時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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December 5, 2008
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「ぼくのすてきなお兄ちゃん 」 、これも現文メディアさんより献本いただいたものだ。お礼申し上げます。内容はかなり泣かせる話である。

○「ぼくのすてきなお兄ちゃん」(コジョンウク/宋珍憲 :現文メディア/理論社)


 この物語のジョンミンは、韓国の小学3年生の男の子である。ある時、両親が、親戚のおばあさんの葬式から帰ってきて、急に兄のジョンシクを紹介される。しかも、その兄は、脳性マヒで車椅子生活を余議なくされていたのだ。驚くジョンミン。何しろ、それまでは、両親からまったく兄のことを全く知らされていなかったのである。ジョンシクが、離れて生活していたのは、彼が障害を持っていることを嘆き悲しんでいた両親に、元修道女だった親戚のおばあさんが、手を差し伸べてくれて、自分の下で育てようと言ってくれたからである。さすがに、弟に兄のことをまったく知らせていないというのは、普通はちょっと考えにくい設定だろうと思うが、韓国の福祉事情や障害のある人に対する理解度などがなせることなのであろうか。このあたりは、お国事情も違うと思うので何とも言えない。

 ジョンミンは、急に現れた兄に対し戸惑い、自分に内緒で何度も兄に会いに行っていた両親に反発し、とうとう家出までしてしまう。しかし、兄のジョンシクは、どこまでもやさしい。無事に家に帰ってきたジョンミンにジョンシクは自分の気持ちを書いた手紙を渡し、これがきっかけで、兄弟は次第に打ち解けていく。

 兄弟の絆は取り戻したものの、ジョンシクを取り巻く世間は、必ずしも居心地の良いものではなかった。ジョンミンがジョンシクの車椅子を押して散歩していると、物乞いと間違われたり、障害者専用駐車場でトラブルが起こったり、果てはチャットで知り合ったガールフレンドに心を傷つけられたりするのである。だが、ジョンシクは優しさだけでなく強さも併せ持っている少年だ。パソコンを武器に、素晴らしい文章を書いたり、障害のある人に役に立つようなプログラムをつくったりして、たくましく前を向いて生きている。おまけに、自分と同じような障害を持った人たちのために、無償でそのプログラムを提供するという。このジョンシクの優しさを併せ持った強さが読者の胸を打つ。

 このお話の最後で、ジョンミンは、兄を助けようとして大ケガをし、入院してしまう。しかし、退院してみるとジョンシクは弟のケガに責任を感じて、自らの意思で施設で暮らしていた。ジョンミンが両親と兄を迎えに行くシーンは、ただ感涙。同じような障害を持つ人やその家族に、力を与えてくれるような作品である。

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Last updated  December 5, 2008 06:59:23 PM
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