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阪神・メッセ、１２奪三振で完封「しびれた。最高の気分」

　序盤はカーブで空振りを奪い、中盤以降はフォークボールの割合を増やした。１点の援護をもらった直後の九回は「５－０くらいの気持ちでリラックスしてマウンドに上がった」。先頭に四球を与えたものの、最後は菊池を中飛に仕留めて相好を崩した。

阪神・メッセ、初１－０完封！「アリガトウ福留サン」

フィナーレ直前の激しい雨は、逆に右腕のたくましさを引き立てた。１１９球のシャットアウト。マウンドを守った阪神・メッセンジャーは、緊張感を楽しんでいた。

　「両軍合わせて４安打でしょ。しびれたね。１－０だけど、５－０くらいの気持ちで、リラックスして投げたよ」

　試合時間は今季両リーグ最短の２時間。軽快な一戦を演出したのは、もちろん２安打完封の右腕だ。一回に連続三振で滑り出して、四回まで無安打。五、六回は先頭に安打を許すも、最後まで二塁を踏ませなかった。今季２勝目は、昨年９月２３日のヤクルト戦（甲子園）以来の完封。「１－０」の緊迫した試合での完封は自身初だ。

　「直球の制球がよかったよ。あとはカーブとフォークもよかったね」

　序盤から１１０キロ台のカーブを巧みに混ぜて、鯉打線に的を絞らせなかった。悪天候で開始が３０分遅れても問題なし。その時間を使って、初めてバッテリーを組む鶴岡と入念な打ち合わせを行った。

　「しっかり話し合いをして、予定通りの投球ができたよ。鶴岡さんのおかげです」

　１２奪三振は自己最多タイで、今季４３奪三振はリーグトップ。昨季からクライマックスシリーズも含めた広島戦の連敗も「５」で止めた。

　「ボンズが７５６号を打った日かな」。米大リーグ・ジャイアンツでリリーフを務めた２００７年８月７日（現地時間）。同僚のバリー・ボンズが、ＭＬＢ新記録の通算７５６号本塁打を放った。その試合に中継ぎで登板。世界中が注目した瞬間を肌で感じた男は、その感動を今に移した。

　「あの時は最高の雰囲気だったけど、きょうも負けず劣らずだね。声援には、いつも本当に背中を押してもらうよ」

　しびれる結末と虎党の興奮も「投」の主役がいてこそだ。先発の柱は、やっぱり頼もしい。

コイ初完封！阪神・メッセ、斬った斬った自己最多タイ１２Ｋ

阪神・メッセンジャーが自己最多タイの１２三振を奪う力投で今季初完封を飾った。

　◎…阪神・メッセンジャーが、自身最多タイの１２奪三振。２０１２年９月５日の巨人戦（甲子園）、１３年８月１３日の広島戦（京セラＤ）に続き、３度目

　◎…メッセンジャーの完封勝利は１３年９月２３日のヤクルト戦（甲子園）以来、２１８日ぶり６度目。広島戦では初めて。１－０での完封勝利も自身初。２－０は２度ある

　◎…阪神が１－０で勝ったのは１３年８月１７日のヤクルト戦（京セラＤ）以来２５５日ぶり。先発の鶴が７回無失点、２番手で松田が登板し、最後は福原が締めた

　◎…阪神の１人の投手での１－０完封勝利は、１１年６月１４日の日本ハム戦（甲子園）の岩田以来１０５０日ぶり。０－０の九回二死、関本の適時打でサヨナラ勝ちした

阪神・鶴岡、千金二盗刺し！先発マスク９試合８勝

悩めるメッセに自信を与えた。阪神・鶴岡が初めてコンビを組んだメッセンジャーの完封勝利をお膳立てした。

　「メッセがあれだけ良かったので、自分ものせられた」

　１－０の九回無死から代打・田中を四球で歩かせたあと堂林を捕邪飛に打ち取った直後だ。代走・赤松の二盗を刺し、反撃を許さなかった。一回にも二死から四球で出塁した丸が二盗を試みたが、矢のような送球でアウト。機動力野球が自慢の広島の足を封じ込めたのだ。

　メッセンジャーとの初タッグで、首位広島との初戦を制した。鶴岡が先発マスクを被った９試合は８勝１敗。右足甲の負傷で登録抹消された藤井、Ｄ４位・梅野隆太郎捕手（福岡大）、さらに１軍に昇格した清水らがいるが、勝率・８８９で群を抜く。

　「正捕手？　意識はしていない。与えられたチャンスでがんばるだけ」

　ＤｅＮＡにＦＡ移籍した久保の人的補償で、虎に加入した。開幕は２軍スタートだったが、決して腐らなかった。

　和田監督は「キャンプから投手陣を１人でも多くという気持ちで受けていたし、試合前にもスコアラー室にこもって、いろんな資料を見て準備している。それが、そのままゲームにつながっている」と陰の努力を称えた。

　プロ１９年目。勝利の美酒に酔うことはない。「チームが勝ってよかった」。虎１年生のベテラン捕手が、虎投を引っ張っていく。

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