金融庁が開示府令という規則を改正して、年間1億円以上の報酬を受け取っている役員を開示しようとしています。「役員」ですから、取締役のほかに監査役も含まれるはずです。監査役で1億円以上を受け取っている人がそんなに多くいらっしゃるとは思えないのですが、もし該当する人がいれば、その人は個人名と報酬額が明らかにされます。

さて、監査役とは、ごく簡単に言うと、会社の取締役が正しく会社を経営しているかをチェックするのが仕事です。そのチェックをするためには会社の財務諸表や内部資料を確認したり、取締役会に出席したりしなければならず、法的な知識が必要であり、それなりに時間を取られる業務です。そのためにはいくばくかの報酬を得なければやっていられないと思います。
そこで、この報酬ですが、実は自分がチェックしている会社から貰うのです。明らかにここに矛盾があります。自分がチェックするにもかかわらず、自分の報酬額が書いてある書類を見て、その自分の報酬額が妥当かどうかを判断するのですから、変ですよね。
しかも監査役に就任する際には、内実というか実際の流れとして、その会社の社長が任命するのが通例です。社長の立場から見れば、自分(=社長)にとって都合のよい人を任命して、あたかも抜擢したかのように取り立てたフリをして、安い報酬にしておけば安心なのです。
監査役の報酬を開示するなどと瑣末なことを言ってないで、この監査役の就任の仕組みそのものを変更することを考えて欲しいですよね。つまり、監査役は社長が選ぶのではなく、第三者機関から任命されるようにすれば良いのです。
たとえば、東証上場会社であれば、監査役は東証から派遣されるってのは、どうでしょう?東証では監査役候補者を育成し、常時1万人ほどの監査役候補者を抱えておき、一定年数が経過すると監査役を入れ替える、そしてこれらの監査役は東証から報酬を受取るってことすれば、チェックはまともに機能するし、監査役が社長におもねることも無いでしょう。

上場会社以外の会社については、例えば監査役協会が東証と同じような機能を果たせばよいのではないかと思います。ともかく、制度の細かな点を突っつくのではなく、問題の本質を追求して改善することが何よりも大切なことだと思います。
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和活喜さん