仕事の関係上、国際会計基準(IFRS)の動向が気になります。IFRSとは、日本語訳を見ていただければお分かりのように、世界各国でばらばらな企業の財務諸表の作り方を世界基準に統一して、各企業の業績が一目で分かるようにしようというもので、ヨーロッパを発火点として、世界に広まりつつある制度で、ヨーロッパ各国のほかオーストラリアや香港、中国、韓国でも採用されているか、あるいは採用予定です。

そもそもヨーロッパ各国で広まっていたのですが、アメリカでは当初は相手にしていませんでした。ところが、ご存知のようにエンロンやワールドコムが経営破綻したことにより、アメリカの基準(US-GAAP)は信用できないとの疑惑が起こり、アメリカの企業もIFRSを採用したほうが良いのではないかという気運が一気に高まりました。
GAAPとは、企業の財務会計の作成と報告を行なうルールとして定められた”Generally Accepted Accounting Principles”(一般に(公正妥当と)認められた会計原則)の略称であり、アメリカの基準をUS-GAAPという。
日本の会計基準は、日本独自のものでJAPAN-GAAPとも呼ばれて区別されていますが、その考え方の基本は細則主義といわれるUS-GAAPと同じものであり、原則主義であるIFRSとは異なるものとなっています。アメリカがIFRSの採用に動いたことにより、日本がいつまでも自国基準にこだわっていると世界から取り残される可能性もあり、アタフタとアメリカに追従しようとして、2015年若しくは2016年から強制的にIFRSを導入する方向としました。それで、とりあえず2012年にIFRSを取り入れるか否かを最終決定することにして、一定の基準を満たした企業に2010年3月期からIFRSで財務諸表を作成することを認めました。
ところが、2月24日にSECが発表したコメントによると、引続きIFRSを採用する方向で検討することにはしたものの、日本が2010年から認めた早期にIFRSによる財諸諸表を作成して提出することをアメリカでは止めてしまいました。これは、もしかするとアメリカはIFRSを強制適用しないのではないか?、IFRSを採用するにしても全面的な採用ではないのではないか?との憶測が駆け巡っています。
一気にトーンダウンした感のあるアメリカSEC当局のコメントに対して、日本はどういうスタンスをとるのでしょうか?日本の企業の大多数は、従来どおりの日本基準を希望していて、IFRSなんか採用したくないというのが本音だと思います。
アメリカが採用するので仕方がないから、日本も採用しようか?というような自主性の無いスタンスで望んだような気がする日本のIFRS採用騒動ですが、アメリカが止めたら日本も止めるのか、各企業では本音のところではIFRSの強制適用を止め、せいぜい任意適用で済ませることを望んでいるのでしょうが、そうなると日本のあやふやな態度が国際的に非難されるのは目に見えていますよね。
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和活喜さん