ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

2014年09月20日
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『 ぼくには数字が風景に見える 』は著書の自伝を書いたもの。



ベストセラーにもなったので、ご存じの方も多いかと思われます。
そしてその第2弾が『 天才が語る 』。



こちらは、自伝ではなく、現在の脳科学についてまとめられています。
そして、彼自身が語る数字が瞬時に計算できたりする原理。

脳科学については、日本国内の脳科学者が書いている本とかなり近い内容のことも多く、国内の著者の書いたものの裏付けにもなります。

興味深かったのは、まず彼のサヴァン症候群としての数字の認知について。



言語を習得していく過程というのは、実際人は、親が話している者を見聞きして学ぶという以前に、先天的に習得するようにできているというのです。

そして数字の概念も先天的なものですが、言語と数字は脳の使われる部位は完全にことなっていて、基本両方が流動的にならないように、遮断されているのですが、この遮断されている部分が、弱い、もしくはされていないのが、サヴァン症候群だというのが、彼の説。

言語の部位と数字の部位が遮断されないために、数字が言語の部分に流れていって、言語を読むのと同じように数字を読んでしまうようです。

なので、彼の場合は、言語の方も10か国語話せるそうです。
その気になったら、日常会話は1週間で習得だとか。

もちろん、脳はその人個人個人でニューロンの繋がり方は異なっていますので、彼の説が他のサヴァン症候群の人にも該当するかは定かではありませんが、彼の例えはとても分かりやすいものでした。

そして、彼が書いていたもので、鳥肌がたったところの一つ。
引用します。




いや~、内田センセーが普段著書やブログでおっしゃっていることそのまんまではありませんか。
グローバル化をうたって、全てを英語で何とかしようというのはどうなのか。
海外の人から見たら、母語で高等教育を受けることができるその環境は羨望のまとであるということ。

それと直結する文章でした。

経済的な問題で、初等教育から母語ではなく、英語を学び、英語でしか自国を語れなくなり、自国の文化が根絶している国というのは、結構あります。

アジアだけに目をむけても、漢字文化圏だった国が徐々に少なくなってきています。
もちろん、その国は漢字表記がなくなっただけで、英語ではなく母語で語っている国もありますが、その「漢字」を使っていた部分での文化、著者がいうところの「他の言語にすんなり翻訳できない」部分というのが、薄れていくわけです。

日本は全くそうではないかというと、また微妙なのかもしれませんが、少なからずハイブリッドですので英語やドイツ語、フランス語、はたまた中国語を上書きというよりは、挿入して、自国の文化に入れ込んでしまうという文化が宿っていますので、今更、社内では全て英語でなんて、かえって後ろ向きのような気もします。


いやね~、省略語って結構多いんですよ。
そこを省略しても当時の人たちは分かっていたのねと当時の言語的背景を垣間見ています。

そうなると、今の人たちの短縮語や省略語なんて目くじら立てることなし!!!!
日本2000年の言語の歴史です、はい。

数字や脳だけの話かと思っていたら、案外それにかかわる文化や言葉、そして独創性という終章的なことまで幅広く本書では書かれています。
しかも、「科学的」に!

現在第3弾の彼のエッセイも読んでいます。
彼の脳みそから語られる四方山話に淡い溜息。
多様性ということを実感しています。


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最終更新日  2014年09月20日 20時23分12秒
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