《櫻井ジャーナル》

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2016.03.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アリゾナ州タクソンで開かれた ドナルド・トランプの集会でアフリカ系の男性から殴られたコンビ ブライアン・サンダース という男性で、もうひとりはKKKのように白いフードを被り、ナチス式の敬礼をしながら歩いていた。サンダースによると、 トランプのファシズム、人種差別、嘘、女性蔑視に抗議していた というのだが、殴りかかった男性から見れば、アフリカ系の人びとに対する挑発だったということだろう。

Trump

 3月11日にイリノイ州シカゴで開かれた集会ではトランプの演説が妨害され、 シークレット・サービスのエージェントがトランプを守るために壇上へ駆け上がるという事態 になった。トランプはエージェントを制して演説を続けたが、その抗議を行ったのはムーブオンという団体で、投機家のジョージ・ソロスから資金を得ているという。リチャード・バーマンというワシントンのコンサルタントも反トランプの宣伝で重要な役割を果たしているようだ。

 このムーブオンでは トランプが女性や少数派への平等な権利を否定していると主張 、「金曜日にシカゴで起こった暴力的な抗議活動」は、ヒラリー・クリントンかバーニー・サンダースを大統領にするために彼らがこれから行う同じような行動の前兆になるかもしれないとしている。サンダースはともかく、クリントンはウォール街の代理人として国民の生活を破壊し、世界規模で軍事侵略しようとしている。

 トランプを特に嫌っているのがイスラエルの好戦派と一心同体のネオコン。トランプが大統領になった場合、イスラエルの対する多額の援助が減らされる可能性はある。ネオコンの中心的な存在でビクトリア・ヌランド米国務次官補の夫、ロバート・ケーガンは民主党のクリントンを支援しているが、これはネオコン全体の動きだ。

クリントン は巨大軍需企業のロッキード・マーチンから多額の資金を得ていることで知られ、NATO軍とペルシャ湾岸産油国の雇った戦闘集団がリビアのムアンマル・アル・カダフィを惨殺した際、「来た、見た、死んだ」とCBSのインタビューの中で口にしたことでも話題になった。平和的とは言い難い人物だ。

 アメリカの議員は活動資金を得るだけでなく、個人的な富を築くためにイスラエル・ロビーを介してイスラエルへの忠誠を誓っている。ウォール街と深く結びついているクリントンは巨大資本の利益を第一に考えているはずで、本音ではTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)を支持しているだろう。この仕組みは巨大資本が国を支配できるようにすることが目的で、主権国家を否定することになる。

 ところで、ニューディール派のフランクリン・ルーズベルトは1938年4月29日、ファシズムについて次のように定義している。

 「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」

 この定義に従えば、TPP、TTIP、TiSAはファシズム体制の別名とも言えるだろう。

 こうしたファシズム体制を世界へ広めるためには自立した体制を破壊する必要がある。1991年12月にソ連が消滅したことを受け、92年初頭に国防総省でネオコン/シオニストが作成した DPGの草案 は、アメリカの潜在的ライバル、つまり旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどがライバルに成長することを防ぎ、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようという内容になっていた。

 最初に破壊、解体されたのはユーゴスラビア。その際にアメリカ支配層は「人権」を口実に使った。アフガニスタンでは「女性の人権」、イラクは「大量破壊兵器」、シリアやリビアでは「独裁者による民主化弾圧」。こうした口実で破壊と殺戮を繰り返してきた。

 ウクライナでは選挙で合法的に選ばれた政権をアメリカ支配層(ネオコン/シオニスト)はネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を使ったクーデターで倒し、そのクーデターを受け入れないウクライナの東部や南部の人びとの抵抗を西側の政府やメディアは口汚く罵ってきた。勿論、憲法の規定は無視されたが、そのクーデターを「リベラル派」や「革新勢力」は支持している。

 アメリカによる破壊と殺戮に協力している「友好国」には、奴隷制を維持している独裁国家のサウジアラビア、先住のパレスチナ人を弾圧している人種差別国家のイスラエル、言論の自由を否定しているトルコなどが含まれている。その破壊と殺戮を止めようとしてきたロシア政府も西側の政府やメディアから攻撃され、やはり西側の「リベラル派」や「革新勢力」は同調している。

 ところで、アメリカの大統領選で「有力候補」と言われるためには、相当額の資金を投入する必要がある。昨年、民主党のヒラリー・クリントンが集めた寄付金は約1億1400万ドルだとされているが、本当の総額は不明だ。これだけの資金を庶民が集められるはずはなく、何らかの形で富を独占している支配層とつながっていなければ不可能だろう。民主党や共和党の候補者に「革命」を期待する方が無理な相談だ。

世界貿易センターが倒壊したのはジョージ・W・ブッシュ政権の時だと発言 、ブッシュ大統領と9/11との関係を示唆したと感じた人もいたようだ。そうしたひとりが番組の司会者にほかならない。トランプが大統領になり、隠されてきた9/11に関する情報が開示されたり再調査される事態になることを恐れている人もいるだろう。

 この9/11を利用してネオコンは実権を握り、アメリカ国内でファシズム化を促進、国外では軍事侵略を繰り返してきた。自立した体制を破壊してきたのだ。トランプはそうした支配層のファしずく化プロジェクトを明らかにする可能性がある。





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最終更新日  2016.03.21 16:09:59


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