ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

2014年01月10日
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「工学部ヒラノ教授」のシリーズは本当に面白いです。
今回読んだのはヒラノ教授と関わった秘書さん達のお話『 工学部ヒラノ教授と4人の秘書たち 』。



大学教授には公費なり私費なりで秘書がつくらしいのですが、この「秘書」、肩書きはカッコいいですが、思った以上に待遇は悪いということが作者から暴露されています。

正規に公務員扱いの秘書というのもいるらしいのですが、多くが時給生活(しかも、最高でも1000円)。
しかも、国立大学の秘書に関わる規定があり(文科省が定めた)、週に20時間以上働いてはいけないということで(1日8時間、週5日働くと雇用保険から、退職金からもろもろ出さなくてはならないから。これって私が今自治体の嘱託職員として働いているのとまさに同じ)、秘書さん以上に教授達が四苦八苦している姿が赤裸々に綴られています。

雇用を増やせとか、待遇を良くしろとか国が言っているわりには、規定を作っているのはお上であり、もうパラドクスだらけ。
私は大学の教授でも秘書でもありませんが、行政の世界も腹黒よのぉ~、ふぉっふぉっふぉっと笑わずにはいられませんでした。

そうそう、日本とアメリカの大学における秘書の条件というのが書かれてありまして、これがまた面白い。


1.口が固いこと。
2.身持ちがいいこと。
3.頭がいいこと。

【アメリカの場合】
1.口が固いこと。
2.頭が切れること。
3.タイプが上手なこと。



アメリカの場合、エリート校の秘書になること=パートナー探しというところがあるため、「身持ち」うんぬんなんて言っていられないそうです。
ともかく、仕事ができれば、プライベートにまで干渉しないといったところでしょうか。

それに対して日本は……、おそらく私が想像するに、本来なら干渉しなくてもいいところなのでありましょうが、お国柄、学校と言う場で個人の不祥事が起こると、たいていの場合は学校側が会見を行ったり、メディア攻撃にあったりします。
それがめんどくさいんでしょうね。

日本の大学現場でも、犯罪さえ起こさず、頭脳明晰で仕事をこなしてくれれば、秘書が何人ものパートナーや恋人を持っていても感知せずでいきたいところなのだと思います。

また、本書は、東工大を退官した後の中央大学での10年間についても書かれています。
国立と私立の違いや、教授でありながら、研究よりもお金の算段の毎日が綴られ、はては、パートナーが難病のため、その介護のあれこれまで書かれています。

これ1冊だけ読んだら、大学教授はお金の話しかしていないのではと感じます。
研究にはお金がつきものですが、これだけの事務的雑務が多いと、本来の研究に手をつけることができず本末転倒かと。

事務官もいますが、どうもこのあたり、教授たちと合いまみれないところがあるようで、一般的に教授(とその秘書)が雑務をこなしているようです。

初等、中等教育の先生方が子ども達の教育、指導以上にペーパーの処理に時間をとられているという現実がありますが、高等教育においてもそれは全く同じようです。



この辺り、何とかならないのかと常々思っているのですが、ますますこれを読んで唖然とするのでありました。


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最終更新日  2014年01月10日 08時16分23秒
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