「きらりの旅日記」

PR

カレンダー

プロフィール

ほしのきらり。

ほしのきらり。

2023.01.09
XML
カテゴリ: 歌舞伎
煩悩に負けた景清が「解脱」に至るまでのお話です〜なんと美しい景清さんです手書きハート



げだつ
​「解脱」​

解脱 (げだつ)・・・とは?​

「景清物」と呼ばれる演目のひとつ。

源氏に怨みを抱く悪七兵衛景清が、

煩悩から解放され解脱に至る。


宝暦10年(1760年)3月江戸市村座、

四世團十郎による『曽我万年柱』の

所作事『鎌入解脱衣』を初演とするのが通説。



大正3年(1914年)に、

二世市川左團次が山崎紫紅脚本で復活した作と、




十世團十郎が山﨑紫紅脚本で復活した作がある。


十二世團十郎は、

吉井勇脚本を用い、

平成4年(1992年)1月国立劇場で上演している。


十三代目團十郎は、

平成26年(2014年)1月新橋演舞場で、

川崎哲男・松岡亮脚本の『毒三升景清』を作りあげた。

9月南座でも再演している。

​​​

(十二代目市川團十郎さんのお話より)

歌舞伎十八番の中には 『景清』

『関羽』『鎌髭』『蛇柳』 といった景清物があり、

『解脱』 もその一つです


『解脱』は・・・

四代目の当たり役でしたが、

原作は残っていません

その後、



二代目左團次が復活上演し、


昭和7年には、祖父:三升が、

山崎紫紅の脚本で上演しています。


平成4年、国立劇場初春歌舞伎公演で

『解脱』を上演することになり、

できることなら、

祖父の演じた『解脱』を再演したいと思いました。


しかし、この脚本では、

登場した景清は、

すぐに釣鐘の中に入ってしまい、

主役としての活躍の場がありません!


結局、左團次さんが、

演じられた脚本を基に、

国立劇場の方と再検討して上演にこぎつけました。


【国立劇場の解説】とは?

景清は、

京の清水寺に身を隠し、

平家再興の機をうかがいながらも、

遊女阿古屋と馴染を重ね、

酒に溺れる放蕩三昧の日をおくっていました。


梶原平三景時の計略で、

釣鐘に閉じ込められた阿古屋を

なんなく救い出した景清ですが、

平家の重痣丸をめぐる争いに負けてしまいます。


己の放埒を恥じた景清は、

煩悩の原因でもある阿古屋を再び釣鐘に閉じ込め、

「平家滅ぶも滅ばぬも、

 みなこれ蜉蝣 (かげろう) の夢」

と悟り、

解脱するというのが「あらすじ」です。


 解脱とは煩悩の束縛を解き、

 世俗の苦しみから脱するという仏教語です。


 景清を迷わせた阿古屋は、

 九代目澤村宗十郎さんが演じてくださいました。


景清は、

「牢破り」「錣引 (しころびき) 」という

怪力伝説のある武将で、


『解脱』には、

大きな釣鐘を持ち上げて、

超人振りを発揮する見せ場があります。


この場面は、

歌舞伎十八番の荒事らしい絵面になるように熟考しました。


きのこ雲のような不思議な形をした景清の髪は、

錦絵の中から探しだしたものです。


また、

解脱した景清の衣装は、

黒地に北斗七星に象徴させてみました。

『解脱』には検討したいところがたくさんあります。

(参考文献:新版歌舞伎十八番/十二代目市川團十郎著より)
(写真撮影:ほしのきらり)

​​​​
無形​文化 世界遺産にぽち にほんブログ村 旅行ブログ 世界遺産へ ​​​​​ ​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.01.09 00:10:12
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: