッド少将はグルーブス少将に対し、ソ連の中枢15都市と主要25都市への核攻撃に関する文書を提出している。 9月15日付けの文書ではソ連の主要66地域を核攻撃で消滅させるには204発の原爆が必要だと推計。そのうえで、ソ連を破壊するためにアメリカが保有すべき原爆数は446発、最低でも123発だという数字を出していた。(Lauris Norstad, “Memorandum For Major General L. R. Groves,” 15 September 1945) 1949年に出されたJCS(統合参謀本部)の研究報告にはソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという記載がある。1952年11月にアメリカは初の水爆実験を成功させ、1954年にSAC(戦略空軍総司令部)は600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すという計画を立てる。 1957年に作成された「ドロップショット作戦」では300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていた。沖縄の軍事基地化はこの作戦と無縁ではないだろう。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012) アメリカが必要なICBMを準備でき、しかもソ連が準備できていないタイミングで先制核攻撃をすると考えた好戦派の中には統合参謀本部議長だったライマン・レムニッツァーや空軍参謀長だったカーティス・ルメイが含まれる。彼らは1963年後半に先制攻撃する計画を立てるのだが、そのタイミングで好戦派と対立していたジョン・F・ケネディ大統領は暗殺された。 1958年にドワイト・アイゼンハワー政権は核戦争で正規の政府が機能しなくなった場合を想定し、憲法に定められた手続きを経ずに秘密政府を設置する仕組みを作る。いわゆる「アイゼンハワー10」だ。この仕組みは1979年にFEMA(連邦緊急事態管理庁)へ発展、1982年にはCOGプロジェクトがスタートする。さらに1988年、秘密政府の始動は核戦争から「国家安全保障上の緊急事態」に変更される。 レムニッツァーやルメイを含む好戦派がソ連に対する先制核攻撃の開始日を1963年後半に設定したのは、戦略爆撃機やICBMでアメリカがソ連を圧倒していると判断したからだ。つまり、アメリカの好戦派は自分たちが圧倒的に優位だと考えると、核戦争の妄想が頭をもたげる。 1991年12月にソ連を消滅させたボリス・エリツィンはロシアを欧米の巨大資本に売り渡し、軍隊も弱体化させた。その一方、アメリカの国防総省ではDPG(国防計画指針)草案という形で世界支配を完成させるプランが作成されている。「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。ヨーロッパや東アジアは叩くべき潜在的なライバルとなり、エネルギー資源のある中東で従属度の足りない体制は破壊の対象になった。 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、その直後にジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をしないまま「アル・カイダ」が実行したと断定、その「アル・カイダ」を指揮しているオサマ・ビン・ラディンを匿っているという口実でアフガニスタンへの攻撃を始めた。 その一方、国内では「愛国者法(USA PATRIOT Act / Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism Act of 2001)」が制定された。この法律は340ページを超す文書だが、それを議会は提出されて1週間で承認してしまった。 この法律によってアメリカ憲法は機能を事実上停止、令状のない盗聴や拘束、拷問が横行することになった。COGが起動したと考える人もいる。 アメリカは民主主義を放棄したわけだが、この法律のベースになった法案を1995年2月に提出したとバイデンは自慢している。愛国者法の一部は2015年に失効したものの、「自由法」という形で復活。今ではさまざまな形で愛国者法は生き続けている。 ソ連の消滅でアメリカは「唯一の超大国」になったと同国の好戦派は信じ、自国を2002年にABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約から一方的に脱退させた。核戦争でアメリカが圧勝できる時代が来たと彼らは信じたのである。 外交問題評議会(CFR)が発行している定期刊行物「フォーリン・アフェアーズ」の2006年3/4月号に掲載されたキアー・リーバーとダリル・プレスの論文ではアメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てると主張している。アメリカの好戦派がどのように考えていたかを示唆していると言えるだろう。こうした見方が間違っていることは後に事実が証明するが、今でもアメリカの軍事的な優位を信じている人もいるようだ。 この論文が出された翌年の8月、核弾頭W80-1を搭載した6機の巡航ミサイルAGM-129が「間違い」でノースダコタ州にあるマイノット空軍基地からルイジアナ州のバークスデール空軍基地へB-52爆撃機で運ばれるという出来事があった。 核弾頭を搭載した上で持ち出して輸送したのだが、核弾頭の扱いには厳しい手順が定められている。上層部の許可が必要だ。核弾頭を搭載した6機のミサイルを輸送したということは、そうした手続きを6回経なければならない。この件で10人近い変死者が出ていることもあり、「間違い」ではないと考える人は少なくない。上層部を含むグループが意図的に持ち出したのだろうということだ。 その当時、イランをアメリカが核攻撃するという噂があった。そうしたことから、支配層の一部がイランを核攻撃しようとしたのではないかと疑う人もいる。アメリカ国内で「偽旗作戦」として使う、あるいは恫喝のために使うという推測もあった。この「イラン」を別の国、例えばウクライナへ変えることもできる。ウクライナで核兵器を使用する可能性が高い国はアメリカにほかならない。
2022.05.07
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リンゼー・グラハム米上院議員が7月11日夜、「短期間の急な病気」によって死亡したという。同議員は10日にキエフでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーと会談、帰国したとされているのだが、元CIA分析官のラリー・ジョンソンは公式発表には矛盾があるとしている。 公式発表によると、議会議事堂の近くにあるグラハムの自宅から午後8時30分(東部時間)に心停止の疑いがあるとの通報があり、救急隊が駆けつけたのだが、彼は「自宅で死亡した」とされている。そこに至るまで彼がどのように動いたかをジョンソンは分析、矛盾があるとしているのだ。 グラハムは7月9日にダレス国際空港からポーランドのワルシャワへ向かい、同日18時15分(現地時間)に列車でワルシャワを出発、7月10日の9時45分から10時45分の間にキエフに到着。18時15分の列車に間に合わせるためには、ダラス空港を7時頃には出発する必要がある。ダレスからワルシャワまでの飛行時間は9時間だからだ。キエフでグラハムはゼレンスキーと会談、スカイフォール社のドローン工場を視察した。 キエフからワルシャワへ戻る最も早い列車は11日の午前7時40分から8時頃にキエフ・パサジルスキー駅を出発し、17時から18時頃にプシェムィシル・グウォブヌィ駅に到着する。所要時間は少なくとも9時間。その時点でワシントンD.C.は午前11時頃だ。 そこから空港への移動に1時間かかり、ポーランドを19時に離陸すると仮定すると、西へ向かうフライトには10時間必要なので、飛行機がダレスに到着し得るのは最も早くて11日の深夜ということになる。グラハムが自宅で死亡したとされる時刻には間に合わない。そこで暗殺説や爆死説が出てくるわけだ。 ポーランドで生まれたマルクス主義の理論家で活動家でもあったローザ・ルクセンブルクはドイツ共産党を創設したが、1919年1月に逮捕され、虐殺された。彼女は生前、反対者を「シャボス・ゴイ(安息日の非ユダヤ教徒」と呼んでいたという。シャボス・ゴイとはユダヤ教徒の僕を意味する。安息日に労働が禁じられているユダヤ教徒を助ける非ユダヤ教徒が必要で、その非ユダヤ教徒を指している。ルクセンブルクの発言には、主人の代わりに国を統治するという意味が含まれているのだろう。 イスラエルの通信社JTAによると、エルビス・プレスリー、バラク・オバマ、アル・ゴア、ハリー・トルーマン、マリオ・クオモ、コリン・パウエル、サーグッド・マーシャルが含まれているのだが、リンゼー・グラハムもそうだという話がある。 グラハムはロシアや西アジアだけでなく、あらゆる戦争を扇動していた。勿論、自分は戦地に赴かなかったが、今回、キエフにあるドローンの製造工場を訪れた直後に急死してしまった。死亡したのは工場を訪問した数時間後だとも伝えられている。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.14
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ドナルド・トランプ米大統領が7月16日、自身が敗北した2020年のアメリカ大統領選挙へ干渉した疑惑があるとして中国を非難した。2016年の選挙で敗北したヒラリー・クリントンが所属する民主党がCIAやFBIと手を組んで展開した「ロシアゲート」キャンペーンと似たような話だが、いずれも戯言だ。 アメリカを含む西側諸国では政府が変わっても政策、特に軍事や外交の分野は基本的に変化しない。実際に政策を決めている勢力は背後にいて表には出てこないからだ。つまり選挙は民主主義を装うための茶番劇にすぎず、そのようなものに中国やロシアが介入してくるとは考えられない。 米英の支配システムを知るには、19世紀のイギリスがどのようになっていたかを調べる必要がある。 1868年2月から同年12月、74年2月から80年4月まで2度にわたってイギリスの首相を務めたベンジャミン・ディズレーリは小説家としても知られ、1844年に発表した『コニングスビー』では、「(ジョン・)ハムデン(=オリバー・クロムウェルの従兄弟)による最初の運動から1688年の最後の最も成功した運動(=名誉革命)に至るまで、イングランドにおけるホイッグ党指導者たちの最大の目的はベネツィア共和国をモデルとした高貴な貴族制の共和国をイングランドに樹立することであり、当時のあらゆる思索的な政治家がそれを研究し称賛することだった。」と書いている。 実際、イギリスは名誉革命以降、寡占体制になり、それは西ヨーロッパ全域に広がった。1855年2月から58年2月、59年6月から65年10月、2度首相を務めた反ロシアで有名なヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)は実際に権力を握っていた人物で、ビクトリア女王に対してアヘン戦争を指示したのもこの人物。パーマスト卿が外務大臣を務めていた1840年にアヘン戦争は勃発、第2次アヘン戦争は首相時代の1856年に始まっている。現在、ウクライナで戦われている対ロシア戦争や日本が準備を進めている対中国戦争はパーマスト卿の戦略だとも言える。 アヘン戦争に投入されたイギリス軍は5000人にすぎず、7000人のインド人兵士が参加。第2次アヘン戦争でイギリス軍は兵士の数を増やしたものの、それでも1万3127人。フランスから7000人ほどが参加している。圧倒的に不足している戦力を補うため、イギリスが目をつけたのが日本にほかならない。 その後、日清戦争で投入された日本軍は24万人。盧溝橋事件があり、日中の全面戦争が始まった1937年には中国の国民党軍が170万人、共産党軍が64万人、それに対して日本軍は60万人で、日本は侵略戦争を始められる状態ではなかった。1945年の段階では国民党軍570万人、共産党軍120万人、対する日本軍は112万人強と傀儡政権軍が約100万人。侵略軍の戦力は相手の数倍は必要だと言われているが、日本軍は圧倒的に足りない。それでも戦争へ突き進めたのは、大本営の侵略反対派を黙らせることのできる存在が侵略推進派にいたからだろう。 パーマストン子爵の後、イギリスの政策を決めたのは1891年2月にセシル・ローズの発案で創設された「選民秘密協会」だと言われている。そのグループにはローズのほか、ナサニエル・ド・ロスチャイルド、ウィリアム・ステッド、レジナルド・ブレット(エシャー卿)、アルフレッド・ミルナー(ミルナー卿)、サリスバリー卿(ロバート・ガスコン-セシル)、ローズベリー卿(アーチボルド・プリムローズ)たちが含まれていた。そのうちローズ、ロスチャイルド、ブレット、ステッドの4人が協会の指導者になったとされている。(Gerry Docherty & Jim Macgregor, “Hidden History,” Mainstream Publishing, 2013) ローズは1877年6月にフリーメーソンへ入会、『信仰告白』を書いているのだが、その中で彼はアングロ・サクソンが最も優秀な人種だと主張、そのアングロ・サクソンが「住む世界が増えれば増えるほど、人類にとってより良いものになる」としている。 また、「より多くの領土を獲得するあらゆる機会を捉えることは我々の義務であり、より多くの領土はアングロサクソン人種の増加、つまり世界が所有する最も優れた、最も人間的で最も名誉ある人種の増加を意味するという考えを常に念頭に置くべきである」としている。 現在、アメリカやイギリスをはじめとする西側諸国はロシアと中国のほか、西アジアでも侵略戦争を進めている。そのキーワードはシオニズムだ。 「シオニズム」という用語を1893年に初めて使用したのはウィーン生まれのナータン・ビルンバウムであり、「近代シオニズム」の創設者とされている人物は1896年に『ユダヤ人国家』という本を出版したセオドール・ヘルツル。1838年にイギリス政府はエルサレムに領事館を建設、イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは75年にスエズ運河運河を買収。その買収資金を提供したのは友人のライオネル・ド・ロスチャイルドだった。(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018) ディズレーリは1881年4月に死亡、その直後からフランス系のエドモンド・ジェームズ・ド・ロスチャイルドがテル・アビブを中心にパレスチナの土地を買い上げ、ユダヤ人入植者へ資金を提供しはじめる。 イギリスはオスマン帝国の解体を目指し、第1次世界大戦の最中にフランスと「サイクス・ピコ協定」を締結。この秘密協定はロシアの十月革命で成立したボルシェビキ政権によって明るみに出された。 協定が結ばれた翌月の1916年6月にイギリス外務省アラブ局はアラブ人を扇動して反乱を起こさせた。その部署にはトーマス・ローレンス、いわゆる「アラビアのロレンス」も所属していた。その当時、イギリスはエージェントを後のサウジアラビア国王でワッハーブ派のイブン・サウドに接触させている。 パレスチナに「ユダヤ人の国」を建設する第一歩と言われる書簡をアーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ出したのは1917年11月のこと。これがいわゆる「バルフォア宣言」だ。 イギリスは1920年から1948年の間パレスチナを委任統治、ユダヤ人の入植を進めたが、1920年代に入るとパレスチナのアラブ系住民は入植の動きに対する反発を強める。 そうした動きを抑え込むため、デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルはパレスチナへ送り込む警官隊の創設するという案に賛成、アイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーを採用した。この組織はIRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立され、殺人、放火、略奪など残虐さで有名だった。そして1936年から39年にかけてパレスチナ人は蜂起。アラブ大反乱だ。 1938年以降、イギリス政府は10万人以上の軍隊をパレスチナに派遣する一方、植民地のインドで警察組織を率いていたチャールズ・テガートをパレスチナへ派遣、収容所を建設する一方、残忍な取り調べ方法を訓練した。イギリス軍はパトロールの際、民間のパレスチナ人を強制的に同行させていたともいう。 委任政府は外出禁止令を出し、文書を検閲、建物を占拠、弁護人を受ける権利を停止する一方、裁判なしで個人を逮捕、投獄、国外追放している。この政策はイスラエル政府の政策につながる。 反乱が終わるまでにアラブ系住民のうち成人男性の10パーセントがイギリス軍によって殺害、負傷、投獄、または追放された。植民地長官だったマルコム・マクドナルドは1939年5月、パレスチナには13の収容所があり、4816人が収容されていると議会で語っている。その結果、パレスチナ社会は荒廃、1948年当時、イスラエルの「建国」を宣言したシオニストの武装組織に対して無防備な状態となっていた。 歴史とは因果の連鎖であり、連続した流れとして理解しなければならない。現在、世界を揺るがしている戦争へ続く流れの中心にはイギリスとその後継国であるアメリカが存在している。その中にはユダヤ教徒も含まれているが、その集団自体を「ユダヤ」で括るべきではない。 19世紀にイギリスは帝国主義国として侵略を始めたが、そうした状況を生み出したのは海賊で富を築いていたエリザベス1世の時代。その時代はオカルトが盛んでもあった。 16世紀のイギリスでは自分たちを古代イスラエルの「失われた十支族」の後継者だと信じる人が現れた。そのひとりがスチュワート朝のジェームズ6世で、自分はイスラエルの王だと信じていたという。そのジェームズ6世の息子、チャールズ1世は「ピューリタン革命(17世紀半ば)」で処刑されたが、その「革命」で重要な役割を果たした人物がオリヴァー・クロムウェル。その私設秘書だったジョン・サドラーも同じように考えていた。クロムウェルはキリストの再臨を信じ、「道徳的純粋さ」を達成しようと考え、ユダヤ人は離散した後にパレスチナに再集結し、ソロモン神殿を再建すると考えていたという。この信仰は今でも生きている。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.18
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すでに世界の多くに人は「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」を拒否しているようだが、この問題は終わっていない。終わらないまま隠蔽工作が進んでいる。COVID-19騒動の象徴的な人物であるアンソニー・ファウチは1984年11月から2022年12月までNIAID(国立アレルギー・感染症研究所)の所長を務めたが、騒動の黒幕とは言えない。黒幕はファウチに責任を押し付け、逃げようとしているように見える。 この「COVID-19ワクチン」は人間の細胞へLNP(脂質ナノ粒子)に包まれたmRNAを送り込み、ウイルスのスパイク・タンパクを作らせるのだが、人間の免疫システムはスパイク・タンパクを病原体だと判断、攻撃するため、自己免疫疾患を引き起こす。 そこで「COVID-19ワクチン」には免疫を下げる仕組みが組み込まれているのだが、それだけでなく免疫抑制能力があるIgG4抗体が誘導される。つまりAIDS状態になり、通常なら問題のない微生物でも病気になり、癌も増える。 また、LNPは人体に有害であり、DNAやグラフェン誘導体の混入も報告されている。発癌性のあるDNAウイルス、SV40も混入していることが発見された。ファイザー社のmRNA製剤や多くの「遺伝子編集」カクテルの中に入っているのだが、遺伝子治療に使われるSV40は合成化学物質だという。SV40やその構成要素を意図的に合成し、遺伝子治療の主要成分として組み込むことは許されている。 このCOVID-19騒動は2019年12月の終わりに中国の武漢の病院で肺炎患者9名ほどが見つかったところから始まる。翌年の2月4日、横浜港から出港しようとしていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で患者が発見され、3月11日にWHO(世界保健機関)がパンデミック宣言、「重症の肺炎患者が街にあふれ、死者が急増する」というイメージが作られ、人びとを恐怖させ流ことになった。 別のクルーズ船「グランド・プリンセス」でも患者が発見され、3000人以上が拘束された。拘束された人びとは「無症状の致死性疾患」なる話を吹き込まれ、訴追の脅迫を受け、アメリカ空軍の基地にある軍事刑務所(隔離キャンプ)に収容されたという。 しかし、WHOがパンデミック宣言する直前の2020年2月28日、ファウチを含む3名の研究者はCOVID-19の致死率が1%未満かもしれないと発表している。つまり季節性インフルエンザ並みだというのだ。当初、ファウチはCOVID-19騒動を仕掛ける側ではなかった。その後、騒動を煽る側に入ったのだ。 深刻な副作用を引き起こす「COVID-19ワクチン」を開発したファイザー社の関連文書をFDA(食品医薬品局)は75年の間封印しようとしたのだが、アメリカでは一部の専門家は情報の開示を求める訴訟を起こし、迅速な公開が命令された。 長年、医薬品業界で研究開発に携わってきたサーシャ・ラティポワは公開された文書を分析、その結果、「COVID-19ワクチン」はアメリカ国防総省のプロジェクトだと2022年に発表する。つまり騒動は軍事作戦の結果であり、医薬品メーカーは国防総省の契約企業ということ。そうした企業は情報を公開する必要がない。国防総省のプロジェクトだということは軍事作戦だということを意味し、軍事作戦は免責だ。 病原体だとされたSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)は武漢の研究所で作られたとする話が広まっているが、このウイルスに感染した動物は中国でなく、北アメリカで見つかっている。ジム・ハスラムによると、北アメリカの自然界ではシカ、ノネズミ、コウモリを含む5種類の動物が感染していることが判明、それらの種はモンタナ州にあるロッキー・マウンテン研究所で実験動物として使用されていたことが突き止められた。(Jim Haslam, “COVID-19 Mystery Solved,” Truth Seeking Press, 2024) COVID-19騒動を煽るためにWHOはパンデミックを宣言したが、そのために死亡者数を水増しする必要があった。そこでWHOやCDC(疾病予防管理センター)は2020年4月、死亡した患者の症状がCOVID-19によるものだと考えて矛盾しないなら死因をCOVID-19として処理して良いとする通達を出している。つまり患者を水増しするように指示しているのだ。 アメリカ上院のスコット・ジャンセン議員は2020年4月8日、その通達についてFOXニュースの番組で話している。病院は死人が出ると検査をしないまま死亡診断書にCOVID-19と書き込んでいると話しているのだ。アメリカの場合、COVID-19に感染している患者を治療すると病院が受け取れる金額が多くなり、人工呼吸器をつけるとその額は3倍に膨らんだともいう。医療関係者を買収したと言われても仕方がない。 パンデミック宣言を正当化するため、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査も利用された。これは特定の遺伝子型を試験管の中で増幅する分析のための技術だが、増幅できる遺伝子の長さはウイルス全体の数百分の1程度にすぎず、ウイルス自体を見つけることはできない。 増幅の回数(Ct値)を増やしていけば医学的に意味のないほど微量の遺伝子が存在しても陽性になり、偽陽性も増える。偽陽性を排除するためにはCt値を17以下にしなければならず、35を超すと偽陽性の比率は97%になるとも報告されている。ちなみに、2020年3月19日に国立感染症研究所が出した「病原体検出マニュアル」のCt値は40だ。 Ct値をこうした数値に設定したならPCR検査は無意味だが、結果だけは出るので人びとを騙す材料には使える。PCRを開発、1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスもPCRを診断に使ってはならないと語っていた。 こうした危険な薬物を日本政府は国民に接種させるため、大規模な宣伝が展開された。通常の国は危険性に気づき、2回程度で止め手いるのだが、日本は何度も接種させた。接種推進のためにマスコミが果たした役割は重い。 この薬物によって少なからぬ犠牲者が出ているのは間違いない。その理由を医薬品メーカーの強欲さに求め、ファウチのような人物に責任を押し付ける意見もあるが、その背後にはアメリカの国防総省が存在している。つまりCOVID-19騒動はアメリカ国防総省の軍事作戦であり、医薬品メーカーは「国家安全保障」という壁に守られている。 サーシャ・ラティポワが早い段階から指摘していたように、COVID-19騒動は国防総省のプロジェクトだ。彼女は情報公開法によって入手した文書を分析、この結論に至った。 国防総省のDARPAは2001年9月11日の後にワクチン開発の促進、新ウイルスの発見、医薬品製造の迅速化などの技術を開発するために投資するようになった。そうした中、空軍のダン・ワッテンドルフが迅速なパンデミック対応をDARPAの優先事項のトップに押し上げたという。 ワッテンドルフはDARPAでプログラム・マネージャーを務め、診断学、哺乳類細胞合成生物学、RNAワクチン、モノクローナル抗体の迅速な発見、遺伝子導入による免疫予防、人工赤血球などのプログラムを立ち上げたという。DARPAは2013年にモデルナへ最高2500万ドルを助成金として提供することに決め、16年にワッテンドルフはビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団へ移籍した。 2005年8月に国防総省はウクライナ政府と契約を結び、同国にある生物研究施設をアメリカ政府が管理することになる。そしてアメリカはウクライナで生物化学兵器の研究開発を開始する。 COVID-19騒動が軍事作戦だとしても、国防総省と契約している医薬品会社にとってはビジネスである。リビアの指導者だったムアンマル・アル・カダフィは2009年、国連で次のように演説した。「将来、多くのウイルスが発生するだろう。企業はそれらを開発するために懸命に取り組んでいる。」ウイルスが世界に蔓延すれば、「ワクチン接種で莫大な利益を得ることができる」というわけだ。そして「ワクチンが無料になれば、こうした未知のウイルスの多くは出現も蔓延もしなくなるだろう」とカダフィは予測している。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.07.24
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