森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.22
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生のお話です。

理想主義者または哲学者は、事実を離れて物事を推理でやって行こうとする。
「仕事の能率を上げるには熱中しなければならぬ」とかいう風に考える。
ちょっと聞くともっともらしいけれども、実は実際を離れた机上論である。

いま我々が、ある心の活動状況について考える時に、必ず第一に、その事件、第二、その時の周囲の境遇、第三に自分の心身の状態とを、同時に観察しなければならない。

例えば、第一として、自分の前に「すし」が出る。
第二に皆さんのところへは、まだ配られない。
第三は、腹がへってたまらない。
この時には、すなわち食べたくて、しかも遠慮して待つという気の張った状態になるという風に、我々の心は、時と場合に応じて、千変万化定まりのないものである。(森田全集 第5巻 580ページ)

この話は行動する時の注意点・ポイントについて説明されています。


森田先生は行動する時に、自分の欲望を押し通すようなやり方は問題だと言われています。
たとえば、相手がしゃべっているときに、それを遮って自分の言いたいことをしゃべるようなことです。
それを押し通したいと思っても周囲の状況次第では我慢しなければならない場合があります。

例えば、急いでいるときに、「開かずの踏切」が閉まってしまうことがあります。
5分以上も待たされることが日常茶飯事という場合は当然イライラします。
こんな場合無理やりこじ開けて横断しますか。
たまにはそんな人もいますが、事故に遭う危険性が高いわけですからそんな無茶なことはしませんね。

ではどのように行動していけばよいのか。
森田先生は、主観的事実と客観的事実を天秤にかけて、その時その場で適切な行動を決定すればよいと言われています。

①自分の心身の状態を冷静に把握する。

②周囲の状況を客観的に認識する。

自分の都合にしても、周囲の状況にしても、その時その場でいろんなケースがあります。
開かずの踏切の場合は、早く渡りたいのは山々ですが、身の安全を考えて我慢する。


神経質者の場合、欲望のままに軽率な行動を選択してしまうことがあります。
この場合は後悔や罪悪感で苦しむことが多くなります。
自分の欲望だけではなく、周囲の状況も加味して​、その時その場で適切で妥当性のある行動を選択することが大事になります。





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Last updated  2025.05.22 06:32:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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