森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.24
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カテゴリ: 最新の脳科学
西田文郎氏のお話です。

平家物語に「富士川の戦い」という話があります。
駿河の国、富士川を挟んで源平のにらみ合いが続いていたある夜、突然、川辺の水鳥が一斉に飛び立ちました。
その羽音を敵の夜襲とカン違いした平家の軍勢は、たちまち大混乱に陥り、戦わずして命からがら逃げだしたというのです。
平家は源氏の大軍に負けたのではありません。
「源氏の坂東武者は強いかも」「この戦いは負けるかも」という、脳内の ​「否定的なかも」​ に負けたのです。
(かもの法則 西田文郎 現代書林 39ページ)

本田宗一郎氏曰く。

99%は失敗の連続であった。そして実を結んだ1%の成功が現在の私である。

本田宗一郎氏は何度失敗しても、そのたびに「次は成功するかも」「できるかも」「うまくいくかも」という「肯定的なかも」を飛ばせたのです。

自分を叱咤激励して、「必ず成功する」「絶対成功するはずだ」とプラス思考する。ポジティブシンキングで考えるようにすることは極めて難しいです。
しかし無責任で気まぐれな「成功するかも」「うまくいきかも」「できるかも」「やれるかも」という ​​ 「肯定的なかも」 ​​ なら何とか飛ばすことができるのではないでしょうか。
「肯定的なかも」が飛び立つと、私たちの脳にその「かも」のイメージが生まれます。「否定的なかも」と違うのは、否定的な想像は人から実行力を奪いますが、「肯定的なかも」は人を行動に駆り立てるということです。

「肯定的なかも」さえいればすべて順調にいくわけではありません。
積極的な行動が増えれば、失敗の数も当然増えていきます。
この失敗を単なる失敗ではなく、成功のための貴重な教訓として積み重ねることが大切です。
「肯定的なかも」を飛ばし続ければ、最後には目的が達成できる可能性が格段に増えてきます。つまり好循環が頭の中を駆け巡るのです。

この時脳内ではどうなっているのでしょうか。
ずばり報酬系神経回路が作動しているのです。

腹側被蓋野はやる気を高める部位である「側坐核」などにその情報を伝えます。
側坐核はドーパミンを大量に出して、報酬系神経回路のA10神経群を一斉に活性化させるのです。意欲的、積極的、建設的、創造的な神経群が動き出してくるのです。

「否定的なかも」飛ばしていると防衛系神経回路が作動します。
扁桃体で「嫌い」「不快」と判定された情報は「青斑核」に送られます。
「青斑核」がノルアドレナリンという神経伝達物資を使って、脳内に積極的、建設的、創造的な行動を抑制するように働いてくるのです。

つまり脳内を専守防衛システムが支配するようになるのです。
これでは笛吹けど踊らずという現象が起きてくるのです。
さらに抑うつで苦しむことになります。
これを避けるための一つの手段が「肯定的なかも」を飛ばすということなのです。





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Last updated  2025.05.24 08:13:00
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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