GOlaW(裏口)

2006/01/11
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カテゴリ: 西遊記


 五行拳は五行に、八卦拳は八卦に。
 武術とは、古来より魔術・仙術に深く結びついているのだから。


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 ということで、今度は殺陣における悟空達三人の見所を、やはり徹底的に語らせていただきます。

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 悟空が使う武器は如意棒(金箍棒とも呼ばれるようです)。そして、棒術を駆使します。
 この棒術、地味なようでいてかなり強力な武術だったりします。

 悟空役の香取君は、実はSMAPの中ではかなりの戦闘アクション経験者。
 これまでも二丁拳銃(『蘇る金狼』NTV系)、忍刀(『NIN×NIN THE MOVIE 忍者ハットリ君』東映)、刺殺特化の剣術(『新撰組!』NHK)などを披露してきました。
 そして、今回の棒術もすっごく様になりますよね。

 今回のドラマのかなり前から「香取君には絶対、棒術が似合う!」とこっそり確信していた自分としては、とにかく嬉しい。
 彼が動き出した途端、放心状態で見入っちゃいます。


 私が棒術の存在を知ったのは、実は 『時空のクロス・ロード〈2〉―サマーキャンプは突然に』
 この作品の中でも重要なポイントを占めるのが、
「棒術では、その両端が武器になる」
という特性です。

 日本刀に『刃と峰』があり、槍に『刃とこじり』があるように。多くの武器では、使える部分が限られています。
 しかし、棒は槍のように翻したりする『余分な動作』が無く、間をおかずに次の攻撃に移れます。
 更に対極線上にいる敵にも、続けて攻撃をすることが出来るんです。


 また、打撃武器は『衝撃を全て敵にぶつける』ということが出来ます。
 切り裂く武器なら振り切った時に、突き刺す武器なら刺しぬいた瞬間に、余った物理的なエネルギーが逃げてしまいます。
 しかし、打撃武器ならば貫く事も無く、攻撃主が加えた力を全て敵に吸収させることが出来るんです。


 そして香取君は、この二つの『素早い攻撃』を行なうだけの器用さと瞬発力、そして『十分な打撃力』を武器に加えることができる体躯を持っています。
 まさに適任だと思われます。


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 猪八戒の武器は釘把(ていは)。歯が九本の馬鍬(まくわ)で、元は農具。
 中国や日本(特に琉球)には、元が農具であった武器が多いんですよ(西洋ならフレイルなんかもそうです)。農民が反乱を起こすたびに、農具は武器としても使われ、その武術が洗練されてきたんです。

 この武器なら、戦闘動作は主に『突き』と『先端部の重さを利用した薙ぎ払い』の二つが主になります。

 また、槍などの武器は『突撃』により、その破壊力を増すこともできます。慣性の力を、矛先の一点に集中させる事で、分厚いものでも貫いてしまうのです。
(西洋のランスなどは、馬上で使うことで金属鎧さえ貫いてしまう)


 そんな意味でも武器との相性はばっちりです。

 ただ、八戒や悟空の武器を振るうには、あのセットの狭さと雑魚の密度の高さは向いてないと思われます(苦笑)。
 武器にはそれぞれ固有の“間合い”があり、その外には届き難い。その逆に、“間合い”の中に入られても威力を減じます。
 あの密度ではすぐに“間合い”に入られてしまいそうです。
(余談ですが、悟空が“俺の武器が無い!”と騒いでいましたね。これは素手と如意棒における“間合い”の違いが大きいと思われます。
 慣れない距離感で戦うのは、かなり恐ろしいと思われます。)

 八戒を演じるのは伊藤君。
 「ハーネスは始めて」と言っているあたり、こういったアクションは初めてのようです。
 でも裏話などを聞くと、伊藤君は球技に恐ろしく強く、元々の運動センスは抜群のようです。

 今はまだ役の設定通りに、遮二無二に馬鍬を振り回すのが目立つ猪八戒ですが(それがすごく可愛らしいのだけれど)、撮影中に殺陣が上手くなってくれるはずです。
 彼もまた、撮影中の成長が楽しみです。

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 沙悟浄の武器は、原著では半月刃の杖「降妖杖」。ドラマの中ではサイになっていますね。
 サイは元々は中国の仏具から、僧侶の手により武器として発達しました。これは元々“沙悟浄が出家している”という設定にちなんだ感じになってるのかな。
 時代劇に出てくる十手(銭形平次が持ってるやつです)と同様に使われた過去もあり、実は護身用武器としての色合いが強いものです。
 その分、使いこなすにはセンスが要ります。

 これは『敵の攻撃を受け止め、あるいは流しつつ、隙を狙って相手の間合いに入り込む。その後、装甲の継ぎ目や急所を狙い刺す』のが中心になるでしょうね。
 それゆえに、この使い手には敵の攻撃を全てかわしながら懐に入り込むだけの敏捷さと胆力を必要とします。

 そして、私が今一番期待しているのが『武器折り』の格闘動作。
 十手は元々、あの分岐部分で日本刀を受けるんですが、その気になればそのまま捻り折ることも出来ました。
 十手と同じように用いられたあの武器なら、武器折りも出来るはず。ぜひとも見たい!
(ちなみに、私が武器折りに惚れたきっかけは、 『ルナル・サーガ』 の主人公です。)


 そんなサイを巧みに使いこなすのは、現役アクション俳優でもある内村さん(主演された『恋人はスナイパー』シリーズでも、ワイヤーアクション満載です)。
 香港でアクションを学んだ経験もあるだけに、その動きは伊達じゃない。サイを使いこなすだけの素養を全てマスターされているんです。

 内村さんが冒頭で目まぐるしく動き、そのまま木村君へ突っ込んで一瞬組み合った瞬間。
「ウッチャン、あなたってそこまでかっこ良かった(惚)?」
 といきなり内村さん熱が勃発しました。

 ほんとに素晴らしいの一言です。

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 最後に。
 三蔵が持つ錫杖。これについて忘れられないツッコミがあります。それは。

「錫杖で攻撃、もしくは武器を受けたら速攻折れるぞ」

 たまにテレビとかで法師様が錫杖とかをふるってアクションしておりますが、普通の錫杖はそんなに丈夫には出来ておりません(きっぱり)。基本的に飾りなんですよ、あれは。
 山伏などが使う杖などは、ちゃんと特別に作ってあるんです。
 三蔵が戦闘に出てきたら足手まといになる、その理由の一つとしても上げられますね。

 とはいえ、戦闘ができることと『戦闘中に役に立つ』ということはイコールではありません。
 人質を誘導する、隙を見て重要な道具を拾い上げるなど、いろんな行動が出来ます。その辺りの工夫が見られるのは高ポイントでした。

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 戦闘シーンが多い(仙術戦闘が皆無の)このドラマにおいて、三人の格闘シーンは命。
 これからも頑張ってください。





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Last updated  2006/01/13 08:01:44 PM


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