つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2009.06.27
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カテゴリ: Other topics



記憶はおぼろげですが,公開(1984)から数年後ころに,テレビ放映されたものを観たことがある気がします。この奇妙な世界をどう思うと面堂に,訊かれたラムが,とっても楽しいと答えた後の,水鏡が広がるシーンの印象が強烈でした。ウィキペディアを読んで知ったけれど,ナウシカと同じ年の公開だったんですね。

ある期間が永遠に繰り返されるという設定は,たぶんSFでは何度も使われてきたことでしょう。私が思いついた作品は,星新一『白い服の男』(新潮文庫)のラストに収められているショートショート「時の渦」です。ラストの種明かしは賛否が分かれるかもしれないけど,星さんとしては皮肉だったのではないでしょうか。それはともかく,普通の男の視点から描かれる非現実的な世界が淡々と述べられる文章に,とても奇妙な心地よさを覚えます。

最近読んだものにも,たぶんこの映画へのオマージュでもあると思われる短編があります。涼宮ハルヒシリーズ第5作『涼宮ハルヒの暴走』に収められる「エンドレスエイト」。高校生の男女,終わらない夏,甘美なモラトリアムの記憶,こういった手垢のついた設定に,どうして私たちは飽きもせずノスタルジーを仮託できるのでしょう。

と疑問文で書いてはみたもののそんな問いに答えるつもりもなく,いいよなあとつぶやきながら私は甘美な余韻に浸ったままでいるところです。現実もしばらく夏日が続きそうですから。








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Last updated  2009.06.27 21:59:28 コメントを書く


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inalennon @ Re[1]:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子(09/19) フィンちさん >この世は なんてままなら…
フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
inalennon @ Re:4年はあっという間(03/04) ハオさん >バーチュー&モイヤー組見…
ハオ@ 4年はあっという間 バーチュー&モイヤー組見ました。 優雅…

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