ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

2014年03月24日
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最初のページをめくったら、夏目漱石の『わが輩は猫である』の冒頭が1ページに記されています。

そして、その次のページも。

しかし、一字一句変わらないその文言ですが、随分印象が変わってきます。
タイトルにもなっている「書体」がその要因。

というわけで、本書『 本を読む人のための書体入門 』は、「書体」によって読む印象が変わるということや様々な書体について論じているものです。



近頃では、小説でもわざと書体を部分部分で変えているものがありますが、このはしりは、週間少年ジャンプの『ドラゴンボール』だったということがここに記されていました。

怖い部分に使われる「淡古体」という書体があるのですが、それが用いられたそうです。


それが、ドラゴンボールで最初は「摩訶不思議」な文章に使われるうちに、徐々にホラー書体として変化していったとか。
そして、これが多用に使われるようになるのと比例してジャンプの売り上げと「ドラゴンボール」の人気が上がったというデータがあるのですから、驚きです。

もう、今では日本では多用な書体を使うのが当たり前の世界。

そもそも、日本人は文字に対して視覚的認知をもっている稀有な民族。

同じ文字を漢字とひらがなとカタカナで印象を異なって持っています。
それを踏まえると、更に書体によっても異なる印象を持つのは当たり前と言えば当たり前なのですが、そこに踏み込んで語れることはなかったなぁ~と別の意味で驚き。

どうしても、「漢字」「ひらがな」「カタカナ」で日本語を語ってしまうのですが、何てことはない「書体」でも十分に語られではありませんか。

海外では「カリグラフ」が日本の書道に近いものだと聞いていますが、おそらく日本の「書体」の数の方がはるかに多いものだと感じています。

そういえば、それに「書体名」があるかは別として、その人の手書きの文字に味わいがあり、それが本になることも日本ではよくあることですね、「相田みつを」さんの本などが、いい例ではないかと思われます。
海外ではこのように味わいのある手書きの文字が本になることってあるのかなぁ?
あるのだったら、是非見てみたいですね。


本書では書かれている文章にそれぞれ「書体名」が記されています。
それだけを、目で確認するのも面白い作業です。

様々な書体があるのが分かっていたはずなのに、このようにして文章化されると、「書体」ってなんだか特別なものなんだという思いを抱き、ますます「書体」が愛おしくなりました。


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最終更新日  2014年03月24日 08時40分21秒
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