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阪神・スタン、ナイター負けなし３勝目！

　「試合前からカーブをたくさん使っていこうと決めていたんだ」

　前回５月８日（甲子園）のデーゲームで四回途中７安打５失点と打ち込まれた鯉打線の対策もバッチリだった。答えは虎入りしてから、書き込み続ける一冊の野球ノートにある。「どういうカウントで打たれたとか、もっと勉強しないといけないからね」。いつもバッグに忍ばせ、試合に臨む。イニングの合間にはペンを走らせ、打者の特徴をインプット。「プラン通りに投げられたよ」。１１０キロ台のカーブを軸に、最速１４８キロの直球を生かした好投は普段の努力の賜物といえる。

　これで、日中の４試合は０勝１敗、防御率１２・１９に対し、ナイターは６試合で今季の勝ち星すべてを挙げ、防御率３・１９。安定感は増すばかりだ。ただ、山口投手コーチは「（夜に）結果は出てるわな。でも、（デーも）どこかでクリアしてもらわなあかん」と言い切った。

　当初は１９日のデーゲーム・横浜戦（横浜）で先発予定だった。が、同カード１８日の雨天中止の影響で登板日がずれこんだ。そんな、ラッキーも重なった！？　なんて言わせないためにも、「メンタルの問題」と話す、苦手克服が今後の課題となりそうだ。

　「あんまり夜に強いとか言われると、頭で考えてしまうから、やめてくれよ」

　試合後、苦笑いを浮かべた助っ人右腕。その表情には充実感が漂っていた。

阪神・ブラゼル、美技＆巧打タイムリー！

１００万トンハンマーを小槌に持ち替えた。５試合連続で、白球を客席へ送り届けてきたブラゼル。だが、一発の“しびれ”も勝利のそれに劣る。チーム愛とパワーみなぎる男。連続本塁打は止まったが、ダメ押しの２点タイムリーに、笑顔が弾けた。

　「（九回は）最初の２ストライクまでは、ホームランを狙ったよ。だけど、ヒット狙いに変えたのさ。残念？　確かにそれはある。だけど、チームのために切り替えることができたよ」

　「ああいう打撃をしてくれると、悪くなることはない」。一見、重そうな戦車の“小回り”に、こちらも笑顔。賛辞を送った。

　一回には、守りでも貢献。先頭・東出の頭上を越えそうな一塁へのライナーを、ジャンプ一番で好捕。９５キロの巨体が、華麗に宙に舞い相手の出鼻をくじいた。

　前日２２日。１９８６年に真弓監督が記録した５戦連発に並んだ。バース（阪神）と王貞治（巨人）の持つ７試合連発の日本記録も視界に入っていたが当の本人は、どこ吹く風だった。

　「数字を気にすると、どうしてもおかしくなってしまう。新聞に目を通したりしてブラゼルももちろん（記録は）知っている。どういう意味？　って聞かれることもあるよ」。大木通訳が、無関心の『謎』を説明する。五回にも中前打を放っており、３戦連続のマルチ安打。記録は止まっても、勢いは止まりそうにない。

阪神・平野、５戦連続安打「自分の仕事」

平野が攻撃を加速させた。一回無死一塁から、二ゴロの進塁打。二回二死一、二塁では右前打を放って５戦連続安打とした。七回、九回にも２つの犠打を決め、すべてが得点につながった。交流戦中には、今季ここまで３打点に、「悔しいけど」と漏らしながら、「自分の仕事ができれば」。貴重なつなぎ役として、守りの要としてチームを支えている。

阪神・大和、猛攻火つけ打「いい状態」

４点猛攻の火つけは大和だ。１点リードの九回、先頭で左前打。続く鳥谷の３球目でスタート。ランエンドヒットとなり、一気にホームを踏んだ。「塁に出ることだけを考えていました。たまたま、いいところに飛びましたね」。これで４打席連続のヒット。「いい状態ですね」と、“守備の人”が打撃でも存在感を見せはじめた。

阪神・新井、二塁打で好機つないだ！

新井が、２点追加した後の九回一死一塁、右翼線二塁打で好機をつないだ。前日２２日の一回の先制打の後は１０打席無安打。数度の好機にも快音がなかったが、右方向への素直な打撃で猛攻を拡大した。１５安打を放って本塁打なしのチームを象徴するような打撃。和田打撃コーチは、「ドカンと打って勝つの試合が多いけど、きょうはつないで、つないで勝ってくれた」と目を細めていた。

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