大腸肛門専門外科医のひとりごと

大腸肛門専門外科医のひとりごと

2006.08.01
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テーマ: 癌(3567)
患者さんが増えて増えて、今現在院内で一番担当が多いお医者さんになってしまっております。

それはまだしも、患者さんをまわりきれなくなっちゃうのが問題

そんなこんなで書き込みも停滞しております。
ほんと、書き込まないとアクセス激減ですね。

さて、今日は抗がん剤のおはなし。

現在のところ転移・再発例にはFOLFIRI、FOLFOXといった抗がん剤投与方法(レジメン)が
標準治療としての地位を確立してきているようです。
(それぞれのレジメンの内容については詳しいページがいっぱいあるので割愛)

(埋め込み式の点滴:リザーバーと48時間の持続投与が必要)
薬価が高いのが難点です。
月額数十万飛びますので・・・

先日の大腸癌研究会でいくつか発表があったのがTS-1+CPT-11という組み合わせの投与方法(IRIS)。
かなり奏功率も高く、転移・再発症例の患者さんに対して今後FOLFIRI・FOLFOXに取って代われる
レジメンになるのではないでしょうか。
内服のTS-1と点滴CPT-11の組み合わせですが、リザーバーを留置する必要もないし
点滴も3週間に1度で済みますし、通院・点滴のしばりが減るのと薬価が安いので
患者さんには優しいかな~と思っております。
しかも保険の範囲内で出来るのがよいですね。

しかしながら、このところ診ている患者さんで転移・再発例の患者さんが数人いるのですが、


大腸癌の場合は肝臓への転移が最終的に予後を決めちゃうことが多いのですが、
その方もほぼ全肝にがんが広がっており、さらに増悪中。さらに肺にも転移している。
つかえる抗がん剤がなくなってきてます。

肺の方は変わらないのですが、どんどん肝転移がおおきくなっておりまして
なんとかコントロールできないかと、肝動注を始めることにしました。


残念ながら生命予後は変わらないという報告もあり、私はあまり積極的にやってませんでした。

でも結構よく効くんですなーこれが。

見つかったときには切除不能でも、化学療法が良く効けば切除できるようになることもあります。
なので、最近は昔ほど肝転移があっても

「なんとか切れるんじゃないか?」

と、前向きに考えられるようになりました。
ホントに大腸癌の化学療法はどんどん進んでいます。

簡単にはあきらめないぞ~っと!
明日からその患者さんの化学療法が始まります。
効いてくれるといいなー





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Last updated  2006.08.26 21:03:43
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