時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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June 18, 2008
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「どこにでもあるクソ人生でも、こいつらにとっちゃ、たった一度の人生だったってことだ。手を抜くんじゃねえ。検視で拾えるものは根こそぎ拾ってやれ」 (横山秀夫「臨場」より)

 良くドラマなどで、殺人事件が起きた時に、死体の状況を調べるシーンが出てくる。私は、てっきり全部医者がやるものだと思っていたが、犯罪性の有無を調べるのは 「検視」 といって、警察官が行うようだ。なお、 「検死」 と言う用語は、法律上は存在せず、上記の 「検視」 と医者が死因を特定するために行う 「検案」 、そして 「解剖」 まで含んだ概念のようである。このあたりの区別も、今回調べてみて、初めて知ったのだが。




 そんなことを調べたのは、 「臨場」 と呼ばれる強烈な個性を持つ異能の人物である。多くの、自殺と片付けられそうな死体を他殺と暴き、他殺と判定されそうな死体を自殺と見抜いてきた。しかし、その風体といえば、オールバックで鋭い眼光、やくざっぽい足の運びで歩き、警察と言うよりはマフィアのように見える。上司に疎まれ、おまけに近所の評判も悪い。その一方では、強烈なカリスマ性を持っており、警察内にシンパも多く、部下や退職する上司のために、情の厚いところを見せたりもする。

 この作品は、全部で8つの短いエピソードから成り立っており、全体として一つの物語を作り上げている。どのエピソードも倉石が圧倒的な存在感を発揮しており、読み応えのある物語となっている。しかし、組織の中で、これだけ強い個性を保てるのはうらやましいものである。


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「臨場」(横山秀夫:光文社)


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Last updated  June 18, 2008 09:10:42 PM
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