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松本大洋の世界
<松本大洋の世界 >
松本大洋に関するマンガ、本、映画、ネット情報などを集めてみました。
・一億人の漫画連鎖
・古書店で松本大洋の漫画をゲット
・かないくん
・松本大洋が、ええでぇ♪
・「鉄コン筋クリート」
・松本大洋の本
・松本大洋とバンド・デシネ
【 熱血解説!松本大洋の世界 】
松本大洋/写真ガレージ
<一億人の漫画連鎖>
偶然、出くわした古書フェアで、定価890円のこの本が800円で売り出されていたのです。
ちょっと高いかとも思ったけど、今買わないと二度とお目にかからないだろうと焦ったわけでおました。
(家に帰って楽天を覗くと890円(税込み961円)の定価販売となっていて、古書値段は、やや高め設定というところか)
【一億人の漫画連鎖】
ダヴィンチ編集部編、メディアファクトリー、1998年刊
<「BOOK」データベース>より
【目次】
第1章 人気ランキングから広げるコミック連鎖反応/第2章 マンガおもしろ分析&マンガ家インタビューから広げるコミック連鎖反応/第3章 あの作家あの作品から広げるコミック連鎖反応
<大使寸評>
この本は「ダヴィンチ」96年7月号~98年3月号の掲載記事を主に編集されていて・・・
当時の大使は漫画をあまり読んでいなかった時期なので、やや浦島太郎の感を覚えたわけでおます。
でも、この本では松本大洋ロングインタビュー、相沢直樹スペシャルインタビューなど載っていて、もろに大使のツボを突いています。
一億人の漫画連鎖
大使の一押し記事ともいえる松本大洋ロングインタビューを見てみましょう。
p90~95
<我ら松本大洋族:アイカワタケシ>
大友克洋以降の最重要若手マンガ家の一人、松本大洋。高度に洗練された表現スタイルと、時に詩的、寓話的な語り口で敏感な若者たちに圧倒的な人気を誇る。それが今の時代の感性と共鳴していることは間違いないが、はたして作家本人はどんなパーソナリティーを持っているのだろうか。クールな作風からは窺い知れない作家の内面に、おっとり刀で迫ってみた。
「松本大洋さんはインタビュー嫌いらしいよ」
打ち合わせの席で担当編集者に、そう教えられた。一度はファクスインタビューにこぎつけたものの、これまでに2回、インタビューを断られたそうだ。写真嫌いであるともいう。ちょっと不安がよぎる。
松本大洋といえば、「大友克洋以降」を代表する若手マンガ家の中でも、最重要作家の一人と目されている人物だ。もしかしたら、尊大でもったいぶったアーチスト気質の濃い人物なんじゃないか。あるいは、神経質で人間嫌いの世捨て人なのか。そんな不安と妄想は作品を通して読んでみると、ますます強くなった。
作画スタイルは作品を追うごとに変化している。長篇と短篇では、テーマもテイストもまったく異なっている。高度に洗練された「絵」が印象に残る一方、作家の肉声はほとんど感じられない。あるいは、あえて肉声を押し殺しているような、そんな感じがした。
(中略)
<『花男』は、道行く人の頭をバットで殴りつけるアブナイ男の話だった?!>
Q:石川県に住んでいたという話ですが、こっちへ来たのはいつ頃ですか?
松本:東京で生まれてすぐ石川県に行って、今度は三重県に行って6年生まで、中学校は静岡で、高校で東京に帰って来たんです。親に放浪癖があったんで・・・・
Q:それは転勤とかじゃなくて?
松本:場所変えるのが好きなんですよね。
Q:それは、ちょっと『花男』の感覚があるんですか?
Q:あ、ありますね。うちの親はもう、なんかオカシイんですよ。「アダムス・ファミリー」みたいな感じで(笑)。『花男』っていうのは最初、花男っていう非常に変な男っていうのかな。要するにちょっとアブナイ、痛い人がいて(笑)、それがバットで道行く人の頭殴りつけたりする話だったんですけど、こんなもん連載できるわけないだろってことになって(笑)。
俺が考えてくと、かなりカルティックになっちゃうんですよ。夢を目指す人間ていうのは、どれくらい醜いかっていう。そういうテーマで最初描いていたんですよ。夢って非常に美化されるじゃないですか。
それで夢を見る男が、どれだけみっともなくて、うるさくて、やかましくって近所迷惑かっていうのを突き詰めてやるぜ、なんて思ってたんだけど、連載になったら全然違う話になっちゃった。それで良かったと思うんですけどねぇ。
『花男』の出発点は、夢の世界に生きる男の妄執が暴走するバイオレントな話だったのか。松本大洋という作家の資質は、じつは意外と歪んだ要素を含んでいるのかもしれない。他の作品についても聞いてみた。
Q:『鉄コン筋クリート』のシロとクロもそうですけど、二律背反する2つのものを並べますよね。『ピンポン』で言えばスマイルとペコとか。明と暗が対比するキャラクターを登場させるというか。
松本:『花男』やったときに味をしめたんですよね。これはかなり広い部分を網羅していると思って。俺は悪役を出さないですから、価値基準があまりにも一定だとコワイものができあがるじゃないですか。
それと全然価値基準が違う二人が仲良かったりするのって、非常に俺の好きな雰囲気なんですよね。それを、もうちょっと徹底させてみたいと思ったのが『鉄コン~』で・・・。まぁ結局、二人とも似た者同士になっちゃったんですけど。もっと正反対でも良かったんですよね。
(中略)
インタビューに臨む前に一方的に感じていた不安は、やはり妄想だった(当たり前)。松本大洋は、痩せて小柄の、とてもシャイな人だった。小田急ロマンスカーに乗って江ノ島まで帰る時間ギリギリまで、こちらのとりとめのない質問にも、言語を選びながら丁寧に答えてくれた。そしてその言語の裏に、作品ではストレートに表出しない、「時代の気分」とは正反対の「まっとうな反骨精神」を感じた。ジミ・ヘンの話は最後まで出なかった。
<古書店で松本大洋の漫画をゲット>
三宮のさんプラザ2階の古書店でゲットした『Sunny第1集』であるが、汚れなしで定価の半額程度(480円)であった。・・・まあ、お買い得なんでしょうね。
(実は、これでも高いと感じるのだがビジュアル本でもあり、しかたないか)
松本大洋の漫画は絵そのものが魅力的であり、「大人の絵本」とでもいう本なので・・・
大使としては、高額古書となった次第です。
ところで、ころころと画風を変える松本であるが、この本ではわりと穏やかな画風になっています。
個人的には『鉄コン筋クリート』『ナンバーファイブ―吾』の画風が好きなのだが、この本は画風うんぬんよりも、松本の少年期の叙情がテーマなんだろうね。
【Sunny第1集】
松本大洋著、小学館、2011年刊
<商品説明>より
松本大洋が到達した少年期作品の金字塔。
星の子学園――様々な事情を持つ子供たちが、親と離れて暮らす場所。陽光が燦々と降り注ぐ園の片隅に放置されたポンコツサニー。其処は彼らの遊び場であり、彼らの教室だった。『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『GOGOモンスター』――未来、スポーツ、異界…あらゆる世界で、その体と心を躍動させる少年たちを描き続けてきた松本大洋が、自らの少年期に思いをはせつつ、その最高峰を目指す渾身の作品。
<大使寸評>
ころころと画風を変える松本であるが、この本ではわりと穏やかな画風になっています。星の子学園の住人たちが、各々、味のあるキャラクターで登場するが・・・
台詞がすべて関西弁なので、大使にとって違和感のないのが、ええでぇ♪
漫画系の古書店でゲットした本であるが、汚れなしで定価の半額程度(480円)であった。まあ、お買い得なんでしょうね。
Amazon
Sunny第1集
この本も
漫画の蔵書録
や
松本大洋の世界
に収めておきます。
<かないくん>
朝日新聞デジタルが「かないくん」をとりあげていました。
谷川俊太郎のお話を、松本大洋が二年かけて描いた絵本とのことなので、見てみたいのです。
かないくん
より
<世代結ぶ「死」との距離感覚:鈴木繁(本社編集委員)>
隣席の「かないくん」が小学4年で死んだ。ひとり向こうに行った「しんゆうじゃない、ふつうのともだち」だった少年のことを、絵本作家が60年以上たってふいに思い出し、絵本にしようとして結びを描きあぐねている。老作家には死期が近い。
「かない」は、谷川の亡くなった級友の姓でもあるという。企画したのは糸井重里。「ほぼ日刊イトイ新聞」によれば、まず谷川俊太郎と話をし、受諾した詩人は大筋を一晩で書いた。絵を依頼されたマンガ家松本大洋は、初の絵本にためらい、考えた末に受けたが、完成したときには2年近い歳月が流れていた。執筆と作画の違い以上に、死との距離感覚の違いが関係している気がする。
地球上に生物が発生して十数億年の間、死はなかった。バクテリアの仲間、原核生物は老いず死なず、分裂するのみ。死は「ヒトが進化史で獲得した『能力』」と『有性生殖論』(NHKブックス)で生物学者高木由臣は語っている。生が世代から世代へとリレーされるように、死もまたリレーされていく。
人の生のイメージは拡散し続け詩の衰退はやまない。生物としての進化が誰にでも無償で与えてくれる死は、詩情の最上の牙城か。寺山修司の言を借りれば、谷川は暗い戦後詩に「おはよう」を持ち込んだ詩人。ここでも死にあいさつするようなさわやかなエンディングが印象に残る。白みを生かしたデザインがそれをさらに引き立てる。
松本大洋は「かないくん」を自分の友だちであるかのように、温かく、寂しく、ありていに描き出している。思い出の中から跳ね出してくるウサギや、ごつごつとした外皮の内に命を秘める樹木とともに。
谷川から差し出されたものを、大事に抱き取ろうとする松本のしぐさが見えるようだ。
◇
[作]谷川俊太郎 [絵]松本大洋、東京糸井重里事務所、2014年刊
<商品の説明>より
ある日、ともだちのかないくんが学校を休んだ。
かないくんは親友じゃない。ふつうのともだち。
日常に訪れた、はじめての“死”。
死ぬって、ただここにいなくなるだけのこと?
詩人、谷川俊太郎が、一夜で綴り、
漫画家、松本大洋が、二年かけて描いた絵本。
企画監修は糸井重里。
<読む前の大使寸評>
谷川俊太郎のお話を、松本大洋が二年かけて描いた絵本とのことなので、見てみたいのです。
絵本作家としての松本大洋については
マンガと絵本
でも、触れています。
rakuten
かないくん
<松本大洋が、ええでぇ♪>
田舎のネットカフェで、久々にネットめぐりをしています。
これまた久々に日記更新です♪(といっても、原稿のコピペですが)
「フリースタイル(vol6)」という古い雑誌が松本大洋を特集していたので、アマゾンで購入したのです。
期待に違わずこの雑誌には、ロングインタビューやイラスト集が載っていて、松本ファンにとってまるで大人の絵本のような楽しみがあるわけです♪
インタビューで印象的なところを紹介します。
<『ナンバーファイブ』>
p21~24より
Q:マイクの過剰な善が世界を間違った方向に導くのを阻止することがファイブの役目となっています。このあたりの物語の展開は?
松本:あの作品に関しては自分の影響を受けた作品をみんな入れてしまえっていうようなところがあったんです。『スターウォーズ』でしょ(笑)。あと『仮面ライダー』とか。
Q:あの全身機械みたいな男(ナンバースリー)ですか?
松本:あと『ブレードランナー』も入れたいな、『AKIRA』も入れたいなって、そういう自分の大好きなものをいっぱい入れたくて。その前の『GOGOモンスター』で学校のなかしか描かなかったことがものすごいフラストレーションだったんですよ(笑)。机ばっかり描いていて、グラウンド描いて、プール描いて・・・って。だから世界中を旅することにして、世界中に強いやつがいっぱいいまして、っていうことにしたんです。
Q:冒頭に世界の地図が描かれていましたね。
松本:世界中を旅しますよっていうことで楽しいものにしようと思って描き始めたんです。でもなんか暗くなり始めて・・・。あれはそういう話でしたね。
(中略)
Q:最初は隔月の連載でしたね。
松本:そうです。連載が進むにつれ、みんな「全然わからない」って言いはじめて(笑)。
Q:マイクも世界を完璧なものに造りあげようとしておかしな方向に行く。光を求めて、光だけの世界を作ろうとする。じつはパパも同じなんですね。かつて完璧な少女を造ったけれど、むしろ完璧に造られた少女の方がそのことの恐ろしさを知って、完璧じゃない世界、狂気に行ってしまった、自らの意思で。
親子関係において、息子のマイクとも娘のマトリョ-シカとも破綻しているパパの話ですよね。
松本:マトリョ-シカがパパの最高傑作であったことは、最初から決めていたんです。でも『ファイブ』は、連載をつづけながら、読者にどれくらい伝わっているか、不安だったですね。楽しい娯楽作品として描きたかったんだけど、こないだ本屋さんに行ったら、「松本大洋は決して読者と馴れ合わないのだ」とポップが立ってて・・・。
「えっ!」って思って。俺はすっごく読者と馴れ合いたくて描いたのに・・・と思って(笑)。でも本当にみんなに「難解だ」って言われると、自分でも何がやりたかったのか分からなくなって。うーん・・・。
Q:その難解さは世界の豊かさの反映だと僕は思うんですよ。そういう意味で、思い通りにいかない物語と格闘したことで、いつまでたっても読んで様々な刺激を受ける人間像が作りだされていると思います。
松本:そういう人が一人でもいてくれると・・・。あれはね、別に嫌いじゃないんです。一人一人のキャラクターには愛着があるし、嫌いじゃないんですけど、描いていて大変だった。でも別にやらなきゃよかったとは思っていないです。
(中略)
Q:それにしてはなんだか妙に嬉しげに動物が登場していますね。だから否定的なだけの突然変異ではないんだろうなと思ったんですけど、どうですか。
松本:あれは地球が一回おかしくなってしまって、そこから植林とかそういうことをして復活してきたっていう設定なんです。でも遊びもありましたね。
Q:どうりで、あんまり禍々しいところもないし、楽園的なイメージって言うか、タッチとしてメビウスが描く宇宙の親近感にちょっと近い感じがしました。
松本:ああ、そうだな、メビウス好きだったから、影響もきっとすごい受けていますね。一回すべてが崩壊して、その後いまの百分の一ぐらいの人口・・・、そんなに少なくないか。まあ、そんなになっていたんですけど、もう一回始まるんじゃないかっていうような未来を考えているんですね。
Q:全体にものすごく緊張感のある殺し合いの物語。その裏に地球はどうあるべきかとか国家はどうあるべきかとかいう理念的なバックボーンがある。そんななかで、ああいう牧歌的な動物たちを出す遊び心が救いになっていてよかったです。
松本:嬉しいです(笑)。
感覚的な好みは説明が難しいのだが・・・松本作品はクールで、ええでぇ♪
作者本人も気付いていないと述懐しているが、松本作品の魅力は哲学性なのかもしれませんね。
とにかく、売れ行きの動向に目をつむったスピリッツの編集長の英断が、松本作品を支えていたようですね(笑)。
【フリースタイルvol6】
ムック、フリースタイル、2007年刊
<内容説明>より
「フリースタイル」vol.6の特集は、「松本大洋」です 。
僕が松本大洋氏に初めてお会いしたのが、『100』(小学館)という画集の企画を
持ち込んだときでした。あれから10数年。
『メザスヒカリノサキノアルモノ若しくはパラダイス』をフリースタイルの創業出版として出させてもらい、『花』もフリースタイルから出させてもらいました。
【目次】より
特集:松本大洋
・デビュー作『STRAIGHT』から最新作『竹光侍』まで自作の「すべて」を語った
3万字を越えるロング・ロング・インタビュー(インタビューアー:中条省平)
・画集未収録のイラスト集:art works of 松本大洋
<大使寸評>
この本にはロングインタビューやイラスト集が載っていて、松本ファンにとってまるで大人の絵本のような楽しみがあるわけです♪
また、この本を読んでわかったことなんだが・・・雑誌の売れ行きに、多少は目をつむったスピリッツの編集長の英断が、松本作品を支えてきたようですね(笑)。
残念ながら、この本は出版社では売り切れになっているので、アマゾンの中古本で買った次第です。
freestyle
フリースタイル6
<「鉄コン筋クリート」>
たまたま観た12日のトップランナーで
マイケル・アリアス
という映画監督が出ていた。
彼のつくったアニメ「鉄コン筋クリート」がいいんだなー♪、まだ観ていないけど。
監督は友人のもっていた松本大洋の原作漫画をたまたま見て、それにはまって、アニメに取り組んだそうです。
スタッフと共にアニメをつくった3年間が楽しくて、いつまでも作っていたかったとも、もらしていました。
劇中のキャラクターもさることながら、新旧入り混じった東京の街並みを描きたかったそうです。
いい味だしていますね♪・・・「ブレードランナー」で見た酸性雨の降りしきる雑踏を彷彿とします。
監督も「ブレードランナー」の描く、混沌としたアジアテーストの街並みに惹かれたそうです。
(私もいかれています)
「鉄コン筋クリート」公式HP
で、その街並みを、どうぞ。
鉄コン筋クリート YOUTUBE動画視聴
ヘブンズドア
Michael Arias
<松本大洋の本>
工事中
松本大洋について、図書館で借りた本と我が蔵書を集めてみました。
・鉄コン筋クリート
・ナンバーファイブ―吾
・100 (Big spirits comic special)
・バンド・デシネ徹底ガイド
【鉄コン筋クリート1】
松本大洋著、小学館、1994年刊
<出版社からのコメント>
純粋な力を信じるクロ。純粋な心を信じるシロ。2人の悪童が背徳の街宝町を舞台に繰り広げるアクション。危ないから気をつけてくださいね!!
<大使寸評>
このシリーズの1と2を購入したが・・・・
松本大洋の画力に惚れている大使である。マイケル・アリアス監督のアニメーション映画のほうもいいですね♪
Amazon
鉄コン筋クリート1
【ナンバーファイブ―吾 (1)】
松本大洋著、小学館、2001年刊
<出版社からの内容紹介>
▼第1話/desert▼第2話/flowers▼第3話/cemetery▼第4話/restaurant●主な登場人物/No. 吾(「虹組」の裏切り者。天才スナイパー)、●あらすじ/国際平和隊幹部組織「虹組」のNo. 苦の遺体が砂漠で発見された! 殺したのは、元メンバーのNo. 吾!? マトリョーシカという女性を連れて逃亡する吾のもとに、新たな刺客が差し向けられる…(第1話)。●本巻の特徴/遥かな未来、滅亡に瀕した人類は、選ばれたエリート「虹組」に支配を委ねていた。頂点に立つのは、最新科学で誕生した9人の超人たち。しかし、そのうちの1人、No. 吾が規律を破り逃亡する。狙撃の名手でもある彼の裏切りの真意とは!? 今、壮絶な戦闘が始まる…。●その他の登場人物/マトリョーシカ(No. 吾の人質であり恋人)、No. 王(虹組の首領)
<大使寸評>
このシリーズの1から4まで購入したが・・・・
松本大洋の画力に惚れている大使である。フランスの作家メビウスの影響を受けているそうです。
Amazon
ナンバーファイブ―吾 (1)
【100 (Big spirits comic special)】
松本大洋著、小学館、1995年刊
<出版社からの内容紹介より>
「ZERO」「花男」「鉄コン筋クリート」と絶えず漫画表現を切れ味鋭く切り開いてきた松本大洋。その活躍は青年コミック誌シーンのみならず、演劇、音楽、ファッションなどの方面からも注目を集めている。そんな作者の、単行本未収録短編を中心に、新作イラスト、描きおろし短編などで構成した、オールカラーコミックが本書である。 本書は連載作品の単行本化が通常であったコミックスを、音楽のアルバムのように、アーティストの世界表現の場ととらえ直し、今後の漫画家の表現の場に新しい可能性を示すものと自負している。単なるイラスト集ではなく、現在、最も進化した形のコミックスとして見ていただきたい。 と言っても実験的、難解な作品が並んでいる訳ではなく、松本大洋短編に共通したメルヘン的な味わいは絵本としても十分、楽しめる。また、自作品のキャラクターを新しく解釈したイラストなどは、マニア必見のものと言えよう。 発表日の10月25日は、作者の誕生日。ここまでの、松本大洋の仕事の100%を、そして近く発表される長編新作への予兆をも、この本の中から感じとって、松本大洋の独特な魅力のとりこに、あなたもなってしまおう!
<大使寸評>
図書館で借りたのだが・・・
大人の絵本として、観賞に耐えうる画力はええでぇ♪
Amazon
100 (Big spirits comic special)
【バンド・デシネ徹底ガイド】
原正人編、玄光社、2013年刊
<「BOOK」データベース>より
データなし
<読む前の大使寸評>
リドリースコット作『ブレードランナー』はメビウスの漫画に触発されて作られたそうです。
それだけ、メビウスのインパクトは大きかったわけで…
メビウスがバンド・デシネ作家であることや、バンド・デシネという言葉も後から知った次第です。
宮崎駿監督も影響を受けたようですね。
rakuten
バンド・デシネ徹底ガイド
<松本大洋とバンド・デシネ>
『バンド・デシネ徹底ガイド』というムック本に松本大洋へのインタビューが載っていたので紹介します。
松本大洋とバンド・デシネとの関係なんか、興味深いですね
<今の自分を形作ったバンド・デシネ>p73~74
Q:大友克洋さんの「童夢」がマンガ家になるきっかけだったそうですが、大友さんも「BDに影響を受けた」と言っています。大友さん経由でBDを知ったわけではないのですね?
松本:そうですね。「童夢」はすり切れるくらい読んでいましたが、大友さんのインタビューも当時は読んだことがなかったですし、大友さんがどんな人なのかも知らなかったですね。今でこそインターネットもあって、いろいろ調べられますけど、当時はBDの存在も大友さんが何に影響を受けたとかも知らなかったですからね。
Q:初めて買ったBDは誰の作品でしたか?
松本:ミゲランショ・プラード、メビウス、エンキ・ビラルです。当時は、特にプラードに一番びっくりしました。
Q:彼は日本ではほとんど紹介されていない作家ですよね。今日は所有の本をお持ちいただきました。これは白黒ですが、買った作品も白黒でしたか?
松本:違います。カラーの作品で、とにかくかっこ良いと思って。こんなふうに描きたいなと思いましたね。
Q:プラードは厚塗りの印象がありますが…
松本:色は厚く塗っていなかったですね。最近は油絵っぽくなっていますけど、23、24年前の話なので、プラードもデビューしたてかもしれませんね。そこから僕は『ZERO』『花男』『鉄コン筋クリート』を描くんですが、プラードの影響はあったと思います。
Q:本人に会ったことは?
松本:一度だけあります。16、17年前に、アングレーム国際漫画祭に呼ばれたんです。その場にプラードもメビウスもいて、でもうれしさのあまり何も話せませんでした(笑)
Q:メビウスに影響を受けたマンガ家は、日本にもたくさんいます。彼が亡くなった(2012年)後に大友さん、谷口ジローさん、寺田克也さん、松本さんの4人で会って話をしたそうですね。
松本:大友さんと谷口さんはもともと、メビウスと面識がありましたし、彼の家も訪ねていらっしゃって。でも、僕はあまり知らなくて、話についていけなかったんですよね(笑)。作品も『アンカル』くらいしか知らないですし、僕がそこにいるのはなんだか場違いな感じもしましたけど、僕は大友さんと谷口さん、寺田さんの3人が話しているところを見られただけでも楽しかったです。
Q:メビウスから何か影響を受けましたか?
松本:線ですね。彼のような描き込みも僕は知りませんでしたし、空間のあけ方、顔の描き方もすごいです。特別ですよね。
Q:特に好きな作品はありますか?
松本:ないんですよねぇ・・・メビウスの絵は大好きなんですが、読んだことがないんです。僕、BD自体もあまり数多くは読んでいないので・・・・。
Q:浦沢直樹さんも「絵だけで十分」とおっしゃっていました。
松本:BD界は、絵の中に哲学があってナンボじゃないですか。その中でも、メビウスは特出していると思います。
Q:メビウス作品の浮遊感にもやはり特別な物を感じますか?
松本:そうですね。ご本人に会う機会がたくさんあればあ、パーソナリティも見えてくるんでしょうけれど。一瞬だけお会いしたり、インタビューの文字を通して接すると、哲学者のように見えてきて、とても憧れました。アングレーム国際漫画祭に出席した当時、僕は20代でしたが「自分もしっかりしないと」って思ってしまったほどです。
Q:メビウスと言えば、彼の代表作Arzachの巻末に収められている短編がすごく『ナンバーファイブ吾』っぽくて。これはメビウスへのオマージュかなと思ったのですが・・・。
松本:『ナンバーファイブ吾』は自分でもBDをやりたかったんだと思います。『ピンポン』を描いていた時に、アングレーム国際漫画祭で『鉄コン筋クリート』がノミネートされたんですが、力を出し切れていないような気持ちになっていた時期で、もう少し時間をかけてマンガを作りたいなって、(今までの)作品に対して恥ずかしい気持ちになってしまったんです。その時に、BD作家みたいに自分のペースでマンガを描いてみたらどうなるんだろうって思って『GOGOモンスター』を描きました。
(中略)
それから『スピリッツ増刊IKKI』で『ナンバーファイブ吾』を隔月で連載したんですが画力が及ばなくても、BD作家と同じように自分のペースで描いている気持ちになれたような気がします。週間ペースだとどうしても、絵の描写やストーリーを割愛しなくてはいけないことも出てきますからね。
日本のマンガの編集さんは「読者へ分かりやすく見せる」ことを徹底するじゃないですか。日本のマンガには読者に疑問を抱かせない表現を心がけるという良さもありますが、BDは読者に「いちいち説明なんてしません」というところがあって、それぞれに良さを感じるようになりました。それに気付いた時期だったと思います。
Q:確かにBDは基本、編集者がいないこともあって、あまり読者に分かりやすく作られてはいないですよね(笑)
松本:2012年11月、ブノワ・ペータースとフランソワ・スクイテンが来日した時に、学習院大学の講演を聞いたんです。ペータースは日本の編集者が口うるさいことに面食らっている様子でした(笑)
松本大洋が作画のポリシーを語っているので紹介します。
<絵と物語があってこその松本大洋>p76
Q:絵と物語どちらに比重を置いていますか?
松本:僕の場合は絵と物語両方があってなので、トータルで考えますね。
Q:松本さんは作品ごとに絵柄が変わっていくので驚かされます。日本では珍しいですね。
松本:そうですね。あまり「変えるぞ!」と意気込んでいるわけではなく、こんなテイストの絵を見つけたから挑戦してみようとか、それくらいの気持ちですね。
Q:一つの作品での統一性はもちろん考えていらっしゃいますよね?
松本:そうですね。『Sunny』を描く前は『竹光侍』のようなデフォルメをしようか、それとも写実的に描いて映画っぽくしようかとか考えましたね。
Q:『竹光侍』は浮世絵の影響も感じられるんですが。
松本:風俗、着物の資料としても浮世絵をたくさん見ましたし、線はアメリカのイラストレーターのベン・シャーンのテイストもミックスして描けたらと思ってやっていました。
Q:一時期はカメラ独特の広角レンズのひずみを絵に入れていますよね?
松本:そうですね。『花男』とか『鉄コン筋クリート』を描いていた時に、広角レンズで写真を撮っていて、それが面白くてそのまま絵に描いていたんです。だけど、編集さんには「あれはやめろ」と何度も言われて。読者にヘンなストレスを与えることを極度に避けたがるんですが、そういう編集者の視点もそれはそれでアリかなと、最近は思いますね。
Q:それに比べたら、BDはほぼ編集のチェックなしですからね。
松本:だから僕、BD作家さんはすごいなと思うんですよね。僕は普段、奥さんと二人で絵とかストーリーを作っているので、ネームも二人で話し合いや修正をした物を編集さんに見せて、それをまた直して・・・という作業なんです。
一人だけで一連の作業をやるのは怖いですよ。良かれと思ってやったことが人に伝わらないことはたくさんあるので、僕には第三者の目が必要ですね。いずれはみんなから「全然面白くないよ」と言われても、それを押し切って作品にしても良いような時が来るのかもしれませんけど(笑)。
【バンド・デシネ徹底ガイド】
原正人編、玄光社、2013年刊
<「BOOK」データベース>より
データなし
<読む前の大使寸評>
リドリースコット作『ブレードランナー』はメビウスの漫画に触発されて作られたそうです。
それだけ、メビウスのインパクトは大きかったわけで…
メビウスがバンド・デシネ作家であることや、バンド・デシネという言葉も後から知った次第です。
宮崎駿監督も影響を受けたようですね。
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