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彼は長い間、自分の初恋は小学1年の時だと思っていた………そう……思っていたのだ… それに何か引っ掛かりを覚えたのは確か……1年半位前だっただろうか… うん、そうだ……確か…それぐらいだ… それに気付いたきっかけは何だっただろうか……? 何かとても些細な疑問から始まったような気がする……… ああ、そうだ…友達から好きなタイプを聞かれた時に真っ先に頭に浮かんだ存在が、今まで好きになった誰でもなく……然し身近な存在だったからだ… そこで彼はふと…考えた…… その身近な彼女と最初に出会ったのは遥か昔…確か幼稚園に入園する以前で……彼女が生まれて間もない時だった気がする…… 彼女は自分と2歳違いだから…彼女に初めて会ったのは自分が2歳の時だから……って…随分小さい時の記憶あるんだな………自分…と…自分に感心……(笑) 考えが逸れたのを元の考えに戻し… 彼女の小さな時から今に至るまで、ズーッと見てたんだな…自分……と…しみじみ……… 今更ながら……思えば、今まで好きになった人って…みんな…彼女に似てる人だったなぁ……なんて思ったりしてた… そう、今まで初恋だと思ってた人ですら…その彼女に似てる人だったのだ…… そこで彼はとある結論に辿り着く… 自分の好みのタイプはズバリその小さい頃から知ってる彼女そのもので…… 違う人の中に彼女の影を見付けては追い掛けてたんだな………と…… 小さな頃から知るその彼女は…自分とは決して結ばれざる存在だから…… 『その彼女は従妹だったから……』 そう彼が考えた時、もう1つの結論が出た…… その彼女から卒業出来ない内は…真の意味で相手を愛す事は出来ないんじゃないかな……と… その後、タイプ(その彼女)とは異なるタイプの女性を愛するようになるのはまた別のお話…… これは、今から1年半前の…ある日の些細疑問から生まれたお話……。
2008年11月27日
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この場合の一匹狼は、孤独が好きな人の意。。 彼は小さき頃から独りが好きだった… 同年代の周りの子達が休み時間に遊んでいる時……彼は1人、自分の席に座り…自分だけの世界に浸っていた…… 友達は居た…然し、彼は同年代の話の合う友が居らず、いつも話は途中で途切れてしまう…… それ故に、彼は他との交流を苦手とし…自らを閉ざし…… 静かな所を探しては独りでぼぅっとして時を過ごしていた……… そんな彼には次第に人も寄り付かなり…彼はそれを良しとした…… これで静かな刻を送れる…と…… だが……物好きも居たもんだ…そんな彼に、とある日から毎日毎日ちょっかいを出して来る女の子が現れた…… 彼女もまた…彼と同じ様に孤独を愛する人であり……少し周りとは違う空気を纏った不思議な子だった… 彼は、ごくごく普通の少し存在感が薄い少年だった。 彼女は、やたら霊感が強かったり……常に奇妙な本を読んでたり……喧嘩っ早かったりで周りから嫌われていた。故に、独りだった… 彼女自身が孤独が好きで、ワザと嫌われるような行動を取ってるようにも見えた……… 兎に角、彼も彼女も立場は違えど独りだったのだ…彼女が彼にちょっかいを出し始めるその日までは…… 彼は誰よりも孤独を愛していた… 彼女も誰よりも孤独を愛していた…… そして… 彼は孤独を愛する少女恋をした…… 彼女も孤独を愛する少年に恋をした… 気付けば、2人はいつも一緒に居た… いつも独りだった2人…… 悪戯・我儘ばかりで常に目立って居たが嫌われ者の少女… 自分を周りに出さず、存在感が薄かった少年…… 相反する2人… その2人がつるんでる様は、さぞや異様な光景だったに違いない… 次第に2人を茶化す者達が現れ始めた…… 彼女はその度にその者達に悪態をつき、力を振るった… 彼はそんな彼女を見、酷く困惑した…… 喧嘩はして欲しくない…けれども、茶化されるのも嫌だ……………と…… そんな彼の思いをよそに、その者達の行動言動はどんどんエスカレートしていった……… 耐えきれなくなった彼は、彼女に提案した……2人きりで話せる場所を探そう…と。。 それからは人前で彼女と2人にはならないようにした…… たまに2人揃って教室に姿が無いとどちらかが帰って来た時に彼(彼女)と何かしてたんだろ?と、責め寄る姿は見受けられたが…茶化すヤツらは次第に少なくなっていった…… そんな折、彼は彼女にこんな事を言われた…… 何でそんなに自分を出さないの?怒りたい時は怒れば良いじゃない……と… ∽ 彼は彼女に言った…… ∽ 怒れば相手が傷付くかも知れない…自分の気持ちが相手と違った場合…相手との関係が悪くなるかも知れない……だから言わないんだ…と………自分には言う勇気が無いんだ……と… ∽ すると彼女が言った…… ∽ だから、気持ちを出さないの?辛くないの? ∽ 相手が傷付かなければ良いんだ…僕…弱虫だから……僕1人が我慢すれば、周りに迷惑掛けずに済むでしょ? ∽ でも、言いたい事を言ってこそ深まる絆もあるよ? ∽ 分かってる…だから、僕が認めた人……信じられると思った人にだけは心…開くよ…… ∽ それきりその日は彼女は何も言わなかった…… 翌日…彼女は彼に聞いた…… ∽ 普段、悩み事とか出来たら誰かに相談してるの?…と ∽ 彼は、自分は居ない…そう言うキミは?と、聞いた…… ∽ 彼女は、何もない所を指差し…普段は彼女に相談してるの……名前は○○(聞き取れなかった)ね♪宜しく。 ∽ 宜しくと言われても、ソコには何もない……彼は困惑した…だが、彼女はあたかもソコに人が居るように何か会話らしきものをしている………不思議な光景だった…… そんな光景を何をするでもなく眺めていると…彼女が此方を向いた……それを機に聞いてみた、誰に話してるの?って………そしたら ∽ 私に憑いてる霊だよ?とか何食わぬ顔で言った… ∽ 彼は半ば引きつつも、守護霊みたいなの??と聞くと… ∽ ううん、違う、この子とは前にお墓で仲良くなったの♪とかサラリと言いやがった…… ∽ だからついでに聞いてみた…自分には何か憑いてる??と…… 彼女の霊感とやらは凄かった……今…彼女の事を思い出しても…身震いしてしまう……… あの闇を感じさせる瞳と白過ぎる肌……一度彼が触った時は、ぷにぷにさらさらしてたらしい… っとそんな事は兎も角だ……彼女は彼にこう言ったのだ… ∽ 貴方の守護霊は落ち武者みたいな人…でも大丈夫、その人は優しい目をしてるから…… それと、貴方も憑かれてるね?茶髪のキリっとした目で何か神父風の服を着た人が憑いてるよ♪ちょっと前に話してみたけど、貴方とは違って積極的みたい……貴方の事、心配してる… 初めてだった……俺の姿を捉えた奴は…俺は………嬉しかった…… 結果、その事がキッカケで…彼と俺は話が出来るようになった……彼女のお陰だと今も感謝している… それから暫くして…その年の2/14…… 彼女が彼にチョコをくれた…義理では無かった……手作りのチョコが6つ入っていた… 中には『大好き』と書かれた紙も共に入っていた…… 彼は翌日彼女に礼を言い、3/14に返事をしようと……そう心に誓った… 然し、運命の3/14………彼は不運にもせよインフルエンザに掛かった……でも…体に鞭打ち、彼女に会う為だけに家を抜け出し……彼女にお返しを渡したまでは良かった… 彼女への返事はもう決まっていたのだ……勿論…OKだった………然し、彼は…勇気が出せなかった……言えなかった… 彼は帰途に着く中…酷く後悔した…… 思いを伝えられなかった事に… だが、その時はよもや思いもしなかっただろう…その後悔が…その後ずっと続くなんて事を……っとそれはまあ今は良い… 彼と彼女はその後も仲は良かった… 彼は彼女に何度も告白しようと試みたが………結局言えず仕舞いだった…… そのまま2人は卒業を迎え、違う高校に進んだ…… 中学卒業後も彼の心の片隅には…常に彼女への想いと後悔があった…… 彼は今も彼女を密かに想っている… いつか、あの時の想いを伝えられる日を夢見て……… 【完】
2008年11月22日
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