GOlaW(裏口)

2006/02/09
XML
カテゴリ: 西遊記



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 それでは その三 を受けて、今回も『展開へのツッコミ』行きましょう。

 …第三回から定番に成りつつあるコーナー。できれば次回から必要なくなるぐらいに上手くなっていただけるといいんですが…(切実)。
 今回は海鴎@DDさんの 『鴎の行くままに ~とあるTRPG者の呟き~』 の感想も参考にさせていただきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★1.第一次パーティ離散

 悟空が一人で子守をするシーンについて。
“悟空と子供達の因縁を深める”
“他三人のいい加減さをギャグにする”


 しかし、前者はともかく後者を事ある毎にやりすぎるきらいがこのドラマにあります。それが、主題と裏腹に一行の中を悪く見せたりしてたり…(坂元さん、考えてくださいよ)。
 後者のギャグをどうしてもやりたいなら、『真夜中の訪問』という茶化し方ではなく、
“一人ずつ昼間に訪問、なし崩し的に強制参加。夜中には悟空を中心に、全員が積極的に手伝っている”
という形にしてしまえばよかったと思われます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★2.雲呑の扱いについて

 親を連れ帰り、一人突き飛ばされる雲呑。その姿は、異端児として育った八戒にとって身につまされるものがあったはずです。

 できれば悟空が一人で子守を開始した日、遅くとも親を連れ帰った時点で、八戒から雲呑に接触を試みることはできたはず。そして少しだけ仲良くなる(←今回のメインは悟空なので、さらりと描写するだけでもOK)シーンが欲しかったです。
 これは八戒のキャラを立てる意味だけではなく、『医者が怪しい』、『病気の発生当時の状況』と言った情報を一行に与えるのにも必要であったからです。
 『医者が怪しい』という情報を得られれば、他の三人も後半で動き出すことができます。

(後、八戒については、
「他の人が腹が減っていたとしても、自分が腹減った事を忘れられません!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★3.悟浄の推理

「だからお前、親を返せなんていう無茶を…(by悟浄)」
 この一言と、冒頭の状況判断で、多少のキャラ立ては出来ていたと思います。
 でも…もう少し頑張って欲しかった。そうすれば、もっと悟空の覚悟も引き立ち、物語も劇的になったのに(残念)。


 『凛凛が順順の家から瓢箪を持ち出した』という事実から、順順の動機を察してもよかったんじゃないでしょうか。


「その瓢箪をどこから手に入れた?」
という疑問に、悟浄がたどり着かずに誰が気づく(総力ツッコミ)。
 大人ならともかく、人間の子供が左道(不完全な仙術)を扱えるわけが無いでしょう(きっぱり)。
 そこでまず『順順が妖怪』or『裏に真犯人』の二つの可能性が浮かび上がるわけです。

 もし『★2.雲呑の扱いについて』で、『医者が怪しい』という情報を得ていたなら、『順順の周辺を調べる』『医者について調べる』の二つの選択肢が現れるわけです。


 そして悟浄には悟空の考え(感覚的なもの)を読んでもらい、釘を刺して欲しかった。
「それでも何かが変わるとは限らないぞ」
 それを振り切って飛び出すシーンを加える事で、悟空の覚悟がより引き立ったと思います。
 また、全員が首を傾げて待っているよりも、一人静観している人間がいた方が、物語も引き締まったでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★4.第二バーティ離散・一週間の猶予

 真相を知ってから、悟空が単独行動を取る一週間。残された人間には、かなりの自由時間がありました。
 ここで、『★2・★3』のように取っ掛かりさえ見出していれば、後は自由に動き出せたはずです。
 このとき、各キャラクターの背景や能力をどこまで認識しているかで、描写の出来が変わってくるでしょう。

 ここで『中華ファンタジー』に慣れた人なら『仙術で土地神や河伯を呼び出し、周辺の妖怪の動向を聞き出す』なんていうことも思いつくでしょう(原著でも、悟空は土地神を呼び出す能力を持っています)。
 そこまで要求するのは、坂元さんやフジテレビスタッフには酷だと思いますけどね(苦笑)。

 『順順』のルートなら、
“家の前を八戒が隠れて待ち続ける”
“凛凛が尾行する”
“悟浄の術により監視”
 という手段が取れます。
 また、
“隣町で順順について聞き込みをする(この時点で『寂しいから、大人を追い出したのでは?』という仮説を導かせるといいかも)”
というのもありと思われます。

 『医者』のルートなら、
“医者に手伝わせてくれ、と三蔵が無理矢理頼み込んで潜入捜査(ここで医者への信頼を前面に出すと、後で三蔵の怒りが生きてくる)”
“牢獄や研究所に忍び込んだり、張り込む”
という手段が取れるでしょう。

 上記二つのルートどちらでも、『三蔵達の誰かが“順順が倒れた”時に居合わせる』ことが出来ます。
 三蔵達が目撃する事で、そのシーンを描写し、凛凛の説明台詞の負担を減らせたはずです。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 これらのように、“悟空が順順にかかりきり”の間に、他の三人が情報収集をしてくれれば、
「悟空をサポートしている仲間の大切さ」
が強調できたでしょう。
 また、他のメンバーがそれぞれの視点を持って関わる事で、悟空の描写がより深まり、魅力を更に引き出されたでしょう。

 確かに今回、悟空の出番や活躍は多かったです。しかし、その多さが逆に彼の魅力を霞ませているとも感じました。
 “やるせなさそうに順順を見つめた”り、“凛凛の説明を動揺しつつ聞いた”り、“仕来りを壊せと言い聞かせる”時の香取君の表情は本当に素敵でした。それだけに残念です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ファンタジー初心者の坂元さんの悪戦苦闘が滲み出るような回でした。いや、ほんとに(違う意味で)応援したくなりましたね。
 やっぱり彼にとっては、『西遊記』のようなパーティ物は“茨の道”なんでしょう。
 とはいえ、ご自分から踏み込まれたんですから、どうしようもありません。

 こうなったからには、死ぬ気で頑張ってくださいね(応援…というよりも懇願を込めて)。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006/02/11 02:36:30 PM


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Free Space

 こちらはSMAP、ケディ・ティン、チェヨン(ジニー・リー)ファンの管理人によるHP、
GOLAW の裏口になります。
 よろしければ正面玄関にも足をお運びください。

 なにかあれば、Web Crapでお知らせください。(ブログコメント欄は閉じています)

西遊記関連の記事一覧
その他のドラマ記事一覧



このブログおよびHPの画像は全て 素材サイト様 のものです。無断使用禁止。

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: