「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2019.04.11
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カテゴリ: 美術館・博物館
​​​​​​​​​​​​15世紀~16世紀にブラバント公国で活躍した画家『ピーテル・ブリューゲル』について


ブリューゲル・・・とは? 
Pieter Bruegel de Oude

(1525年・1530年頃~1569年9月9日没)

16世紀に活躍したベルギーの画家、素描家、銅版下絵画家。

初期ネーデルラント絵画の巨匠である。

農民を題材にした作品を多く描き「農民ブリューゲル」と呼ばれた。


ブラバント公国は、現在のベルギーとオランダを中心とした地域でした。

美術史の上では・・・

初期ネーデルラント絵画と呼ばれております。



ヤン・ファン・アイクに始まる

初期ネーデルラント絵画の

最後を飾る巨匠であります。


当時のフランドルは、

世界に冠たる商業の中心地として

繁栄を謳歌する一方、

スペインの専制的支配に苦しんでもおりました号泣


後に神聖ローマ皇帝ともなった

「カルル5世」1500年~1588年

は、ゲントに生まれた事もあり

フラマン語(オランダ語)を話し



その後継となったスペイン王

フェリペ2世(1527年~1598年)は、

異母姉マルガレータをネーデルラント総監とし

自らは、生涯スペインを離れることがなかった。

彼にとってネーデルラントは、



ネーデルラントの悲劇は、

ここに始ったのであります号泣


ブリューゲルが活動した16世紀半ばは、

まさしく、このフェリペ2世の時代でありました。

数点の風俗画を別にすれば・・・

諷刺にあふれ

民族的エネルギーに形を与えたかのような

ブリューゲルの騒然とした世界が

ヤン・ファン・アイクの静謐な世界の

後継ぎであることを認めるには大きな困難が伴う。
(違いすぎ・・)

初期ネーデルラント絵画は・・・

その開始を告げるファン・アイクと

最後を飾るブリューゲルとの間で

相違ばかりが際立つのでありますが

政治・社会情勢の変化を考慮すれば

こうした変化をある程度は、

説明できるかもしれない。


現在、ブリーユーゲルの作品の大半が

地元である「ベルギー」にはありません号泣

ウィーンに多くあるというのは、

こうした当時の政治体制のためであります。


【ウィーン美術史博物館】所蔵の作品は

『バベルの塔』

『十字架を運ぶキリスト』

『雪中の狩人』

『農民の婚宴』など12点あるのに比べ


ベルギー国内では・・・

【ブリュッセル王立美術館】と

アントワープ【マイエル・ヴァン・デン・ベルグ美術館】など

合計でも10点ほどであります。

地元においては、

ブリューゲルの影が薄くなっている訳であり

過去の政治的な事情で

地元のお宝が

現在では、外国の所蔵となってしまう事は

ブリューゲル独特の世界が描かれた作品は、

ベルギーにあってこそだと考えると

残念に思います。


ベルギー国内の主な作品は・・・


『ベツレヘムの戸籍調査』 1566年
 ベツレヘムの人工調査

蘭: Volkstelling te Bethlehem
英: The Census at Bethlehem
116cm×165cm
油彩
【ベルギー王立美術館】古典美術館
 予習なので写真は、ありません。

ベルギー北部のフランドル地方の冬の農村で

スペイン・ハプスブルク家の支配下で戸籍調査が行われ

人々が、税金を取り立てれれている様子が描かれています。

時刻は、

日没寸前の夕暮れの薄暗くなった頃ですね!

前景の中央やや右寄りで

青みがかった上掛けをはおり

ロバの背に乗っている身重の女性は、

「聖母マリア」である。

大工であることを示すのこぎりをかつぎ

ロバを引いている男性は、夫のヨセフである。

ヨセフが指さす方向にある居酒屋が

臨時の税金徴収所になっている。

リースの右、氷柱の下がったあたりの壁に

アプスブルク家の双頭の鷲の紋章が掲げられている。

ヨセフが戸籍調査を受けるために

イエスを身ごもった妻のマリアをロバの背に乗せて

ベツレヘムに来たのである。

これは、新約聖書の

『ルカによる福音書』の中にみられる一節である。

ブリューゲルは、

新約聖書の世界を彼の生きた時代の

フランドルを舞台にくり広げてみせたのであります。

居酒屋の前では、

冬の典型的な営みである

豚の食肉処理が行われています。


『イカロスの墜落のある風景」 1556年-1558年
Landscape with the Fall of Icarus
73.5cm×112cm 油彩・板 
ブリュッセル【ベルギー王立美術館】所蔵

巨匠=ピーテル・ブリユーゲル初期の代表的な作品。

古典神話を題材とした現存する唯一の作品である。

オウィディウスの転身物語より

クレタ島の王ミノスに仕えた

伝説的な名工ダイダロスが

自身の裏切りによって

ミノス王に捕えられている息子イカロスの救出をもくろみ、

息子イカロスに蝋と羽でできた翼を与え

空から脱出を試みるも

脱出途中で興奮した息子イカロスが

空高く舞い上がったために太陽の熱で蝋が溶けて

海へと墜落して死んでしまう『イカロスの墜落』の場面

イタリアでの修業からの帰国直後に描かれたと思われ

この作品では・・・

イカロスは、とても小さく

画面右部分の帆船の下に下半身だけが描かれ

画面の大部分は、農耕に従事する民の姿と

ブリューゲル初期様式の特徴である

高い位置の視点による風景描写によって占められており

構成は、ほぼ忠実に転身物語の記述に従い描かれているも

水平線に近い低い位置に描かれている太陽に相違が認められる。

また一部からは、老農民の姿に

「人が死しても、鋤(すき)は休まぬ」という

ネーデルラント地方に伝わることわざの解釈が指摘されている。


『悪女フリート』 1562年
Dulle Griet(Mad Meg)
油彩・板
115cm×161cm
【マイヤー・ヴァン・デン・ベルフ美術館】所蔵

農民画家ピータル・ブリューゲルを代表する諷刺がのひとつ。

制作の経緯は、現在も不明である。

一般的に当時流布していた男性を支配する強い女性の主題を意図に

手におえない性格の悪い女を象徴する名称フリートから

「地獄の入口で略奪し、無傷で帰還した」という

フランドルのことわざを描いたとされております。

中央やや左寄りに描かれる悪女フリートは、

右手に家庭と生活を象徴する

食糧や食器の入った鍋を持っている。

そのまわりに徘徊する異教的な生物(悪魔)は、

先人ヒエロムス・ボスの多大な影響を感じさせ

画面右部で悪魔と対峙し闘争する女性(主婦)群像は

当時の社会において強さを増した女性たちに対する

ブリューゲルの鋭い考察と風刺を示している。


『叛逆天使の墜落』 1562年
 ​はんぎゃくてんしのついらく​
蘭: De val der opstandige engelen
英: The Fall of the Rebel Angels
117cm×162cm
油彩、パネル(オーク材)
【ベルギー王立美術館】所蔵

ブリューゲルが・・・

アントウェルペンを拠点に活躍していた

36歳頃の作品であります。

キリスト教の世界観に基づく宗教画。

高慢や嫉妬のために神に逆らい

天界を追放された「叛逆天使」堕天使たちと

それを追い払う大天使ミカエルに率いられた

天使の軍勢との戦いを描いた作品である。

この主題そのものは、

伝統的な画題で、

従来は、天使を強調して

善の圧倒的な勝利を描くものであった。


ブリューゲルの作品では・・・

混沌とした画面構成で乱戦の様相を呈し

善と悪、美徳と悪党のせめぎ合いを描いたものとなった。

画面上部に円形の至高天が描かれ

そこからもつれ合い墜落するにつれて

悪魔と化していく堕天使(だてんし)たちは、

人間、獣、は虫類、魚、貝、昆虫、植物、楽器など

無数の生物、無生物を合成した怪物として描かれている。

その意匠の中には、

制作当時新大陸から紹介されたばかりの

アルマジロの姿が取り込まれているなど

ブリューゲルの博物学的関心がいかされている。

これに対するミカエルたち天使は、

長剣を振るって戦っており

剣の極めて詳しい描写から

絵の注文主は、刀剣ギルドではないかとする説もある。

多くの小さな人物の間に中心となる人物を配する構図は、

ブリューゲルが好んで描いたものであります。


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最終更新日  2019.04.11 00:10:19
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