森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.03
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森田先生のお話です。

私は、以前に常に ​凡人主義​ という事を唱えた。
その凡人の修養されて偉くなったのが偉人である。
どうも目標は平凡がよい。平凡は円満完全であり奇抜欠陥ではない。
これが私の精神病学から得た知識であります。

芸術家でも森鴎外などは凡人の偉大なものかと思う。
医学の研究も・軍医総監の事務も・文学・哲学にも精通した。
素直であり・奇抜ではなく、耐えざる努力家であった。



ルソーは天才であって半狂人です。大杉栄なども、変人である。
変人は物事が一途であり・無鉄砲である。
政治家などでも、賄賂を取り、刑務所に行くほどの者は変人・天才の部類である。
芸術家には、特に変人・天才が多いようである。恥を知らぬものが多い。
東郷青児という天才画家は、某少将の令嬢と心中未遂をやったが、後に自分でそのことを大ぺらに発表している。ちょっと誤ると風俗壊乱になる。
島田清次郎・芥川龍之介は、本物の早発性痴呆症であった。
人の妻と心中した有島も、その作品を見て単純な思想の人だという事がわかる。
(森田全集 第5巻 543から544ページ)

森田先生は、神経質者は平凡を軽視しないでコツコツ努力精進していくほうがよいと言われています。
平凡を10年、20年と積み重ねていくと、類まれな非凡な人になれると言われている。

これに対して天才・奇人・変人と言われる人がいる。
天才は一面的には、類まれな才能を発揮して、世間の人をあっと言わせるような芸術作品を作り出す。
あるいは人間技とは思えないような身体能力を発揮して人々を驚かす。

天才と言われるような人は秀逸と醜悪の両面を持ち合わせているのかもしれない。
天才は本能の赴くまま、感情の赴くままに、自己中心的・反社会的な行動に歯止めをかけることができない場合がある。
社会的にも非難中傷の対象となるが、本人も天才ゆえの生きづらさを抱えて苦しいのである。

これは程度の差はあるが、神経質性格者にも言えることではないか。
神経質性格者は、自己中心的で、感情の暴発を招きやすい。

他人との付き合い方がよく分かっていない。
人間関係のトラブルを招きやすい。

その反面、強い好奇心を持っている。
興味や関心の幅が広く、なんでも手を出す傾向がある。
感受性・感性が豊かである。好きなことには労を惜しまない。
分析力、探究心が強い。物事をより深く考えることができる。

このような相反する2つの傾向があることを認めて自覚を深めていく。
そのうえで奇人・変人と判断されるようなことを制御する方法を考える。
不快な気分や感情が暴走しそうなところには近寄らないようにする。
自分一人で制御できないのならば、制御力のある人と一緒に行動する。
そのうえで神経質性格のプラス面を活かして努力精進を積み重ねていく。
こういう方向を目指していけば、問題行動を抑制することができるのではないでしょうか。





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Last updated  2025.05.03 06:20:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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