ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

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2026年08月14日
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タイトルの冒頭に小さく「300年まえから伝わる」という枕詞がある『​ とびきりおいしいデザート ​』。

​ ​

ただたんに、300年間継承され続けたお菓子という意味かと思ったら、全く異なりました。
いや、このような表現を絵本ではできるのだということを学びました。

というのは、300年続くスイーツであるという点では間違いないのですが、これは300年前、200年前、100年前、そして現在と、そのお菓子を作っていく行程が簡素化されていくということを表しているものでした。

例えば、ホイップクリーム1つに関しても400年前は朝、しぼった牛の乳から夕方にクリームの部分を掬い取ることから始まりますが、現在ではスーパーで低温さっきされた生クリームを購入します。
そして、原材料をまぜたものを冷やす段階では300年前は丘にある藁の敷き詰められた穴ぐらに冬に出来た氷でひ

しかし、現在では家の中にある冷蔵庫で冷やすだけ。

どれだけ、料理することが簡単になってきているかということをこのように視覚で見せられると、便利になったなーというだけでなく、そのようにさせてくれた先人の知恵と技術の獲得の著しさも感じます。

が、実は話はこれだけではありません。
しっかりと読んで、見ているはずのこの作品でしたが、大きく自分の中で抜け落ちている視点があったことに巻末の「作者より」を読んで気が付かされました。
それは、200年前の話です。
このスイーツを作っていたのは、奴隷の親子。
当時の社会的背景が描かれていました。
作者の言葉を読んで、この頃のスイーツを造るのは家族というよりは、奴隷が創るものだったのだということ。
ただ。作者はそれにとどまらず、このように、言葉を続けています。
​
並たいていではない苦難と不条理がまかり通日々の暮らしの中にあっても、手作業による物づくりやデザートに喜びを見出す人々について書きたかったのです。
​

そのこと自体が歴史の名毛で受け継がれているというのも、とても不思議で素敵なことだなーと感じました。


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最終更新日  2026年08月14日 06時35分22秒コメント(0) | コメントを書く


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