森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.08.18
XML
邑井操氏のお話です。

織田信長は史上まれにみる人材鑑抜の名手だ
彼の登用により豊臣秀吉、徳川家康、柴田勝家、明智光秀、丹羽長秀、滝川一益などがその才能を開花させた。
秀吉は若いころは草履取りだった。
その秀吉を中国派遣軍総司令官までにし、羽柴筑前守秀吉という名将に育てた。
信長は使える人間とみると身分出生などは問題にしていないでぐんぐん引き上げる。その人間が持っている能力をいち早く見つけ出して、適材適所の働き場所を与えた。
そして成果を上げた者に対して高く評価し褒賞を与えた。
その当時、有能の材を持ちながらも代々譜代の家臣も多く、宿老もあり侍大将もいる中で、序列を無視して人材登用を実行することは実際には難しかった。
その点信長は今までの慣習に一切とらわれない人材登用の達人であった。


明智光秀は三傑のひとり(あとの二人は豊臣秀吉と徳川家康)といわれた優秀な部下であった。
信長は能力はあるが自分に意見をする光秀を、公衆の面前で恥をかかせたり、容赦なく叩いたり蹴ったりの折檻を加えた。
そのため信長を殺害した光秀は信長のことを心底憎んでいたのである。
光秀は自分の今日の栄達は、主として自分の能力の賜物であって、「信長の恩義にあらず」とまで言っている。

信長はたしかに部下を活かした。部下はみんな信長によって活かされた。
それは紛れもない事実だが、同時に信長もまた、登用した部下達によって天下統一の一番手として頭角を現していたのである。
信長はその事実をうかつにも見誤っていたのである。
部下を道具として上手に使いこなしていけば、天下統一が完成するはずだったのである。
道具は生身の人間ではないが、信長はその道具が壊れたり、役に立つ別の道具が見つかれば捨てればよいという考え方を押し通した。
一見合理的な考え方ではあるが、ザルで水を掬うようなもので、すくい上げた途端にすべてが失われてしまう。

信長は成果を上げた人を褒賞した。「一つ行えば一つ酬いる大将なり」といわれるほど、能力を愛し賞を行った。しかし褒めはしても ​​感謝​​
「部下を活かしてやっているのはオレだ」という自負と自信は溢れるほどあったが、部下に活かされて事業を達成し得たのだという謙虚さはなかった。
信長にとって部下は感謝の対象ではなく、巧みに利用すべき道具だったのだ。
(人を動かす力 邑井操 新潮文庫 参照)

感謝を忘れ、自己顕示欲を前面に押し出す人は、悲惨な人生が待っているということかも知れない。
森田先生のお母さんは、森田先生が「あれが欲しい、これが欲しい」と言うと、いつも「下の人を見よ」と諭したという。
私は森田の学習の中で、当たり前のことに 「もしこれが無かったらとしたらどうなるかを考えよう。そうすれば自然に感謝の気持ちが湧いてくる」

次のような気持ちで生活をしていると、人間関係が破綻することはありません。
​稔るほど 頭を垂れる 稲穂かな​








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.08.18 06:29:21
コメントを書く
[人間関係、不即不離] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

知らぬ間に立派な大… 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: