時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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August 25, 2008
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 今日は、ちょっと前に紹介した 「狐罠」 「狐闇」 (北森鴻:講談社 )の紹介だ。もちろん冬狐堂を屋号とする美人旗師の宇佐見陶子が主人公の物語である。今回は、陶子が大きな事件に巻き込まれ、敵の策略で、酒酔い運転で事故を起こしたように偽装される。しかも、そのトランクには、盗まれたはずの絵が入っていたのだ。陶子は、運転免許だけでなく、古物商の鑑札も取り上げられるが、果敢にも事件の謎に挑む。

 そもそもの事件の発端は、陶子が骨董市で2面の青銅鏡(海獣葡萄鏡)を競り落としたことから始まる。どういうわけか、そのうちの一枚が三角縁神獣鏡にすり替わっていたのだ。しかもその銅鏡は明治期に作らたもので、奇妙な鳥の姿を映し出す魔鏡であった。そして、陶子に付きまとう、鏡の持ち主であるという弓削家の影。

 この作品は、話が骨董の世界だけにとどまらず、歴史に隠された闇の中に、大きなスケールで広がっていく。幻の税所コレクションや西郷隆盛と征韓論の謎など、陶子に起こった事件の背景の大きさに、思わず大丈夫かと呼びかけそうになる。

 しかし、この作品では、陶子は心強い味方を得る。異端の民族学者と呼ばれる蓮丈那智である。彼女を主人公にした作品は、 「蓮丈那智フィールドファイル」 としてこれまでに3巻発売されており、このブログでも紹介している。実はこの作品、蓮丈那智フィールドファイル1 「凶笑面」 に収録されている 「双死神」 という話を陶子側の視点から見たものとなっており、併せて読むことで、面白さが倍増するであろう。更に、この作品では、 「花の下にて春死なむ」 「香菜里屋」 もさりげなく出ており、こちらのシリーズのファンの方も楽しめると思う。

○「狐罠」の記事は こちら
○「緋友禅 旗師・冬狐堂」の記事は こちら
○蓮丈那智フィールドファイル1「凶笑面」の記事は こちら
○「花の下にて春死なむ」の記事は こちら

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○「狐闇」(北森鴻:講談社 )



風と雲の郷 別館「文理両道」は こちら

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Last updated  July 4, 2009 09:23:25 AM コメント(6) | コメントを書く
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