ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

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2014年06月01日
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さてさて、記事が消えてしまい脱力してしまった『 「ひとりっ子」の育て方 』を再び書き書き。



我が家の一粒種ももう高校3年生なので、今更ですが、やはりどこか気になるんでしょうね、このような本を未だに読んでしまうというのは。

しかし、自分自身は長子長女のため、その関連本は読みますし、夫はまた違った兄弟関係をもっていますので、それに関連した本を読んでいます。
と言うことは、なんてことはない、たまたまわが子はひとりだったので、読む本の選択が増えたということなのかもしれません。

和田秀樹さんは「受験は要領」とか「数学は暗記」、「まずは学力」というスパっとしたタイトルのために、様々な論議を醸し出しているようですが、私はかなり共感できる部分が多いので、著書はかなり読んでいるほうだと思います。

その和田さんがこの度「ひとりっ子」本を刊行されたので、もちろん手に取りました。

これまでに出ている「ひとりっ子」本と重なる部分も多かったのですが、それでも開眼した項目があります。

その一つが、

「きょうだいがいれば人間関係の経験知があがるだろう」というのは、勝手な思い込みです。

というもの。
人間関係とはいわゆるコミュニケーション力とも置き換えられるのですが、これは「他人に話す能力」だと著者は言っています。
だとすれば、それは兄弟である必要はなく、親でも十分に対応できますし、相手に話をするということは、相手が聴いてくれなくては話はできないということを考えると、子どもの話をじっくり聴くことができるのは、「兄弟」ではなくて「親」の方が適していると論じています。

そうそう、鷲田センセーも「聴く力」の方が大切で、話すことを受容される経験があってこそはじめて「話す能力が高まる」ということが彼の著書でも書かれていましたっけ。

子どもの話を楽しく聴けるのは確かに親。
そして、それはひとりっ子であろうと、兄弟がいようと関係のないものです。

そういえば、本書では触れてないですが、よく兄弟関係があるほうが、子ども同士で遊ぶ経験ができるということもよく聞きますが、その場合、兄弟関係があると「兄弟がいない経験」はまず出来ません(長子は一時期それは経験できますが)。

兄弟がいるかいないかは、経験値からいうと表裏一体でどちらが経験値が高いかというのは一概にいえないと改めて感じています。
和田秀樹さんも、経験値は兄弟の有無よりも家庭のあり方だとおっしゃています。

もう一つ、面白い項目がありました。
それは国の「ひとりっ子」政策についての話題。



こちらは中国とは逆で、少子化で人口減のために行われた「ひとりっ子」政策(「ひとりっ子」政策とは全く謳っていませんが)。
文章を引用します。



義務教育の1クラスの平均人数は18人。この数ならば、教師が生徒それぞれの特性を理解し、その子に合った指導ができます。いわば、教師と生徒が、ひとりっ子とそのお母さんと尾案じような密接な関係を築くことによって、おちこぼれを作らない教育を実施したのです。

その結果、国際学力比較調査で安定的に上位を占めるようになり、小人口国ながら、IT産業などで国力を維持し続けています。(p152)


これが事実であれば、フィンランド教育技術ばかりを追いかけてもどうしようもないということですよね。
まず根底には「生産性を上げる」という意識。
「生産性」と言う言葉だと、子どもが「物」みたで、いいイメージではありませんが、教育の質を上げて、将来子ども達がきちんとした働きをし、対価を得ることができ、それが「税金」として納められるなら……、しかも、この子ども達の多くが成功して「税金」も高額になるなら、とりあえずたくさんの子どもの数を増やして、それが大人になっても確かな学力を持たず、就職できず、「年金」どころか「税金」も納めることのできなくなるよりは、将来的には少子化でも国そのものは豊かになるのではないかと思うんですけどね~。


日本の戦前のような「産めよ、増やせよ」であれば、技術を真似てもそれは似て異なるものということが分かります。

フィンランドは人口がそもそも日本よりも少ないから、たくさんの教師を投入することが可能だという意見もありますが、そのような物理的な話ではなくて、根本的な意識が異なるということ、今の日本のお役人にお伝えしたいところであります。

本書はそれ以外にも「コミュ力」よりも「学力」という話ももちろん出てきます。

確かに、コミュニケーションとは「話す力」ですので、「話す」には「語彙力」が必要となってきます。
それは「知識」であり、「学び」の中から生まれてきます。

「学力」って教科のみを勉強するイメージがありますが、それも含めて全てのことが「学力」であり、科目をきちんとこなしていくことがその幹がしっかりしていないと、その枝葉が伸びてこないということなんだと思います。

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最終更新日  2014年06月01日 13時06分15秒
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