電波帝国

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May 28, 2005
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テーマ: 戦争反対(1263)
カテゴリ: カウンター
 楽天ブログの中をうろついていたらこんな記事を見つけました。
政府高官が60年前の極東軍事裁判に対して開き直り発言(27日の日記)

(前略)
細田博之官房長官は同日午後の記者会見で、「種々誤りも含まれており、論評する必要はない。政府の一員として話したということは到底あり得ない」と、釈明した。
 一方、公明党の神崎武法代表は記者団の質問に答え、「政務官という立場で(そうした)発言をするのはいかがなものか。公的な立場にある人は節度を持って対応してほしい」と、不快感を示した。

私も不快です、まったく。
細田官房長官が言う「種々の誤り」の中には、森岡正宏が旧日本軍の戦闘行為には国際法違反の行為もあったことを見落としているか無視していること含んでいるものと思います。いずれにしても、森岡正宏のような考え方は、日本政府としては容認できないものであることは細田・神崎両氏の発言からも明らかです。



 これは先日の森岡正宏厚生労働政務官の発言を受けてのものです。現場の方にはニュースサイトの該当記事などへのリンクが無いので自分で探してきました。(余談ですが時事問題を扱うときは、ニュースソースへのリンク、URLをきちんと貼っておくべきだと思います。)
靖国参拝問題:「A級戦犯は罪人でない」--森岡・厚労政務官 (毎日新聞)
「A級戦犯はもう罪人でない」自民代議士会で森岡政務官 (朝日新聞)

 この事件を受けて、 このブログ の管理人である佐原さんが不快に思うのは個人の感情ですから、私がとやかく言うようなことでは在りません。しかしその理由として佐原さんは、
『細田官房長官が言う「種々の誤り」の中には、森岡正宏が旧日本軍の戦闘行為には国際法違反の行為もあったことを見落としているか無視していること含んでいるものと思います。』
 ということを挙げています。私はこの部分が凄く引っ掛かったので少し調べてみました。
 まずはA級戦犯について。


A級戦犯(えいきゅうせんぱん)とは、極東国際軍事裁判所条例の第五条の(イ)に定義された「平和ニ対スル罪 即チ、宣戦ヲ布告セル又ハ布告セザル侵略戦争、若ハ国際法、条約、協定又ハ誓約ニ違反セル戦争ノ計画、準備、開始、又ハ遂行、若ハ右諸行為ノ何レカヲ達成スル為メノ共通ノ計画又ハ共同謀議ヘノ参加。」を犯したとして、極東国際軍事裁判によって有罪判決を受け、戦争犯罪人とされた人々を指す。

なお、A級のAとは、同条例の英文 Charter of the International Military Tribunal for the Far East において同条(イ)が (a) となる事に由来する単なる分類であり、しばしば誤解されるように罪の軽重を指しているわけではない。太平洋戦争において軍事作戦や国家政策の指導的役割を果たした人物を裁くために、罪状を作って裁いた際のあくまでも分類上のものである。(後略)


A級戦犯 - Wikipedia


明らかな事後法で「法の不遡及の原則」に背くものです 。例えるなら、今まで自由に入れた土地に立ち入り禁止の立て札を立て、「昨日ここに入っただろ!!罰金よこせ!!」と言っているようなものです。理不尽と言わざるを得ないでしょう。この部分に関しては、佐原さんも同意していただけるのではないかと思います。
 ですが問題は、佐原さんの言う「旧日本軍の戦闘行為」の「国際法違反の行為」の責任がA級戦犯あるのか、ということです。そこでもう少し調べてみるとこんなページがありました。
「 東京裁判の判決一覧 」(「 海軍兵学校 」より)
 ここの表を見るとA級戦犯には「平和に対する罪」以外の余罪として、 「残虐行為の命令授権」 、 「故意又は不注意による防止の怠慢」 のどちらか、若しくは両方があった人も居たことが解ります。しかしこの二つはB,C級戦犯の方たちにも当て嵌まる罪状です。これを理由に佐原さんが「不快」と感じるのならB,C級戦犯の合祀も批判せねばなりません。 これをもってして森岡政務官の批判するのは、的外れでしょう。 佐原さんの主張が、「全ての戦犯の分祀せよ」だというのなら別ですが。

 更に、極東軍事裁判(東京裁判)自体に対しても、当時からその公平性に疑問がもたれています。その理由は、日本側の提出した弁護資料の殆どが却下されたこと(連合側の資料は伝聞でも採用された)、連合国側の戦争犯罪は全く問われなかったこと、などでインドのバール判事が異論を唱えていました。またフランスのベルナール判事も「すべての判事が集まって協議したことは一度もない」と後に問題点を指摘しています。この裁判が 「勝者が敗者を裁いた」裁判 であると言えるでしょう。


第十一条【戦争犯罪】

 日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。

Treaty of Peace with Japan / 日本国との平和条約


 つまり日本が勝手に国内にいる戦犯の減刑や赦免をすることは許されなかったわけですが、裁判に参加した国の過半数の承認を得れば彼らの名誉を回復させてあげることが出来と言うことですね。
 1952年(昭和27年)6月9日参議院本会議にて「戦犯在所者の釈放等に関する決議」 1952年(昭和27年)12月9日衆議院本会議にて「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」 1953年(昭和28年)8月3日衆議院本会議にて「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」 1955年(昭和30年)7月19日衆議院本会議にて「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」などが次々と可決され、 A,B,C級戦犯の名誉は何れも回復されました 。ただし、上記の条文があるため、政府見解は戦後一貫して戦犯は戦犯であり続けました。この辺りが、細田官房長官の言う「種々の誤り」であり小泉首相の「政府の一員としての発言ではない」だと私は思います。

 さて、佐原さんはこういったことをご存知の上で「不快」だと感じられたのでしょうか?その辺りをお伺いしたいです。


・ A級戦犯 - Wikipedia
・ 極東国際軍事裁判 - Wikipedia
・ 戦争犯罪 - Wikipedia
・ 戦争犯罪 - Wikipedia
・ BC級戦犯 - Wikipedia
・ 海軍兵学校
・ 極東国際軍事(東京)裁判 (田村のホームページ)
・ 靖国神社関係資料





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Last updated  May 28, 2005 06:29:21 PM
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